みしぇる
nannimoiranai
商業誌「イエスかノーか半分か」の同人誌です。実はこのイエスノーシリーズの中でも極めて好きな一冊です。
もう、新幹線のホームに立つ国江田さんの立ち姿のキラキラ度。マフラーを巻く微細なところまでも国江田さんです!!を見つめる潮。…を遠くから見つめる私(〃▽〃)幸せです。新幹線の中の二人の様子も必見!
また、計の実家がいい感じで。何気ない計も色々とツボです。潮の様子も目に見えるようで、ぜひ読んでもらいたい一冊です。
『イエスかノーか半分か』の同人誌。
本編と続編『世界のまんなか』の間の時期、Xmasとお正月の出来事。
死ぬほど笑った。
計の行動たるや、もう可愛くて可笑しくて……
というのは本編と同じ。
そして、笑った後には心の中がいっぱいになって……
実は今年の初読みは冬コミの新刊だったこの作品だったのですが、
あまりにも好きでレビューを書きあぐねて、半年経ってしまったのでした。
この度続編の刊行に際し、もう一度読み返したのでレビューをいたします。
× × ×
前半の「オールアイニード」は、クリスマスに向けての一編。
局前でのイベントカフェで、人寄せパンダよろしく
ウェイターを努めなければならなくなった計。
相変らずの行き過ぎた努力振りを発揮して、ラテアートの練習に励む彼に
サラッとエスプレッソマシンを用意する潮。
(こんな適度な重さとおしゃれさのプレゼントをされて、
嬉しいやら悔しいらの計。)
甲斐あっていつもの完璧振りでお仕事をこなし、
レギュラー番組も無事年内終了……のはずが、
急遽深夜枠のニュースにピンチヒッターで駆り出され、
そこで痛恨のミスをする!
なんと、サンタをサタンと言い間違え……
あっという間にネット上で評判に!(爆笑)
この後の展開のなんとも可笑しいあれこれがあって、
結果、年末年始は潮も静岡の計の実家で過ごすことになるのだが……。
後半の「オールユーニード」は
その年末年始の話。
ご所望の土産の「肉」を調達して新幹線ホームに行くと
そこには背筋を伸ばした美しい佇まいの計がいる。
そして互いに知らないふりをして着いた静岡、
駅に迎えにきていた母の車に乗り込んだとたん
きれいな国江田さんタイムは終了し、
潮が計の実家で過ごす年末年始の日々が始まる。
なんと計くん、いきなり「付き合ってるから」の爆弾発言!
唖然とする潮と、それぞれの反応をする両親。
実家でのびのびだらだら引きこもっている計。
そろそろ体を動かしたくなった潮が、計の父と打ちっぱなしに出かけ
話をする場面が好き。
いきなり「結婚するの?」と突っ込む母もこの父も
計の両親の造形が素晴らしい。
計の可愛らしさ(かなり変わっているけれど)は
この家庭で育ったんだなぁというのが、よく分かる。
本編同様テンポのいい会話、細やかな描写、エロもある一冊。
はじめ可笑しく、そして微笑ましく、最後に心に沁みる。
本編も好きだったけれど、それ以上に好きな一冊です。
※
前半の「オールアイニード」は、
2014秋のサイン会で配られた小冊子の再録。
再録なのだが、全く同じではなく
後半につなぐために少し変更が加えられている。
通販で届いた包みを開ける手間ももどかしいくらいに読みたくて読みたくて、自分の中のハードルとかなり上がった状態でしたが、もう本当にこれ以上はなんにもいらないって心底思いました。
読書にも好みがあって、自分の中のベストを探し求めて新しい作品を読むのですが、いや本当にこれ以上はなんにもいらないです。
内弁慶で両親と潮だけにしか自分を見せない計と、そんな計の幸せを願ってる三人の情景がキレイすぎて切なくて、でも温かくて。
こたつでのぼせそうな計以上に締まらないにやけた顔で読ませてもらいました。
まだ、公式のネット通販で手に入るので潮と計が好きな人はぜひ手にとって欲しいです。
本編『イエスかノーか半分か』も個人的に大好きな作品ですが、こちらはさらに上をいきます。すっごくすっごく良かった!
相変わらず計の心の中での毒舌は絶好調だし、潮との夫婦漫才なテンポ良い会話も面白い。もちろんエロもあります。さらに今回は計の両親も絡んできて、笑いあり切なさあり感動ありです。2段組構成でボリュームもあり。
『オールアイニード』
季節はクリスマス、テレビ局の特別イベントとしてアナウンサーカフェの給仕とラテアート係をやるはめになった計。見栄を張って人知れず自主特訓しようとするところが相変わらずです。
イベント中、潮がインフルエンザにかかったのと、忙しかったのもあり会えない日が続きますが、今作は修羅場もなく、ケンカしながらも終始ラブラブでした。やっぱり計はどうあっても潮が好きで好きで、風邪だから来るなと言われても会いたいものは会いたいとツンデレっぷりを発揮してます。
一穂ミチ先生独特の表現は、エロのときにその効果を発揮すると思います。今回のエチも、やってることはごく普通なのに、8ページにも渡って一回のセックスを濃密に、潮がどう触っているのか、計がどれだけ感じているかを表現されていて、ただ気持ちいいとか書かれているより、一穂先生の比喩を使った表現が、私は当事者の気持ちが想像できてとても好きです。エロしっかりめで大満足!
計が滅多にしない原稿を読み間違えるミスをしたときのエピソードがかなり笑えました。『サンタ』を『サタン』てwww
これは恥ずいですよね。
『オールユーニード』
クリスマスの続きもんで正月に計が潮を連れて実家に帰るお話です。潮視点です。
驚くべきは、潮と付き合っていると計があっさりカミングアウトしたところ。しかもコタツで漫画読みながら。
そんな衝撃発言に、あっさり結婚すんの?と承諾する母親と、そんな妻に固まりながらも言いくるめられる父親にもビックリです。
マイペースな母親と、変に流されやすい父親、間違いなく計の両親だと潮も唖然とします。
確かに、ずっと友達がいなかった計が他人を自分の実家に連れてくるなんて、そういう理由でもなきゃあり得ないですもんね。それが彼女じゃなくて彼氏でも生涯ひとりきりよりマシ!という理屈。にしてもすげー母親…
しかし、潮視点だからわかる計の両親の息子を心配する気持ちと、幸せになってほしいという願いが伝わってきてジーンときました。
全てをさらけ出せる両親のいる計の安全地帯に入ることが出来、計の両親にも受け入れられ、自分にとっても計がどれだけ大切か実感した潮。
最後の
計は。
潮の安心、潮の大切、潮の必要
という文章が印象的でした。表題通り、お互い以外はなんにもいらないのですね。
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