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adabana lament
【徒花】実を結ばずに散る花。実を伴わない物事。
【ラメント】哀歌、悲歌、嘆き歌
2011年~13年に同人誌で発表された作品と、電子配信されていた作品を集めた短編集。近代モノが3作品と、現代モノが2作品です。
そのうちの1作品を「徒花ラメント」と改題して収録されていますが、全ての作品がタイトルのテーマに沿った内容。悲しい物語というよりは、実を結ばないながらも自分なりの花を咲かせようとする姿が美しく、どれも本人達にとっては幸せな物語なのだと思います。
登場人物達が皆穏やかで感情的になったりしないので、読んでいて引きずられる事がありませんでした。その穏やかさが「諦め」のうえにあると捉えて物足りなく感じるか、「悟り」のうえと捉えて納得するか、評価が分かれるところかもしれません。ちなみに私はどちらでもありませんでした。←よく分かっておらず、ただ「美しいなぁ~」と惚れぼれしていました。
以下、各作品の詳細とネタバレです↓
◆『徒花ラメント』(同人誌作品『冷笑椿』を改題)
7年前に姿を消した兄。当時の兄と同じ年齢、17才になった主人公は兄を知る「灰青」という男に出会います。
悲恋を遂げた兄のようには生きたくない―。しかしそれは、悔いを残さぬ生き方ではないと「灰青」は言い…。17才の少年らしい、初々しく美しい物語でした。
◆『俗・徒花ラメント』(描き下ろし)
俗っぽいラブラブ後日談。タイトルがいちいち素敵だなぁ~と思いました。
◆『艶恋噺』
薬房の息子と文楽人形師の話。蝶の鱗粉になぞらえられた、ひと夏の恋。
◆『禁忌の楔、情欲の残り香』
霊が見える主人公。未練を残している霊の話に耳を傾け、成仏へと導く話。
◆『深海でもえる火』
昔付き合っていた彼との再会。忘れたふりをしていたけれど、一度も忘れられなかった人。彼が結婚した後もしばらく関係を続けていた事と、現在の彼の「迷言」がどうしても受け入れられませんでした。
「自分の中に表彰台がいくつもあって、一位の人がたくさんいる」
アホかっ!!と思いました。
主人公はそれで良しとするようなので、そっとしておこうと思います。
◆『MEOW』
バンド内恋愛。半端な関係の2人。半端がいい。面倒がなくていい。これでいい。
けれど相手の本命を見て、気持ちが揺れる。本気の恋を始めよう。
表題作が好きな時代の話なので購入。
表紙でも分かる通り、表題作は受けがどう見ても女の子です。
中身も変わらず女子でもいい感じなので、こういう受けが駄目な方は読まない方がいいかもしれません。
表題作に関しては、本気で女子でいいんじゃいかなあ。うーん。せめて見てくれがもう少し男子であればいいのですが。
この本の中では、人形師の話と幽霊が見える子の話が好きです。
人形師の結末は微妙ですけれど。
個人的には、途中がいかに不幸であってもBLは幸せな結末がいいなあ。
幽霊話も幸せじゃないですが、こういうオチは大好きです。
ただもう一人の長髪の彼が、ただのお姉さんだなあ。
そういう意味では、この人が女子で一般の話でもよかったかもしれません。
最後から二つ目の再会話が一番BLっぽいです。
話もよくまとまってるし絵も綺麗なんですけれど、いかんせんかわいい受けが女子なのでそれさえなければとても好きな作家さんなのでした。
キャラとしてはこういう中性的で穏やかな子が一番好みなので、尚更惜しい!