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seishun ouenka
『安崎喜一23歳。男が硬派で何が悪い』 悪くない、悪くないです! むしろ男は硬派じゃないと! 中・高の応援団活動で鍛えた声で、迷子を知らせる喜一。硬派な男のほうが一途で優しいという見本のような喜一に惚れぼれ。
そこへ軟派そうな男が現れ、迷子の子をひょいっと肩車。…あっ、こっちの方がスマート…。中学時代に喜一の後輩だった百武朗にあっさり鞍替えです、すみません。
久しぶりに再会した2人は、「かっこいい喜一くん&可愛い朗」という学生時代の立場が逆転し、「身長も男ぶりも伸びた朗×中学時代とほぼ変わらない喜一」の展開に。
攻めが受けを一途に思っていて、押して押されているうちにハッピーエンドなパターンですが、攻めの朗が意外と紳士だったところが一味違って良かったです。
「喜一に嫌われたくないので、『よし』が出るまで我慢します」
…よ、ヨシ!
◆星語り 恋語り
受けがちょっと可愛すぎでしたが、星が絡む話と一途な恋に萌え×2でした。小説家を目指していた同級生に片想いしていた田中。
8年ぶりに再会した「柘くん」は小説家になっていて、クールだけど恥ずかしい台詞も平気で言ってしまう、相変わらず謎な人物。
取材という名目で付き合いはじめる2人ですが、これはきっと期間限定…。
こちらの2人も、ラストでちょっとした「逆転」が。幸せとせつなさが交互にやってくる恋話に、胸がじんわり温かくなりました。
隆巳ジロさんの作品は何冊か読んだのですが、こちらは学ラン萌えというのがあまり自分にないため後回しにしていた一冊。
しかし、読んでみれば学生ものでなくリーマンもの。カップリングもツボでした。大人になってからの学生服って面白くてよいですね。
学生のころ応援団で一緒だった喜一と朗が、大人になって再会し、朗の私設応援団に入るというお話です。
ただ、ガッツリ応援団のお話かというとそうでもないかも。
アクマで恋愛がメインのお話という印象でした。
大人になってイケメンになった朗と、童顔で小柄なままの喜一。
体格差や、性格の違いがよかったです。朗が子供の頃のまま、「喜一くん」と君つけで呼ぶところがとてもツボでした。
喜一が小柄なりにしっかり者、しかもツンデレで、受けとしてスタンダードで萌えられます。
しかし、男同士だからとかいうところは全くスルー。喜一はいきなりキスされてもまんざらでなさそうだし、あっさり身体も許してしまうので恋愛の葛藤のようなものはほとんどありません。
そこはもう少しこっても良かったかなと思う半面、さらりと萌えたい方や、初心者さんにも読みやすいライトさを求める分にはよいと思いました。
でも「喜一がずっと好きだった」という朗ですが、女の子と同棲していたりとあんまり説得力がないなあとも感じました^^;
「星語り 恋語り」
同窓会で再会し、告白してきた受けに対して顔もうろ覚えだったのに攻めがあっさり、OK…という出だしだったので、最初攻めがどうしても軽く見えてしまい苦手なタイプかもと思いました。
しかし、読んでみれば意外と純情なお話。
こちらも代表作と甲乙つけがたいくらい良かったと思います。
中学、高校時代と応援団に所属していた喜一ですが、後輩の朗に再会するのです。中学校で同じ応援団の先輩、後輩という関係ですが、大人になった朗は、喜一に対してとっても積極的です。むしろ喜一の方が先輩、後輩関係を重んじるようなところがあるのに、朗はまるで恋人に接するかのような態度で喜一に接するのです。
喜一が怪我をすればお姫様だっこをしてみたり、喜一に食べさせてもらって満足してみたりとまんざらではない関係です。
応援するチーム、その敵が取引先のお得意様のチームでも、スポーツマンシップに則って公平に応援できる喜一は立派です。
応援団ということで、学ランが一つのテーマなのですが、応援に使うものなので、いかに汚さないでするかというのも面白かったです。
再会ものの形勢逆転ラブ。
でも現実離れしたかんじじゃなくて、こども応援団やらご近所づきあいやらなにげに地に足のついた生活のなかで。
「これから本気で攻めさせてもらうから」
「大型犬だよ、犬は好き?」
など、攻め(垂れ目がいい)のセリフがいちいちかっこかわいい。
基本、攻めが「待て」ができるいい子なところも微笑ましい。
そのせいで、ちゃんと受けが自分から相手を欲するところが描かれているのも好感度高いです。
絵もキレイで安心して読み進めることができます。
高永ひなこさん系かな?