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amadare no koro
読んだのは何ヶ月か前になるのですが、ちるちるでも読んだ作品のレビューをしっかり残し始めようと思い立ったので書いておきます。
出だしのモノローグから極めて秀逸な本作。
幼馴染である優と美市の関係が変化する過程が、先生の絵柄と奇跡的な出会いを果たして、エモエモのエモなんです・・・
18.44- で遅ればせながら先生のことを知り、こちらの作品は4作目だったのですが、最推し作品の一つになりました。
終わり方も余韻ハンパないです・・・
綺麗な作品でした。全く自分とは関係がない世界観でのお話なのに、どこかノスタルジーで胸がギュッとなります。
丁寧に描かれる世界観と、幼馴染2人の関係。思春期らしいとまどいと、感情のゆらぎ。とってもピュアです…。
とても好きでしたが、終わり方が私には唐突にも感じられ、えっここで終わりなの!となってしまいました。あの後2人はどうなったのか、最初のモノローグはなんだったのか…。気になっていたことが提示されないまま終わってしまい、続編がないのかとちるちるのみならず作者さんのサイトやTwitterまで追ってしまいました。番外編はあるようでしたが続編はないようなので、きっとその後の2人については読者の想像に委ねられているのでしょう。
でも!知りたかったです!それにもっと2人を見守りたかった…。今からでもいいから続編出ないかなあ…。
可愛らしい男子中学生二人のお話で、ピュアぴゅあキラきらでした。
彼女がいたりAVに興味持ってたり、思春期真っ盛りの優と美市。高校受験を前に、優がエスカレーター式の学校から外部受験を決めます。一度離れ離れになって再会して…という経緯を持つ二人が、また離れ離れになるかも?という始まり。
明るい平凡君とモテるクール系。両親を失くし優しい祖父と暮らす優と、金持ちで親に放置され気味な美市。対照的な二人がすごく魅力的でもう可愛い!境遇からして美市が優に惹かれるのは分かりますし、優が美市を放っておけないのも分かる。といっても自覚は優の方が先っぽいんですが。
後半は二人で駆け落ちです!雪の中のシーンとか、告白のシーンとか、その後のびっくり展開とオチも全てが最高で。おじいちゃんにボロ泣きさせられました。
巻末の短編も好きです。彼も幸せになれると良いな。
表紙の印象と違って、絵が雑?と思ったのですが、読んでいるうちにこれも味だなと感じるようになりました。
つかず離れずの優と美一が、微妙な距離を保ちながら気持ちを自覚していくところが良かったです。
駆け落ちという非日常的な行為がそうさせたのか、優からの告白も素直で素敵でした。
エロはないけど、ちゃんとラブしてます。
家族を思う気持ちも優しくて胸にきました。
特に、善治郎おじいちゃんが好き。おじいちゃんの優しさや茶目っ気は、しっかり優に受け継がれてますね。
それから、優と同じく外部受験した宿崎のサイドストーリーに泣いた。実らない恋は切ない。
宿崎を泣かせてあげた美一の優しさに感動しました。
今は苦い青春の一ページだけど、何年かしたら、思い出の一ページになっているはず。
癒やしを求めて検索したら、出てきた作品。
両親を亡くし、祖父と一緒に住んでいる優は、今の通っているエスカレーター式の私立校から、高校は外部受験をしようとしていた。幼馴染で常に一緒にいる美市は、優から外部受験をのことを聞き困惑する。
友情としか思っていなかった優が、『かけおち』と言う言葉を使い、美市と一緒に何日もの旅にでる。
美市が風邪で倒れているのを発見した時や、ふと眠ってしまった美市を見たときに、失う怖さと愛おしさが徐々に芽生えたのでしょうね。美市は、最初から優が好きで、その気持ちを否定するために、女のコと付き合うも長続きしないのを繰り返していたのかなぁ。
どこまでが友情で、どこからが愛情なのかは分からないのですが、宿崎によって優の気持ちを否定されたことで、しっかりと向き合うようになったのかなぁと思いました。
思春期の不安も織り交ぜながら、それでも努力して一緒にいようとする2人を見ているとシアワセです。
そして、おじいちゃんが寛大でいいキャラでした。
読んだ後冒頭のモノローグに戻ると泣きそうになりますね。
中学生の話とは思えないほどみんな大人びていました。しかし駆け落ち実行中バイトするくだりに、恐怖でおののいてしまった。フィクション、フィクション。
北海道への逃避行で終わりにせず、卒業、宿崎(同じ学校で高校を外部受験)まで描いてくれたのがよかった。宿崎の叶わない恋は、BL漫画ではなかなか語られない話なので、涙が美しい。
自分は正直、ストーリーとキャラクターには既視感が強くて萌評価。でも好きです!初出が同人誌なんですね。担当編集なしでここまでまとめ上げるのはすごい!タイトルもいい!
攻め受け両方家庭環境にトラウマを抱えているのだけれど、それがメインで重々しく描かれるわけではなく、あくまでこれからの未来に希望が持てるような爽やかな雰囲気で進行していく作品でした。両親健在だけどまったく顧みてもらえなかった美市と、祖父と賑やかな家庭で暮らしているけど両親を早くに亡くした優。最初は美市が、自分がいなくても平気そうで常に明るい優を、眩しそうに羨ましそうに見ていることが多いんです。でも、優だって誰よりも美市のことを気にかけているし、両親の死を完全に受け入れられたわけではなくて。
中盤で駆け落ちごっこをする2人。優が進路のことで親と揉めた美市を誘い出すのがきっかけですが、これはきっと優が心を整理するための旅でもあったんだと思います。明るく振舞っているからといって、何も悩みがないわけじゃない。美市と亡くなった両親双方に、自分の意思をはっきりと示した優。この若さでこんな風に行動できるのはすごいなぁと。卒業までしか描かれていなくて、2人の今後は読者の想像に任されているんですが、青春特有の不安定なキャラクターの心情ときらきらした空気感が閉じ込められていて素敵でした。
読んでいる途中も、読み終わった後も、
心がじんじんする作品。
感動とはちょと違う、
心の奥をぎゅっとされる感じ。
たしかにちょっと絵柄に癖があって、読みにくいかもしれませんが、
このお話はこの感じだから良かったのかも。
とにかく読んでみて!
好きか嫌いか読んでみて!
と、友人に押し付けたくなる一冊。
書き下ろしの番外編も凄くいい。
『ため息をつくと幸せが逃げる』というのはよく聞きますが、
このパターンは初めて。
泣くのもため息も、必要な時は思い切り!
願わくば、宿崎を含めた皆が、
最後のその時まで幸せでありますように……
そんな願いを込めた「神」評価!
読後のこの不思議な感じをどう説明したらいいのか分かりません。
この作家さんは、とにかく読み手を惹きこませるのが上手いと思いました。
始まりの言葉から独特で、イラストもほんわかしてるというか馴染みのある感じというか‥決して現代風の絵ではないのですが、1コマ1コマに魅入ってしまうほど、イラストだけでも惹き込まれる感じでした。
言葉がなくても目だけで伝わる気持ちや
口の動きで言いたかった言葉を敢えて口パクで描いていたあのシーンなんて特に、本当に泣きそうになりました。
表題作2人の将来がいつか見れる機会があればいいなと思います。
あの教会でのあのシーンはジーンとしてしまい、キーホルダーの使い方もまた秀逸で、未来の約束をした2人が読み始めの中3の1学期から精神的にも成長してるのが見て取れて、感動せずにはいられませんでした。
ここのレビューを読んで読んでみようと思い立ったお話でしたが、本当にこの本に出会えてよかったです!!
14歳。中学3年生。
自転車で行ける範囲だけがすべての狭い世界の中で、色んな悩みを抱えながらも一生懸命生きていた“あのころ”が、主人公の回顧録という形で描かれています。
奇しくもおげれつたなかさんの「エスケープジャーニー」を読んだ数日後にこちらの作品を購入して似通ったお話を立て続けに読むことになったのですが、またこれ系かと思うこともなくやはり迷わず「神」の1冊。
この手のお話に惹かれるのは作家様の人となりが自然と表れる題材だからかもしれません。
家族や将来のことで悩む美市(よしいち)を、小さい頃から一緒にいた優(すぐる)が「かけおち」と称して逃避行に連れ出すお話です。
これが優と美市どちらの回顧録なのかはハッキリ描かれていませんが、一人称(=僕)とストーリーの内容からして、おそらく美市の回顧録ではないかなと思っております。
美市にとっての優は、ただ特別な関係だっただけでなく、雨降りの中にいた自分に青空をもたらしてくれたこの上なく大切な存在となっているでしょうから、より一層鮮やかに残っているのではないかなと。
読み終わる頃には、この主人公と一緒に、自分の記憶の中にも残っている“あのころ”が自然と呼び起こされていました。
大人になった2人はどうしているのでしょうか?
作品内では明かされませんが、もし離れ離れになってしまっていたとしても、『エンゲージキーホルダー』で2人が交わした“約束”はきっとふとした瞬間に2人の心を結びつけることが何度もあるはずですよね。
2人の同級生の少年の恋を描いた『春の息』もまた、思春期特有の息苦しさと強さが詰まった心にぎゅっとくるお話でした。
このコミック自体は描き下ろしを除いて全編同人誌からの再録ということで、商業1作目となる次をとても楽しみにしている作家様のお一人です。
現在フルールで連載されている作品も絵、ストーリーともに吸引力があって素敵なので、興味を持たれた方は是非見てみてくださいませ。
連載が終わるまでは無料で読めますよ♪
中学生の頃、友人との別れ際
当たり前のように「バイバイ」という言葉を使っていました。
今も、当時の友人と会って別れる際にそう言うけれど、
それが昔と比べてどれだけ不確かなものになったか
大人になった今、ひしひしと実感しています。
”バイバイ”は、本当のさよならになるかも知れないし
”またね”は、一生来ないかも知れない。
それでも、”また会える明日”をまっすぐに信じていた時があったことを、
この作品を読んでいて、思い出しました。
優と美市、
ふたりはどこにでもいそうな幼なじみ関係にある中学生。
彼女にフラれたり、下ネタを言ったり、エッチな本やビデオを見たり...
そう、ふたりはどこにでもいる、
とても繊細で多感な、瑞々しい14歳の男の子なのです。
それぞれの心に落とされた暗い影、
それを振り払うかのように一緒にいて笑うふたりの姿が
とても健気で、儚く、そして美しかった。
他の友達でも、彼女でも、家族でもだめで、
優にとっては美市、美市にとっては優でなくてはいけなかった。
泣いて、笑って、暗い影ごと抱きしめ合える存在ー
彼らにとってそれこそが、恋だったのだろうと思います。
コミックス冒頭と中盤に挿まれたモノローグと
ふたりが旅をするために使った青春18切符の日付が
平成18年となっていることから
約8・9年前の回想として本編が描かれていることが予想されますが、
そうするとふたりは今、22~23歳でしょうか。
現在のふたりの様子は描かれていないけれど、
読後、ぎゅっと抱きしめたくなった事実は、
あのころふたりは、確かに恋をしていたということ、
そしてその懸命な姿を、わたしたちは物語を通して
見守ることができたのだということなのだと、そんな風に思いました。
(もうひとつ、彼らと同じ学校に通う男の子のお話『春の息』も
とても素晴らしい作品でした。タイトルも秀逸です。)
抒情的で美しく、心を打つ十代のひたむきな恋の話。
あのころを振り返るには、ちょっと大人になりすぎた方にこそ
おすすめした一冊です。
たとえば、こんな雨の日、ショパンの『雨だれ』と共に是非。
最後に
今作とめぐり合わせてくださったユーザーさま、
ありがとうございました。めいっぱいの感謝を込めて。
表紙の絵で買う事を躊躇している人がいるのなら
迷ってる時間がもったいないです。
絶対今すぐ買ったほうがいいですよ。
行きつけの本屋の棚に並べてあるうちに自分の本にしておかないと後悔しちゃいますよ。
それほどまでにこのコミックを迷っている人におすすめするのは、内容がすごく洗礼されてて美しかったから。
登場人物がぷにぷにしたとても可愛い子どもであるけれど
進路で悩んで、急激に変化する身体の事で悩んで、恋とか愛とかで悩んでて
大人への階段を一歩一歩上る成長が丁寧に繊細に描かれている所が
私はこのコミック買って本当に良かったのです。
おすすめ。
フォローユーザーさま方がレビューを挙げていらして読みたくなった作品です。少年を主人公にしたコミックスでは暫定一位!の大好きな作品です。
「少年」は萌えるモチーフの一つですが、「ショタ」と呼ばれるものとは違う萌え方をしているような気がしています。ショタはあくまで男性目線の性的指向のような気がしていて、わたしは妄想であれ少年とどうこうなりたいわけでもないし、少年が性的に開発されたり弄ばれる姿を見て萌えるわけでもありません。「少年になりたい」という願望を伴うのであれば話は別ですが。
少年が大人の男性に憧れてどうこうなるのが見たいわけではなく、同じ年頃の少年に憧れる姿に惹かれます。オレがアイツでアイツがオレで…。(なんか聞いたことがあるぞ。)それは、アイツになりたいくらいの羨望や嫉妬でもよかったりしますが、このお話にはそんな黒い感情すら登場しません。自分を思うとことと相手を思うことが等分に大事で、全ての感情がそこに向けられている、まだ青春ともいえない短い一時期。その思いとは何なのでしょう。友情なのか恋なのか、どう名付けていいのかわからないあやふやさが、女であるわたしには計りしれないなぁと美化してしまう、男同士が育んでいる特別な繋がりに思えてならなかったりします。いや、この年頃に限っては男同士だけじゃないかもしれませんね。
主人公はミッション系私立中学校に通う優と美市(よしいち)。優はおじいちゃんと二人暮らし。一方美市は、両親が弁護士と検察官というハイソな家庭。二人は幼稚舎からの仲良しでしたが、成長し、お互いの家庭環境を知るうちに、相手が置かれた状況を我が身のことのように思いやっていきます。優は学費の都合で公立高校に外部受験することになり、二人は離ればなれに…。その後二人がどうなるのかは読者の想像に託されているような描かれ方がなされていますが、だからこそ二人で一緒にいられる「今」が輝いて見えます。
優と美市が「かけおち」と称して、北へ向かって旅に出るエピソードがとってもお気に入り。一ページを使って描かれるシーンに胸を掴まれます。冬の北海道がロマンチックに描かれていて、とても素敵です。
そっとしまっておきたい一冊を見つけたと思いました。
雨とピアノと心臓のドキドキ音がすべて重なって聴こえるような描写と、透き通るような「好き」の気持ちが複雑な心情の中でしっかりと伝わってくるすばらしい作品だと思います。
先にレビューをされている葡萄瓜さん(ネタバレなしでレビューされているのでぜひお読みになってください)も書かれていますが、ストーリーそのものは、絵柄のようにほのぼの可愛いお話です、というものではありません。それでも私は、読み終えてなにかシアワセな気持ちなんです。彼らそのものは、ほのぼの可愛いですしね。
できれば詳細をあまり知らずに読まれることを、私はおすすめしたいです。以下、段階を追っては書きませんがネタバレを含みます。
※※※ネタバレ※※※
主人公どちらかが抽斗(ひきだし)の中から古びた写真を見つけ、「あのころ」を振り返るところから始まります。この記憶をたどる展開のしかたが、そこに並べられるモノローグのせいでしょうか、実に感慨深くて作品自体を大人っぽくさせるように感じる。言葉の使い方などからして、振り返っているこの日というのは、かなり、かなり大人になってからなのかな?と私は勝手に思っているのですが、実際のところはわかりません。
【表紙ふたりの紹介】
表紙右の優(すぐる)は天真爛漫タイプで、両親は世界中を飛び回り、父親は建築士、陶芸ろくろを回す母を小さな頃から見ていた。家族には面倒見のよさそうな姉と、笑顔を絶やさない祖父がいる。
表紙左の美市(よしいち)の母は検察官、父親は事務所を構える弁護士。小さいころから家政婦のいる家で育つ。親の帰宅は月に1、2度。秘密主義ではないが、辛いことや欲するものへの気持ちを内に秘めてしまう。
幼稚舎からの幼なじみで同ミッション系の学校に通う、思春期真っ只中、中三の男子ふたり。クラスメイトに、いい加減子離れしたら?と言われるような仲です。優は美市のことを、あいつは自分に言わないことなんてないはずだ、と思っているんですよね。あるとき相手に覚えた違和感、惹かれているんだと気づいた瞬間、止まってはいられないが放ってはおけない...そんな描写がピアノの音のように強弱をつけ次々と迫ってきてとても印象的でした。
悲しみを知らない人はおらず、だからこそ人は誰かを励ましたり元気づけることができるのだと、あらためて気づかせてくれた作品。けれど、この話のなかで彼の不安を払拭することができたのは、いつであっても彼以外にいなかったのだろうし、逆もまた同じなのだと私は思います。切なく、激しく、しみじみと読み終えて、そして"魔法"は確かにとけて。気づいたら自分も一緒に泣いていた最後の数ページ。このとき彼らは皆14-5歳か、魔法がとけて、旅はここから始まるのですよね。最後にもう一度、拍手をしたい気分。私にとってはそんな幕引きでした。
読後にしみじみと思いを巡らすのがお好きな方に
ぜひおすすめしたいと思う作品です。
詩雪さん
コメントありがとうございます♪
レビューをUPした後、桃子すいかさんのブログを覗いてみたら、今作について、”9年前(2005〜06年)を振り返る、というお話”と書かれているのを見つけました。
同時に、優と美市が辿った(北への旅の)ルート等が細かく設定されているのを知り、その緻密さに、作品に対する桃子さんの熱意と愛情を感じました。
わたしも、読後はばっちり『雨だれ』をBGMに想いを巡らせましたよ♡
よい作品に出会えて、ほんとうに嬉しい。
何度も言うけれど、詩雪さん、ありがとう。
冬草
若葉学園に通う美市と優のお話です。
若葉学園は私立の学校なので、大学までそのまま進学できるのですが、優は学費のことを心配して高校から公立へ進学したいと祖父に伝えるのです。
二人は友人のような関係で、いつまでも一緒にいられると思っていましたが、優の一言で「最後の夏休み」を過ごすことになるのです。
冬休み前のふたりの駆け落ちから卒業まであっという間ですが、卒業日の聖堂の二人はとっても胸にぐっときました。「また」という次が本当に来るのかどうか期待と不安でいっぱいになるのです。
優と同じように高校から公立に行くことになった宿崎ですが、彼にもそのまま若葉学園に進学しない理由があるのです。
その理由を一番分かっていて欲しい福見先生ですが、いろいろな愛の形は、当事者でない限りは理解を得ることが難しいのかなと思い、ここでも胸が苦しくなりました。
モノローグか過去形なので、きっと二人のどちらかが卒業してから若葉学園でのことを振り返っているのかなと思いました。二人にとって一生忘れられないほどの恋愛だったんだろうなって思いました。
絵柄で甘く判断してかかると、多分火傷をする
一冊です。題材自体は決して甘くないから。
物語と本の構成から考えると、登場人物達の
歩いて行った先にはハッピーエンドがあるのだと
信じたい自分がいます。
が、それに反して本編の構成からもしかして、と
思ってしまう自分もいます。
そう言う、敢えての未完結感もこの作品の魅力
なのでしょう。好き嫌いは別れましょうが。
一昔前なら、きっと行き場所のない物語であったと
愚考します。多分、今だからこそBLとして
収める事に折り合いがついたのでしょう。
思春期の幼馴染の優と美市
エスカレーター式の学校で同級生
早くに親を失くして、祖父と暮らす優
エリート両親と希薄な親子関係の美市
二人は互いに思いやり、必要とし側にいる
美市のひとりぼっちの生活から救おうと駆け落ちを提案する優
少しの現金と美市のお父さんのカードを持って
魔法のカードは出すだけで何でも買えちゃう
『カードを持たせるだけで親になれるなら、それこそ魔法だ』と美市
『こいつのまほうをといてやりたい..』と思う優
二人の想いは友達の域を越してきている
自覚があるような、無いような..
そんな時、居眠りしている美市を死んでるのかと錯覚し、両親を突然失った過去のトラウマを思い出し、過呼吸に陥る優
目が覚めて、倒れる優を発見した美市は、優が過呼吸になってることに気づき、自分の口で優の口を塞ぎ息を送る。
呼吸を取り戻した優に泣きながら告白する美市
そして、駆け落ちとゴールの優の両親の墓で美市への愛を誓う優
透明で穢れなく真っ直ぐに互いを思う気持ちに涙が止まりませんでした。
この僅かな思春期の期間に間違いなく二人は恋をしていたのです
親不孝かとも自問自答しながら..
それでも、幼いながらに互いを必要とし合う二人の恋が胸を締めつけました
ラストは読者に任せられてたのではないかと思います
私は今も彼らが一緒に居ると思いたい
もし、違う結末だったとしても、あの頃のあの真っ直ぐな想いがあれば幸せなんだと思いたいです
打算やリスクを考えもつかない真っさらな二人に幸あれと願います
心が温まる涙を流せる作品をありがとうございます
今後も期待の桃子すいか先生です