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ookami wa koi ni naku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
3組のカップルのお話です。世界は同じ?
攻めたちに言いたいことがありすぎてたまらないよ〜。
とにかくコミュニケーションが足りなさすぎ!なのに他人の話を信じすぎ!
受けの人権ないがしろにしすぎ!
受けをバカにしすぎ!思い込みで暴走しすぎ!
特に最後のカップル。
幼い頃の初対面の一目惚れが全てなの?
双子だよ?一目惚れしたと思い込んだ方が兄とくっつき、残りの方も兄を好きなんだろうも残り物同士その思い込みで身代わり花嫁にして…。ひどすぎる。
やっぱり身代わりにすらならないみたいな…。受けは頑張って頑張っていつかは自分を見てもらえるようにって健気にウゥ(泣)
一目惚れが実は本人だった?他の男と二人で会ってた?貴様はそんなことで受けのことを好きだと?土下座して謝ってください!
本作が狼シリーズの最初でもあり、全ての始まり。狼と白鹿の恋と宿命の物語。
私は、現在進行形の「狼の花嫁」から遡って読んでいるが、時系列的にも彼等の歴史的にも、本作が一番旧く、さらにデビューコミックスだという。
「狼は恋に啼く」→「狼は花の馨り」→「狼の花嫁」
という順だが、それぞれ独立した物語なので、何処から入っても問題は無い。
狼と白鹿の宿命を司る恋人たちや、その宿命に抗う恋人たち。周りの人達。
この設定世界観から生まれた幾つかの物語の一つだ。そして本作はオムニバス形式でそれぞれの恋と宿命を描いて行く。
◆ 「狼は恋に溺れる」ツァスとウルの場合。
2人は幼馴染だが、それぞれ狼と白鹿の宿命の子なので、将来番う事が約束されている。
けれど幼ない頃からツァスを愛していたウルは、ツァスが運命の為に番うのだと思うと切ない。何とか愛するツァスの役に立つ者になりたいのだ。必死で勉強しようとするウルを見て不安になるツァス。ツァスこそウルに執着しているので。ウルが自立して自分の元から去るのでは無いかと疑っている。すれ違う恋人たち。
という、この世界の掟をシンプルに表した短編。プロローグに相応しい幕開け。
◆ 「狼は幸せな夢を見る」アリオンとイェケの場合。
こちらは珍しく、平民同士の幼馴染。彼等には背負う宿命が無い。貧しい村で育った2人は何とか村を出て生活している。アリオンは恋人であるイェケに「良い暮らし」をさせたいが為に無理をして働いて働いて。勉強もして。いつもピリピリしている。会う時間も減った。
そしてイェケを悲しませている。本末転倒なのだ。イェケを幸せにしたいのに。
という、大切な事に気付く物語。
◆ 「狼と身代わりの恋」アラクシとサラの場合。
王族であるアラクシの番いになるサラ。サラはずっとアラクシを愛しているが、アラクシがサラの双子の兄・ナラを愛している事を知っている。これは切ない。
ナラは、アラクシの兄・ハリムの番だ。父王の後継者である兄には何も敵わないと知っているアラクシのコンプレックス。それを全て分かった上で、健気にも気丈に振る舞うサラ。
どんなに愛しても、アラクシの視線の先にはナラがいて。兄の背中を羨んでばかりのアラクシ。もちろん、アラクシは本当の恋と、大切な事に気付いていく。
物語の中で少しずつ成長する2人が愛おしい。
狼たちが王宮をウロウロしていたり。彼等は王族に忠実なボディガードであったり。
始祖の物語より、狼は白鹿に恋をしたという伝説から、白鹿の末裔である「白鹿様」にとても懐いている、というのも可愛い。この後、物語は壮大になって行くのだが、そのどれにも狼たちが見守っている、というのもとてもいい。彼等に見守られて恋人たちはそれぞれの人生を歩んで行くのだ。
「民族BL」を謳うだけあって。王宮に入る時や、番の儀式に纏う白鹿の衣装や装飾品が煌びやかで美しい。これは作品が重なる毎に見応えも増して行くかと思うので、その変遷も楽しいです。
さすが、評価の高い作品です。
衣装細部にまでこだわりが深く、その美しさ、そして内容の深さに感動してしまいました。
1冊同じ世界ですが時代が僅かに違うのか、3つの物語から成っています。
どの作品もとてもステキですが、やはり3章からなるラストのお話は切なくてとても愛おしい。
この世界観でずっと本を出しておられるのですね。
最新刊はまだ物語が続いている。
追っ掛けします♡
エロ好きな私が、そうそうエロのないこのストーリー、このりゆま先生の、すっかりファンになりました+.(≧∀≦)゚+.゚。
ファンタジーはある程度「読もう」という気持ちにならないと踏み込めないジャンルだと思っていましたが、まったくそんな心配はいりませんでした。
あっという間に引き込まれます。
【狼は恋に啼く】萌2
幼い頃にツァスに告白をされたものの、まだ返事をできないでいるウル。
白鹿だから番になってくれるのか、自分には白鹿であるという価値しかないのかというウルの葛藤が見事に描かれていて、初っ端から胸を鷲掴みされました。
ツァスの言葉足らずな不器用さからもウルを大事に思ってるのが伝わって、しあわせを願わずにはいられない2人でした。
【狼は幸せな夢を見る】萌
ある日両親が連れてきたイェケを、両親亡き後も大切に慈しんできたアリオン。
身を立ててイェケを番にと思っていたけれど実は…という話で、3組の中では一番さらっと読める話でした。
【狼と身代わりの恋】(前後編) 萌2
双子の白鹿のナラとサラ。
王家のハリムとナラが番になった日に、ハリムの弟のアレクシから番の申し出を受けたサラだったが…。
身代わり、切ないですね。泣けます、ものすごく。
双子で見た目は何もかも同じなのに、自分は選ばれない。ひとを好きになっただけで、自分の何が劣っているのか、何が足りないのかということに常に苦しまなければならないなんて、何てつらいことでしょう。
アレクシはナラが好きで、サラに対してもそれをはっきりと言います。
サラ目線なのでサラの気持ちは丸分かりなので、余計に切なさが止まりません。
冷たいアレクシをもっと責めてやれ!と思うことが何度あったでしょう。
それにしても誤解が解けて良い方へと進んだものの、納得できない気持ちが消えず。
結局アレクシがナラを好きだったのは初対面の一目惚れのせいで、その後の交流で性格も好きになったとかではない?
ずっとサラをナラの身代わりにしてきた、という表現が双方から出ているけれど、秋祭りのことをこれまで一度も誰とも話していないのがすごく不自然に感じました。
その誤解のせいで切なさが生まれたわけですが、何かの続編なのかと思うくらい過去の話やハリムとナラのことが出て来るけれど、これがデビュー作品ということは、別にハリムとナラの話があるわけではなく。
ナラと一緒にいたいけど、身代わりにお前といてやる的なことを言ってきたとしたら、本当に何てやつなんだ…としか言いようがないアレクシですが、誤解が解けたあと「そんなに信用できないか」って言うシーンがありまして。
どの口が!?と思わず口に出てしまいましたよ。
これ、ハリムとナラの話があって、それを踏まえた上で読んだらさらに良さそうだなと思うくらい、作者さんは分かっていて断片的に回想シーンを出すけど、読者にはそこまで伝わらないという箇所がいくつか感じられたのが残念でした。
「こういうものが読みたい」と思って、ここまで完成度の高い作品を描けてしまうなんて、ただただ感服いたします。
狼ものは「番」の概念のおかげで安心して読めるものが多いので、地雷が多い方には特におすすめです。
好き!泣ける!
動物の狼はいっぱい出てくるけど
貴重だから?動物の白鹿は出てこない。
狼と身代わりの恋 その後
気持ちが通じてより甘くなるアラクシがよき。
お付きの人たちの区別がつかないんだけど
仕事中に、自分の疑問を解決するのにやってくるサラに付き合わされたり
仕事中にイチャイチャする2人と同じ部屋で仕事だったり
振り回されてる周囲を応援したくなる。
どのペアも狼は思い込みが激しい。
白鹿が強いペアがいてもいいと思うんだけどな。
同設定の既刊作が完結したので、こちらも含め一気に読了。
泣いた!!!
とにかくストーリーが切なくてほっこりにっこりでした。
伝統によって番にならざる得ない運命に翻弄される2CPと同時代、同地域の1CPのお話。
それぞれの気持ちを捨て置き、伝統によって結ばれる事による葛藤や拗れがせつなくて…胸にギュンギュン来ました。
自己犠牲とか弱いんだよ…涙隠して笑顔とかもう無理…大好きよ
随所に出てくる狼が、何をするでもないのですが最高にかわいい…!
また、服飾品や背景が素晴らしく凝っていて、魅力に溢れています。刺繍良い!
漆黒の狼と白鹿が始祖である民族は、狼の言葉を解し、狼と共に生きる。
ほとんどは「狼」と呼ばれる漆黒の髪を持って生まれてくるが、ごく稀に白い髪の「白鹿」が生まれ、白鹿は身分性別を問わず、王族と番(つがい)になる。
「狼は恋に溺れる」
王子のツァスと白鹿のウル、番になることがほぼ決まってそうな二人だけど、ウルは国のことは何もわからない役立たずで「白鹿」であることしかツァスに相応しくないと思い、ツァスはツァスでウルは王族だから自分と番になるのだと、相手が自分の「属性」に惹かれていると勘違いしてすれ違ってしまう…
その人自身を求めている、「属性」なんか関係無い純愛にキュンとさせられます。
「狼は幸せな夢をみる」
こちらは黒髪の狼同士、孤児の貧しい暮らしから文官学校に入ったアリオンとイェケ。アリオンはイェケに貧しい暮らしはさせたくないと、王宮仕官を目指しながら、学校内の雑用をこなして疲れている。イェケはそんなアリオンを心配し、一緒に笑っていられるなら貧しくても良いと。
お互いを思っているからこそのすれ違いから、番として手を取り合う話です。
「狼と身代わりの恋」
弟王子・アラクシと、双子の白鹿・弟のサラ。
兄王子・ハリムと双子の兄・ナラはすでに番として仲睦まじく過ごしている。
アラクシはナラに叶わない想いを抱き、サラも兄王子を想っているなら、余り者同士でちょうど良いので、サラと番うことにする。
兄王子の仕事も手伝うナラと違って、サラは天真爛漫でワガママに見える。でも小さい頃から本当はアラクシのことが好きで、ナラの身代わりだってわかっていることが切なくて、アラクシを思って起こす行動の一つ一つがかわいすぎて泣けました!
頑なで思い違いをしていたアラクシが気付いた真実、過去の出来事は物語的なオチに感じるけど、泣いてるサラに差し出し続けた手は、アラクシの本当の気持ちなんだと思う。
「その後」は番として認めあった後、カラダでも繋がって本物の番になるまでの話。慌てたり、不安になるサラがやっぱりかわいい!アラクシのものになるサラもすごくかわいい!
妊娠ファンタジーはないので、男同士で番って王家の跡継ぎはどうなるのかな?と心配になりますが、まっすぐで健気な想いにキュンキュンさせられっぱなしで心が洗われるような本でした。
狼たちのモフモフぶりは雄々しくかわいく、大陸の騎馬民族っぽい背景や衣装は丁寧に描かれていて、デビューコミックスとは思えない仕上がりです。
チベット付近の民族衣装が好きなので、飛びつきました。
鹿と狼の一族がいて、番う仕来りとかいいですね。
いや、しかし、これはBLじゃなくてもいいんじゃ、もといBLであっては駄目なのでは。
男でも番えるという事が、民俗的にはとても不自然で、BLだから仕方ないのですが、そういう仕来りに背いて……という展開では駄目だったんでしょうかねえ。
受けの外見もほぼ女子だし、これでゴリマッチョとかだったらまた評価は違うのですけれど。
話も女子が我が儘いったりする、よくある少女漫画という感じでした。
女子でいいよなあ。…………すみません。
大変な衣装も丁寧に描かれているので、もう少しあったら神だったかもしれない。
こういう雰囲気のBLは珍しいので今後に期待!
あらすじを見て、よし買おう!と決めた作品です。
身代わり、けなげ受け、可愛い受けが大好物なわたしにとって、とてつもなくツボを抑えられました。
世界観が独特で、ところどころに狼が出てくるんですが、それがまた可愛らしくて仕方ありません。もふもふ好きなのでたまりませんでした。
すべて同じ世界観の話が収められており、みっつ(厳密にはよっつ)のカップルが出てきます。
先祖がシカとオオカミというファンタジー溢れる設定で、番という言葉が使われる関係にあるところに、ロマンを感じます。ひとつだけオオカミ通しのカップリングがあるんですが、そのふたりの話だけが庶民らしかったです。他の話は、攻めが王族で、受けが一族にとって重要なシカの子というポジションにあり、きらびやかな生活をしている上、あまり金銭的な苦労はしていないので、薄幸ではありません。
どの攻めも堅物で言葉ではあまり語らずに、行動で示す不器用なタイプの人ばっかりで、やきもきさせられます。受けも受けで、健気でいじましいんですが、空回りしたり、一人ぐるぐる悩んだりと、ある意味お似合いカップルばかりでした。
一番安定しているのは、表題作の双子のもうひとつのカップルです。出来るならば、彼らの話も読んで見たかったです。言葉や最後の話でちょろっとだけ、そういう描写があるだけで、直接的な場面ではなかったのが残念です。
世界観自体が独特なので、同性間の恋愛も異常ではなく、周りから認められているというのも新鮮でした。
デビュー作ということで、ところどころ爪の甘さが目立つ一冊ではありましたが、特殊な設定や独特の世界観に貰えました。
狼!?鹿!?とくれば、もふもふ!?と期待して購入しました。でも、狼は出てくるけどもふもふはなく、そこがちょっと残念でした。
どのお話も、相手を大切に想っているのに言葉が足りなかったり、すれ違ったりで切なくなりました。特に「狼と身代わりの恋」では、最初からお互いに身代わりだと思って一緒にいるので、切なさマックスでした。アカシアのうじうじして八つ当たりする態度にはイライラしたけど、サラが身代わりでもいいと長い間頑張っていたのに疲れ果てて「無理だよ。もう頑張れない」と話す場面では泣いてしまいました。
世界観もしっかりしていたし、絵も綺麗で楽しめました。民族ものもいいなと思えた作品でした。
表紙とあらすじを見た時は攻めが狼なのかと思ってしまったのですが、そんな事はありませんでしたね、普通に人間同士のカップルでした。(私は人間同士の方が好きなので特に問題ありませんでしたが。)
ストーリーにも読む前に思っていたほどには狼は深くかかわっていませんでした。けれど世界観を表現するには充分な役割をしていますし、その点では重要な存在だとも思います。何より登場人物達の側に寄りそう狼たちの姿は愛らしく、もっと姿を見たいと思ってしまいました。
「民族衣装を着た人たちがBLしてる漫画が読みたい」と作者のりうま先生が思っただけあって、民族衣装はとても丁寧に描きこまれていて、衣装を見ているだけでも楽しいです。風景や風習や世界観もしっかり描かれていたので、ただ民族衣装を着ているだけで終わっていなかったのも素晴らしいところ。
狼にしても民族衣装にしてもファンタジーにしても、りうま先生が好きなもの・読みたいものを描いてこれだけ反響があったと言う点でも素晴らしい事だと思います。
収録された三種類のお話が全て同じ世界を舞台にしてるのも面白かったです。これだけ丁寧に作られた世界を一作で終わらせてしまうのは勿体無いですし、複数の作品を楽しめて良かったと思います。
どの作品も、自分に劣等感を感じながらも健気に相手を思う受けの姿にきゅんとしましたし、相手の気持ちや自分の気持ちに気付かず、すれ違いや誤解などを経ながらも相手と打ち解けていく姿を応援するような気持ちで読んでいました。
少し残念だったのは、アラクシがサラに告白するシーン。あれでは「一目惚れした相手だったから好きだ」と言っているようにも感じてしまいました。
アラクシはナラと会話して、本当はサラが好きな事と、一目惚れした相手を勘違いしていた事に気付きます。ですが、本当はサラが好きだった事と、一目惚れした相手が本当はサラだった事は別の話だと思います。アラクシ自身も自分で自分の気持ちに気付いていたので、一目惚れだけが好きの理由ではないときちんと分かりはするのですが、好きな理由とははっきり分けて描かれていたらよかったかなぁとも思いました。
その辺りが少し気になった以外は本当に満足です。
民族モノでファンタジーなBL作品をもっと読んでみたくなる、そんな作品でした。
狼信仰が色濃く息づく民族をモチーフにしたBL作品を読めるだなんて思ってもいなかったのでこちらの作品に出会えた喜びはとても大きかったです。
狼を始め、女の子のような容姿と可憐さを持つ登場人物、ひたむきで健気な受ちゃん、民族衣装、自分の好きがギュッと詰まっていて贅沢で満足感ある一冊でした。
表紙で釘付けになり、口絵や冒頭から溢れ出る世界観、あっという間に物語に引き込まれてしまいました。
切ないシーンでは胸を締め付けられそうになり、それぞれのカップル達の想いが重なったシーンでは幸福感を感じてキュンキュン癒されました。
絵柄もストーリーに見合った繊細さがあり、丁寧な景観描写から生まれる視覚効果も素敵です。
民族衣装もつま先まできちんと書き込まれていてじっくりと見入ってしまいますね。
狼の生態を準えた部分もあって、狼を信仰の対象として崇拝するトーテミズムのようなものも感じられる極上ファンタジー作品でした。
個人的な趣味としては人外BLが読みたくて買ったのですが(笑)、受け攻めどちらもあまり動物と関係はなかったような。ただそういう民俗伝承の中での名前だけでした。
衣装は中東?とか西アジア?のイメージでしょうか?線が細くて衣装の刺繍や模様、装飾品も細かいのできれいです。(実際作者さんも巻末で描くのがめんどくさい!とおっしゃっています。笑)受けのキャラもそのせいかより女性的に見えますね。
個人的には「狼と身代わりの恋」のカップリングが一番好きです。
同じ世界観の中での短編3本(うち1本は前後編+後日談)からなる1冊です。
発売前にちるちるであらすじを読んだ時点で好みの設定の予感がしていましたが、その点では期待どおりでした。
ファンタジーで民族BL、というと、小説ではいくつか思い浮かぶのですが、そういえば漫画では結構少ない気がします。そもそも、民族モノの定義がよく分からないですが、特徴的な風俗・風習が前面に押し出されていて、なおかつ舞台設定があまり都会的でないことが条件になるのでしょうか…(完全に個人の主観ですが)。
この作品では、この「特徴的な風俗・風習」がうまく活かされていたように思います。
惹かれあう運命の「狼」と「白鹿」。予定調和になりそうで、意外にも様々な可能性を秘めた設定ですね。
(以下、ネタバレ有りです)
正直なところ、あまり好きになれない登場人物が多く、特に3作目の攻めのアラクシに関しては、
・なんで一目惚れの相手をサラではなくナラだと思い込んでいたのか
・何年もナラに片想いしていたはずなのに、一目惚れした相手が実はサラだったと分かった途端に、ナラへの想いは無かったことになったのか
・結局、顔が同じで白鹿なら、サラでもナラでもどっちでもよかったということなのか
と、色々と不可解なことが多く、そのおかげでお話自体の終わり方が釈然としませんでした。3作目のお話だけでコミックス1冊分くらいあれば、そのあたりも納得できる展開があったかもしれませんが…
読後の満足感・納得感はさておき、面白かったし、萌えたことは確かなので、「萌」とさせていただきます。
同じ世界観の作品をもっと読んでみたいと思いました。
ファンタジーは気になるけど表紙のキャラは女の子っぽいし、内容もゆるそうだなぁと思い読むのが後回しになっていたこの本。想いの強さにガツンと殴られました。受けはやっぱり女の子っぽいのですが、性別は関係なく展開される世界に惹き込まれ、切なく優しく力強い純愛ストーリーに泣かされました。
◆『狼は恋に溺れる』
惹かれ合う宿命にある「狼」のツァスと、「白鹿」のウル。
「白鹿」だからではなく、自分自身を愛してもらえるようにと願って一生懸命勉強するウル。
勉強など必要ないのに、何故自分の傍にいてくれないのかと不安になるツァス。
誤解が解けて気持ちが通じ合うまでの流れはありがちな展開でしたが、運命に任せて愛し合うのではなく、努力して自分の魂が選んだと思える生き方を追求する姿に究極の愛を感じました。
◆『狼は幸せな夢をみる』
貧しい村で兄弟のように育ったアリオンとイェケ。
イェケを幸せにしたい一心で働くうちに余裕をなくしていくアリオン。
幸せはすでに2人の間にあったのだと、イェケが気づかせてくれます。
◆『狼と身代わりの恋』前後編+その後(描き下ろしH編)
アラクシ×サラ。身代わりでもいいから傍にいたいと思う気持ち、それ以上を求めて苦しくなる気持ち、逃れられない想いが苦しく切なかったです。
頑張った末に「もう頑張れない」と言うサラ。涙を流さずに吐きだされた弱音がとても痛々しく…。
けれど2人が真剣にお互いの事を考える感情は身代わりなどではなく、傷ついた心が優しく癒されるラストでした。
ぱっと見、男子っぽくない子+狼+花というイラストのため、あまりBLらしくない、どちらかというと、はなとゆめ系の少女コミックス風のイラストですが、表紙で見落とすなかれ、素晴らしく萌えました!!
「マウリと竜」などが好きな方なら絶対好きだと思います。ファンタジー系ほのぼのBLです。
民族もののどこが良いかというと、絵が繊細で非常に綺麗です。著者のあとがきでも、民族衣装の描き込みの大変さは語られていましたが、本っ当に細かい!!民族衣装だけでなく、背景や人物の細かな表情、そして何より狼の絵も美しいです。動物や衣装をここまで繊細に描いたBL作品はそうないのでは。いやはや民族BLは盲点ジャンルでした。
良いのは絵だけではなく、ストーリー・キャラも面白いです。ストーリーを簡単に言ってしまうと、すれ違い・勘違い・誤解による片想い・嫉妬などなど、ありがちネタではありますが、オリジナ設定のファンタジー要素・民族的習慣などの要素など、BLの設定として目新しい要素が上手く生かされており、「ありがちだな」とはまったく思えず、話に引き込まれ一気に読めてしまいました。
特に、表紙で、前・後・その後編が入っている「狼と身代わりの恋」は読みながら“切ない!!”、“アラクシ(色々勘違いして受けを傷つけてしまう攻めキャラ)のバカやろう!!”と脳内で叫びながらゴロゴロする程度に引き込まれました。
絵といい、内容といい、デビュー作とは思えません。素晴らしい。
自分内の今年度上半期BL作品でTOP3に入りそうな勢いです!流行れ〜!
ファンタジー設定で民俗BLとか。
その昔、狼と白鹿が愛し合い番ったことから始まった国と民の物語。
一見して表紙も女子っぽいし、どうしよう?と悩んだのですがその装丁の綺麗さの魅力に抗えなかったデス。
多分、小説だったら地雷ドツボでうわ~!ってものだったろうと思うのですが、何だろう?
絵が見せる効果が働いてそんなに悪くない、この設定ありきのファンタジーの世界にそうだよね、と納得を感じるのでした。
単行本のタイトルは同人作品の題名で、『狼は恋に溺れる』と改題して雑誌収録になった作品だそうです。
この表題含め、3本のそれぞれの「番」をテーマにしたお話で出来あがっていました。
この3本に共通するのは、狼である攻めとなる男子が割とどれも強弱はあれど強気で、一部傲慢な部分もあるところ。
受けになる子はちょっと弱い雰囲気を持ちながらも、健気で一途なところ。
そしてどれも誤解やすれ違いを軸にしています。
似た感じの3本であるのに、それぞれの立場やシチュが違うから話は当然違っていて平坦な感じはしません。
ラストには甘さが、そして愛があるので、着地はとてもほのぼのとしています。
王家の子息は白鹿と呼ばれるまれに生まれる白い髪の子と、性別問わず婚姻する定めであり、また惹かれあうのは当然の理。
【狼は恋に溺れる】
白鹿であるウルが番である王子のツァスに白鹿であるから側に居て当たり前ではなくて、ふさわしい人になりたいと努力することが誤解を生むお話。
当然なのではなく特別になりたいなんて、そう白鹿も一個の人間であり唯の妻という番ではないのだと、弱い外見から感じられない強さを感じました。
その一見女子のようなウルが魅せる表情があるからこそ、自分の地雷と感じる苦手部分を補うのかもしれないです。まさに絵の効果。
【狼は幸せな夢を見る】
こちらは狼と白鹿の組み合わせではなくて、貧しい寒村出の狼同士のお話。
ずっと一緒に苦楽を共にして生きてきたから、相手に良い生活をさせてやりたいから、そんな一途な想いは、相手と一緒なのにすれ違いを生んでいた。
王族と身分が違うモノ達の物語が合間に入る事で、この国というものを見る事ができるような気がします。
【狼と身代わりの恋】
これですね!思いっきり痛いすれ違いと誤解思い込みです!!
双子で生まれたサラとナラは、王子の兄弟それぞれハリムとアラクシと番う事になるのですが・・・
サラはアラクシがナラを好きだと知っており、アラクシはサラがハリムを好きだと思い込んでおり。
とてもとても苦しくて、傲慢なアラクシがとっても酷いヤツでサラが滅茶可哀相です(涙)
どうやって団円を迎えるのか~それはさておき。
こんな攻めやだー!と思うより、白鹿が双子で生まれてきたことから唯一でないという条件が+され、始祖からの定めは一体?というハラハラ感もあり、この話は一筋縄で行かない展開を見せるのがよかったのだと思いました。
小説だったら、ほんとうにこんな奴やだー!!かもですが、やはり漫画は表情が見せる部分が絶大な効果を奏して、その痛みも奥が深く柔らかくなるような気がします。
メデタシの終わりに安堵しながら、書き下ろしの初エッチに、これからアラクシは超メロメロで嫉妬しまくりの束縛キッツイ人になるんじゃなかろか?と思わずニヤリとさせるのでした。
カバー下にそんなワンシーンがあって、ほっこりさせられます。
小説だったら地雷、でも漫画だからの魅力があった。
自分にとってはそんなファンタジー。
衣装の他にも全てではないですが背景も細かい描き込みなどみられ、丁寧な作りに読んで良かったな~と、しみじみ思うのでした。