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さよなら、先生。
mikansei
『美しい彼』シリーズを初め、いくつかの先生の作品を拝読しております。こちらも高評価なので購入しておいた本を読んでみました。
こちらの作品は先生がデビュー2年目の2009年に出版社された作品を、加筆修正して再出版された作品だそうです。どの程度修正されたかはわからないのですが、とにかくすごい完成度だなと感じました。
攻めの瀬名は17歳の高校生、飄々としていて女遊びも激しいヤンチャなキャラですが、実は家庭問題があり、内面はひどく傷ついて苦しんでいます。
受けの阿南は10歳上の高校教師。普段は地味な先生ですが、実は美人で口が悪くて気が強く面倒見がいい、とても魅力的なキャラです。
本編はずっと攻め視点です。
子どもではないけれど大人にもなりきれない、17歳という年齢の瀬名が、家庭環境で苦しんだり、同性の阿南に恋をして戸惑ったり、どうしようもなく恋焦がれたり、嫉妬したり、抱き合って幸せを感じたり、格好つけようとして失敗して拗ねたり…。
そんないろんな感情に振り回されてしまう未完成な若さが、みずみずしく、切なく描かれています。
瀬名は可愛い年下ワンコで、がむしゃらに阿南に向かっていきます。そんな瀬名に、教師としていけないと思いながらも、どうしようもなく惹かれてしまう阿南の気持ちも切ないです。
とにかく引き込まれる内容で、時に涙しつつ、一気に読了しました。これがデビュー2年目の作品とは…。本当にすごいです。
短編2作は、2人が付き合いはじめて、1年後と3年後のお話。あんなに大変だった2人が、こんな幸せになって…としみじみと、心があたたかくなりました。
とても素敵で、また読みやすい作品ですので、ぜひ多くの方に読んでいただきたい名作と思います。
挿絵は味のある絵柄が素敵な草間さかえ先生。後書きによると、凪良先生は草間先生の大ファンとのことで、なんだか嬉しくなりました。
紙本は絶版のようですね。
以前の先生のTwitterによると、絶版の作品も、新装版発売予定のようです。挿絵はそのまま使われるといいなぁ。
電子はまだKindleでは購読できるみたいです。
泣けた…泣けました。めっちゃ胸が熱くなった。
最高の物語でした。心の奥底から震える感覚が暫く治らなくて高揚感に満ちています。
教師と生徒の禁断の秘密の恋。
同性愛なんかとバカにしていた高校生の瀬名が、ゲイの英語教師・阿南との恋に溺れていく現代ストーリーです。
今まで恋愛に本気になれなかった瀬名が、阿南に対しては嫉妬と執着にまみれ、激しい独占欲を抱くようになっていきます。
目立つのは、瀬名の激しい愛。高校生で精神的に幼い彼の愛は、まさに暴走馬。若さと勢いと青くさい愛をぶつけるけど、阿南はそれに応えてくれません。
阿南への恋に抑えが効かなくてキスをしたり身体を求めたり、好きの気持ちを求めたり…瀬名の阿南への情熱は留まるところを知りません。阿南は教師という立場から瀬名を突き放していたけど、一線を越えさせてしまう。だから禁断の恋…。
阿南の気持ちははっきりと分かりません。瀬名の燃えるような阿南への劣情のみが綴られています。
瀬名は子どもで、周りが見えてないんですよね。そして両親の不仲もあってか、早く大人になりたい気持ちが強いけど、今のところ彼の口から語られるのは希望的観測だけ。現実を何も理解してなくて、それが阿南との心の距離にも繋がっています。
でも瀬名の一直線で素直なところがすごく眩しい。何も恐れない勢いがあるけど、時にそれは凶器にもなる危なっかしさもある。それは阿南を傷付けることになるかも知れないし、自分も傷付けるかも知れない非常に危険な刃です。未成年の若者はその危険性を知らず、ただただ自分の欲望をぶつけるだけ。
阿南は拒絶よりどちらかと言うと受け入れてました。瀬名の勢いに押されてなし崩し的にズルズルと…とは見えなかったんですよね。その答えが、2人の別れのときに分かったのが、とても切なくて悲しくて心臓がちぎれるかと思いました。
阿南は教師としてだけ接していただけではなかったんだな、とその時初めて分かりました。瀬名への恋を阿南もまたしていた……だけど、瀬名の幸せと未来を考えて、瀬名がずっと望んでいたYESの言葉を投げなかったんです。
それが子どもと大人の違いなんですよね。
瀬名は恋をしていた。
阿南は瀬名を愛していた。
愛は相手を思いやること…教師という仕事の狭間で阿南がどれだけ悩んでいたことか。瀬名の視点から分かることは限られています。
阿南と別れて数年後、仕事もし立派な瀬名の姿がそこにありました。かつての自分の未熟さが分かる大人になり、かつての阿南との思い出を振り返ります。
地元に戻って阿南と偶然に出会った。だけどそれが偶然じゃなかったと分かった瀬名の気持ちが……!!!
このクライマックスシーンがめちゃくちゃ良かったです。涙が出ました。最高です!
瀬名の想いが叶った喜びもだけど、阿南もまた想いに蓋をして我慢していたと思ったら、二重に嬉しくなりました。良かった…良かったよぉ…。
その後はもう最高の2人が拝めて、読後感・多幸感ともに素晴らしいものでした。
阿南視点が特に良い!!
電子購入しましたが、単行本でも所持したい一冊でした。
こんなに素晴らしい作品に出会えて幸せです。
凪良ゆう先生の攻め視点はどの作品もすごく良いです。泣きました。
家庭に問題を抱えたヤンチャな高校生✕ゲイの高校教師。
多感な高校生が先生を好きになってどんどん歯止めがきかなくなってしまい深みにハマっていく、心理描写が秀逸ですごく良かったです。
10歳年の差を埋めようと背伸びしようとしてヤキモキする姿が見ていて危なっかしくてヒヤヒヤしましたが、そんな姿が健気で可愛いです。
エッチシーンに入るのが結構早いのですが、すごく官能的でドキドキしました。すごく良かったです。
離れ離れになった2人が再開して、先生がやっと「好きだ」と本心を言うシーンはボロ泣きです。
凪良先生といえば攻め視点!
ということで、今回も年下攻めが頑張って年下の教師を落とすまでのお話でした。
攻めは初恋だけれどエッチは手慣れていて、年上をグイグイ攻めるかと思いきや年下っぽいところを見せたりギャップが良かったです。
普段は受け視点で攻めの言動にキュンキュンするんですが、攻め視点でもめちゃくちゃ萌えました。
教師と男同士という二重苦を抱えての恋愛。
若さゆえのもどかしさに、読んでいる私も胸が詰まりました。
そして、このままサラーッと進むのかと思いきや、一度別れる二人。
5年の月日が経ってもすぐに再会できない辺りが本当にリアルさがありました。
最後の「young swallow」は、受け視点で知りたかった心情を知れて二度美味しい!
「さなぎ」では付き合ったその後の二人で、幸せを噛み締めるようなお話で最高でした。
今回のお話もそうですが、凪良先生の作品はとても読みやすいことに改めて気づきました。
難しい言葉だったり、回りくどさというものがない。
それなのに、誰も思いつかないような綺麗な表現がたまにポツリと現れるので度肝を抜かれます。
強いようで弱い二人が悩み、苦しむ中で得た本当の幸せを読めることが出来て本当に良かったです。
作家買いしているので読みました。
私は紳士で大人びた攻めに魅力を感じてしまうタイプなので、途中までは瀬名(攻)の高校生だからこその青臭さとか恋に盲目すぎて周りが全然見えてない言動・行動が阿南(受)を困らせていて、うーーーん( ˘·ω·˘ ).。oஇ って感じだったんだけど、大人になってからの再開で今までの私のモヤモヤを巻き返す、大人の良い男になっていて
読了後には、最初からカッコいい男もいいけど、好きな人に出会ってその人に見合う男になりたいと思ったからこそ自分を磨いてカッコよくなった男も素晴らしいなと思いました。でも、恋に盲目だった頃の第三者からみたらガキでカッコ悪い瀬名も良かったです。デートの作戦を練ってカッコつけようとしたのに大失敗しちゃったエピソードは読者ながらにみてられないと思いつつも、阿南の家で本音を吐露する姿は思わず抱きしめたくなるような愛しさがありました(><)
阿南は教師として複雑な家庭に置かれた瀬名を見捨てきれないから、身体の関係含め瀬名を拒めずにいるのかなぁって思っていたけど、ちゃんと異性として瀬名の事想っていて、でも立場上想いを告げる事ができないみたいな葛藤とか、それでも自分を全身全霊で好きだと言ってくれる瀬名にハマっている(未成年に恋している)事のこわさとか後半から明かされていった時は、感情移入せずにはいられませんでした。本当にすごい。
あの時、ふつうの恋人のように言葉や態度で想いを伝え合えなかった2人だからこそ瀬名が成人して、また巡り合って結ばれたというキセキが何よりも感動だったなぁと思います。さすがわたしたちの凪良先生でした。
凪良ゆう先生の作品にハマり既刊を読み始めましたが、草間さかえ先生とのタッグ作!とても楽しみに読みました。
読み始めは瀬名の若さゆえの真っ直ぐさはいいのですが、あまりに周りが見えてない状態にハラハラさせられっぱなしでしたし、イラっとする場面もありました。
先生が好き、先生の他には何も要らない、学校やめて先生と暮らす…その情熱が愛おしくもあり、怖くもある。
攻め目線のお話なので、あまり阿南の気持ちは描かれていないのですが瀬名の真っ直ぐさに、それに応えたい気持ちと常識との狭間で激しく揺れていたのだろうと思います。
生徒と教師で、どうにもならない状況で別れなくてはならない展開に切なさが爆発しました。
きっと法に触れるけど、幸せになって欲しい気持ちしかなかったです。
再会時も淡々と近況を語る2人にヤキモキ。
あの時どうにも出来なかった関係をやり直せて本当に良かったと胸熱でした。
書き下ろしではすっかり大人になった瀬名でしたが、時折みせる年下の顔が可愛い…。
昔通りの幼さを残した年下カレシ最高!
未完成だからこそ良いのかな、と思います。
とり急ぎ言います
生徒×教師ジャンルに少しでも興味ある方
みんな読んでください!!!!!
後悔させませんから!!!この通り!!!!
今まで生徒×教師ジャンルを読んできて
こんなに壁って低いものだっけ?って
感じた経験ありませんか?
男同士は大前提で生徒と教師なんて
リスク以外の何物でもないじゃないですか
この作品はその弊害から背を背けず
重く受け止めた上でとても切なく書いてくれてます
簡単に2人を表すなら、
はじめて恋をしたまだ子供な攻×大人な受
しかし攻はもう全然子供じゃないんですよ
高校生なんか仕事もできて 判断力もついて
社会に片足突っ込んでるようなモンですからね
でも内側がまだまだ出来上がってないんです
この攻に関しては人一倍その成長が遅いんです
寄ってくる女の子をとっかえひっかえして
仲間内では空気を読んで中身のない会話に
意味がないと気づいていながら日々繰り返す
家族は若い女と不倫した父親と
離婚を嫌がりヒステリックを起こす母親
自分で何かを感じることを
ストップさせている状態ですから、
そりゃあ精神面の成長なんてできない訳です
しかし受に出会ってはじめて
自分が成長できてないことに気がつくんですよ
どれだけ気を引きたくても自分第一にしてしまう
そんな自分に嫌気が刺すけど引き方も分からない
最初こんな攻に少しイラつきました
男同士の行為に知識もないのに半ば無理矢理
行為に及んであげく好き勝手暴走して
一方的に迫って言葉を欲しがってあげく
先生さえいれば何もいらないなんぞほざき出す
でもすごく気持ち分かるんですよ
アピールなんて自分からしたことない、
押すことしか知らない 下手に駆け引きしたら
他の男に取られるかもって怖くて仕方ない
全部"若さゆえの未熟さ"で片ついちゃうんですよ
でもあるきっかけで気付かされて自分なりに
成長するんです できる子なんです
受のキャラも大変いいです
美人で飄々としてて落ち着きもある
でもたまに優しかったり言葉が明け透けだったりして
人間味も持ち合わせている人
最終的にどっちも大好きになります
それぞれの人間味がたまらなく愛おしくて
どっちも幸せになってほしくて
長くなりましたが、
生徒×教師ジャンルに少しでも興味ある方
興味なくても何かBL小説を読んでみたい方
みんな読んでください
長々とありがとうございました
内容の濃い先生×生徒作品が読みたくて評価の高いこちらを手に取りました
やーーーーー買ってよかった
瀬名は本当まっすぐストレートにすき!先生!!って感じで、ザ高校生ってのがいい!
高校生といっても大人からすればまだまだ子供
それでも彼なりに色々考えて行動するんですよね
でもわからなくて…
手に入れたいのにどうしたらいいかわからない好きだと伝えるのにあやふやなまま
年齢なんて関係ないのになぜダメなのか
だって好きなのに!って
しょっぱいわ〜と思いながら読んでました
もちろん阿南は最初は戯れくらいにしか思って無かったけれど徐々に惹かれてしまう自分がいて
その気持ちに嘘をつく
怖いよね、本気になった後で自分だけ取り残されるのなんて
そりゃ相手も相手だしすんなり受け入れられないよね!!って共感しまくり
しかし最後にはしっかりハッピーエンドなのですが大人になっても本当に変わらなかったんだから驚きですよね
阿南もそこでようやく瀬名の気持ちに自分の気持ちに応えられるようになれて本当によかった
先生×生徒作品ではこちらが一番好きです
凪良先生の作品はハズレがないので今回も期待して読みましたが、期待を裏切らないどころか期待を大幅に超えてめちゃめちゃよかったです。
瀬名は強引で阿南先生はたらしという、どちらも描き方によっては、好ましくない印象を与えてしまったり、心情がわかりづらくなりがちなキャラ設定ですが、すごく感情移入して読めました。
凪良先生はお話がしっかりしている分えろは少なくなりがちですが、この作品はえろも割としっかりあるというのも読み応えがあってよかったです。
あと、凪良先生はくっついたあとを書くのが苦手だとおっしゃられてるので、いつも「くっついたあとを見たかった〜!」と思うのですが、この作品は割とくっついたあとも見られるので、程よくお腹いっぱいになれました。
受け視点の作品が好きなので攻め視点だとどんなにいい作品でも受け視点が良かったってなりがちなんですが、こちらは攻め視点でよかった、むしろ攻め視点がよかったです。
別の方がレビューでおっしゃられてますが、まさに「生徒×先生の決定版」です。迷ったらとりあえず読んでみることをお勧めします。
高校生ものが得意ではないので、購入していたもののずっと寝かせていた2014年刊の本。受けが想定外で重苦しくなくって、読んで良かった!と思いましたため萌2にしました。高校生~20代の勢いでちゃんと成就するのは気持ちが救われて良いです・・本編250P+ドラマCDについていた後日談SS9P+さらにその続きになる書き下ろし20P+あとがき。
若い女に入れあげた父親と、ヒステリックに喧嘩する母親のいる家庭にうんざりしている17歳の瀬名。中学時代の同級生が、高校中退してバイトしている店に避難したところ、たまたまその日はゲイナイト。しかもその店の中で男を連れている英語教師の阿南を見かけて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
イトチュー(攻めの元同級生)、ユッカ、マイ(攻めの彼女)、真崎など高校の友達、大河内(受けのセフレ)、アコ(奇跡の運び手となる女子高生)ぐらいかな。
特に気になったサブキャラはいなかったですが、手酷い事をしたはずの歴代彼女がなんだかんだ言って攻めとの別れを惜しむシーンが良かったです・・・
++
攻めが年下ワンコで大人になりたくて悶えていてというのは想定範囲内でしたが。
受けの阿南が予想と異なり、きっぱりさっくり男前なのが良かったです!ゲイなのを隠していないというか、どう足掻いても「女は抱けない」ときっぱり言い切るところが吹っ切れていて良い!色々あってメンタル的にはちきれそうになっている攻めを受け入れるところも「優しくしろ」なんて、カッコよすぎる。
大人だよな。27歳で大人なのは当然なのですが、自分が27歳の時にこんなに大人に振舞えてなかったよな・・と思うのです。時間が解決するのかと思っていたら、かすかな取っ掛かりから足掻いてみると。
会えるんですよね。
まず再会できたこと、そして怖がっていたものはもう無いって言えるほど時間が経っていたことに感謝です。足掻いていたから掴めたチャンスだったのかもしれないです。最後の最後まで足掻いていたら、いつかチャンスが掴めるかもと思えてうれしい方は多いのでは。そして攻めだけではなく、大人だったはずの受けも足掻いていたことが、とてもとても嬉しかったです。
諦めなくて良くって、頑張り続けたらいつか引き寄せることも出来るって教えてくれるようなお話で良かったなと思います。これからまだ七転八倒する予定の方に、読んでいただけると嬉しいなと思う一冊でした。
先生ものとしてはオーソドックス、超王道パターン。
ゲイで場数を踏んでる先生と、家庭環境に問題のある生徒の組み合わせとか、別離からの成長して再会とか、設定展開ともに目新しさはない。
それに、いろいろツッコミどころもある。先生なんだから、もうちょっと丁寧な言葉遣おうよ、とか。攻めにとっては恋愛より大事じゃなかったかもだけど、両親の問題も。家族崩壊したままだし、そこのところなにかしらフォローがあっても、と思う。
中盤で、それまでうまくあしらっていたのにとうとう肉体関係を持ってしまうところも引っ掛かる。個人的に先生ものは、卒業まで最後の一線だけは越えないパターンが好き。
でもキャラは好みで、この口の悪い先生と、なりふり構わずガツガツ行く生徒には萌えちゃった。
なんだろうな、この感じ。駄目だとわかってるのに惹かれてしまう、しちゃいけない相手と恋に落ちるって、こんな感じなのかもと思わせる説得力。
とにかく、攻めの生徒の勢いがすごい。猪突猛進。先生も、そんなところが可愛いかったんだろうな、って。
SSは二つともが受けの先生視点。遠距離恋愛になったふたりのその後。受け視点だと、攻めの若さがとにかく眩しくて。これからどんどんかっこよく、男らしくなっていきそう。
イラストにも萌えさせてもらいましたが、確かに攻めが遊び人には見えないかも(笑)。草間先生のキャラって、みんな誠実そうだから。でも、年上美人受けと年下ワンコ攻めと言えば、草間先生のイメージがもう私の中ではテッパンなので、違和感はまったくなかった。
草間先生のファンの方にもおすすめ。
教え子と教師。
大好きだけど、バレるのではないかと読んでいてハラハラ。阿南(受)は、教師だからと一線引いているのに、瀬名(攻)はまだまだ子どもで、自分の感情で突っ走るタイプ。
もう、痛々しくて見ていられないくらいです。
でも、そんな瀬名が自分の未熟さに打ちのめされ別れを決めてからが、たくましい!かっこいい!
自分の土台を作って、誰からも咎められないようにし、阿南と幸せになろうとする瀬名。前半の姿が嘘のようです。
阿南も、教え子だからと押さえ込んでいた気持ちを解放してからは、もうピカイチの受っぷり!
10才下の彼氏を可愛いと思いつつ、しっかりと成長している姿に惚れ直したり。自分が年上だからこそ瀬名の未来を束縛はしたくないと、将来の話を避けていたり、健気!
色気もあり、瀬名がメロメロなのもわかります。
物語的には王道なのかもしれませんが、先生と生徒のBLって、やっぱりいいなぁと思える作品でした。
年下×年上に釣られて読み始めましたが、恋愛小説としてとても良かったです。
受けの阿南先生は大人ということもあって、いつも態度に余裕があるうえに上手く本心を隠しているので、瀬名視点で読み進めると阿南先生の振る舞いにずっと翻弄されている感じがしました。
たとえ相手にされなくとも高校生の瀬名は、年上の阿南に対して臆することなく初めから押せ押せな感じで迫っていきますが、でも後から失敗したかもしれない……とたまに反省の色を見せたりもして、やることは早急で無理矢理(ちょっと乱暴)ではあるけれど、年頃の男の子っぽい可愛げのあるキャラクターです。
最初は、家庭が複雑である瀬名が現実逃避をする為に、阿南に入れ込んでいるのかなともチラッと思いましたが、読み進めるうちに年上の阿南に対して真面目に恋してしまう瀬名の気持ちがひしひしと伝わってくるようになります。
年下の攻め視点で、純粋な恋愛小説を読みたい方にお勧めだと思います。
これぞ私の求めていた理想の生徒×先生ものだった!!と軽い興奮状態に陥ってしまいました。
ハラハラしたり、泣いたり、切なさに打ち震えたりの連続で読後は心地良い疲労感にしばらく浸ってしまいました。
生徒×先生ものをある程度読んできて自分なりのナンバーワンがあったのですが、この作品はそれらを超えて私の中のナンバーワンに君臨することになりました。
「未完成」というタイトルも秀逸です。これほどぴったりなタイトルはないと思う。
成長の真っ只中にいる攻めがこの先美しく花開くか、歪んだ形で完成してしまうのか、それとも形にすらならずに終わってしまうか……
自分の存在が彼の将来に及ぼす影響を知っているからこそ、自制せざるえない先生。
それに対して、想像がつかないあやふやな未来なんかよりも目の前にいる先生が欲しい、将来なんかどうでもいい、先生さえいてくれたら他は何にもいらないとすら言い切り、ひたすらに自分の気持ちだけで突っ走る攻め。
あぁ…なんて恐ろしいとは思いつつも、そんな性急さがある意味眩しくもありました。
親の都合に振り回されても従うしかない10代のままならなさ、歯がゆさや焦り。
荒削りで身勝手で、欲しいと思ったら他のことが一切目に入らなくなる若さ特有の傲慢さや甘えや危なっかしさ。
そういうものもぐりんぐりんに詰まっています。
ギリギリまでに追い詰められた先生が感情を爆発させて泣く様子を見て、ようやく自分の未熟さに気づき、怖いものしらずだった彼が初めて「怖さ」を知るシーンが素晴らしいです。
そして自分の気持ちだけで動いていた攻めが別れを経て、痛みを抱えつつも手に職をつけて頑張る日々の中、ふと先生のことを思い出すシーンが泣けました。
「自分の傍に阿南はいない
でも生活の全てに阿南がいる
どんなときでも、静かに、優しい光で瀬名を包んでいる」
これが高村光太郎の詩集・智恵子抄の「亡き人に」の一節
「あなたはまだゐる其処にゐる
あなたは万物となつて私に満ちる
私はあなたの愛に値しないと思ふけれど
あなたの愛は一切を無視して私をつつむ」
これを思い出してしまい、もう堪えきれずぶわーっと泣いてしまいました。
そして「今なら違う愛し方ができるのに。」と思う攻め……。
身勝手で独りよがりに追い求めた愛だったけれど、あの時はそういう愛し方しか知らなかった、コントロールが効かなくなる危うさをはらんだ若さゆえの愛し方しかできなかった。
後半はまだまだ完成形ではないけれど確実に成長していて、いい男になったなぁ…って感慨深くなります。
だけど、相変わらず年下男の可愛さも残っていてたまらないです。
攻めが時々リードしたがるくせに、無防備な年下男の可愛さを撒き散らしているので読んでて時々ノックアウトされそうになりました。
ぎゃー!!と萌え転がったところを一つ。
まだ生徒と先生の関係だった時。
「俺のこと好き?」と聞いたのに「かわいい」としか言ってもらえなかった攻めが「じゃあ、あとどれくらいかわいくなったら好きになってくれる?」と言うんだけど、何これ。かわいい。かわいすぎるよーー。
もう降参。
「バカだな、もうとっくに好きだよ。」って答えてあげたかっただろうに、阿南先生は本当に本当によく耐えたと思う。
本当は手放したくなんかなかったよね。
新旧含めて評価が高いのが納得できる一冊でした。
この本は神の中の神で、これから繰り返し読むことになりそうです。
シーモアで購入
いやぁ 何度読んでもいい
阿南先生最高です。美人でエロくてかっこ良くてかわいい。理想の受け様。
瀬名は阿南先生に出会えたおかげでいい男になったんだろうと思った。
一途で可愛い攻め様に成長しました。
阿南先生の「俺が育てた。」そりゃそうだわ。その通りですよ 先生。
やっぱりいい男に惚れる男はいい男か、いい男になる資質があると思う。
うんうんと一人頷きながら読みました。
瀬名は途中までは高校生らしくガキ丸出しだったのに大切な人との別れを経験して、再会してからは大切な人とずっと一緒にいる為に色々と自分で考える事ができるようになったし、相手を尊重する事ができるようになったし。
いい男のできあがりです。
阿南先生もそういう瀬名の資質を見抜ける資質あってこそ惚れたんだろうな。
もう二人ともイイ。幸せになってくれてありがとう。って気持ちになりました。
いやとにかくいい話 何度も読める
モヤモヤする本を読んだ後のお口直しにもなりそうです。
高校生×教師。年下攻めです。
攻めの瀬名(高校生)は、複雑な家庭の事情を抱えた所謂チャラ男です。受けの阿南(教師)はゲイで少しだらしない性格の大人。阿南は、色々な面で子供な瀬名に振り回され続けます。
正直、前半はやりたい放題の瀬名にヒヤヒヤしてしまいます。でもその分、後半の瀬名の成長には驚かされました。ハッピーエンドです。最後の最後まで読んでほしい。
終始瀬名の視点なので、阿南が瀬名のことをどう思っているのかハッキリしないままお話は進んでいきます。そして後半に、初めて阿南から瀬名へあるお願いをするシーンがあるのですが、そのセリフの破壊力たるや。萌えという言葉では言い表せられないほどの衝撃で暫く放心してしまいました(笑)
教師と生徒という二人の立場と、高校生という大人になりきらない年頃の危うさの描写が上手い。エロシーンはとにかくエロい。とても良い作品だと思います。
生徒×先生ものってさじ加減が難しいですよね〜。
受けが教師としてのモラルと威厳を早々に手放すようならNG!
教師としてのけじめをつけながらも、ワンコor猛獣系の攻めに押し切られるのが私の理想です。
その点、今作の珪は理想にピッタリなんです!
教育者の視点を常に持ちながらも攻めの情熱にほだされて受け入れてくれてる。
さらには流し目のきれいな女王さま。
本当に素敵なキャラです。
攻めの瀬名はガッつきワンコで可愛いんだけど、珪の言うことを全然聞かなくてイライラ。
自己中な愛を押し付けて、甘えて、拗ねて、噛み付いて珪を困らせます。
そうじゃないんだよ!と大人ならわかりますが、学校っていう狭い世界の中に住んでいる高校生にはまだ分からないよね……。
そんな瀬名が成長して、最後には珪を尊重して大切にしている!
自分の気持ちばかりを押し付けてない!
もうね!すごい成長です!
まるで親戚の高校生があっという間に心身ともに成長して感動するおばちゃんの心境です。
年下でイケメンで料理を作ってくれて、自分にベタ惚れ!
本当に理想的な彼氏になりましたね。
こんなに可愛い若いツバメがいて珪がうらやましい(о´∀`о)
2人とも末長くお幸せに♡
評判が良いので、購入して積読(電子版なので”落とし読”)していましたが、満を持して読んでみたところ……評判に違わない傑作でした。いや…もっと早く読むべきでしたよ、私!
教師と生徒、大人と思春期の少年、夜の店で偶然出会う…なんて設定もシチュエーションも本当によくあるパターンなのに、実際に読んでみるとあらすじだけでは伝わらない良さが溢れていました。
17歳の瀬名くんの突っ張った可愛さもたまらないし、阿南先生だってたかだか27歳でやっぱり可愛いんです。途中に胸がグッと絞られるような展開もありますが、この二人の葛藤とか思いとかが本当にもう!(言葉を失う状態)
ラストの後日談の、着実に成長している瀬名くんの様子に、こちらもまるで保護者になったような気持で胸が熱くなりました。ずっと幸せに人生を共にしてほしい二人です。(きっとお互いお爺さんになるまで一緒なんだろうな、と素直に思っています)
凪良さんの文章は気持ちよく流れるように読みやすく、細かい描写がすっと胸に入ってきます。小さな動作や仕草の描写に心情が柔らかく込められていて。とても女性的で上手い文章を書かれる作家様ですよね。
草間さかえさんの表紙絵&イラストも、阿南先生が「公立校の先生らしさ」もちゃんとある優しげな男性に描かれていて好きでした。
あらすじだけで「よくあるパターンだなぁ」と流している人が居たら、「そう言わずに読んでみて!」と全力でおすすめしたい一冊です。
教師と教え子という障害、若さ故の勢いと情熱、喪失への恐怖と焦燥感
散々擦られてきたテーマだからこそ読む側としても自然とハードルは上がる為、比較的冷静に読み進めていったつもりでした。
展開もどんでん返しがあるわけでもなく、大方予想通りに話が進んでいく。
なのにそれなのに…
瀬名(生徒)が阿南(先生)に焦がれて、熱く奪って、体だけじゃなく心も欲しいと求めて、体ごとぶつかっていく若い彼の姿に、
いつの間にか嵐のようにこちらの心も持っていかれて、胸を掻きむしられるような思いにさせられるのです。
本編は瀬名視点です。
阿南の心のうちはわかりません。
若くてモテて女に困ったことのない瀬名は、精神的に深い恋愛経験なんてありません。
なので相手の心の機微を読み取るなんてこともできません。
阿南の心をどうすれば手に入れられるのか、何をすれば正解なのかわからず右往左往します。
カッコ悪くなるばかりで、うまくいかない苛立ちを結局阿南にぶつけてしまう位に子供です。
どうしようもない位、若くて真っ直ぐで純粋なのです。
そんな瀬名を見ているうちに、瀬名の一人称のはずなのに、なぜか痛い位阿南の気持ちがこちらに伝わってくる。
どうしようもない奴…
でもかわいい
苦しい…
もうやめてくれ
怖い
失うのが怖い
ほとんど動揺を見せない大人な阿南の心の叫びが聞こえてくるようで、
瀬名視点のはずなのに、気付けばどっぷりと阿南に感情移入してしまっていました。
「未完成」
本当に秀一なタイトルです。
若くて自分の想いをぶつけるだけで、相手を追い詰めることしか出来なかった瀬名が、失うことの辛さを経験し、痛みを知り、少しずつ大人になっていく。
それと同時に、大人と子供の間で揺れる高校生の美しい煌めきを懐かしく感じる。
最後の二編は阿南視点で、素直に真っ直ぐに頼もしく成長する瀬名を、阿南と一緒に私達も見守るという、
くすぐったくも暖かい気持ちになれるのがこの作品の素晴らしさ。
丸腰で勝負を挑んでくる年下攻の醍醐味を味わえる、凪良作品の中でもイチオシの名作です。
私と同じく手に取りながら今まで逡巡していた方、秋の夜長のお供に是非いかがでしょうか?
英語教師の阿南を好きになってしまった高校生の瀬名。
自分の感情の赴くままに生きる高校生らしい瀬名は、阿南に対してもストレートにぶつかって行きます。
相手の気持ちや立場よりも自分の感情が優先されてしまう瀬名の行動はちょっと自分勝手だな~とも思いましたが、すぐに反省して謝れる素直さがあったので許せてしまいました。
親の離婚で転校することになった瀬名が阿南にさよならを言いに行くシーンは泣けまた。
はじめて感情をむき出しにした阿南の本音が切なかったです。
でもあの日の別れと、離れている期間があったからすごくよかったと感じました。(瀬名も成長したし)
再会した二人がどうなるのか気になって最後まで一気に読んでしまいました。
本当に素敵な作品でした。
レビューにて、泣いたというお言葉があったので、ほほぅと思って読み進めました。
いや、素晴らしい。
ホント、素敵さに涙する作品……
高校生×教師作品で、こんなに攻めの高校生が子供っぽいっつーのも珍しいです。ちょっと悟っていたり、達観しているところがあったり、受けの教師にちょっと甘えさせるだけのちょっとした人間性に突出したところがあるとか、そういうのがまるでない、この高校生はただのちょっと頭の悪い、所謂第二次性徴が完了した直後の少年です。
はあ、憎めない。この子の素直だ…。こんな素直なDKがいるのだろうか。こんなにクズで短絡的で馬鹿な駆け引きばかりして撃沈して拗ねてすぐ謝って誤解して好きになってまた駆け引きして拗ねて謝るとかいうDKに言い寄られたら、女も男も陥落間違いないだろうと思います。
だけど靡かなそうに頑張る受け教師。清楚じゃないけど清廉さを感じる。潔くてカッコイイ、彼は実に男前だと思う。
そんな2人。
別れのシーン、教師の崩れるシーン、切なくて切なくて、胸がシクシクしますね。
でも大丈夫。きっとハピエと信じているから!
攻め高校生が成長していく過程を、作者様は本当に素晴らしい展開力で表現されています。そして、それぞれの心理描写…!誰しも心に過ぎったことがあるであろう小さくも大きくもある感情の機微を絶妙に捉えていて怖いほどです。
繊細な年頃の高校生とアイデンティティを確立して間もない27歳の教師の騒がしくも静かなる葛藤が素晴らしかったです。
そしてなにより、ラストまで幸せを繋いでいこうと画策する2人の過程を描かれていたことに、本当に満足感と感動を覚えました!
はぁ〜泣きました。
盛大に泣きました。
生徒×先生
あとがきに先生も書かれているのですが受が、年上、美人、強気、口が悪い、普段クールなのにエロい。
なんなんですか⁈この素敵な先生は!!!
攻めの瀬名はチャラ男ですが、阿南先生に惚れてからは犬の様に先生先生先生❤︎ワンワン❤︎なのですが、思考が高校生以下の思考回路で単純で読んでいてイラっと沢山しました。
だけど、その単純な所が彼の魅力でした。
そしてスペシャルな受様、阿南先生は本当に高嶺の花と言うのはこういう人の為にある言葉だと思いました。
ずーっと瀬名の我儘に大人な対応でこなしていて、素敵な受様に惚れ惚れしていたのですが、
瀬名が引っ越すことになり、グダグダになって行き最後にサヨナラを言いに来た瀬名に怒るシーンは見ていて涙がポロポロと流れました。
再開のところでも、阿南先生は本当に素敵な方で見ていて苦しくて切なくてハラハラしていたのですが、最後は幸せそうで良かったです。
途中、えっ…このままハッピーエンドにならなかったらどうしよう…と不安になる位、ギリギリまで展開がわかりませんでした。
あ〜素敵な作品に出会えてホクホクです。
DKと教師ものです。
女には不自由していなかった高校生、瀬名櫂人。ある時同じ学校の教師阿南が男とキスするのを目撃し、彼が同性愛者だと知る。最初は興味本意で阿南に近づいた瀬名だったが、家へ行き相談にのってもらううち、次第に惹かれていく。
若さ故、気持ちをまっすぐぶつける瀬名に対し、大人の阿南は何度好きだと言われても受け入れない。
だが、湧き上がる気持ちを抑えることのできない瀬名は、あるとき無理矢理阿南を抱こうとする。
気持ちを受け入れなかった阿南は、わりと初期の頃から瀬名のことを好きだったと思います。気持ちに蓋をし、自分が我慢したら自分も傷つかず、相手の未来も守れる。不安定な高校生の恋心を、好きだからこそ冷静に判断し拒絶しないといけないと考えたんですね。
お別れするとき、泣いていた阿南に胸が痛くなりました。
光源氏を本当は愛しながらも、最後まで愛を告げなかった藤壺のようですね。
瀬名が大人になり恋人になったあとも、阿南は彼がいつか自分の元を去ってしまうかもしれない、と常に頭の隅にはあるんだろうなぁ。
友達から借り読みました。
序盤、瀬名があまりにも阿南にぐいぐい来てて子供すぎでは?と感じました。でも最後まで読んで改めて考えると瀬名にはきちんと通るべき道だと思いました。阿南はダメだといいながらも瀬名に流されるなんて阿南も完璧な大人ではないんだなと。そこでタイトル未完成に合うんだなと。二人ともそれぞれ未完成で一緒になったあともまだ完成とは言えなくて…でも幸せに向かっていく。しかしこの二人の恋は完成しなくてもいいのでは?これからも壁に当たり二人で乗り越えて新しい幸せを感じて愛し合う、それだけでいいと思います。最高の幸せだと思います。
かなり文章がぐちゃぐちゃですがそれだけ思ったことがこの作品にあったとのです。
これは、好きすぎてレビューできなかった小説の筆頭です。
この作品の魅力はなんといっても受けの阿南先生でしょう。神経質そうな美人だけど中身は口の悪い少し大雑把な大人の男。そう、阿南は大人の男なんですよね。大人ならではの自制を知っている阿南はカッコいいことこの上ない受け様です。終始攻めの高校生・瀬名の視点で書かれているため、阿南のミステリアスな魅力が損なわれることなく堪能できます。
阿南の元彼・大河内の存在がより阿南を魅力的に感じさせてくれます。
瀬名の知りえない世界を共有した二人に嫉妬して、ますます阿南が欲しくなってしまうのです。自分の知らない世界を持っている相手に焦がれてやまない気持ちってありますよね。
恋すると、相手の世界全てが欲しくなってしまう、そんな恋を瀬名はしています。瀬名にとって阿南は夜空に冴え冴えと美しくある月であり、届きそうで届かない彼を狂おしく欲しがるのです。
瀬名も決して子供っぽい高校生ではないけれど、阿南といると本当に若いな、と苦笑してしまうほど。でも、瀬名の一途で一生懸命で、好きとしか言えなくて相手を壊すまで体当たりしていくしかできない未熟さも、阿南と同じく大人になってしまった自分には本当に眩しくいじらしく映りました。
瀬名のモノローグはリアルで、普段思い出すことのない自身の十代の頃の心が蘇ってくるようでした。
狂おしいくらい、好きになること。
今の愛が人生の全てだと思ってしまうこと。
これ以上のものなんて絶対にないと思えてしまうのが、自分がまだそう長く生きていないからだということに気付けないこと。
そんな自分の全てを捧げ相手の全てを奪いたくなるような恋は、多分色々悟ってしまったあとではできないと思うのです。
だからこそ瀬名の恋は激しく美しいと感じます。
そんな瀬名の恋情を思いっきりぶつけられても飄々として見えた阿南でしたが、実は心の中では嵐のように翻弄されていたという……。
相手に想いをぶつけるだけの瀬名と、本当の意味で相手を思いやれる大人な阿南。瀬名の視点では阿南は自分の知らない世界をたくさん見てきた大人で、ミステリアスで余裕があってカッコいいのですが、実際の阿南はそれよりはるかに男前でカッコいい。
そんな阿南の本当の気持ちを、安易に両視点にせず瀬名の視点だけで魅せてくれたのは凪良先生の神業だなと思います。瀬名の視点でこの大人の阿南が脆く崩れる様は、胸が震えます……!
その後の瀬名の将来を思って固い意志で瀬名を遠ざけて、相手のためにボロボロになっても何もなかったように毎日仕事して生きていく阿南が人間としてカッコよく、大人の切なさを感じます。
阿南先生は壊れてしまいそうだけど、壊れたりしません。
だって、大人だもん。大人はツラいんだよ。
辛いことがあっても、一人忍んで仕事して、生きていくしかない。
もうこの辺で、過去の自分は瀬名に投影され、今の自分は阿南に投影されて、他人事ではないように読み進めてしまいました。
その後の二人は、是非本編でお確かめください。後日譚に、阿南視点の短編が入っています。こちらも、阿南のイメージを崩さない、男前なものでしたよ。
全てを読み終えたあとは、未熟だった瀬名の成長も、強い阿南の脆さも、全てひっくるめて愛おしく、まるでこの世に二人が息づいているように感じました。いつまでも心に残る名作です。
こぐーまんさま
コメントありがとうございました(^O^)
この作品のレビューを書いた頃は、恥ずかしながら阿南先生に惚れまくっていましたね。。。今でも、これは私のベストBL小説かなと思います。
阿南先生の、教師然としているんだけど、実は恋愛体質で脆いところがたまりません。
瀬名の強引さから垣間見える未熟さも切な~い!
思い出すだけでキュンキュンしてきます。
阿南先生の過去も・・・本当にミステリアスですね。
コメントいただいて、先生の過去を描いたスピンアウトが読みたくなってしまいました。
攻めの瀬名のあまりに自分勝手ですぐ癇癪を起こす性格に途中何度かめげそうになりましたが、最後まで読んで良かったです。
逆に、完全に瀬名視点で「どうしてここで怒っちゃうの!もっと大人になれ!」と読んでいたからこそ、途中でくる阿南の悲痛な思いが衝撃的に感じられ、気づけば涙していました。
阿南は、子どもすぎる瀬名の人としての内面の良さをしっかりと見抜いて接していました。最後の番外編まで読むと、序盤あれだけ瀬名が子どもだったからこそジーンと来てしまう場面が多数です。瀬名の成長が本当に良かった。
そして阿南の大人の色気はステキすぎます。理想の美人受けでした。
期待以上のシロモノでした・・!
ついうっかり、凪良作品にド嵌りして、次はこれ読もう〜vと、積んでた作品。
まあ、高校教師と生徒か・・くらいにしか思ってなかったけど・・。
自分の知らないBLの世界がありました!(普段陵辱モノばっか読んでるからネ;)
いや、本当に年下攻めとやらがこんなに熱くて、おバカ大型犬だなんて知らなかった・・!不覚萌え!
『手持ちのカードを全てオープンにして、さあどうだ!と勝負してくる』のが、年下男との恋の醍醐味だそうでwww
なんか、悪いことした子どもが、泣き出すの必死に堪えて、引き攣りながら、「ごめんなさい」「ごめんなさい」を連発して、こっちに抱きつきたいのをシャツの裾ぎゅーって握って堪えてる姿を連想しました(笑)
可愛過ぎるだろ!
そんな生徒をしっかりと受け止めてくれる、口の悪い美人教師も最高最強。
色々頑張るんだけど、失敗して拗ねちゃう生徒に、ちょと呆れながらも、ちゃんと彼が最後どうしたいのかまで待っててくれる先生。
こういうのって普通の恋愛でも本当に失敗する事っていっぱいあるんだけど、言わなきゃ良かったとか、なんであんな態度取っちゃったんだろうとか、後悔する事いっぱいあって、大概、それはケンカで終って、すごい後味悪い思いをしなきゃなんなかったりするんですよ。
そういう失敗を何度やっても、待っててくれる人がいる。
自分が間違っちゃっても、それを責めないでいてくれる人がいる。
それって、どんな事でもそうだけど、すっごく、しあわせですよね!
自分を許してくれる人が傍にいる。
それが大好きな人だからこそ、好きで好きでどうしようもなくなってしまう。
そんな瀬名君の恋のお話。
でも、もちろん凪良作品ですので・・甘いだけじゃありません。
その後の展開で、二人に訪れる別離の苦しみは、自分の心の奥に閉まってあった恋心を引きずり出されるような苦味がしました。
大好きな人と別れなきゃいけない苦しさ。
きっと誰でも一度は味わった事のある傷だと思います。
もう二度と感じないだろうと思ってた感情を呼び起こされた作品。
ある意味おっかない・・(笑)
最後は元鞘で、ホッと息つけますw
読み終わってすぐに、もう一回読みたいって、本当に読んだ数少ない作品の一つになりました!
草間さん信者なので、挿絵目当てで買いました。
が、正直なところ、挿絵は草間さんじゃない方がよかったかも。
表紙の先生は素晴らしいですが、攻めくんが適当に遊んでる子じゃないですよね、これ。
草間さんのあの大型わんこを期待して読むと、外れます。
でもよかった。
生徒×教師の王道ですね。
家庭不和で荒れているところを助けて(?)くれた先生に恋して、まとまるまでのお話。
生徒が先生に懐いていく過程が自然で、上手いです。
瀬名がいい意味でも悪い意味でも身勝手なお子様で、最後はその子がここまで成長したんだ!っていうのが本当に素晴らしい。
学園物に見えて、とっくの昔に学生を卒業した大人が読む為の小説でした。
20代よりも、30、40代以降向けかもですねえ。
何とも懐かしいほんわかした気持ちになりました。
ただひとつだけ。
先生がもっと言葉遣いがよかったら、もとよかったなあ。
ぶっきらぼうな話し方でいいんですが、「〜じゃねえ」みたいな言葉遣いは、ちょっと引っかかりました。
滅茶苦茶よかった…。
終盤、5年の歳月が一気に流れ、
再会してもどうってことのない別れを迎えるところが、
あまりに切ない現実で泣けた。
が、そこは元サヤでハピエンになるのですが。
どうにもならない事情で離れて、
その思い出を胸に生きて、
先生から言われたことを反芻して、
自分の仕事や生活を成立させていく、
その描写に痺れるね…。
やっぱり「先生」なんだよね。ずっと。
10歳年上の先生からの眼差しのあたたかさにも、
大人として敬服するものがありますね。
人を思いやったり労うことができるようになった姿に成長を見て、
SSで甘さも足されて、とても読み応えがあった。
先生と生徒の話で、今まで読んだもので一番よかった。
ラブ以外の場面もしっかり書いてあり、
それがまた重要な要素となって作用してくるので…。
社会人経験が10年くらいあって、できれば人を指導したりする立場で、
恋愛経験もそれなりにある大人に読んでほしいと思う小説でした。
使い古された設定で、ありがちな展開。
なのにどうしてこんなに心が揺さぶられるのでしょうかーーーー(叫)
瀬名ですな。瀬名が可愛いんです。すぐに拗ねるけど、すぐに反省する。駆け引きなんて知ったこっちゃない。男前でモテモテなのに一途!
こんな人いないでしょーよ、神様か!という設定なのに生々しい。可愛い。可愛い。
こんな年下オトコに言い寄られたら撃沈する自信がある。
対して先生。
一見地味なのに、実はものすごーく色っぽい。大人。冷静に見えて、実はいっぱいいっぱい。
でも大人だから一生懸命自制してる。
その先生の殻を破るべく、あれよこれよと瀬名が奔走する様が健気でキュンキュンします。
ふとした時に見えてしまう先生の隙も絶品。ご馳走さまでした。
この二人最高です。
あとがきで作者様も書いていましたが、私もいままで読んだなかで3本の指に入るくらいのベストカップルです!
読後感も良かったです。幸せの余韻に浸れました。
遊佐さんにハマり、遊佐さんが出てるCDをチェックしててこの本に出会いました。
めちゃめちゃ私の萌えツボを押す大当たりなお話でした。
高校生の瀬名が初めてどうしても欲しいと思ったもの。
大事に優しく包んでいたかったのに、離したくなくて離せないでにぎりしめた。
未来なんて知らない、今、目の前にいる阿南だけしか見えなくて突っ走る高校生の青さ、若さ、激情、まぶしかったです。
そして、社会人であり、教師の立場である阿南からしたら、自分のために全てを捨てようとしてる瀬名の若さが怖い。
必死に気持ちを押し隠して自分を悪者にして別れようとする。
それなのに、引越しの為の別れを言いに来た瀬名にたまらず気持ちをぶつける阿南が切なかった。
先生と教え子、という枷がなくなってやっと「嫌いじゃない」じゃなく「好き」と言えた阿南と言わせることができた瀬名。
もうよかったよー。
「young swaiiow」と「さなぎ」は阿南視点。
まだまだ甘えたがりだけどさじ加減がわかってて、ちゃんと大人になってる瀬名がいい男になってる。
瀬名に寄りかかる事ができるようになった阿南。
「先生」を卒業して「珪」「櫂人」になって、この先2人で乗り越えていくんだろうな。
未完成な男の話。
家庭の居場所を失い、女の子を蔑ろにして友人とも当たり障りない関係だけ、そんな高校生がクールで口が悪いけど自然体で優しく色気のある先生に惚れて猪突猛進。
瀬名が未熟で向こう見ずで、魅力的な攻めには見えないけどこれぞ等身大の若者像なのかな。
離れて再会の流れもそんなにドラマチックには思えなかったけど、でもSSまで読んで瀬名がほんとに成長したなぁ!としみじみ温かくなりました。
先生と高校生の関係から、お互い寄り添いもたれかかれる関係になったんだなぁ。終始先生好き好きな瀬名可愛かったです。
何故これを今まで読まずにいたのか?と自分に問いたいような
今さらながらに出会った名作だった。
* * *
高校2年、瀬名は多くの鬱屈を抱えた17歳の夏を過ごしていた。
両親の不仲問題、居場所のない家、揺れる足許と見えない未来。
そんな全てから逃げるように、刹那的に仲間とつるみ、
来る物拒まずで女の子と付き合う。
でも、本当は自分が何が好きなのか、何を求めているのも分からず
本音を晒す事もなく、日々の埋め草のように笑い遊ぶ日々。
通う高校のまだ27歳の英語教師・阿南。
ゲイナイトであることを知らずに入ったバーでの、偶然の出会いは最悪。
しかし、瀬名は阿南に素っ気無くあしらわれることによって
彼に興味を抱き、やがて今まで出会った誰とも違う彼に、
強く惹かれ求めるようになっていく。
ティーンエイジャー特有の、傲慢で脆くて純粋で一途な青さが
余す事なく描き出される。
大人の男を相手に、背伸びしたり甘えたりする子どもっぽさや、
底が浅くてみっともなくて、行き先のないエネルギーを持て余した様。
でも何も持たないだけに、その恋は愚かしい程に真っすぐに暴走して行く。
そして……
大人として教師として冷静にに振る舞いながらも阿南は……
そのままでは自らを破壊するしかないような恋の結末、
結ばれる訳にはいかない結ばれなかった二人が
その後どうなったのか……
『雨降りvega』でもそうだったが、最後の最後に切ったと思った糸が
実は深いところで繋がっていた……という展開があり
出来過ぎと穿つ思いを越えて、深く感動させられるのは
断腸の想いでの別れとその後の時間があるからこそだろう。
短編2編は、どちらもその後の二人が阿南視点で描かれている。
しみじみと瀬名の成長ぶりが感じられて、ジンワリとする。
これら幸せになってからの穏やかな阿南視点の影に見える
それまでの阿南の孤独。
当初、瀬名からみたらどうやったって敵わない大人に見えた彼も
まだ30にも満たない若者だ。
友達もいるし、真っ当な職もある、
その上、真面目そうな表の裏に匂い立つ色気もある、魅力的な男。
でも、彼はマイノリティであることでどれだけ傷つき
そして見切って生きてきたんだろうか。
それを思うと、彼の掴んだこの幸せが
これからも続いていくことを心から願わずにはいられない。
先生と生徒、そういってしまえば簡単ですが
中身はとても繊細で、同性同士の恋愛のそして立場の違うものの辛さや
それを乗り越えた時の喜びが、等身大の高校生から青年の心をそのまま覗いたような
そんなストーリーでした。
高校生の頃の瀬名は、家庭環境もあってか決して『良い子』とは呼べない生徒。
教師と言う立場で瀬名を見ていた阿南ですが
本人の言葉にもあるように、「いつの間にか」恋に堕ちてた。
恋しいと思いながらも、相手の幸せを考えて離れた二人でしたが
やっぱり運命の赤い糸はあったんですね。
うそみたいな偶然が重なって、再会する二人。
その時に瀬名があれほどまでに成長し立派な社会人になっているなんて
阿南本人だって想像していなかったと思います。
離れた時は辛かったと思うけど、離れたことで瀬名が成長し心も体も大人になった。
以前なら自分の気持ち優先で、阿南に無茶を言ってた瀬名が
「我慢」することや相手の気持ちや状況を「優先」することを覚え
阿南を大切に大切に想うことのできる人間になって・・・
正式に付き合いだして、過去を冷静に振り返ることができるようになった2人を
すごく羨ましいと思った。
遠距離恋愛は辛いこともたくさんあるけど、気持ちが繋がっているからこそ
何年も続き、誰よりも相手を気遣うことができる。
瀬名も阿南もお互いの性格や考えることは熟知していて
相手の行動パターンが読めちゃうなんて、ホント羨ましい。
「アホみたいな言い争いも腐るほどしたよなぁ」
阿南の一言に、二人のすべてが語られたようで、じーんとしました。
プロポーズし、一緒に暮らすことを約束し・・・
そしてとうとう「先生」から「珪」に呼び方が変わる。
阿南も「「瀬名」から「櫂人」に呼び方が変わる。
恋愛にはいくつかのターニングポイントがあると思うけど
二人にとって、この呼び方が変わるということが
1つの大きなターニングポイントだったように感じました。
苦労してたくさん涙して、やっと手に入れた幸せを大事にしてほしいと思いました。
◆あらすじ◆
主人公は、17歳の高校生・瀬名櫂人(せな かいと)。
両親の不和で家庭崩壊、家に居場所をなくした瀬名は、大勢いるはずの友人たちにも悩みを打ち明けられず、自分を受け止めてくれる英語教師・阿南珪(あなん けい 27歳)のマンションを頻繁に訪ねるようになります。
やがて、ゲイである阿南に惹かれ始め、半ば強引に阿南と関係を持ちますが、恋人という関係を求める瀬名に、阿南は答えないまま。
近づきすぎては傷つけあう二人の関係の行方は――
自分の未熟さに気付きつつも大人になれない瀬名と、教師としての理性と一人の人間としての感情の間で揺れる阿南の、切ないラブストーリーです。
◆レビュー◆
読みはじめて驚いたのですが、表紙のイメージよりもかなり濃厚な読み味なんですね。
当初は白泉社から花丸文庫blackレーベルで出版されていた作品の新装版と知り、とても納得です。
ただ、エロ濃厚な一方で濡れ場以外の心理描写も細やかで、変な表現かもしれませんが、濡れ場を抜いてもセンシティブ作品として成立しそう。
新装版の表紙は、この作品のそういう一面を前に出した雰囲気。素敵です。
教師と生徒の禁断愛もの。
ただ、番外編を除き全て攻めの瀬名視点で書かれているため、「禁断愛」の部分を煽る感じではなく、未熟であるが故に愛すれば愛するほど自分も相手も傷つけてしまう瀬名のやるせない思いが切々と伝わってくる内容になっています。
教師である阿南の側も、教師と生徒という関係でいる時には瀬名を受け止める余裕を持っていたものが、その関係を逸脱してしまうと、次第に自分の感情をコントロールできなくなり、苦しみます。しかし、瀬名は未熟でそれを受け止められず、阿南を大切にしたいのに、どうしていいのかわからない・・・切ない。切ないです。
瀬名の眼を通して見る阿南がまた、とても魅力的で。
学校では生徒たちに慕われ、信頼されている阿南ですが、プライベートでは、大学時代からの恋人・大河内との関係を、大河内が結婚した今も引きずっていて…彼もまた心に苦しみを抱えていそうです。
でも作中ではそこに立ち入らず、ふんわりと匂わせる程度。それが余計に阿南をミステリアスで艶めかしい存在に見せている気がします。
瀬名に「口でして」とせがまれて、
「おまえ、俺にフ○ラさせようっていうのか」
と拒絶するかに見えた阿南が、おもむろにひざまずいてご奉仕!!な場面がイイ。
飲みほして舌を出し、「とびきり上等な娼婦みたいな笑み」で笑ってみせる阿南。
男性に使う形容ではないかもしれませんが、なんてコケティッシュ!その上、危なげで、男なのに儚げで。
高校生の瀬名も未熟で不安定なのですが、教師である阿南もまた、いつも教師の顔ではいられない男。
実は瀬名以上に苦しんでいる阿南の姿が、とても人間臭く、魅惑的に描写されていて、気が付くと瀬名に目線を重ねて阿南に思い入れている自分がいました。
阿南のイメージには草間さんの絵がピッタリな気がします。でも、挿絵の阿南よりも個人的には「イロメ」の白川先生のイメージかな。
帯のコピーは、「さよなら、先生。」。
教師と生徒という関係が二人に別れをもたらし、そして、教師と生徒でなくなった時、また新たな関係が始まる――というこの作品を一言に凝縮したこの言葉が、心に響きました。
番外編「さなぎ」で、すっかりオトナの男に成長した瀬名に、阿南が寄りかかる姿がほほえましい。
ラストは、新たな意味での「先生との決別」で終わっています。
突然コメント失礼します。すごい共感できるレビューです〜。
阿南先生の過去を匂わす程度にとどめているからこその魅力、ほんとにそう思います!瀬名のせいなのか阿南が好きすぎてツラいので、yoshiaki様のレビューを読んでまた萌えました!^ ^
こういうミステリアス受けを攻め視点で読める小説にまた出会いたいです。
高校生の青さがぎゅぎゅぎゅって詰まってる作品でした。
うまくいかないことばかり過ぎて
歯がゆくて、早く大人になりたくて
どうしようもないそんな高校生の熟れきっていない
青さを瑞々しい位の文章で書かれていると思いました。
高校生の頃の焦燥感とか
なんだか身に覚えのあるものだからでしょうか
見ていて身に詰まる思いがあふれてきて止まりませんでした。
高校生の瀬名は親の事情に振り回されっぱなしで
阿南と共に逃げようとするのですが
阿南は選ばなかった
この辺のくだりが好きすぎてたまらなかったです。
にげて終わりでハッピーなんてこの世の中そんなに甘くはない。
現実問題に目を向けていく中で成長し、その後に日常は成り立っている気がしていたので
最後に再会できて復縁できたとき瀬名の成長が感じられて
青いだけではない事に感動を覚えました。
ハピエン厨の自身も大満足の締めくくりで、2作入ってたSSも安心して読めました。
またひとつお気に入りの作品が増えて嬉しかったです。
高校生攻め、先生受け。
旧版の表紙にはすごく見覚えあるし、設定自体もBLの王道設定で他の作家さんにもたくさん作品あるしで、旧版の方で当然読んだことあると思いこんでいたのですが、旧版の方にはレビューしていないし、CDもレビューしていないし、
もしかしたら旧版は積み本の海に撃沈していて、CDも買って無くて、
この作品、今回初見かもしれない。
でも、既視感はすごくあるんだけどなぁ、、、
まあ、ありがちなお話だからかなぁ、、、
さすがに、新装版として再出版されるだけあって、生徒×先生の年下攻め物としては、すごくよくできてる。
攻めが、生徒だった時は視野の狭い子どもで、暴走が止められず、ガツガツ行って、苦悩して、
そこを通り過ぎたからこそ、ちゃんと社会人になって再会してから、先生の方が思い切りデレてくれる。
この設定のお話としては、まさに不朽の名作といっていいと思います。
だったら、何故神じゃないのかというと、絵かな。やっぱり草間先生じゃない気がする。
凪良先生の作品、好きですので新刊に関しては読んでました。
しかし、こちらの花丸レーベル作品は知らず、もちろん未読。
新装版ということで、書き下ろしもあり、おいしいゎと思いつつ読みましたが…。
個人的に好みでなかった、かな。
攻がすっかり悪ガキから大人になって、まあすごい、という感じで、他の方のレビューにもありましたが、受の心情が少し物足りない感はワタシも感じました。
この関係性だと、キツいのは受の立場と思いますが、攻の勢いばかりが目立ちました。
それを凪良先生は描きたかったかも知れませんが、ワタシには物足りなかったです。
それは、ワタシが基本的に受視点が好みのせいかも??。
よかったのは、攻が大人になってからのお話(受視点)。
他人を思いやれるようになった攻はかっこよかったです。
ほっくりしました。
あと、illは、超個人的好みにより草間先生より小山田あみ先生のイメージでした。
(草間先生のツンデレ受けは好きなのですが…)
攻の高校生を円陣先生にも描いて頂きたいとも思った。
みなさまが既に熱くレビューされているので、語れる所は少ないのですが、私の萌えたポイントを!!熱く!!語ります!!笑
まず初めて手に取った凪良ゆうさん作品。きっかけは草間さかえさんです。ファンなので。草間さかえ先生の絵の色気にノックアウト!!です。男らしい体つき、先生の色気のある表情。本を読む上でありありと姿を思い浮かべることができました。
作中で萌えたところは、大きくは高校生の瀬名の若いが故の立ち振る舞いです。情熱に真っ直ぐでそれ以外は目に入らず猪突猛進で考えが足りないところ。それを上回る熱い想い。先生の気持ちになるとグラグラ揺れるのが本当にわかります。あれだけ熱く想われて傾かない人なんていないと思います。だから別れ際の「さよなら」を言われたくなかった、というセリフが涙を誘そわれました。
そして!個人的にすごーーく萌えたのが!
先生が瀬名のことを誰かに話している、ということ!!!
飲み屋で年下の彼氏がこうなんだよー、とか言ってるのを想像すると………萌えますっ!!!
シラーっと表面装っているのに裏ではノロケてたの?!みたいな。本人に見せないデレが非常に萌えました!!!
もちろん本人に見せるデレも可愛いんですけど、それ以外のところで見せてるデレって更に本気っぽくっていいですよね!!
先生も恋してるんだなぁー♡と可愛く思えました♡♡
数多くの生徒×先生ものがあると思いますが
これはもう…なんというか、
若さと愚かさと健気さがなんともうまく絡み合っていて、
素晴らしかったです!!!
付き合う女はとっかえひっかえで
誰も本気で好きになった事がない瀬名は
好きだから一緒にいたいとか
今すぐ会いたい衝動とかすべてわからず
仲間とも本音で話せないような学生生活でした。
両親の不仲って、いくら高校生でもしんどいというのに
サラッと付き合った女の子がそれをペラペラしゃべるとか…
本当に神経を疑いますわ。
自分勝手で思いやりを感じられない嫌な男が先生の性癖を偶然知り、
からかおうとしたら逆にやりこめられてしまう。
不愉快なのに先生の綺麗さと色気を意識して、
初めは意地でちょっかいを出していたのにいつしか本気に…。
先生の部屋へ出入りするようになって
近づけたかと思っても、生徒と先生の関係は崩せなくてもどかしい気持ち、
先生と関係のある男・大河内に嫉妬して敵わない悔しさ、
“男同士だから”“生徒と先生だから”
誰にも知られてはいけない事、
先生に彼氏だと認めてもらえない事、
全てが思い通りにいかなくて
先生だけいてくれたらそれでいいと思うのが若さです。
先生はただ同情で流されるままに体を繋げたわけじゃないし
しっかり自分を持っていて、
易々と体も心も受け渡したりしない。
そこに瀬名がのめり込む気持ちがとてもよくわかりました。
瀬名に、今だけの気持ちで突っ走ってはいけない、
お前には将来があるんだと説く姿は
さすが先生だな、というか…。
きっと先生だって本音じゃ瀬名が好きでたまらなくなってしまったというのに
大人だから、先生だからしなくてはいけない決断に
胸が痛みまくりでした!!!
「先生の髪を誰にも触られたくない」と思って
転校し、大学へ行かず美容師になることを目ざして
地道に頑張る姿…偉いよ……。
先生に差出人を書かずに働いている美容室のハガキを送るとか
なんか、健気!!!
先生本人が来てくれたわけではなかったけど、
それがきっかけで……再会できるようになるなんて!!!
もう勢いづいて読んでしまいました。
終わって欲しくない気持ちと
でも早く幸せな二人が読みたい気持ちがせめぎ合いましたw
後半の先生のちょいデレの破壊力ときたら!!!
瀬名も私も撃沈……w
先生に言われた、当時の数々の言葉が働いた事で胸に染みて、
「自分の傍らに阿南はいない。でも生活の全てに阿南がいる」
先生に会えなくても先生のことばかり考えるとか切なかった…。
会えても簡単に「今も好きだ!」「俺もだよ!」じゃなくて
それぞれの離れた5年という時間、自分だけの気持ちじゃいけない抑制と
それでも後悔はしたくないという展開に地団駄踏みたくなりました。
お互いまだ好きなのに───!!とw
ベタ甘々なその後を期待していたのですが
瀬名の大人になった姿がたまらなかったです!!!
予定が狂って楽しみにしていた旅行が
先生の生徒のトラブルでキャンセルになっても
「先生はそうだろうなって思ってたから」とか、
「一緒にいられるだけでいいんだ」とか
いい男になったもんだよ(泣)
でも先生はあまりにも違うその言動に戸惑って
そして時々高校の時のように拗ねたりする姿をみて
ちょっと安心してつい笑ってしまうなんて、カワイイ…。
瀬名にはまだ違う道だってあるのに、って思うのは当然だし
それでも瀬名が二人で生きていく方法をきちんと考えていたのが
愛ってすごいな…と思わされました。
草間さんのイラストの相乗効果でとても面白かったです!!!!
瀬名はかっこかわいいし、先生はセクスィー可愛いし(??)
改めて出版して下さって本当に感謝してます!!!
徐々にワンコっぽくなっていく瀬名も良かったですが
やはり高校時代の不甲斐ない自分に嫌気がさして
悩みまくるのが良かったです!
先生も大人の顔をちゃんと取り繕っているくせに
本当はしっかり好きだったっていうのが…ぎゅーん!!
ええい、神です!!!!!
きっといつか新装版がと気長にまっておりましたら出ました!
ありがとうございます。
生徒と先生の関係から始まるこの話は、子供と大人の歳の差を的確に表現した話であり、主人公の立場や考え方や態度がグザリと胸をついてきます。
題名の「未完成」とは、まだ成熟していない年下の男子の事かとおもいきや、もちろん彼はそうであるのだが、本編のラストから後日談である番外や書きおろしのエピソードを見るにつけ、人が、恋愛というもの自体が、そうではないのか?と思わせる実にナイスな題名なのだとしみじみ思うのでした。
両親が離婚寸前の不仲の家庭にある高校生の主人公瀬名が、むしゃくしゃした気分で訪れたクラブで偶然目にしたのは英語教師の阿南。
たまたまその夜はゲイナイトであり、瀬名はその気持ちの矛先を阿南にちょっかいをかけることで晴らそうとするのだが、大人な態度でやり過ごされてしまう。
後日、学校で見た阿南は瀬名を見ても平然とした態度でおり、瀬名はその阿南が気にかかり絡むのだが、家庭のいたたまれなさに彼の家へ訪れるようになる。
瀬名は彼女にこと欠かず、とっかえひっかえ。
いつもつるむ友人たちがいるのだが、彼等では瀬名の抱える寂しさは埋められなかった。
彼は話を聞いてくれる人が欲しかったのだとは思うが、友人たちでは彼の欲しい答えは与えてくれない。
では、どうして阿南なのか?
瀬名は自分を子供扱いしてくれる大人が欲しかったのだと思う。
両親は自分の事だけしか考えてないと言っている。
阿南は邪魔だ帰れと言いながらも、教師であるから完全に無碍にはしないし、しても瀬名がくらいついてくるから放っておけない。
興味と感心から自分に居心地のよい場所を与えてくれる存在となり、それはいつか独占欲に発展し。。。
阿南は完全にほだされた人となるのだろう。
いけないと思いながら瀬名を受け入れ、ほだされていく気持ちを大人の態度で隠して。
のめり込む瀬名に諭す阿南のその差が実に子供と大人なのです。
結局、彼等には別れがあるのですがその後というのがとても重要でした。
距離を置いて、年月を経て、少年が大人へと変化していく時、改めて感じる阿南の言っていた言葉の正しさ。
想いはずっとずっと変わらずいつまでも愛しい存在であり続けるのは、阿南と過ごした時間に彼が言った言葉が現実となって実感できるからこそ、彼の成長という変化を垣間見ることができるのです。
ですので、CDのブックレットにあったという短編と、書きおろしの【さなぎ】はそれを裏付ける確実なモノとして、とても重要なエピソードなのだと思います。
最初は瀬名が子供でした。
セックスの最中も大人と子供の差を感じさせながらもいつしかそれが同等を見せるようになり、しかしシラフの時はやはり大人と子供で。
そして再会後、その二人の子供と大人のラインは曲線を描きながらゆったりと波をうって交わる箇所がふえるのです。
それが瀬名の成長であり、阿南もまた年齢は大人でも恋している以上老成した大人ではないという部分を見せるのです。
瀬名と阿南の別れのシーン、再会のシーン、更には書き下ろしに至るまで、何だか後半は涙があふれてとまりませんでした。
執着ワンコとツンデレ教師。
阿南はツンデレですが、口調はじめ精一杯男前な部分を見せていたような気もします。
彼は一本筋の通った男なのか?
本当は阿南が既婚で子供もある友人とセフレの関係もあるとか、彼についての謎がとても多いので、ちょっぴり彼について何かあってくれてもいいのかな?と思わなくもないのですが、
自分にとって、願うべき大人と子供の恋愛の形が描かれたまさに望む話であったことから、この評価なのです。
花丸ブラック【未完成】が、絶版高額状態なんて知りませんでした。今作の【Young Swallow】【さなぎ】を読みたいが為に再購入!そしてなおさら納得…そして幸せ度、増!市販の凪良ゆう先生の作品で、読んで無い(所持してない)のは【花嫁は マリッジブルー】だけだと思います。
人の心持ちを現すのに こんな表現があったのか…そんなことを思って、買い続け、読みつづけた作者様です!!花丸の【未完成】2009年、今作が2014年、ただ、ただ…時の流れを…そしてそれぞれの大好きな作者様の伸びゆくさまを感じて嬉しく思ってます♪
そして作中の人々も時を経て、いい感じに成長し続けていて感無量でした!!
花丸文庫BLACKから、新装版の「未完成」。
絶版し中古で高値がついており手に入らず、悶々としていたところの新装版でした。
プラチナさんありがとうございます。
凪良さんの文庫デビュー二年目の作品とのことでしたが、
凪良さんの黒か白かという両極端があまり感じられない、中間色の作品でした。
そもそも花丸BLACKのレーベルだったということに少し疑問でした。
内容は、凪良さんの得意とする「時間」「成長」がとてもキーワードになっているこの本。最初の出だしこそダークな印象がありますが、読後感は非常にあたたかい気持ちになりました。
また、忠犬ワンコな年下攻と、美人でクールで口が悪くてでも実は脆くてエロい(笑)部分がある年上受、という非常に美味しいカップリング。
「真夜中クロニクル」や「あいのはなし」のカップリング然り、凪良さんの原点が詰まった一冊のようにも感じました。
ただ、キャラクターはさておき、内容がつい先日発売した「雨降りvega」とダブってしまったのが残念でした。
言い換えれば、「雨降りvega」の切なさがお好みだった方にはおすすめです。
個人的に先生と生徒という設定が好きではないので、凪良さんはというだけで購入して読み始めました。
が、数ページ読むだけでぐいぐい引っ張られ、結局1日で読みきりました。
涙腺にもじわじわ来るものがあり、泣いてしまいそうになりながら読みました。
家庭に問題があって不安定な生徒と、その繊細な心の受け皿になる先生。優しい先生のことをどんどん好きになってしまうのは当然のこと。
私は、どんどん先生に溺れて素直になっていく瀬名のかわいらしい年下男の描写にきゅんきゅんしましたが、包容力のない子供の欲望そのままに暴走する攻でもあるので、読み手の好みを選びそうな本でもあります。
ただし、巻末SS2編の成長した瀬名はきゅんとくるほどのいい男でした!
この成長っぷりを見るために一冊読んでも損はないかと。
旧版をお持ちの方でも、「young swallow」「さなぎ」がとても素敵なSSなので、このために買っても損はないと思います。
本編だけだったらちょっともやもやしただろうな…
また、草間さんの阿南先生がたまらなく色っぽい…
草間さんの先生生徒ものということで、「イロメ」と「ヌレル」を思い出しました。
個人的には一番最後のカットが本当に好きです。。
ひとつ不服をあげるならば、少しちらつかされる先生の過去が見たかったなぁということ。
それが瀬名に惹かれる理由に繋がっていたらよかったのにな、と。
きっとその過去が見えてたら、瀬名だけでなく私まで完全にノックアウトされて、「神」評価をつけてたと思います(笑)
タイトルの「未完成」の指すところは、そりゃあ高校生の瀬名のことだろうと思っていたわけですが、終盤「あぁ、違ったんだ!」と覆されました。
凪良さんの作品にはいつも、萌だけじゃない、励ましのエールをもらえる気がします。
『too young to die!!』
この攻は青くて痛いなー辛いなーと思われるかもしれませんが、
できるなら、もう10代を通り越した20代以上の落ち着いた大人の女性にお勧めしたい本です。
旧い版(未読です)にドラマCD収録の「young swallow」と書き下ろしの「さなぎ」、二本のSSが新たに加えられたこの作品。
もの凄くハラハラしながら初読を終えました。
滅茶苦茶な家庭環境に疲弊して、上っ面だけの交友関係に虚しさばかり募らせていた高校生・瀬名は教師である阿南が差し伸べてくれた手に救われます。
冷たく鋭く、綺麗なナイフみたいなのに生徒を放っておけない優しい阿南。欝屈した世界に差した唯一の光に、瀬名はどんどんのめり込み一途な想いを募らせて暴走していくのですが――。
この瀬名が、見ていてとんでもなく危なっかしい。反面それがこの作品の一番の魅力です。
高校生という半端な年頃特有の脆さと鋭さ、繊細で傲慢で、自分の力ではどうしようもない閉塞に苦しみながら一途に阿南を想う。この「高校生」というものの描写がとても巧くて、始めから引き込まれました。
複雑な家庭環境もあるのか、若さゆえに暴走しようと基本的に瀬名は聡い子供です。生徒と教師という関係、十歳も年下の自分がまともに相手にされないのはちゃんと弁えていて、それでもたがが外れて空回りし、自分を抑えきれずに八つ当たってしまう。そこですぐに反省して落ち込むから、読んでいてますます痛々しく思うのです。
何というか――阿南にしてみれば、尖ったガラスが自分に向かって凄いスピードで飛んでくるようなものではないでしょうか。当たれば自分も血が出て痛いし、ガラスは簡単に割れ砕けてしまう。私なら背中向けて必死こいて逃げますね(笑……痛いのは嫌だしガラスが粉々に砕けるのなんて絶対に見たくない。
それに向き合って、ボロボロになりながらも受けとめようとした阿南は本当にすごいなぁ…と。
ただ、瀬名の危うさから目が離せず振り回されっぱなしだったので、阿南の心情がいまいち追いきれなかったのが残念です。強い人が最後の最後追い詰められて弱さを露呈する、なんて大好物なんですが――とりあえずこのレビュー書き終わったら落ち着いて再読するつもりです。
…しかし阿南先生、瀬名の危なっかしさにハラハラドキドキしすぎて吊り橋効果で好きになっちゃったんでは……と思わなくもなかったり(笑
さてこの作品もそうですが、凪良さんのお話は再会ものが多い気がします。
真っ直ぐで盲目的な熱情だけではやっぱり上手くは行かなくて、一度決別して距離をとってから再び関係を築いてゆく。それは離れている間にお互いが、或いは片方が一回り成長したからこそ可能なのだし、その成長にも相手が強く影響を及ぼしている。
瀬名も阿南と離れ社会人としてのより広い視野を得て、もう無力な子供ではなくなったからこそ再び阿南に出会えたのではないかな、と。そして理想的な年下攻めとしてカムバック!← 進化した瀬名は後日談、阿南視点のSSで堪能させていただきました。
「決別、再会」というプロセスを経ることで、はじめの盲目的で閉鎖的な勢いは無くなります。それでも強い想いはちゃんと残って、地に足のついた関係を再構築することができる――視野狭窄に陥りがちなBLにあって、その誠実さが良いなぁ…と思うのです。