思い出は、癖になる

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レビュー数
3
得点
153
評価数
43
平均
3.7 / 5
神率
32.6%
著者
吉田ゆうこ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
価格
¥660(税抜)  
ISBN
9784829685600

あらすじ

同性しか好きになれない大学生のはじめは、
出会い系サイトでサラリーマンの都築と知り合い、すぐに恋に落ちた。
この人になら何をされてもいい、そう思えるほど好きになったのに、
突如二人の関係に不穏な影が落ちる。
不安と寂しさを抱えたはじめは、
自分のことを好きだというサークルの友人・安芸の元を訪れ、
寂しさを埋めるように体を重ねるが――。

表題作プレイバック

安芸 大学の同じサークル部員
番場はじめ 大学生

その他の収録作品

  • プレイバックpart2

レビュー投稿数3

プレイバック…

書きすぎてしまうと、大いにネタバレしてしまう気がするので緩めに感想のようなものを。
あらすじにあるように、出会い系で知り合った都築をすぐさま好きだと直感し、恋に落ちるはじめ。
温和な雰囲気を纏う都築ですが、都築には独特の観念があって、それによってはじめは不安を抱き苦悩するも揺れ動く気持ちを断ち切ることができずに、自分を好きだと告げてくれた安芸に寄り掛かります。
都築のやっていることは一見するととてつもなく利己的で身勝手で苛立ちを覚えずにはいられません。
しかしながら、都築の言動や行動は「狡い」の一言で片づけられる程に薄っぺらなものではないんです。
はじめは、少しでも亀裂をいれたのならば砕け散ってしまう薄氷の上に身を置くような脆さを感じさせます。
安芸は、若さ溢れるまっすぐな男の子といった感じでしょうか。
体の距離も近くにいながら、はじめを理解し遠くで見守っている印象を受けましたね。
三角関係でありながらもドロドロとした重たい印象は差ほど感じず、繊細に絡み合って解けていく…そんな静かな関係。
回顧や記憶の混濁を入り混ぜながら綴られる物語の雰囲気は、しっとりと心に沁み渡ってきて、プレイバックというタイトルも実にしっくりと伝わってきます。
ラストも上手いこと被せたなと称賛するとともに、物語を今一度思い起こさせる素敵な余韻を感じました。
自己理解を深めながら、少しずつ一歩前と前進していく恋物語。
もしかすると一番、脆く壊れやすいのは都築なのかもしれません…。

6

映画的

はじめと都築が、初めて出会う印象的なシーン。
そこからカットを割ってはじめが安芸の家に押しかけるシーン。
こうやって、時間や空間を飛び跳ねていくのって、とっても映画的。
はじめと安芸が映画サークルで知り合ったり、
安芸の部屋の中のあれこれとか、
江ノ島デートとか、
小田急の旧下北沢駅とか、
これって全編、映画の画像で脳内にある物を紙に写したって感じ。
雰囲気は、とってもある。
ほんとに、これ、実写の映画で見たい。
ただ、コミックとしては最初ちょっとビックリかな。
そう思ってじっくり読めばすごくわかるけどね。

2

雀影

snowblack様 こんばんは
コメントありがとうございます。
私のHN「雀影(すずめかげ)」は元々熟語じゃないので、まさかこのまま「すずめかげ」と読み下すとは思われないようで、雀つながりでお好きな熟語が浮かんでこられても無理はないかと。
どうぞ、お気になさらずに。
吉田さんの作品は、わかりやすかったり、エロエロだったりしませんが、私としては、そこが好きで、結構お気に入りの作家さんです。
もしよかったら他の作品も読んでみてくださいね。
きっと、もっと微妙で、もやもやすると思います。

snowblack

雀影様
す、すいません。
なぜに朱雀?雀影様と書いたつもりが、変換?……かな……?
……謎なのですが、申し訳ありませんでしたm(_ _)m

あ、でも……、某少女漫画の影響で、四方神の中で朱雀好きなんです。
ということで、「愛」の現れと思ってお許しくださいませ。

snowblack

朱雀様、こんにちは。
先日『HEARTY』で初読みし、好きか?と言われたら微妙なんだけれど
妙な味のある作家さんだなぁ、ともう一冊読んでみました。
この作品は、「映画的」という表現が本当にぴったりですね。

コマ割りとか、回想の折り込み方とかもそうですが、
セリフもそんな感じがします。

誰も悪くない

 『いとしの未来くん』に近い雰囲気を感じました。吉田先生の「好き」という感情について考えさせられる作品、大好きです。今回の主要な登場人物は3人。その中で唯一、安芸の「好き」は一般的なものでした。一方、はじめの初恋相手の都築は一番「好き」な人が2人いる。女性1人。それからはじめ。酷い、不誠実だと周りが彼を責めることは簡単だけど、女性のこともはじめのことも本当に同じくらい好きで、少なくともはじめにはそのことを伝えている。そして、はじめはそんな都築が「好き」で。この場合の都築の「好き」もはじめの「好き」も、当人にはどうしようもない感情なんだよなぁと思いました。

 ただ、はじめは恋愛経験は今までほぼなかったに等しく、雛が親を慕うように、初めての経験をたくさんさせてくれた都築を自分はずっと「好き」でいるのだ、と無意識に思い込もうとしていた部分があって。大人な都築に対して少し背伸びをしながら、あるいは少し我慢をしながら付き合っていた時よりも、同年代の安芸とはしゃいだり素で甘えたりしている時の方が彼らしくて、表情も豊かでしたね。記憶の入れ替わりというひょんな出来事に遭う前から、はじめは安芸の愛おしさに気付いていたと思います。もちろん、年の差が必ずしも問題になるわけではなく、はじめの場合は安芸の方が合っていたということなんでしょう。恋愛の本質を教えてくれるような作品でした。

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