残酷な世界に 咲き乱れる 恋の花。

イトウさん

itosan

伊藤先生

イトウさん
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神183
  • 萌×262
  • 萌38
  • 中立23
  • しゅみじゃない21

--

レビュー数
36
得点
1300
評価数
327
平均
4.1 / 5
神率
56%
著者
冥花すゐ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
シリーズ
イトウさん
発売日
価格
¥648(税抜)  
ISBN
9784863495067

あらすじ

毎週火曜の夜、娼夫・キョウスケのもとに通い
夜明けまで他愛のないことを語り、帰ってゆく謎の男"イトウ"。
ある日、アタッシュケースに一杯の札束を持って
「仕事をやめて好きなことをしてほしい」とキョウスケに手渡そうとするが…。
闇社会に鮮血と硝煙の舞う、美しきノアール・コミックの旗手、
"冥花すゐ"初のBL単行本で登場!!

支配と被支配の学園SMも同時収録。

表題作イトウさん

毎週火曜の夜に受を買う謎の男
娼夫

同時収録作品イトウさん

娼夫

同時収録作品Cage

受の学校の教師
高校3年生,生徒会長

レビュー投稿数36

殺し屋×男娼

初BLとのことですが、すっっっごく良かったです!

『イトウさん』
組織の殺し屋×男娼。
大まかなストーリーは、最強の殺し屋と幼い頃から身体を売って生きてきた少年が、とあるきっかけで出会い過ごすことによって初めて感情というものを知り、愛し合うようになります。
殺し屋は少年を守るために組織を裏切り、少年は売春を辞め、ふたりは逃避行しますが、ついに追っ手が…。

全体的にシリアス展開で、痛い描写もありますが、萌えるポイントも凝縮されていて読み応えかなりアリです。
暴力、殺人などの流血描写ありますので苦手な方はご注意を。

まずは攻のイトウさん。
彼はとある組織のボスが作り上げたコード“I”という最高傑作の殺し屋で、何の感情も持たず、命じられるままに殺しの仕事をして生きてきました。
『イトウ』というのは、とある仕事の過程で声をかけた男娼・キョウスケが適当につけた名前なのですが、彼と出会うことにより、今まで自分の意思をもたなかった『イトウさん』が、キョウスケに暴力的な性行為を強いる客に殺意を感じ、彼を守るために禁忌である命令以外の殺人を犯し、組織を裏切りキョウスケと一緒に逃げる選択をします。
一見ヘタレなイトウさんが、時折見せる殺し屋の表情(ナイフを研ぐときとか、銃を撃ったとき)とか、
男の表情(キョウスケを抱くとき)がシビレるくらいヤバイです。
そしてセックスにおいてもかなりのテクニシャン。

受のキョウスケは、幼い頃からロクデナシの親に客を取らされ、身体を売りながら生きてきました。
そんな中、身体を繋げようともせず大金を用意して自分を大切に扱うイトウさんに興味を持ち、それが恋心に変わります。
今までなにも欲しがらず、身体以外取り柄がないキョウスケに初めて芽生えた恋という感情はとっても一途なものでした。
組織の追っ手がせまる中、キョウスケだけ逃がして自由を与えようとするイトウさんに、好きでただ側にいたいだけと伝えるキョウスケが切ない。
キョウスケの告白についに男になったイトウさんに抱かれてトロトロになるとことかたまらんです。今までセックスは仕事でしかなかったキョウスケは愛撫に敏感で、愛されるセックスは初めてなんです、萌え!
イチャついた後、幸せすぎてひとりでこっそりニヤけるとことか可愛すぎます。番外編で、イトウさんが相手だとわけわかんなくなって恥ずかしいと告白するのとか無自覚小悪魔かと思うほど。

ふたりの逃避行の結果は、やはりボスに捕まり、記憶を操作され始末されそうになりますが、そこは愛の力が勝り、命の危機をまぬがれます。

ここで登場したボスがこれまた渋めのナイスミドルで、冷徹で残酷な人物なのです。自分が作り上げた最高傑作である『I』を所有物と言いながらも、彼を殺さず最終的には逃がすというあたり、ボスも彼を愛していたのではないでしょうか。
ボスと『I』には肉体関係もあったそうなので、そこんとこ詳しく知りたいです。
ボスはイトウさんに撃たれますが、死んではないと思いますのでスピンオフ激しく希望。『I』との昔話とかすごく見たいです。

完全なハッピーエンドではないのですが、泣けるラストでした。
記憶を消されても愛する人を守ろうとするイトウさんと、初めて恋を知り、まっすぐに愛し続けたキョウスケのまさに純愛ストーリーといってもいいのではないでしょうか。

絵は綺麗だし、エロはしっかりあるし、ストーリーの流れも文句なしだし、大満足のお話でした。
個人的に、殺し屋というワードに弱くて、さらにスーツにホルスターという組み合わせにエロさを感じる方には持ってこいかと。

『Cage』
変態異常教師×腹黒生徒会長
こちらもすっごく良かったー!短いページなのにこの満足感スゴイ!

表では人望ある生徒会長・藤崎ですが、裏では身体を触らせることを条件に教師・多賀を犬のように扱っています。
多賀は過去にも歴代ご主人様がいたのですが、その異常な性癖と愛情から何人もご主人さまを壊してきたといいます。
そして藤崎も監禁・拘束され、一気に立場が逆転し、歴代ご主人様のような末路を辿る…
かと思いきや、大ドンデン返しキター!!普通の終わり方では終わらない!スゴイ!
まさしく支配と被支配が入り混じったお話でした。

読み切りのつもりで描いたものが、連載になったということですが、ホント良かった。
新しい作品お待ちしております!

30

イトウさん

タイトルがまた奇抜だなと思いました。ある意味、インパクトのあるタイトルです。

イトウさん、下まつ毛……。
若干、苦手だなと思いつつ読んでみたらハマってしまいました。
下まつ毛じゃなくて、イトウさんにです。

イトウさんの優しい笑顔からは想像出来ない怖い人物で、よくみるとあの笑顔も怖いですが……。
そりゃ、殺し屋で人殺して血も飛ぶし、殺し屋のオーラが出来上がってるよね。

キョウスケくんは心も体もボロボロで、痛くて切ない。
娼夫で色んな男とまぐわされて、怪我しても病院に連れて行って貰えない。
お腹すいたと言えば、コンビニのおにぎり一個だったり。

イトウさんを好きになっていくキョウスケくん可愛いです。

この暗めのシリアス感は好きなんで買って良かったです。
またBL作品で衝撃を受けました。

短編の「cage」も良かった。SMヤバイ。

冥花すゐ先生の次回作も楽しみです。

19

何か、すごく良かった

腐姐さま方のレビューを拝見し読んでみたいと思ったのですが、どこも売り切れ状態で。やっと手に入れることができて読んでみました。この表紙だけみたら買うことはなかったと思う…。レビューして下さった腐姐さま方に、感謝感謝です。

凄く良かった。なんていうんだろう、退廃的というかダークな作品で、BLに限らずこういう雰囲気の作品はあまり好きではないのですが、世間からはじかれ、それでも一生懸命生きる男たちが非常に味わい深かった。

殺し屋の「イトウさん」。
男娼のキョウスケ。
どちらも自分ではどうしようもない環境で生まれ育ち、そういうカタチでしか生きてこれなかった二人。愛情を受けることなく生きてきた彼らにとって、相手にとってイトウさんはお金、キョウスケは自分の身体しか価値がないと思い込んでいる二人が哀れでした。
それでいて、相手からの愛情を欲し、相手の幸せしか望んでいない二人の姿はまさに純愛。

ほのぼのした話ではないし、イトウさんの職業(といっていいのか)から暴力的なシーンも多く、またキョウスケが可哀想なシーンもあったりして、読む人を選ぶ作品かも知れないなとは思います。

あの二人は幸せになれたんだろうか、という余韻もなかなか良かったです。

出来れば表題作だけで1冊のコミックにしてほしかった。同時収録されている「Cage」が嫌だった、とかそういうことではなくて、「イトウさん」の世界にどっぷり浸りたかったな、と思ったりしました。

これがデビュー作なんですね。凄い作家さんが出てきたなあと思います。次回作も楽しみです。

16

純愛です

表紙の雰囲気やあらすじからの印象の上をいく、素敵な純愛物語でした。

精密な殺人兵器として育てられた攻めのイトウさんと、幼い頃から体を売って生きてきた受けのキョウスケ。
それまでは人としての心を持たず(殺して?)生きてきた2人が、心を通じ合わせて愛を知る。

組織からの命令で機械的に殺人を行ってきたイトウさんが、キョウスケを守るために初めて自分の意志で殺人を犯しますが、それは組織としては最大の裏切り。
一途に自分を想い決して離れようとしないキョウスケと共に逃げようとしますが、組織は裏切り者を簡単に許してはくれません。
一途な愛の逃避行にサスペンス的な様子も加わって、最後までどうなるかわからないスリリングな物語になっています。

イトウさんはキョウスケを大事に思う余り、大金を渡して自由に生きろと言いますが、キョウスケはただただイトウさんのそばにいたいと言う。
そのやり取りだけで2人の一途な思いが伝わって来て自然に涙が出ました。

仕事として数知れな男と体を繋げてきたキョウスケが、初めて愛する人と体を繋げることにより、経験したことのない快楽に悶え戸惑い涙する様子がすごく可愛くて☆
前戯を嫌がり快楽を怖がるキョウスケは、元男娼だったとは思えない無垢な子でした。

『イトウさん』って、変わったタイトルだなぁと思っていましたが、このタイトルにも『イトウ』がカタカナであることにもこんなに重要な意味があったなんて…。
流血や殺人などハードなシーンがたくさんありますが、苦手意識がないのであれば、この純愛を是非見届けてください。
表題作のレビューだけになってしまってゴメンなさい。

15

初めて泣きました

ヘタレだけど殺し屋のイトウさん × けだるげで無垢な娼夫のキョウスケ
というカップリング。よかったです~!
ラストは自分のなかではハッピーエンドかな?と思ってます。

2人の共通点は
小さい頃から大人にいいように利用され自由がなかったこと。
心がとても純粋で欲深くない。ということ。
2人が純粋に愛し合っている姿、切なさに最後まで感動しっぱなしでした。
お金もいらない。何もいらない、ただ、あなたといたい!!
これが本当の愛だよねーとしみじみ読みました。
あとイトウさんの時々見せる暗い目とキョウスケの可愛い表情に
魅了されました。2人共ギャップありすぎ。素敵すぎて悶えました(笑)

2人が好き同士だと認識した後にセッ○スするとこあるんですが、
セッ○スシーンで初めて泣きました!!!びっくり!!!!
思いが通じ合った営みの興奮はすごいですね、本当に萌えます(笑)
しかし、殺し屋のイトウさんのテクニシャンぶりはすごい(笑)

あぁ~できれば2人のラブラブになった続編読みたいな~切実に!!
読んでよかった!!
本当にオススメです!

15

切ない切ない切ない

3週間前に、書店でジャケ買いしました。
他の方がおっしゃっている通り、内容は暴力的ですし、読む人は選ぶかもしれません。私自身、イトウさんの下まつ毛が気になってしまい、始めは余り内容には期待していなかったんです・・・いなかったんですが、読み進めるとイイ。

小さい頃から娼夫として育った、キョウスケ(受け)と殺し屋として教育されたイトウさん(攻め)。救いようの無い人生を送る2人が、出会います。

最初、イトウさんはキョウスケと過ごしても手も出してこない。
とりとめの無い話をするだけのイトウさんに、キョウスケは興味を持ち出す。

自分から誘ってイトウさんと関係を持った直後、キョウスケは下衆な輩に手ひどいSEXをされて傷ついてしまう。
その傷を見たイトウさんは、その客に対し復讐をしてしまいます。
イトウさんにとっては、おかれた状況は違えど、自身の希望や選択によって生きられないキョウスケの立場は、暗殺者として命令通りにしか行動出来ない自分と重なったのかもれない。

しかしその行動は、イトウさんの所属する組織の怒りを買ってしまい、二人は逃亡を諮ります。
その逃亡劇の中で、それまで人形のようだったキョウスケに、初めて人間らしい心が生まれてきて、『イトウさんと一緒に生きたい』と自分中のイトウさんに対する気持ちを認め始めます。

組織に追われる中、激しい攻防の中で必死に応戦するイトウさんですが、終に組織のボスにつかまってしまいます。
組織は監禁の後、電極(?)でイトウさんの記憶を消してしまい、キョウスケを殺害するよう命じます。
この場面、ボスとイトウさんの間にも何等かの関係が有ったことを伺わせてはいますが、イトウさんにキョウスケを殺害をさせようとしたのは単なる懲罰的な意味だけでなく、ボスのイトウさんに対する嫉妬ではないかと個人的には思います。
一度は記憶を失い、キョウスケに銃口を向けるイトウさん・・・
しかし、イトウさんが撃ったのは、ボスと組織の人間達でした。

ここで、物語は5年後に飛びます。
あるバーでバーテンダーをしているキョウスケ。
従業員の会話からその5年間、キョウスケが組織によって薬漬けにされてしまい、閉鎖病棟で治療を受けていた事が語られます。
そのバーに時々通って来る、一人の客が。

後遺症で、5年前の記憶を無くしているキョウスケですが、その客に名前を尋ねます。
その客は、名乗ります『イトウです』と。

本編には、甘さが何も無いし同時収録の短編はこれまた『痛い』です。
結末も、完全なハッピーエンドとは言い難い。
でも、究極の愛ってこんな感じかなと思わせてくれる作品です。
暴力シーンに耐性のある方には、是非薦めます。
正直、イケメンと言えるほどの人物は出てこないし、BLというよりはJUNE系の暗さが有ります。
それでも、こんな作品も有って良いのではないかと私は思います。

終わりに、このイトウさん、おかしな柄のネクタイをしていますが、その理由がペーパーで明らかになっておりますので、是非ペーパー封入品をお買い求め下さい。
ちょっとだけ、ホッコリします。

12

表紙のデザインが魅力的で惹かれます。

妖艶なノワール作風なのですが、内容はしっかりしてます。
読みごたえ充分。見目麗しくもあり、満足です。 (*´∀`*)
※《流血シーンあるので、ダメな方は注意して下さい》

久しぶりに「読んだ!!!」という充足感、映画終わりのような感動も。

初作品デビューの作家さま らしいのですが、ちゃんと描力とストーリーの構成や台詞の一言一句が ドラマチック に仕上がってました。美しい!!
私の好きな娼夫,裏稼業組織などのダーク要素も孕んでいて好感持てます。
殺し屋のイトウさんの、鋭い眼光がセクシー♡  ギャップたまりません。  
互いの必要性が暴かれるシーンには、もう涙です。感動・・・。
理屈ではなく『己の感情』が交差する描写が刹那です。 興奮!
作者さまの意図が、切ないほど伝わってきます。 。゚(゚´Д`゚)゚。

キョウスケ(受)がイトウさん(攻)に抱かれるシーンが1番印象深いです。
札束と金塊の上で結ばれるって・・・ なんて素敵!!(*>艸<)
と、思うのは私だけでしょうか?(笑)

同時収録の別作品 《Cage》はダークで、ある意味背筋凍りました。
ノワールの世界って堪りませんね! 仄暗さと同調し、妖しさが増す不思議。
短編ですが、鮮烈な内容でした。

まず!一読する価値あり☆ だと思います。(*^m^*)
後は好みの問題かな。 私は迷う事無く 神 評価です!!
次の作品は、どういう感じになさるのでしょうか?
別の一面も見たく(読みたく)なりました。 次回作、楽しみです♪

レビューや口コミの浸透ってすごいですね~。
おかげで読む機会をいただき、この素敵な作品に出会えました。 
 

9

大切なことは、心の奥深くに沈めて。

ちるちるの記事で「殺し屋」稼業というのに心惹かれて購入しました。
以前から気にはなっていた作品なんですが、とても重苦しい雰囲気と、絵の独特の怖さに恐れを為していたのです。
キョウスケくんの、何も映していないかの様な瞳。もしくは瞳孔が開きっぱなしにも見えて。
それはとても恐ろしい。
対する「殺し屋」である「イトウさん」の、いつも薄目で笑っている様な。
閉じられている様な、眼も恐ろしい。
ノワール、というジャンルに色分けされたそれは、まさしくその言葉にぴったりで。
読み手側を陰鬱な雰囲気に引き込んで行く。
血生臭さと飛び散る精液の生臭さ。それに塗れて、何とか生きている2人。

「イトウさん」は、時々キョウスケくんを買ってくれる男で、謎が多い。アタッシュケース満杯の札束を提示して、キョウスケくんを「自由にしたい」とのたまう。これだけなら、完全なスパダリなのだが。
キョウスケくんは、ウカウカとそんな甘い言葉には乗らない。彼は彼なりに分不相応という言葉を知っていて。自分が棲む世界はただこの底辺にしか無いと、どこか諦念している。
性暴力の捌け口となる事でしか生きられない、と信じてもいる。

後に「イトウさん」には感情というものが無い事が物語後半では明かされる。
そんな彼が、キョウスケくんを愛して、感情というものが芽生える。恐れ、慄き。
それでも手に入れたかった恋という感情。
ただ、キョウスケくんと生きたかっただけ。
彼は自身をがんじがらめにしていた鎖を自ら絶とうとする。
「イトウさん」を純粋な「殺し屋」として育てて来たのは、実の父親なのだろうか。
マッドサイエンティストにも似た「ボス」に捕われた「イトウさん」は。
記憶の底から湧き上がる、迸る感情だけを頼りに、自分の元凶を倒す。

キョウスケくんと生きた、恋をした、束の間の記憶。
純然たる殺人兵器「殺し屋」として生きた時間よりも、ずっと短かった筈なのに。
その感情だけが全て。「イトウさん」をこの世に生かす。
そんな「イトウさん」への愛情だけを遺して。キョウスケくんもまた、全ての記憶を失くしてしまう。
記憶の死。ラスト周辺の、恋人たちが互いを思い遣る激しい命のやり取りに、揺さぶられて、涙。

数年後なのか。キョウスケくんが男娼では無くて。バーテンダーをしていることにホッとする。
「イトウさん」もどこまで記憶があるのかは分からない。
キョウスケくんに記憶は無い。ただ心の奥に沈めた記憶がきっと。2人はまた心惹かれる様な予感。
そのことにまた涙。大切な感情は何処にも行かない。
2人はまたきっと恋をする。そうであって欲しい、と願うのだ。

同時収録は、これまた不穏な絵が怖い「Cage」
美しい生徒会長・愛路は、教師の多賀を犬にしている。試験のデータを盗ませ、性欲の捌け口にしている。常に虐げられていることに嫌気が差したのか、多賀はある日、愛路を監禁し、鎖で繋ぐ。
逆襲のつもりが、実は。というオチ。
仄暗く、血生臭いのは表題作と同じ。ところが、こちらには愛は無い。歪な執着と性癖があるだけだ。

どちらもとても痛いので。心はヤラレる。元気な時に、落ち着いて。心して読むべし、かな。ふぅ。

7

ああ、レオンだ。

表紙の絵は好みじゃないですが、噂を聞いて購入。
あれ?いい意味で中の絵違うですよ?めっさ上手いし、こういう絵は大好きです。初コミックスでこの上手さ?と思ったら、一般誌で描かれてる方なんですね。そっちも気になります。

人は死にまくるし色々アレな展開で人を選ぶと思いますが、私は大当たりでした。真逆のネタで純粋な物を描く話、大好きなのですよ。
殺し屋と男娼の逃避行。
惜しむらくは、尺の制限があるから仕方ないのですがこの逃避行部分が少なかったこと。
この部分の淡々とした会話あたりをもっと描いていただけたなら、五体投地したまま息耐えられる自信があります(笑)

ハッピーエンドなのかなあ。
とても悲しいですね。
また恋に落ちればいいのか。二度も初恋を経験出来るなんて、ある意味素敵かもしれません。二人の未来に光ある事を。
今、スティング(大好き!!!!!)のShape Of My Heartを聞いたら、号泣出来そうです(笑)

もう一作はどんでん返しはこうキタか!と思いましたが、SM好きですけど特に好みではなかったです。求めてるものはこういうものではないんだろうなあ。

6

初めて恋した二人

イトウさんは、Iというコードネームの殺し屋さんです。
男娼のキョウスケ君を思いがけず好きになって
アタッシュケースいっぱいの札束をもって
これで、足を洗って好きに生きてくれと。
それで、キョウスケ君はイトウさんに興味を持ちます。

二人は相思相愛になるのですが…
逃避行です。
イトウさんがキョウスケ君のどこに惹かれたのが描かれていたらよかったな。

イトウさんは、キョウスケ君のために殺しをしたのが初めの感情で
そんな思いを感謝しているのです。
キョウスケ君はひたすらイトウさんのそばにいたいと。

純愛だと思います。

イトウさんの顔立ちは、目がつぶっている
普通に見たら微笑んでいるような顔立ち
だけど、目を見開くとゾクっとするような怖い顔です。
その描写のギャップが素晴らしいです。


イトウさんのエピソード0が連載になっているそうですね。

その後の続編として
本編ラスト、記憶を失ったキョウスケ君と再びイトウさんが恋に落ちて
南の島で幸せに暮らせたらいいと思いました。

4

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