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小高い丘の上に住む幼馴染は、顔の良いハイスペックニート…?
hana to nostalgia
幼なじみ無自覚こじらせ系。
ずっと側に居続けているのは、
何故側から離れられないのか、その理由から目をそらしてきたのは、
恋と認めてしまったら、恋なんて叶うはずもなく、
恋心を知られてしまったら、もう友人としてでさえ側にいられなくなってしまうから。
コミックス1冊全部たっぷり使った、王道というか、ありがちな自己完結型幼なじみこじらせ物です。
主人公の、翳りのある攻めにオカン体質な受けも、強烈な個性で圧倒!ってタイプじゃないし、エロも最終的にお互いの気持ちを確認した結果としての朝チュンよりはちょっとマシ程度のぬるい物なので、エロよりは、恋のジレジレをじっくり楽しみたい方にオススメ。
小野アンビさんの2ndコミックスは
待望の連載長編作品が丸ごと一冊に収録されています。
のらりくらり過ごす無職・一花くん(攻め)と
世話焼きの社畜・翔真くん(受け)の
幼馴染みから恋人への階段を上る、ステップアップラブストーリー。
小さい頃からずっと傍にいて、何でも分かっていたはずなのに
ある出来事で翔真くんが一花くんから目を逸らし、逃げたことによって
一花くんの知らないこと・踏み込めないことができはじめて...
でも、翔真くんは階段を上って、高台の一花くんに会いに行く。
幼い頃からずっと、そうしてきたように。
両親がいなくなり、頑張りたいことにも取り組めず
誰のために生きればいいのか分からなかったけれど
いつも己のことは二の次で自分に一生懸命でいてくれる、
そんな翔真くんのために生きたいと思うようになる一花くん。
痛いところに踏み込ませないように牽制されても、
『話がしたい』『力になりたい』と涙を流し
逃げずに必死に一花くんと向き合おうとする翔真くん。
幼馴染みからそれ以上へとステップアップした
相手に対する向き合い方が、とても魅力的でした。
幼馴染みって、不思議な関係ですね。
相手が本音を言っているかどうか、すぐに分かるし
放っておいてくれないことが、重荷に感じることもある。
それでも傍にいたい、
泣かないで、花が咲いたように笑ってほしい
そんなふうに想い合えるふたりがすごく素敵だし
言葉はなく、二人が顔を合わせて微笑み合うだけのコマが
非常に素晴らしかった。
私的萌えポイントは
自身の恋心に中々気づかない翔真くんに焦らされることを
それまで楽しんでいた一花くんが
最後『まだ焦らすの?オレもう限界』と言いながら
結んでいた髪を解くシーン。
切羽詰まった表情・仕草に、きゅんきゅん!
幼馴染みじゃないと描き出せないやりとり、表情、
心と身体の受け容れあいが巧く表現されていて
最後まで楽しんで読める、良質BLでした。
次回作も期待しております!
幼馴染の両片思いとか、攻めが先に自覚するのとか、大好物です。
基本的に溺愛系攻めに目がないのですが、上の2つの条件を満たしても即溺愛系攻めが出来上がるわけではないんだなあと実感させられた作品です。
両親が亡くなってから、働くこともせずただ家にいる一花。
そんな一花を心配して、毎日のように高台にある一花の家を目指して急勾配の階段を通い詰める幼馴染の翔真。
うーん。
何でしょうか。
じんわりゆっくり恋を自覚していく話は好きなはずなのに萌えませんでした。
萌えなかった理由を考えてみると、
1) 翔真が家事万能系オカンではなかった(ただ生存確認をしているレベル)
2) 攻め受け共に引っかかっている過去の出来事が、ちょっと信じられないくらい友達甲斐がなかった
3) 無職と思いきや、あー、やっぱりねという仕事をしていた
4) 両方から恋する熱のようなものが発生していなかった
という4点でしょうか。
特に2に関しては、幼馴染の両片思いでは確実にそこでどちらかの気持ちが恋に変わるきっかけになるイベントなのに、近所の人以下の対応をしている受けに対してなぜ?という気持ちしか起こらず。
ふつうの友達でもそばにいるくらいのシチュエーションでまさかの走って逃げるを選択。
その後、お互いにそのことに拘っていて「お前は逃げた」「おれは逃げた」と言っている場面はあるものの、何だろう、そんなにそれについてふたりが語り合わないのです。
あー、うまく言えないのがもどかしいけれど、とにかく反応が肩透かしでした。
4に関してはもう、これはどうしようもないと言うか、一貫して淡々としているので、こちらも淡々と読み終えて、最後に残ったのは「これ、本当にお互いに好きなの?」という身も蓋もない疑問だけでした。
設定は良かったんです。
もう少し高台の階段エピソードを生かせたら、もっと印象的に使えたようば気がしてもったいないのと、幼馴染エピソードをもっと盛り込んだり、攻めが受けがいないと生活できないレベルとかに依存している感じがあったらもっと萌えたのかなあと思いました。
上からレビューでごめんなさい。
せっかくのイケメンがもったいなかった…。