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yureka
贖罪のために生きる吸血鬼のステフと、吸血鬼の亜種であるシュクの、二人が旅先で出会う人達のエピソード。
抒情的な作品です。「体温」のエドが子供なのに大人のように諦めていて、哀しくなってしまった。
「ユレカ」-体温-
王立聖歌隊に所属して、三年ぶりに故郷に来た少年、エド。寮を逃げ出してきたエドをかくまう二人。
でも、エドが行きたい場所に着くと、エドが居た孤児院は無い。会いたい人も、帰る場所も消えていた。
「帰る場所はもうないと、ちゃんと知りたかった。」
「会えないと分かっていても 会いに行く?」「うん」
エドは、百年に一人の天使の歌声、エドガー・オーレンだった。
「待っていてくれる人が居るなら、帰る場所はなくなってないよな」
シュクの父親を探す旅を続ける二人。
・・こういうストーリーが心に沁みるって、もう秋ですね。
【告解】人外の生き物が集まる街 父の居場所を聞く
【祈り】ステファンが聖歌隊に居た頃の話。コレットの死とルートガーとの出会い。
【邂逅】
【夜明け】ステフの願いとは?
【月の色】シュクの父と出会い、また旅を続ける二人。
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▶【体温】でエドがお礼に歌った「歌の翼に」
独: Auf Flügeln des Gesanges 作品34-2(メンデルスゾーン)
歌の翼に あこがれ乗せて思いしのぶ ガンジスはるかの かなたうるわし花園に 月は照りはえ夜の女神は 君をいざなう夜の女神は 君をいざなう
▶【祝福】でステフが歌った讃美歌:「ドレミの起源」
聖ヨハネを称える聖歌『ウト・クエアント・ラクシス(Ut queant laxis)』
(汝のしもべが、弦をかきなでて、汝の妙なるわざをたたえ得るように、このけがれある唇の罪をのぞかせたまえ、聖ヨハネよ。)←文頭の文字を拾うと、ドレミファソラシド
黒沢要先生、水の春以来〜2冊目だけど、イー話書くなぁ、大好きです。。。
ステフの風貌が、ドラキュラらしいドラキュラでカッコよかった。
やっぱり、吸血鬼はこうでなくちゃね。
トーンは白黒調だけど、とても静かな雰囲気で温かい救いのあるストーリーだった。
ステフが人間の家族との交流や、シュクを解放する為に、自らを差し出すシーンを見ると人柄が窺える。
たった一度の誤ちだったんだろな。
優越感の為に親友コレットを突き放した事で起こる惨事。
贖罪に一生を捧げた男が見つけた、シュクと生きる道。
んんんん、ここら辺は堪らなかった。
一方、純血と亜種の間に産まれた亜種のシュク。
父親を探して、ステフと旅に出て再会を果たす。
この人物、シュクの父がとても興味深かった。
何者でもない。何者なのか?
是非、スピンオフを!
そして、長い眠りについたステフ。
ここ辺りが、描かれていないのよ・・・
どれだけ眠っていたのか?
どこで、純血になったのか?
シュクは、亜種のまま?
この辺りは、想像におまかせだね。
太陽の光を二度と見ることは出来ないが、それでも2人が見つけたのは幸せだったな。
吸血鬼の父と人間の母との間に生まれたシュク(受け・表紙左)。
彼は、母親を捨てた父親を探すため
吸血鬼のステフ(攻め・表紙右)と旅に出る。
ステフは友人を死なせてしまった贖罪のため
吸血鬼になった元人間。
めったに表情を変えないステフですが、
倒れるまでシュクの血を吸おうとしないところや、
子どもや老婦人に対する態度から
根は優しい人物であることが分かります。
シュクは、母親を亡くし一人で生きていたところにステフと出会えたことに感謝し、彼の役に立ちたいと願う健気な青年(20歳で成長が止まり、実年齢は35歳)。
ステフのためなら「エサ」として血を吸われることも厭いません。
こんな二人が、旅先で様々な人と出会い、心を通わせていく切なくも温かいファンタジー。
そして物語後半には、ステフの過去や
シュクの出生の秘密が明かされます。
大人のエゴの犠牲になる子どもたちが出てくる
それらのエピソードはとても悲しいものですが、
本作品のテーマは過去を払拭することではなく、
受け止めた上でステフやシュクがどう生きていくのか、にあると思います。
ネタバレは避けますが、彼らが出した決断はとてもお互いへの愛に満ちていて、胸に込み上げてくるものがありました。
ラストは具体的に何が起きてそうなったのか等、設定的に細かい疑問点は残りますが、独特の雰囲気がとても魅力的な作品でした。
絡みはあってないようなものですが
吸血シーンには上品な色気があり、
描き下ろしの会話から
二人がそういう関係にあることも示唆されます
(恥じらうシュクがめちゃくちゃ可愛い!)。
そして、本編がシリアスだったぶん
カバー下のはっちゃけ具合は必見です!
少年時代のステフを見たがるシュクとか、
「一度だけだ」と、シュクが寝てるときに小さくなってシュクの寝顔を見つめるステフとか、
二人とも可愛すぎてニヤニヤしてしまいました。
またどこかで彼らの話が読めたら嬉しいです。
BLと呼んでいいのか悩みます。
もっと深い、人間愛とでも言うべき作品です。
母がずっと待っていた吸血鬼。
ステファンという名だけを頼りに、そのひとが現れるのを待ち続けたシュクレイ。
ステファンの登場で、やっと待ち人が現れたと思ったシュクレイだったが…。
ステフは待ち望んだ相手ではなくて、シュクレイは父親探しをするべくステフと一緒に旅に出ます。
この作品は本当に読んで、皆さまそれぞれの感性で感じる何かを大切にしてほしいので多くを語りたくはないのですが、そうするとレビューにならないんだよな…。
まず設定として吸血鬼は、不老不死で日光に弱い「純血」、日光の耐性はあるものの寿命は500年ほどの「半魔」、半魔の洗脳で血の供給源となる短命の「亜種」の3種類に分かれていて、亜種は普段は血を吸わないけれど、生涯に一度だけ吸うことが出来て、そのときは相手も自分も死んでしまいます。
ステフは過去のある出来事から、純血のルートガーによって吸血鬼にしてもらった半魔。
シュクレイの母は亜種で、35才のときに15才の姿のまま亡くなっていて、シュクレイも亜種だと言われています。
さらに吸血鬼にはそれぞれ能力があって、その能力は受け継がれていくようです。
もはやこれ以上、ネタバレがもったいなくて言えることがない…。
ステフが吸血鬼になるきっかけとなった過去の回想は、あまりにも悲しくやるせないものだし、シュクレイが村の人たちから聞いていた母親の話と、父から聞いた事実の食い違いも悲しいし、母親の望みも悲しい。
悲しいことが多いけれど、だからこそそれぞれに孤独を抱えていた2人が出会い、共に旅をしていく中で深まる絆が尊いのです。
一個だけネタバレしてもいいですか?
途中で出会った孤児の言う「もう帰る場所がないのは知ってたんだ」という台詞。
ステフもシュクレイも帰る場所のない2人だけど、この孤児に「帰れる場所」を作ってあげるんです。
このシーンが切なくて美しくて、何とも言えません。
帰る場所がなくても、見つけてくれる人々がいる。
帰る場所がなくても、見つけてくれる人々がいなくても、一緒にいたい人がいればそれでいいじゃないかと思えるエピソードでした。
とにかく素晴らしく壮大なロードムービーを観たかのような読後感。
ぜひ体感してください。
発売から日が経ってますし、一読ではやや詳細が掴みにくいかと思いネタバレを残しておきます。ご注意ください。解釈が誤っている可能性が十二分にあるのでご容赦いただきたく。
タイトル
ユレカ=eureka=ギリシャ語の感嘆詞「見つけた」「分かった」
ザンナ
吸血鬼に噛まれ15歳で加齢が止まった亜種。
村では、吸血鬼が2人の人間を殺し、その吸血鬼(ステファン)とザンナの間に生まれた子がシュクレイであると伝わっていたがそれは事実ではなかった。
シュクレイの父
吸血鬼でも人でもない何か。名前もなかった為、ザンナに名を聞かれた際に咄嗟に見かけた文字を伝えステファンと名乗る。彼の血を飲むと強く思う願望を叶えることができる。
シュクレイ
1話で吸血鬼の亜種と名乗ったが、どうやらステファンと同じ吸血鬼でも人でもない何か(銀の玉で撃たれても死ななかった)。ザンナの願いが血の力で叶ったことで生まれた(ザンナの願いは正確には不明。また父は生殖的に父なのか謎)。父と同じ血の力がある。
ステフ(ステファン)
友人だったはずのコレットに対する"優越感"を得るために、コレットを傷つける。死んだ彼への贖罪の為に純血のルートガーに願い半魔となり、「色んなところを旅しながらずっと生きる」というコレットの望みを、彼の代わりに叶える旅をする。
シュクレイの血によって"コレットへの贖罪を終え死ぬ願い"を叶えると思われたが、シュクレイを残して逝くことが出来ず、純血の吸血鬼となる(「太陽が見られなくなった」のセリフから)。
萌2〜神
ずっと静かに物語が進みます。
大事なことは言葉にしつつ気持ちの全てを言葉にするのではなく、間や空気感などで心理描写が散りばめられている気がします。
言葉や考えの端と端の狭間というか…その描写が丁寧な作品だと思いました。
精巧なオルゴールのような繊細な作り、という印象です。
個人的にシュクのお母さんはステファンが帰ってこないことをわかっていたような気がします。
それでも「もしかしたら…」と淡い期待をしていたのかな、なんて思いました。
バッドでもメリーバッドでもないエンドけれど、物語全体を見るとなんだかハッピーエンドというには少しきゅっとなる話だな…と思いました。
綺麗に、というよりは余韻のある終わり方。
個人的にこういう作品大好きです。
まだ謎が残っていたり物語の続きを見たい気持ちがあるので、続編や番外編ないかなあ…なんて思います。
「半魔」と「亜種」の二人の吸血鬼が出会い、共に旅をする。
半魔ステフは大好きだった友達を失って、自分で自分を永遠に許すまいと自ら吸血鬼になった男。
もう一人は純血の吸血鬼を父に持つシュクレイ。父を殺そうとしている。
一見耽美な設定ではあるけれど、冒頭の一瞬ハードボイルドな銃撃風景、ステフの殺し屋のような風貌とシュクレイの優しげな表情の作画、ステフの本来の姿であろう穏やかな心根や子供への優しさ、そんな雰囲気がいわゆる耽美的な「吸血鬼モノ」とは一味違う異色さを表していると感じました。
そして、人間と人間ならざる者が共に集う不思議な店、ステフを吸血鬼にした純血の吸血鬼ルートガーの登場、ステフの過去のエピソードが続きます。
ずっと自分を許せなかったステフはシュクレイと会って、シュクレイの父探しに付き合う過程で、二度と足を向けられないと思っていた過去の街に行き、この街に来れて良かった、と感じる自分を認める事ができた。
シュクレイもルートガーの言葉でステフの真実、そして父の居場所を知り、ステフと共に遂に父ステファンと会い話を聞く。
その父はこう言います。『わたしはー吸血鬼でもなく何者でもなく』。
ここからはとても不思議な展開になり、私は一読しただけでは父はどんな魔物だったのか、シュクレイの持っている力は何なのか、ステフの望みは、とか色々よくわからなくなりました。
ただ、ステフとシュクレイの、共に生きたいという絆が結ばれたこと。二つの孤独が今癒されていくこと。これからも二人の旅が続くことが優しい読後感となっています。
関係性や過去の経緯が込み合っていて若干解釈に戸惑うところもあったのですが、世界観、雰囲気にはとても引き込まれました。吸血鬼が登場しますが、吸血シーンも少ないし、吸血によって快楽を感じるようなBL的に美味しい要素はほぼありません。これはもっと深い、人と人との繋がりによる運命を描いた物語。人間同士だった頃の、あるいは異種間ならではの行き違いを抱えて、今を生きる登場人物達。贖罪のために生きているステファンの生き様がもの哀しくて、そんな彼がシュクレイに出会ったことで別の目的のために生きることができるようになったのが嬉しい。過去とどう折り合いをつけてこれからを生きていくか、それぞれに答えを出したキャラクターに愛着が湧きます。