小椋ムク先生推薦帯付き!

Call me,Call.

call me,call

Call me,Call.
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神19
  • 萌×224
  • 萌7
  • 中立0
  • しゅみじゃない8

--

レビュー数
15
得点
212
評価数
58
平均
3.8 / 5
神率
32.8%
著者
梶本レイカ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
価格
¥667(税抜)  
ISBN
9784864421478

あらすじ

ススキノにあるゲイ向けデリヘルのやり手スカウトマン巣我は、就職浪人中の生真面目で善良な陸に声をかける。
誰かに必要とされたいと願う陸の気持ちを利用する巣我だったが、時と共に温もりを帯び始めて陸との関係は、やがて巣我にとって忘れたい過去を呼び起こさせ――?!

表題作Call me,Call.

荻野陸,23歳,ゲイデリヘル
巣我博,ゲイデリヘルのスカウト

その他の収録作品

  • あとがき
  • ・「マコちゃんまだ懲りない」(裏表紙)
  • ・「陸クン 夜の帝王」(裏表紙)

レビュー投稿数15

儚くも美しい愛の物語

最近、高3限定で有名な梶本レイカさんの本ですね。
私は梶本レイカさんの本を読むのは初めてなのですが、ちょうど高3限定読んでみたいなーと思っていた時にたまたまこの本を見つけ、衝動買いしてしまいました。
内容もシリアスそうだな、どんな物かなと多少は覚悟して読んだのですが、いろいろと予想の斜め上を行きましたね...

巣我の過去の話はとても胸を打たれますし、ラストで再会するまでのくだりも切ないです。鮮やかなピンク色の表紙も読み終わった後に改めて見るとその意図が伝わってきたりと、読み終わっても複雑な余韻が長く残りました。

終わり方については良かった・悪かったなど個人差がかなり出るような終わり方で、私はまだ良い方の終わり方だと思っています。狭い世界の中でもがきながら生きていた二人がやっと見つけた幸せですから、生まれた幸せに縋り付くような不器用な愛でも充分美しいと私は思います。これは梶本作品ならではなのでしょうか、胸に引っかかるものを残しつつも終わってしまう物語が儚さを感じさせました。
また、登場人物の繊細な表情も良いと思いました。巣我の愁いを帯びた表情や陸の必死な顔、この内容だからこそより笑顔が画面に栄えて綺麗に見えましたね。

心臓の奥を抉るような深い内容で読む人を選ぶ本だと思うのですが、何か考えさせられるBLもいいのかなぁと。これを期に他の梶本作品や高3限定にもチャレンジしてみたいです。
長文失礼しましたm(_ _)m

5

目に見えるものだけが痛みじゃない。

人の幸せ、不幸せは他人には到底分かりえない。
どんな傷を抱えて、今を笑っているのか。
どんな希望を夢見て、今日まで生きて来たのか。

でも、そんな他人同士が何故か惹き合う瞬間があるのです。
陸君も巣我ちゃんも、出会うべくして出会った
そんな気がします。

目に見える傷や怪我だけが痛みじゃない。
見えないものの中にこそ、痛みがあります。

この作品は痛いです。
すごくすごく痛い。

それでも報われる喜びと安心感と希望がここにはあります。
だからこそ愛しく、優しい気持ちになれるのです。

ただこの痛みは、恐らく、傷のない人には分かりえないもので、
そんな人には正直、どうにも刺激が足りないのかもしれません。
でもそれは幸せな証拠です。

梶本先生の作品は、今を生きる、同じ何かを抱える人たちの希望です。
きっと寄り添ってくれます。
だからもっともっと色んな人にこの作品に出会ってほしいな…

2

幸せになる資格

 ヒロインはやり手デリヘルスカウトマンの巣我。表紙右側のおっさん(31歳・攻)です。
ヒーローは巣我にスカウトされた純粋で真面目な勤労少年の陸(23歳・受)。

 出会った当初の立場は巣我優位だった関係性が、急速に変化していく物語でした。
こわばった巣我の心と柔軟な陸の心が触れ合い、反発し、少し重なる様子が面白く描かれています。

 デリヘルとは全く縁のなさそうな陸をスカウトした巣我。
相手が必要としている言葉が分かる巣我にとって、純粋な青年を引き込むのは簡単な事で。失敗続きの就職活動に自信を失くしていた陸の心を、甘い言葉と飾らない言葉を交えて巧みにほだしていきます。

 予想を遥かに超えてタフだった陸。
巣我の事が好きだと自覚した陸は、どんな客と寝ても変わらぬ眼差しで巣我を見つめます。
陸の強さに戸惑い、拒絶してしまう巣我。

 面倒見がよく大人びて見える巣我の心には、深く根付いたトラウマがあって。
傷つけられた記憶ではなく、自分の無力さを呪う記憶。
優しすぎて一生懸命すぎただけの巣我が、自分を責める様子には胸が痛みます。

 だからこそ分かる、相手が欲している言葉。
騙しているわけじゃなく、心の底から発する言葉。
けれど自分にはもう遅くて。
それ以上は踏み込めない、罪悪感。
自分が幸せにできなかった大切な人達が知らない所で幸せになっている、焦燥感。

 そんな巣我の心を、今度は陸がほだしていきます。
傷つけないように、傷つかないようにすることが幸せなのではなくて。
2人で闘い乗り越えて行く幸せ。
2人なら。ちょっとの勇気と、ちょっとの愛で。
どうしようもないと思われたオッサンが幸せをつかむ、シンデレラストーリーのようでした。
おとぎ話と一緒で、大変なのはこれからですが。
この2人なら大丈夫。安心できるラストでした。

↓以下、受け攻めについてのネタバレですが、


ラストの展開は、巣我が「幸せになる」覚悟を決めた証として、とても大きい意味があったなぁと、非常に嬉しく思いながら読みました。単に好きなだけなんですが、リバが(笑)

7

愛で育つ

デリヘルのスカウトマンと、その彼がスカウトした就職浪人の男の子の話。

誰かに必要とされたいと願っていた陸は、巣我の言葉に救いを見いだし、やがてそれは、巣我自身に対する恋情だと気付きます。
一方巣我は、15の頃、背負いきれずに逃げ出した過去に囚われ、愛というものに後ろ向き。
好きだという気持ちをぶつけてくる陸からも、また逃げ出します。
そして二人は一度離れてしまうのですが、偶然再会し、、

大切にされたい、
必要とされたい、
愛されたいと願いながら、15歳のまま蹲っていた巣我の心は、陸の愛で少しづつ成長していきます。

このお話、最後の書き下ろしで巣我×陸から陸×巣我に逆転しますが、結局の所、このお話って、魔法の呪いに囚われていた姫(巣我)を、逆境から王国を再建した王子(陸)が、見つけ出し、呪いを解いて妃に迎える話だと思えば、この展開で、この落としどころは、すごく納得できる。
絵も全体にロマンティックになって、読みやすかったです。
リバが大丈夫でしたら、梶本さん初読みの方や、「高3限定」がギブアップだった方にも充分オススメできます。

6

考えるほど難しい

主に、裏社会を映し出している作品でした。
序盤から、とにかく認めてほしいとか、期待されたいとかが、
ちょこちょこ出てくる作品で、
なんか現代社会に問いかけてる気がしたんです。
ニュースでもこの言葉は、よく出てきますし、
この思いは、持っていてもおかしくないかなぁと個人的には思いました。
結構無意識にあったりしますし。
が、せっぱつまっている状況だと、
危険な世界へと足を踏み入れるきっかけにもなり得る。
そして、そのきっかけを作りそうな具体例が、巣我の過去話。 
リアルにありそうな話です。
16で父親代わり。普通にやれる人って、相当な精神の持ち主な気が。
逃げたのではなく、年齢的にも、精神的にもそこまで来ていないだけ。
誰が悪いとかそういう問題じゃない。悪いとすれば、母親になるのかなぁ。 
でもそれを教えてくれる人が、巣我にはいなかったんですよね。
途中で、店長がいいことを言ってました。 
なんでこの立ち位置の人は、いいこと言う人が多いんだろう。 苦労人なんだろうなぁ。
そんな感じで、二人の愛の展開よりも、
そっちの話の展開に注目してしまい読んでしまった私であった。
どこまでも自分を責め続ける巣我が、かわいそうでなりませんでした。
陸の長きにわたる説得もあり、ハッピーエンドではありますが、
その陸も出会いのきっかけは、巣我だけが、自分を欲っしてくれるという理由。
BLという形をとっていますが、
社会問題をテーマにした一般の単行本を読んでいる感覚でした。
奥深いものが、たくさん含まれている、考えさせられる作品でした。
萌×2で。



5

変われない恐怖

梶本レイカ先生は初読みです。
高3限定を雑誌でチラ読みした時、絵が苦手かも?と避けてましたが。
思ったほど気になりませんでした。
食わず嫌いはあきませんね☆
このお話の主人公達には、それぞれに強く共感する部分がありました。

陸くんには、人前ではかなりのあがり症なところ。
何社も受けて落ちて、自分に自信がないところ。
子供の頃に、病気の子供扱いを受けた事など。
あ~わかるわぁ、あるあるそういう事、私もあった同じ同じ。
なんて思いながら。
それでも、この真っ直ぐで純粋なところは見習わなければ!とつくづく思いました。

巣我さんには、目の前のツラいことから逃げる弱さだとか。
人とどこか距離をおきながらも、一人にはなりきれないところ。
まわりの変化を眺めつつ、何も変わらない自分に嫌気を感じるところ。
自分を好きになれないところも。
程度の違いはあれど、深く共感する部分ばかり。
人にいいように扱われるお人好しさは、純粋ですごく好感が持てます。

二人の人とのかかわりの中での変化を読んでいて、なんだか刺激された気分です。
な~んにも変わらない自分に、恐怖さえおぼえる時。
それは、何かが変わるタイミングなのかも?
陸くんと巣我さんは、距離を保ちながら近づいて。
近づきすぎたら突き放して。
でも再会したら、さらに近づく。
そうしているうちに、陸くんは欲張りになり。
巣我さんは肩の力が抜けていく。
すごくバランスの良い、素敵な関係だと思います。

余談ですが。
「波長が合う」人と出会う瞬間。
会って間もなくても、すごくうちとける事が有りますよね。
巣我さんの事情を細かく知っている店長は、巣我にとってすごく波長が合う相手なんやろうなぁ。
キャバ嬢やった女の子とかもきっと。
恋愛だけではない、人との繋がりの空気感。
この二人は、そんな人達に恵まれた環境にいる。
ホント、素敵な二人です♪

4

読みごたえがありました

絵が良かったです。感情が伝わります。
読みごたえのある回があるので、物語に入りこみます。
陸君が良い人です!陸君のおかげで最後巣我さんよかったね!って思いました。

描きおろしの巣我さんがツボでした。可愛い…!

2

ネタバレ注意

自分的にゴールまでが長い印象をもちました。
ストーリーはしっかりしていてお互いちゃっかりしているキャラという感じでした。
レイカ先生の作品はコミック化された分は全て読みましたが今回はラリる事も無くエグい事も無くただただ大人の恋愛物で安心して読めました。

最後のおまけ?書き下ろし?のその後の話がありましたがこれがまたムフフデウフフなのですよwwww
ribaなのですよwww
おっさんが受けって破壊力やばいです。

1

読みやすい(当社比)

梶本さんの作品は絵、ストーリーともにかなり深層えぐってくるエゲツないものが多いと思うのですが、その中でもこの作品は大分読みやすいです。
読みやすいと言っても、重い過去背負った売り専スカウトマンとノンケなのに売り専やりはじめる事情あり青年の話です。
出生と環境、素質と才能、諦めと足掻き、それらから生み出される現状
が鮮烈に描かれているのは他の作品同様なので、痛み重みのバランスの良い作品だと思います。
絵柄も他の作品にくらべたら大分デフォルメも線もスッキリしてます。
今連載中のモノは昔以上にすごいので、あえてこの線なんだな、と。
巣我さんも陸くんも普通にイケメンなんで読み始めは驚きました。登場人物がイケメンで驚くっつーのもなかなか…
陸くんの心身、性のポテンシャルの高さ好きです。
不採用した会社の人事どもはどこに目をつけてんだよ!この子はやればできる子なんです。褒められて伸びる子なんです。そして黒子。あー黒子は萌え。
書き下ろしとカバー下で大円団ありがたい。
梶本さんの作品の最初の一冊として良いと思います。是非ここからgo to hellしましょう。

1

どうかこの2人を守って欲しい

 梶本先生の作品は『高3限定』『コオリオニ』と闇が深過ぎるものから先に読んでしまっていたので、この作品の爽やかさ(※梶本作品比)に本当にこのまま幸せを掴む2人をただ見ていてもいいのだろうか、とそれこそ巣我のようにびくつきながら読み進めていました(笑)。でも、梶本先生のこういう雰囲気の作品、いいですね。前述した作品達はどうしても痛々しい描写や読む人を選ぶ壮絶な展開などに焦点を当てられがちですが、この作品を読んで、本来梶本先生はどの作品でも愛を追求していて、先生自身も愛に溢れた方なんじゃないかと思いました。

 読む人をまったく選ばないかといえば、そうではないのだけれど。荻野も巣我も、過去を引きずって生きています。特に巣我の過去は重い。彼の生き辛さは『コオリオニ』の鬼戸を彷彿とさせました。一見荻野を救えるような陽の人間に見えるけれど、過去を掘り下げてみると実は彼の方がずっと人生に彷徨っていて、陰で生きているんですよね。彼の過去を辿れば納得の嵐でした。

 彼はきっと、自分を傷付けた人間を根っからは恨めない性格なんでしょう。こんな母親、恨んだっておかしくないのに、彼はずっと心のどこかで自分を責めている。なんて優しい人間なのか。荻野もすこぶる人がいいけど、それに負けず劣らず巣我も悪者になりきれない純粋な人なんだなと感じました。どんな仕事をしようと、他人に何を言われようと、けっして心まで穢れない2人。この相手となら、きっとこれから心穏やかで豊かな人生を送れるだろうと、希望を持てるカップルでした。

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