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きみがいれば大丈夫
te no naru hou e
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
やー…!
恐竜とか虫とか吸血鬼とか、いろんな種類の攻め様の小説を読んできたつもりだったんですが、のっぺらぼう、という設定は初めて。
BLの可能性は無限大だなあ、としみじみ。
とても面白く、ジーンと胸に沁みるお話でした◎
のっぺらぼう × 中途失明者の青年。
のっぺらぼうといっても、唇は自由に出したり消したりできるという設定。
その唇でキスしたり吐息を吹きかけたり…
な、なんか普通の人間がするよりも官能的で艶めいた匂いがするのは何故…?
「顔がない攻め」って、挿絵ではどうなるんだろう、と思っていたら、めちゃ格好良いではないですか…!
うまい具合に、”顔のない部分”は隠れているんですが、イケメンなのが伝わってくる素敵なイラストでした。小椋ムク先生、すごいです。
内容です。
昔々、他の妖怪たちから「顔がないから」と仲間はずれにされた寂しがりやの妖怪・のっぺらぼう(攻)。
彼は猫の妖怪から鏡をもらうまで自分には”顔がない”ことを知らず、初めて事実を知った時に衝撃を受け、狐のお面で顔を隠すようになります。
ひとりぼっちで愛する誰かを待ち、二百年経ち──。
コールセンターで働く中途失明者の巽(受)は、職場では黒一点、ほぼ誰からも話しかけられず、浮いた存在でした。
そんなある日、偶然いつものランチタイムを過ごす公園で草枕(のっぺらぼう)に出会います。巽が目が見えないことを知ると、びっくり、でも興味を持ったように色々と質問されます。
その日からランチタイムを一緒に過ごすようになり、二人の距離は縮まっていくのですが、それと同時に巽の自宅に何者かが侵入し、夜の間に巽の体に悪戯をするという現象が起こり始めてーー
と続くお話です。
自分には「顔がない」ことを巽に知られたくない草枕が「触りたい」と言った巽を拒否するシーン。
巽と草枕、どちらの気持ちも分かるだけに心が痛み、うううう…と胸が苦しくなりました。
”大事なのは見た目じゃない”と言ってしまうととても軽く、綺麗事のように感じるけれど、この二人の間に少しずつ築かれていったものはまさに「見た目」や「美醜」を超えた繋がりなんだなあ、と。
最後にはお狐様から巽への大きな大きな贈り物もあり、やっと全てをさらけ出せる相手を見つけることができた草枕に、「良かったねえ…!( ; ; )」と言いたくなりました。
妖怪たちの飲み会や、最後のおまけSSに出てくる”トマト妖怪”など愉快な描写もたくさんあって(「トマト妖怪」できればイラストで見てみたかった〜!!)楽しかったです♪
妖怪と人間。
その間にはどうしても立ちはだかる”寿命の差”という問題が、最後まで解決されないというのも個人的にはとても良かった。
限りある時間だからこそ、二人はこれから大切に大切に共に生きていくんだろうな…と。(そこもお狐様がなんとかしてくれないかな…とかちょっぴり思いつつ。。)
種族もコンプレックスの壁も越えて愛し合うようになる二人の、素敵な素敵な恋物語でした✨
栗城先生初読みでした。
妖怪モノが読みたくて、先行くお姉さま方の評価を当てにして購入しました。
よかった・・・よかったです・・・。
障がい者であっても決して気弱ではなく、社会生活を普通に送ろうとしている姿勢の
主人公に好感がもてました。
最初は会社の人たちに冷たいなあ・・・でも現実ってこうなのかなあ・・・
と悲しくなりましたが、
途中から心強い若手wが現れてから、会社内でも味方がいいることに
気づけた主人公のモノローグが無理なくよかったです。
ちょっといや、だいぶ意外な告白をした人物がいた以外は、穏便にいってよかったなと。
その人物は少女性と高慢を持ち合わせた鼻持ちならない感じだったので
いなくなってくれてすっきりしました(ひどいけど)
ゆっくり少しずつ両片思いの感じを育てていた二人が
無理やりっぽく体をつなげてしまうところがマイナスポイントでした。
やはり先ゆくお姉さまの評価は間違いないですね・・・。
番外で体の関係になってもよかったのでは、
無理に本編にいれなくてもよかったかな、と思いました。
それでもいままで読んだBL小説では、なんとなく違和感があった主人公の心の動きが
この作品では感じることがなかったので、自然でよかったです。
やたらモノローグがあったり、やたら状況説明がはいったりするのが
私的に違和感だったんですよねー。。。。
そこを説明ではなく、動きと流れで自然に感じられたので他の作品も読んでいこうかなと思います。
いたずらが度をすぎる妖怪もいるけど、
みんなわいわいするのが好きな妖怪ばかりでしたので
ほんわか妖もの好きな方、おすすめです!!
ネタバレがっつりです、ご注意下さい。
あらすじを全く読まず、評価の高さと設定で購入を決めました。和製ファンタジーは大好物ですし、攻めが『のっぺらぼう』という予測出来ない方向性のキャラクターで、良いなと思いました。
プロローグ『めんない千鳥の啼く夜』が書き方も古風で、私の和製ファンタジーを読むスイッチが入りました。
しかしプロローグとはうって変わり、巽目線の本編『手のなるほうへ』はあまりに現代の話で面食らいました。
なんか思ってたのと違うぞ…と思い始めたのは巽の働く会社について、細かい描写が出て来たところ。
巽は目が見えないことが原因で、1人の社員との間に軋轢が生まれてしまい、社内では上手くコミュニケーションがとれていません。巽は病気で、徐々に視力を失っていった中途失明者です。(そう呼ぶのですね、今作で初めて知りました)
中途失明者の生活様式や、晴眼者との関わり方に関する描写が明朗で、ふむふむそうなのか…読み応えがあるな…と中盤まで読み、これ和製ファンタジーではないんだ、と気がつきました。会社の人間関係やそこからの展開は面白そうだけど、随分妖怪要素が絡んでこない…草枕が巽の前に現れるシーンも、なんだか淡々としており、"妖怪"でなくても成り立つ関係性で物語が進むので、落胆しました。
巽が草枕と関わり始めてから、巽に不気味なことが起こるようになります。部屋のものの位置が変わったり、自室で第三者の気配を感じたり…家に誰か居るのではないか、でも確認のしようがないと巽は苦悩します。
うーん…これは怖いし、巽は目が見えないので余計に気持ち悪い展開ですが、妖怪が関わるものとしてはインパクトに欠けるように感じました。草枕が状況を改善したので、人外的な作用だとわかりますが、社内で怪しそうな人とかも居るし、現実的な巽目線の話が些細に書かれ過ぎていて、妖怪要素の良さが見えづらいです。
やっぱり展開が地味で、いっそ妖怪設定いらないし、もしも顔にコンプレックスのある男と目の見えない男の出会いと日常の話だとしたら、先生の文体も相まって双方に共感でき、作品の傾向もまとまって面白いのでは?と思いました。
そして、物語後半で登場人物的にも、1つの物語としても悲惨な展開に入ります。
巽が妖怪からレイプまがいの行為を受け始めます。挿入なしで悪戯されるような書かれ方でしたが、一度二度ではありません。
な、なにこれ…?
中途失明者という、弱の立場の巽をあれだけしっかり描写しておきながら強姦未遂。
予想外に胸糞悪い展開に、更に追い討ちをかけるように、助けに来た草枕までも性急に巽を抱いてマーキングします。そして嫌がらない巽。なぜ嫌がらない、巽。作中必要なこととはいえ、ムードもへったくれもなく、置いてけぼりにされました。
ボーイズ・ラブの、ラブの部分を端折られた感じがして、どう捉えたらいいのかわからなくなりました。
その後は妖怪パートへ突入。しかし、現代編のよく練られた設定と比べ、全てにおいてふわっとしていました。場面背景がわかりにくい上、とってつけたような設定で困惑しました。栗城先生は、ノンフィクション系の描写の方が向いていそうです…
本編は非常に、中途半端なところで幕切れします。
主に共感出来なかった部分について書いてしまいましたが、タイトルは全て趣があって気に入っています。特にエピローグにあたる『春宵一刻』が好きです。サブキャラにろくろ首の春宵というキャラクターが出てくるのですが、個人的に『春宵一刻値千金』という言葉が好きで、大変に親近感を覚えました。エピローグでは、人間との親交が深い春宵が草枕に対し、人間と妖怪の持つ時間差について釘を刺します。
先生は春の宵を値千金という意味ではなく、とても淡い、僅かな時間という意味合いで使われたのかなと感じました。
文中の言葉選びや、巽目線の世界はすごく面白かったです。上でも書いたのですが、のっぺらぼうという設定が面白いのに浮いていて勿体なく感じました。
また、春宵の言葉で完全なハッピーエンドと受け取れないラストと、草枕の『200年待った』の意味が伏線のようでよくわからなかったので、評価は中立です。
評判がよさそうなのでずっと気になっていたのですが、なんとなく大事に読むのをとっておいていました。
が、ふいに「読むなら今日だ!」と思ったので、えいやっと読みました。
可愛かった……そして最強の癒し系のお話でした。
「めんない千鳥の啼く夜」
「てのなるほうへ」
「春宵一刻」
「特別版」
の四篇が入っている本作。
第一篇の「めんない千鳥〜」だけが攻め視点の過去話で、後はすべて受け視点の現代話でした。
そのため、攻めのつらく悲しく寂しい過去を知ってから現代のお話に入ることになるので、余計に二人の幸せを祈りつつ必死に読んでしまいました。
読み終えてから改めてしみじみと、優しくて生真面目な攻めが幸せになれて本当に良かったと思いました。
受けももちろん、幸せになれてよかったけど。
でもやっぱり、攻めが幸せになれてよかった!
その一言に尽きます。
読み終わって幸せな気持ちでいっぱいです。
1日たっても余韻から抜け出せません。
めんない千鳥の啼く夜
草枕の孤独がこれでもかと書かれています。他の妖怪が草枕に酷すぎる!
胸が張り裂けそう
てのなるほうへ
こちらは現代のお話。
巽の境遇に色々障害者に対する対応とか考えさせられました。
草枕に会いたくて公園に毎日通って、会話に一喜一憂する巽が可愛いですね。
草枕の気持ちが中盤までは謎だけど、同僚との関係をやたら心配したりランチ行かなくていいのか聞いたり。言い寄る女はいないかとか。
巽の同僚に好意を持たれてないか心配してたのかな?
毎日巽に会いたくて通ってたんだね
他の妖怪も草枕の応援?味見?のつもりか巽の部屋に忍び込んだり毎晩淫らなことをしたり巽と草枕にとっては迷惑です。
他の妖怪に巽が手を出されたことで草枕が激しい嫉妬を見せ強引に巽を抱いてしまいます。そしてもっと優しく順序を守ってしたかったと謝り落ち込みます。エッチがしるしつけに?これで他の妖怪は手を出さなくなるということ?
お山のボスにこれ以上妖怪に巽へ手を出させないでくれるよう頼みに行きますが、昔の借りを返すのになんと巽の目を戻してくれると!
草枕は顔を見られることより巽の視力を優先させた。
その後はぶじにお札を見つけ視力も元に戻り矯正すれば見えるようになります。
草枕との対面や他の妖怪たちとの交流など楽しくほのぼのお話は終わっていきます。
辛い過去や境遇を経たからこそ今出会えて良かった。
二人とも出会ってくれてありがとう。
草枕、もうひとりぼっちじゃないね!愛する巽がいるよ!
妖怪のみんながあんなに草枕のことをつまはじきにしたりからかったりしたのに話の後半で心を入れ換えて応援したり巽をさらって草枕を強制参加させ宴会したり、もっと早く草枕を受け入れてあげてたらとも思ってしまいます。
草枕と巽の寿命を考えるとせつなくなります。たくさん一緒にすごしてラブラブしてね!
昨年夏に続編が発売された時に書泉でペーパー復刻だったので同時購入して読み始めたものの部屋の中で行方不明に( ;∀;)
やっとサルベージできてやっと読むことができました( ;∀;)
何も情報入れずに読んで欲しい!
妖怪と人間のファンタジー。
イントロの「めんない千鳥の啼く夜」が秀逸。
ネタバレするのでできれば裏面の紹介文も読まないのお薦め。
とにかく素敵な物語。
哀しい場面もありますが、ほっこりもできます。妖怪達が可愛いですっ!
主人公が視覚障害者だけど、その設定が認識も改められる部分もあり奇異でもなんでもなくストンと普通の流れで読めます。
ファンタジーが苦手な方も、妖怪達が関わってくるだけで荒唐無稽なだけではないのでぜひ手に取ってみて欲しい本のひとつです。
小椋ムク先生のイラストが本当にぴったりで世界観彩ってます♪
やっと続編も読める~!
あまりBL小説って読まないんですが、表紙に惹かれて購入しました。
ファンタジーものも普段あまり読まなくて、どうかな?〜と思っていたんですが、現代が舞台だし割りと人間の生活に溶け込んだ妖怪たちばかりで、本格的なファンタジー!!ではなく、いい意味で緩いファンタジーなので気構えずまったり読めてよかったです。
受けの巽が眼が見えない(わずかに明暗が認識できる程度)の障害を持っているんですが、デリケートな題材である身体障害も、取って付けたような設定でもなく、ただ障害を理由にメソメソしているわけでもなく、時に理不尽な思いや嫌な思いもするけれど、障害に屈することなく何とか自立して前向きに生活している受けに好感が持てました。
一方、攻めはなんと『のっぺらぼう』
顔がない以外は普通の人間とあまり変わらない見た目なので、妖怪たちからは遠巻きにされて、人間からは妖怪だと恐れられ…数百年もの間 孤独で寂しい思いをして来ました。
顔がないことをコンプレックスに思っており、狐のお面でいつも隠しています。
受けは眼が見えないので、まさか攻めが『のっぺらぼう』だとは思いもせず、すっかり懐いて好意を持っていきます。
のっぺらぼうである攻めも、(眼が見えないからとはいえ)初めて自分を受け入れてもらえて、ふたりで過ごす他愛のない時間がさぞ居心地の良いものだったでしょう…
ほのぼのするし、優しく温かな気持ちにさせてくれる素敵な作品でした。
やっぱりこのタイトルつけたくて、先にレビューされているお姉さま方に
敬意を表して 3 つけてみました。
まさかののっぺらぼう攻め×中途失明者さんの受け・・・
本当にびっくり設定でした。
ぐずぐずに泣いちゃうか と思ってましたが
ちょっとせつない、でもハピハピほわほわ気分で読了できました。
いいお話。ので萌2.
少し前から手元にあったのですが、
どうにもこうにも ハンディキャップを持っている方々のお話を読むのが
ツライなあ と感じる期間だったようで、手に取れず。
最近になってようやく手に取れました。
せつない序盤。もうここで既にぐっすん状態。
独りぼっち って寂しいですよね。
最後の方で、そうなる原因を作った、他の妖怪たちも後悔していたことが
わかって、気持ちが救われました。
本当に愛すべき可愛い妖怪たち。
(いや 怖いんだよ、大首とか。でもなんか可愛い)
幸せ気分で終われる いいお話でした!
初心者でも大丈夫と思いますが、ちょっと異色作っぽいです!
中途失明者の巽は、いつもお昼を一人で食べている公園で、風に飛ばされたお面を拾ってくれと頼まれます。
それがきっかけで、巽はその狐面の持ち主・草枕とランチタイムを過ごすようになり、ちょっと浮世離れしてるけど真直ぐで優しい草枕に惹かれていきます。
そんな時、自分以外いないはずの部屋で物音がしたり、物の位置がずれていたりするようになり・・・と書くと何だかホラーかサスペンスものみたいですが(笑)、ほんわか心が温まる、妖怪との恋物語です。
すごく読みやすいです。
最近2段組の小説ばかり読んでいたから・・・じゃなく、絵が浮かぶような分かりやすい、読みやすい表現を選んで書かれているように感じました。
初読みの作家さんだったのですが、小説を普段あまり読まない方にもオススメできると思います。
何といっても吃驚なのが、妖怪・『のっぺらぼう』が攻め!!
設定萌え小説なのかと思って手に取ったのですが、全然違いました。いい意味で裏切られましたよ!
顔が無いことがコンプレックスなのっぺらぼう・草枕。初めて巽に出会った時には、巽が見えないことに安心したんです。顔が無いことを見られないから。
最初はそうだったけど、親しくなっていくうちに巽自身に惹かれていきます。
顔に触れたいと巽に言われて面を外したときの草枕の勇気、御簾裏に願う草枕の想いに胸が熱くなりました。
巽がいてくれたからこそ、最後の章では、あまり他の妖怪たちとも馴染んでなかった草枕が宴に参加するまでになって・・・草枕のそんな姿に、コンプレックスを乗り越える物語でもあるように思いました。
実際そう簡単にコンプレックスは乗り越えられないけど・・・作中にあるように、コンプレックスって「周囲がどう思っているか」よりも、「本人がどう思っているか」だと思います。自分自身の心の中の問題。
巽と出会うことで草枕の心がコンプレックスを乗り越えられたんです。
巽もハンディを背負っていつの間にかいろいろ諦めてて、草枕と出会うまでは自分が寂しいと感じていることさえ気付けなくなっていました。
会うべき人に出会えた二人・・・もう何て温かい物語!!とても良かったです!
春宵や他の妖怪キャラクターたちも魅力的で、本当にスピンオフか続編があれば嬉しいな、と皆様と同様に思っています。
草枕を揶揄い過ぎた妖怪たちも、巽に嫌がらせする山内も、根っこの感情は同じ。
山内さん、私は嫌いになれなかったなぁ・・・むしろ親近感(苦笑)。自分の思った通りに進まないと、仕事中は特にイライラしちゃいます。自分を振り返ってちょっと反省しました。
そう意味でも、心に残る作品でした。
実は栗城偲さんの作品はこれまでの実績から相性が良くない印象があって、こちらの本も積んだままになっていたのをようやく読みました。
…何故もっと早く読まなかった自分のバカヤロウ!と壁ドンする勢いで、大好きな作品になりました。小椋ムクさんのイラストがまた素晴らしくマッチしていて、妖怪と人間、のっぺらぼう、視覚障害者、男同士…などのやるせない事実がありながら、全篇にわたってとにかく優しくて温かい物語になっています。
もの哀しいプロローグにあたる「めんない千鳥の啼く夜」から始まって、表題作の本編、そしてエピローグと、面白くてドキドキする構成で、最後まで惹き込まれて読みました。
美醜に左右される恋愛というのはあって当然ですが、のっぺらぼうと言うのは…一つの究極の形ですね。ともすればシュールなコメディーになりそうな題材をこんなに素敵なお話にしてくれたことに感謝します。読めて良かったです。
続編があったら是非とも読みたいと強く思います。
このお話は答えて姐さんでご紹介頂きました。
イラストも可愛らしくて、とても素敵です。
のぺらぼう(草枕)と、中途失明してしまった男の子(巽)の話。
草枕はずっと200年待ってやっと出会えたんだね。
でも、たぶん巽のほうが先に死んじゃうかもしれないね。
だけど、二人が出会えてよかったと思いました。
ちょっと現実離れはしているかな…
私は違和感はそんなになかったけど。
巽の視力が、戻るのがやけに感動しました。
脇キャラの春宵も気になります。
ジブリアニメ
千と千尋の神隠しのような
雰囲気がありました。
中途失明の薄闇の中で孤独に生きている人間と、二百年生きている孤独な妖怪が結ばれるお話。
坦々と上品で味わい深い作品でした。
人の気持ちは、目が見えなければ見えない事もあるし、目で見えないからこそ見えてくる物もある。
見えない巽と、見せられない草枕。
二人の間にあるのは、言葉と、そして心の動く気配。
巽は視覚以外の、声音で、匂いで、空気の動きと、微かな熱で、草枕を好ましく思い惹かれていきますが、それが恋愛とはなかなか気づけません。
巽の、この奥手でウブな感じが読んでいて好ましかったです。
東京の真ん中に、今でもあるという「その場所」の主と、そこに集う妖怪達。
春宵のお話も、もっと詳しく知りたくなります。
栗城偲先生の本を読みたくなって、買ってみました。
一言でいえば、設定が面白い!
そして、とっても優しいお話でした。
このお話アワードノミネート作だったようで、もっと早くに読むべきでしたね。
読むのがちょっと遅かった…残念だなぁ。
表紙からもわかるように、妖怪たちが出てくるお話です。
非BL本にも人気の妖怪コミックや小説がありますが、私は昔からこの妖怪ものが大好きでして。
小学生の頃は、妖怪百科みたいな本も何冊か持っていたと思います。
かの有名な妖怪ものの作者の故郷へも旅行で行きました。
幽霊とは違って愛嬌があるといいますか、とても親近感がわきますよね。
お話の主人公である紺野巽(こんのたつみ)は、盲目の青年。
中学生の頃、完全に見えなくなりました。
そんな巽は、独り暮らしをしながらコールセンターで働いています。
いつもお昼休みには、近くの公園ベンチへ座ってコンビニで買ったものを一人で食べていて。
そんな巽の足元に狐のお面を落としてしまい、拾ってくれと頼むのが、もう一人の主人公である草枕(くさまくら)。
この出会いをキッカケに、お昼休みに話をするようになり。
徐々に親しくなっていきますが…?
お話は、三つにわかれていまして。
「めんない千鳥の鳴く夜」は少し昔の時代のお話で、草枕視点。
「てのなるほうへ」は現代のお話で、巽視点。
「春宵一刻」は本編後のお話で、草枕の友人である春宵(しゅんしょう)視点。
主人公以外の人物視点のお話はとても好きなので、最後の春宵視点のお話大好きです♪
巽と、巽の職場の同僚以外の登場人物が、ほぼ全員妖怪という。
しかもハッキリと何の妖怪か書かれていないものも多くて。
そこも何とも面白かったです。
視覚障害というデリケートな部分も、きちんと細やかに描かれていました。
私の使う最寄駅には視覚障害の方がとても多くて、時々お手伝いをする事もあるのですが。
杖の事だとか、色々知らない事もあり、とても勉強になりました。
今後駅などでお手伝いをするとき、ちょっとは役にたてるといいなぁ。
巽は、大人しくて真面目で几帳面なところもあり。
視覚障害があっても、卑屈になり過ぎないよう努力している頑張り屋さん。
意外に大胆な面(昼食の具材の話、草枕との交流など)があって、とても面白い人物で。
見た目は可愛いのに、酒豪というギャップも楽しいです♪
草枕は、人ならざるものである事と、自分の顔に多大なコンプレックスを抱えています。
とても優しい、そしてとても寂しがり屋な妖怪さん。
いつも言葉足らずですが、ひとつの言葉に沢山の気持ちを込めている気がします。
顔はアレでも心の美しい妖怪さんで、一緒にいてホッとする巽の気持ちがよくわかります。
書籍は文字が大きく読みやすいのですが、その分あっという間に読めてしまい、ちょっぴり寂しかったですが。
もしかしたら、春宵のお話もスピンオフになるかも?なんて期待もしています。
なるといいなぁ~♪
栗城先生、素敵なお話をありがとうございました。
小椋ムクさんの表紙に惹かれて買いました。初めて読む作家さんです。文章が読みやすく、展開もさほど無理なく進むので最後まで安心して読めました。
攻めはなんと、妖怪“のっぺらぼう”
人外や妖怪モノは数あれど、メインキャラがのっぺらぼうというのは、私が読んだ中では初めてです。
対する受けは中途失明者のサラリーマン。
彼は職場の人と接するときには、当たり障りなく少し控えめに話すのに、草枕の周りの妖怪たちには嫉妬しちゃったりします。草枕と出会えたことで素直になれたんですよね。可愛いわぁ。
二人を取り巻く妖怪たちや職場の同僚なんかも、魅力的です。巽に辛くあたっていたお局の気持ちも「あ〜、わかるわかる」と思わずうなっちゃいましたよ。だって、同い年なんだもの。
巽が普通の人間である以上、いつかはお別れの日が来てしまうんでしょうけど、それまでは悔いのない日々を送ってもらいたいですなぁ。御簾裏さんは寿命を延ばすこととかはできないのかな?
初読み作家さん。
人外もの大好きなうえに、メインがのっぺらぼうというとんでも設定に興味を引かれて購入。
小椋ムクさんの挿絵のおかげもあって、妖怪のおどろおどろしさとか、そういったものとは無縁なかわいらしい仕上がりになってます。
のっぺらぼう×中途失明者というCPですが、障碍者を題材として扱う場合、結構作家さん側も神経使ってるなというのが文章から透けて見えることが多いのですが、この作品は相手がのっぺらぼうということもあり、変な緊張感なく読めて良かったです。
とはいえ、受の境遇や会社での人間関係などは、結構考えさせられることもあり、お局さまには気分が悪くなったり……。
受の性格が比較的穏やかで、攻との出会いからゆっくりと想いを重ねていく描写はとても丁寧で、自然と引き込まれていきます。
見えない世界だからこその設定がちゃんと生かされていて、攻のコンプレックスや戸惑いにもちゃんと焦点が当たっていて良かった。
お互いに寂しさを抱えていた二人が晴れて結ばれ、受が光を取り戻した時のやりとりには涙腺を刺激されます。
二百年待った攻に、お待たせしました、という受。
とても温かい気持ちになり、最後まで楽しく読むことが出来ました。
欲を言えば、のっぺらぼうな攻を、もっと分かりやすく絵にしてくれたらなぁ……と(笑)
とにかく読みやすい文章なので、あっという間に読了してしまいます。
登場人物は基本的に悪者は出てこず、受にいやがらせしていたお局も結局は……な感じで、とにかく全体的に優しい構成。
何もかもが良い方に向かっていくので、世の中そんなに甘くないよ、と心の隅で思わなくもなかったのですが、受の徳分でしょうかね。
そういった点は少し物足りなさを感じるというのはあったんですが、人の悪意や汚さを見たくない時にはこういうお話はいいなと思いました。
疲れてるときや、重めの話を読んだ後などには非常におすすめ。
攻も受も出てくる妖怪も、挿絵から何から何まで全部が可愛らしく砂糖菓子のようなお話でした。
春宵のスピンオフなんて期待しちゃってもいいんですかね(^ω^)
栗城さんは何冊か積んでいるので、また読む楽しみが出来ました。
そして今更気づいたんですが、栗城さんって、クリキさんだったんですね……ずっとクリシロさんだと思い込んでました。
妖怪の出てくる話……なんだけれど、
パステルカラーの優しく可愛い表紙の印象そのもの。
おどろどろしさや、怖さはほとんどなくて、
なんとも可愛くちょっぴりだけ切ない、人間と妖怪の物語。
のっぺらぼう(草枕、推定200歳超?)と盲目の青年(巽、21歳)。
共に孤独だった二人が、公園で偶然に知り合い
互いのコンプレックスをを埋めるように惹かれあっていく。
序章とも言える江戸編で、妖怪からも人間からも避けられていた草枕が
手に入れた鏡で自分がのっぺらぼうであることを初めて知るシーン。
いや、水鏡だってあるし、そもそも手で触ればわかるじゃん!と
ツッコミたくなり、最初からいささか躓いて読み始めたのだが
その後はとても楽しくスルスル読みました。
ぶっきらぼうだけれどあったかくて優しい草枕も
卑屈にならない静かに真っ直ぐな巽も、キャラがいい。
互いに臆病なところも、実は周りに愛されているところも、
心温まるお話。
後半ちょっと展開が早くて少々ご都合主義?とも思ったけれど
まぁおとぎ話だからいいかな〜
妖怪達が、やり過ぎなところもあるけれど(苦笑)
いい働きをしてます!
男前な妖怪の長・御簾裏や春宵もいい味だったので、
スピンオフもありかなぁ?
SS小冊子やペーパーも可愛くていい味です。
初読みの作家様でした。
最近ファンタジー色濃い目の作品が読みたいと思っていたのですが、人外は苦手で、今一つピンとくるものに出会えていなかったところに、ちるちるさんのランキングで見つけました…この作品を!!
妖怪系は個人的に怖くてあまり好きではないのですが、イラストが小椋先生ということで、ほわっとした優しさに溢れている表紙に安心感を持ち、即効本屋にて購入したのですが、やはり、どストライクでした(*'ω'*)
ストーリー自体は、最初から何となく結末が読めてしまったのですが、それでもどんな過程で二人の恋愛が進んでいくのか…というところが、読み進めていくうちにどんどん楽しみになってしまい、あっという間に読み終わってしまいました。
特に、のっぺらぼうの攻めの顔を触ったときの受けの言った「ゆでたまごみたい」という発想に衝撃を受けました(笑)(その発想はなかった…!とはまさにこういう気持ちなのかと…w)
また、小椋先生の描くキャラクターが皆魅力的で可愛いのですが、個人的には『春宵一刻』の挿絵がお気に入りです。
まさに「むちゅっ!」といった雰囲気のキスをする二人が可愛くて可愛くて…。読んでいてほっこりしました。
そして、メインの二人以外のキャラもまた素敵な人ばかりなので、他の方も既に書かれている方がいらっしゃいますが、是非私も春宵のスピンオフを読んでみたいです。
(そして合間に、またこの二人がラブラブしているのを見たい!!)
タイトルにも書きましたが、なかなかない設定の作品かと思います。
けれど、もっともっとこんな作品が増えてもいいのにな、と思えるような、とても温かくてほのぼのとしたお話でした。
攻め様がまさかののっぺらぼうの草枕さん。
口だけはあってよかった。キスができるもんね。
受け様は途中失明者でコールセンターで働いてる巽くん。
目の見えない自分を卑屈になることなく受け入れて、できることを頑張ってて、素直でいい子です。
人の弱いとこも頑張れ、と言うんじゃなくてそれでいい、と受けとめてくれる。
人間にはもちろん、同じ妖怪にも気味悪れてからかわれ続けて、すっかり自分の殻にこもってしまって顔を隠す狐のお面をはずせなくなっていた草枕さん。
お面をはずさない自分を不審がることもしないし、目が見えないから絶対自分の顔を見られないし気味悪く思われる事もない。
人恋しくてだれかと普通に話したかったであろう草枕さんは、最初はそんな安心感から巽君とお昼休みだけの時間を過ごすようになって。
巽くんも目が見えないことを必要以上に気にしない態度で接してくれる草枕さんと話す時間は楽しくて。
気付けばお互いの隣は1人で頑張って生きている二人が見つけた安らげる場所になっていた。
巽君が、妖怪仲間のセクハラ、というか痴漢されてる(妖怪側は偵察、と称してましたが)と知って、助けに来た草枕さんは巽君に手を出しちゃう。
この展開だけがちょっと私の中では"えっ"。
なんていうか、他の妖怪に手を出させないための儀式っぽくて、甘くない、というかなんというか。
草枕さん、好きともなんとも言わないままだし、巽君突然の行為に気持ちがついてきてなかったし。
まぁそれほど草枕さん、余裕なくしてたのね。
草枕さんにとってやっと手にした自分の大切な存在、自分を大切に思ってくれる存在である巽だからこそ、御簾裏さんとの「約束」を果たしてもらうのは怖かっただろうな。
時間の流れが違う世界を生きている二人だから、いつかまた草枕さんが1人になってしまうのでしょうけど、それが一日でも先でありますように。
2人が幸せに暮らせますように、と願うとても優しいお話です。
またムク先生の挿絵がとってもかわいくてステキです。
妖怪達も愛嬌あるし、巽くんはかわいく草枕さんはのっぺぼうのくせにかっこよくてかわいい。
平気でレジに持っていける表紙に裏表紙です。
はるのさくら様、こんにちは。
心温まるいいお話でしたよね!
こういう人外ものは、寿命の問題を考えると切ないのですが
そこもふんわり〜というやさしいテイスト。
「平気でレジに持っていける表紙に裏表紙」という一言がツボに入り
しばし大笑いしてしまいましたものですから、
一言お礼申し上げたく書き込ませていただきました!
人外物は数あれど、のっぺらぼう攻めは初めて読みました(笑)
顔はないけど唇だけあるとゆーのがちょっと面白かったです。
のっぺらぼうが自分のことをのっぺらぼうって知らなくて、初めて事実を知った時の絶望感が切なかったです。。
難しい設定の2人が徐々に距離を縮めていく感じが良かったです。
ただ、2人の初めてのHが唐突で、激情にかられていたとはいえ、攻めがカナリ手馴れてたのが拍子抜けでした。
お友達の妖怪のスピンオフがありそうな予感も感じさせるハッピーエンドでした。
攻め視点、受け視点、攻めの親友視点と三編です。
作家買いです。
切ないファンタジー。キャラはモブを除いていい人たちばかりで安心できます。安心できる王道だけど、じわじわと変則的。
攻めは顔無しがなによりのコンプレックスで、それが嫌で仮面を装着しています。
受けが良い子なのですが、なにが良いかって攻めが顔を隠したがる習性を否定しないところ!
顔を出したくない人に無理矢理前向きな行動を強制しないのは、すごく良かったです。
寡黙で欲のない攻めが、受けを他の奴に盗られたくないと性急に抱くところは萌えました。
攻めの親友の春宵にも、人間のパートナーがいるとのこと。彼のスピンオフも読みたいです。
栗城さんの小説は、普遍的なベースにじわじわと変則的なエッセンスがあるところ、そして文体が堅実なところが好感です。
小椋ムクさんのイラストに惹かれて購入!
あらすじを読んで、どんなお話なんだろうとドキドキして読みましたが、かわいーーいお話でした!
人外大好きなので、受け君より草枕に萌え萌えでした。こんなBL初めて読みました(笑)脇役も魅力的なキャラばっかりです。
のっぺらぼう×中途失明者の青年。
14歳で失明し、21歳になった現在、コールセンターで働いている受け。職場でももてあまされ、公園で1人昼食をとっていると、風で狐面を飛ばされた男と遭遇する。
面を拾ってやったことにより、顔を隠すために始終狐面をかぶっている男・のっぺらぼうと、彼を奇異の目で見ない唯一の存在である受けとのぎこちない交流が始まる。そんな2人の昼休みだけのささやかな逢瀬は、受けの部屋で起こった奇妙な出来事を機にわずかに狂い始める。
なんと攻めがのっぺらぼうです。腐歴も長くなりましたが、初めて読みました、のっぺらぼう攻め。
顔がないため妖怪仲間からも疎外されバカにされ、孤独の中で200年の時を過ごしてきた攻めが、初めて出会った自分を怖がらない相手、それが目の見えない受けです。
受けは受けで、職場では遠巻きにされるかいじめられ、腫れ物にさわるような扱いを受けていて、自分と普通に接してくれる攻めが貴重でした。
攻めの過去が切なく、受けの現状が切なく、世の中ってなんて異端者に冷たいんだろう、と切なくなりました。
お互いがお互いに出会えてよかったな、と思います。
途中事件は起こりますが、総じてほのぼのとしていて、心癒される話でした。ほんわかした話に小椋ムクさんの絵がドンピシャです。
今度は春宵さんとダーリンの話も読みたいな。
ムクさんの綺麗な表紙が気になっていたのですが、初読みの作家さまだったので購入を悩んだのですが、あらすじが面白そうだったこと、レビューが高評価だったことなどから手に取ってみました。
すごく良かった。トラウマもちが愛情に満たされ回復していく、というストーリーが好きなこともあるのですが、ツボにどんぴしゃなお話でした。
のっぺらぼうで、仲間の妖怪からも疎まれ孤独に生きてきた草枕。
14歳で視力を失い、職場では孤立している巽。
自分を見られることに恐怖すら覚える草枕と、目が見えないゆえにその人の本質がみえてしまう巽。お互い足りない部分を補いつつも、相手によりかかることはせず思いやりを持って相手に接する二人の優しさや愛情にほっこりとしました。
妖怪(人外)×人間という組み合わせは数多くあれど、「のっぺらぼう」っていうのは斬新で良かった。
草枕も巽も孤独感をかなり感じながら生きてきたわけですが、実は…。というところもよかった。自分が気づけなかっただけで周りは優しさに溢れていた世界だったのも読んでいてうれしくなりました。
妖怪仲間のしたこと(草枕へのからかいとか、巽へのセクハラとか)はちょっと度を越えてるんじゃ…?とは思いましたが、そこは妖怪なので人間とは感覚が違うのかなwww
ただ惜しむらくは後半の草枕が巽を抱いた時。ちょっと性急すぎるというか、急に話が進んだのが残念と言えば残念でした。もう少し時間をかけて、お互いの気持ちをん確認してからでも良かったんじゃないのかな?と。
あと個人的にすごく好きだったのが草枕の友達の春宵。草枕をさりげなくフォローする彼の優しさにKOされました。彼メインのスピンオフ作品、書いてほしいなあ。人間の恋人(男だよね?)がいるみたいだし。
ムクさんの優しい絵柄の挿絵が、このお話にあっていてすごく良かった。「のっぺらぼう」が男前に見えるなんてムクさんならではだと思いますw
読後、ほっこりと優しい気持ちになる、そんな可愛らしいお話でした。
も、もったいない…!
それにつきる。
設定も、イラストも、前半の流れも申し分ない萌成分で大変癒やされ、しかしページが進むごとに、ページが残り少なくなっていくごとに、頼むから急がないでくれ、ゆっくりとやってくれ!と不安がつのる。
もっと後半を丁寧に進めて欲しかった、という願望がここまで大きいのは、この作品を好きな気持ちも同じように大きいからです。
嫌いになりようがない成分で構成されていますし、書き急いでしまったのか単にページ数が限られていたのかはわかりませんが、前半の文章力と構成力から考えるに神作品になり得たと思います。ただ癒される作品ではなく。
良作には変わりありません。
受けと攻めの需要と供給に脱帽です。
作者買い。人外ものが苦手な私が内容も確認せずにネットにて購入してしまいました。
届いた本を見てびっくり!小椋先生のかわいい表紙を飾るのは、獣どころか妖怪です…マジか。
ダメだったら途中でやめてしまおうと、半ば投げやりに読みだしました。
ところが…すごくおもしろかったです。思いがけず一気読みしてしまいました。
攻めの草枕、受けの巽、どちらも周囲の人(妖怪)とは違う〝ふつうじゃない自分〟に、孤独を感じながら生きています。まず、そのさみしさに胸をうたれます。草枕が初めて鏡というものを知って自らの姿を知るシーン、巽が口にするまで中身のわからないサンドイッチやおにぎりを食べるシーンは、読んでて切なくて泣けてきました。
それでも、草枕も巽も心がとってもきれいで優しくて、二人が怖る怖る不器用に心を通わせていく様子は、こちらまでうれしくて…癒されました。類友なのか2人の周りには結局いい人(妖怪)ばかりが集まってきていて、脇役もみんな魅力的でした。読後 とっても気分がよかったです。
人外ものがお好きな人はもちろん、私のように苦手な人にもぜひ読んでいただきたいです。
きっと「読んでよかった」と思っていただけると思います。
いやぁ〜〜〜〜。よかった!
ものすごく好みのお話でした。
最近早い刊行スピードで作者さんの本が出版されていて、なんとか追いかけていますが、あまり好みのにぶち当たってなかったんですが……
これは、ツボでした。小椋ムクさんのイラストもぴったりだし。
のっぺらぼうって、どうなの!!!
いけました! ほぼ視点が視覚障害者の巽なので、読んでいても周りが見えなくて、不思議な感じでした。だから睦の人を恨んだりしない性格や、草枕の控え目ながらも優しい心がよく感じられました。
なんていうか、読んでいてすごく幸せな気分になりました。
最近、人外ばっかり読んでいて……というか特に選ばなくても目の前に人外があるっていうか、本当に増えて嬉しい限りなんですが、これは久々に異形の者のとの恋を読んだ気がしました。そして見た目じゃないんだなと。
受けなさそうな設定でも、作者さんの熱い思いがあればきっとハマる読者もいるはず。クロスノベルスさんみたいな出版社が増えるといいですねー。
目の見えない受けと、顔のない攻め。
それぞれ別の意味で視覚的情報のない二人が、それ以外の感覚を頼りに心を通わせていく様がとても感動的な作品です。
江戸時代から生きる妖怪・草枕(攻め)は、顔のないのっぺらぼう。
ある日、意地悪な妖怪に鏡を渡されたことで、自身に顔がないことを知ってしまいます。
そのことで傷つき、周囲に気味悪がられぬよう他者と関わることも避けがちになってしまう彼は、とても真面目で繊細な心の持ち主です。
受けの巽は、14歳で失明し、高校卒業後はコールセンターで働く21歳。
目が見えない上に性格も大人しい彼は、職場でも孤立しています。
しかし、ある日公園で出会った狐面の男・草枕と親交を深めるうち、職場でも明るくなっていく。
そして、目のことで彼を避けがちだった同僚とも打ち解けていきます。
本書の面白い点は、巽には草枕の顔が見えないため、彼がいつも狐面をつけていることにも気づいていないこと。
傍から見れば奇妙な光景なのでしょうが、読者としては巽視点の物語に感情移入するあまり、作中で指摘があるまでそのことをすっかり忘れていました。
結末に関するネタバレは避けますが、有り体に言うと、真実の愛が奇跡を起こすような、幸せなお伽話です。
でも、叶えられのは一つの願いだけ。
そのとき何を願うか?という点が肝であり、本書の最も感動的な部分でした。
設定は斬新ですが、本書のメッセージはとても普遍的なものだと思います。
それぞれコンプレックスを持つ二人が、自分の内面を愛してくれる相手に出会えたことで変わっていく。そして、愛する相手を幸せにしたいと精一杯頑張る姿に心打たれました。
今までの栗城さんの作品の中で一番好きかもしれません。
気になったキャラクターは、草枕の友達でろくろ首の春宵。
人間のパートナーがいるという彼の恋愛事情が非常に気になります。
いつか彼のスピンオフなど読めたらとても嬉しいです。
表紙も可愛ければ帯も可愛い。
これは実店舗余裕買い出来そうですね。
Twitterで呟いたことで実現した作品ということですが、ありがとうクロスノベルズさん!すごく良かった!
しかし前半可愛すぎて、『これはいったいどうやって体の関係まで持っていくんだ?』と思ったのも正直な気持ちでした(苦笑
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受けの巽は後天的に14歳で視力を失くし、今はコールセンターで働く21歳。
女性だらけの職場で孤立し、ただ淡々と過ごす毎日を当たり前なのだと見ない振りをしていました。
攻めは、妖怪のっべらぼうの草枕(くさまくら)。
親もおらずはっきり友と呼べる者もいないこと、そして何よりも顔のない己に失望しています。
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表題作は二つ目に出て参りますが、一話目は攻め視点。
この攻め視点の切ないこと(涙
『ただ自分は寂しかっただけだ』『愚かな己を恥じて泣いた。泣いたが涙は出てこなかった。当然だ。目がないのだ』
攻めのモノローグで泣くのは久々です。
なんだよもう、栗城さん今回は序盤から泣かせるのか!と(苦笑
そして巽の視力を失くした要因もあらすじを読んだ時は、てっきり事故だとかセンセーショナルなことでだと思っていたんです。
個人的にはそういうのって胡散臭く感じてしまうのですが、さすが栗城作品、そういうことではなかった(苦笑
淡々と語られる恐怖と諦め、しかしそれを飲み込み前向きに生きようする強さが巽にはあります。
表題作は巽視点なので、偶然出会い毎日約束をするでなくお昼時間を共にする草枕への驚きや喜びや、いつしか芽生えた恋心がひじょうに可愛く書かれております。
20歳超えている青年としては可愛過ぎるかもしれませんが、こんなピュアな子もたまには良いなあなんて思っちゃいました。
自分を恥じて会社のトイレで泣いちゃうとか、もう切なくて。
だからと言って女の子女の子してるわけじゃありません。
解決の仕方や職場環境の改善はちょっと簡単過ぎる気もしなくはないですが、結果本当の悪人は出ないということで、安心して読める作品になっていると思います。
疲れている時はこういうのってありがたい。
この作品、シリーズ化されないかなあなんて思います。
他にも御簾裏や春宵など魅力的なサブキャラも多いですし…
妖怪と人間とは与えられた時間が違いいつか別れはやってくるわけで、その辺りは春宵によって仄めかされております。
春宵自身はその辺りを経験済みのようですし。
でもだからこそ尚更、現在幸せに過ごす彼らが読みたいなあと思います。