俺たちは一緒に死ぬのさ。 真の恋人が運命づけられているようにーーー。

アドリアン・イングリッシュ(1) 天使の影

tenshi no kage

アドリアン・イングリッシュ(1) 天使の影
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神71
  • 萌×233
  • 萌22
  • 中立6
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
24
得点
559
評価数
136
平均
4.2 / 5
神率
52.2%
著者
ジョシュ・ラニヨン 

作家さんの新作発表
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イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
シリーズ
アドリアン・イングリッシュ
発売日
価格
¥900(税抜)  
ISBN
9784403560156

あらすじ

LAでミステリ専門の書店を営みながら小説を書くアドリアン・イングリッシュの元をふたりの刑事が訪れる。
従業員であり友人のロバートが惨殺されたのだ。
前日レストランで口論して別れたアドリアンに、殺人課の刑事・リオーダンは疑いの眼差しを向ける。
調査に乗り出したアドリアンだったが、犯人の深い憎悪と狂気はやがてアドリアンに向かう。
彼の危機に飛び込んで来たのは!?
それぞれの運命と向き合う男たちを描き上げたM/Mロマンスの金字塔、ついに刊行。

2006年ブックニュースアワードGLBTフィクション部門受賞作(シリーズ第三作「The Hell You Say」が受賞)。

翻訳:冬斗亜紀

表題作アドリアン・イングリッシュ(1) 天使の影

レビュー投稿数24

BLとしてはそんなに…? ハラハラドキドキはあった。

BLよりサスペンスとして楽しめました。

メイン2人の恋愛はほぼありません。
一応、出会った瞬間から主人公→刑事の波動が出ていて、一目惚れからの吊り橋効果? といった印象でした。
オチで何となくそんな雰囲気になったことは分かりましたが、相手役の刑事に好感を持てず、マジで……? と思ってしまいました(笑)

刑事との恋愛より、主人公の昔の男や、殺された友人、犯人の方が気になった。

亡くなった友人はクズの印象が強いですが、主人公を探してレストランに戻った行動とか……細かい真相が気になりました。何となく憶測は出来ますが。

主人公と元彼についても、彼と別れてから他の相手を作っていないという状況に萌えました。昔の男が忘れられない主人公かわいい。

そして犯人。
一応怪しい人物は何人かいましたが、主人公と肉体関係を持った時点でコイツが犯人では? と疑わずに居られませんでした。
粘着メンヘラ男大好きなので、どうして今更そうなった? って感じですが、良かったです。
なんでアドリアンに執着してるのか最後まで謎でした。
どうせならもっと心を許した状態からのどんでん返しが読みたかったかな。
嫌がらせの全てが彼の行いだったのかも謎。アドリアンの気を引くために猫の死骸なんて置いて行くだろうか……。
結構あやふやな部分が多かったです。

犯人と疑われて疑心暗鬼になる展開は同著者の短編『Don't look back』に近かったです。
そちらと同様に、警察もっと何とか出来ただろ!!! と思いました(笑)

それにしても主人公めちゃくちゃ殺人現場目撃してて大丈夫か……? と心配になりました。
一番可哀想だったのは巻き込まれた料理人のクロードでした……。

主人公も刑事も特に好みのキャラではなかったのですが、まだ分からないことが多いので、これから好きになれたらいいなと思います。

1

ミステリーも楽しめるBL作品

アドリアン・イングリッシュシリーズは、海外ミステリーが好きでたまたま手に取った作品で、購入時はBL作品だとは知りませんでした。シリーズごとに、アドリアンとジェイクの恋愛関係に変化が見られるのが面白く、どこに落ち着くのか先が気になりながら読んでいました。また、ミステリー要素もしっかりしていて、いろいろな殺人事件が登場するので、とてもワクワク、ハラハラする要素があり面白いです。BLもミステリーも同時に楽しめる作品なので、個人的に美味しい作品です。

2

読み終わっちゃってつらい。もっと読みたい終わらないでってなる感じ。

シリーズまとめて一気読みしました。一巻ごとに書くか迷ったんですがまとめて感想書きます。

読み応えがあって、とても面白かったです。アドリアン視点一人称視点描写ですがミステリと一人称視点は相性が抜群だなと。

受け:アドリアン…心臓の弱いミステリ作家+書店主、ゲイ
攻め:ジェイク(リオーダン)…刑事、ゲイだけど隠している

・ジェイクが自分がゲイだというのを隠している&普通じゃないのを気にしていて、アドリアンのことが好きだけど女性刑事ケイトとも結婚前提の付き合いをしている。

・付き合うようになってからも二人の関係は秘密で、男とキスするのに抵抗がある(けどキスできるようになり、セックスもする)←ここがとても美味しい。

・ジェイクは40歳という微妙なお年頃で普通の家庭への憧れがあり、子供を作るタイムリミットを意識している。ケイトとも付き合いを継続していて、ジェイクが入院したときアドリアンは家族&ケイトがジェイクを囲んでいる光景を目にして傷付く←つらい

・ケイトが妊娠して「普通になるチャンスなんだ」とジェイクに言われて別れる←つらい
さよならして関係を断ったけどジェイク側は友達として関係したかったらしい←関係切られてジェイクがつらくなったやつ(美味しいやつだ…)

・二年が経ち、アドリアンはガイという当て馬(?)と恋人として同棲みたいになってたけどジェイク&ガイの元々の想い人が同時に二人の人生にまた関わるようになって相互嫉妬からの~相互元鞘(かな?)…という

アドリアンがしんどいしんどいってなるんですがそれが何故か萌えてしまって美味しい…ああしんどい美味しい…ってなりながら続きを読む手が止まらない、そんなシリーズでした。
ハッピーエンドだとわかってて読んだのも大きかったかなと(途中つらいほど最後に昇華されるから最後まで読むぞって)。

学生時代に周りの友達みんなして読んでた小さくて薄い推理小説シリーズ(男性バディもの)とか思い出しました。
楽しかったです。ずっとこのシリーズを読んでいたいってなる感じ。

ジェイクが結構酷い男なムーヴをかますのですが、ゲイ蔑視のある世界観とか普通の家庭への憧れ+子供を作りたいけど年齢的にそろそろぎりぎり、という当事者の気持ちを考えるとジェイクもしんどいと思えるので。
「蔑視されてたり子供がつくれないことに苦しむメンズラブ、最終的には二人で生きていく決断をする」という重たくてしんどいものを凄くまじめに描かれたんだなって。

ケイトも素敵な女性で、しかも流産してしまうのでつらいんですが…お互いの家族も良い感じで。ジェイクの家族がケイトと良好だったのにアドリアンを受け入れてくれるんですね、そのエピソードがつらい&とうとい。あと6巻のクリスマス編にリバがあるのですがそこまでの二人のしんどさが積まれていると苦手な方でもたぶん「この二人なら」みたいに喜べると思い…苦手な方はそれでも苦手かな…?私は大丈夫でした。
濡れ場はちゃんとありますが喘ぎ声がセリフとしてないので、落ち着いていてとても上品です。

しんどくてつらいけど素晴らしい、そんな作品でした。
続き読みたいってなってますもん。読み終わっちゃってつらい。もっと読みたい…終わらないでってなる。そんな良さがありました。最高。

5

シリーズ一気読みが止まらない

この作品の出版当時新聞の年末書評総まとめで、三浦しをん氏がその年のベストを何冊か上げてる中にこの作品があり、面白いんだろうなぁと思いつつ何故か食指が動かず月日は流れ・・・ Kindle Unlimitedで見つけて今更ながらようやく読んでみました。

いやースゲェ。めちゃくちゃに萌える・・・!
久々に睡眠削って読みました。というか、眠くならない!二人の先が気になって!
なんだろう、一応ミステリなんだけど、底流にはハーレクインロマンス感があるような。読んだ事ないけど。アドリアンには持病があり、男なんだけど、マッチョなジェイクに守られる立場になってるからでしょうか。

シリーズ最初のこの作品は、正直なところ少々読みづらかったです。まだ作品世界やキャラクターに馴染めないうちにストーリーが進んでいく感じ。でも、ここからです!
読んで良かった!と心底思えたシリーズでした。

3

腐女子なら一度読んでもよいと思う

名著である。
間違いない。ただ、一巻だけ読んでもその良さは解らない。
全巻完結まで読んでみて、多分素晴らしいと気づく。そんな本だ。
一度腐女子なら読んでみて、損はない。

アドリアンは美しい男で、品がある優美さを兼ね備えた黒髪で背が高く、地中海を思わせるような瞳の色をしている。
そんな男が、ちょっと古いホテルを改装した本屋を経営していて、名画のように収まっているのは想像してみると相当見ごたえがある。
そんなアドリアンはゲイで、ちょっと美しすぎて品の良い色気のある男はなかなかにいないから、そういう人をゲイと間違える人が多いように一目でゲイと看過される。

そんな彼が事件に巻き込まれていく話だけれども、見所はいくつもあって
おそらく初めからアドリアンに心を奪われただろうジェイクは、In the Closetの男だった。
In the Closetは、秘密を隠し持つこと。ゲイであることをひたすらに隠しているということにも使われる。
社会の中で、様々な差別が語られて、人権だのなんだのと騒ぎられているが、そういう主張を聞くよりも彼らが何を恐れているのかが
全巻を通すとゆっくりと見えて、社会の中での生きにくさというのが深く感じられる。
アドリアンシリーズの凄いところは、押しつけがましくなく日常的な生きにくさ、悲しみ、苦しみがほのかに見えるところにあると思う。
そして、In the Closetであるジェイクは自分の生き方にずいぶんと苦しいんでいる。
彼が言う「女は好きだ。けれども男はもっと好きなだけだ」というようなセリフは、苦しみをよく表しているし、深く考えさせられる。
ジェイクは必死に、警察というゲイを好まない団体の中でまともであろうとしている。
それでも、生来から持つ「好き」という感覚はおそらく止められないだろうし、生きていくうえで必要なものであるから、彼は自分の中の矛盾を許せずに苦しんでいる。
様々な生きづらさ、いじめの問題など社会的な要素が絡まって見える一巻である。

人は誰にでも生きづらいような秘密はどこかにあって、大なり小なり悩んだり悲しんだりする。
そんなな中でも、性向というのは生きている根幹的な部分であるから、その悩みや生きづらさは深いだろう。
自分としてどうやって生きて行くのかというのは壮大なテーマだと思うが、誰もが抱えているものでもあると思う。
その生きている困難さが、とてもうまく描かれている。

本としても本当に面白い。
ジェイクとアドリアンの関係を見ていくのはハラハラさせられる。

よんだあと、おもしろかった!というだけではなくて、きっと心に残るものがある。
そういう本だと思う。
私は強く勧めたい。

9

いかにもゲイを主人公に据えた海外ミステリー

2013年刊。
まずこのシリーズの1巻は、主人公・アドリアンが経営する書店の元従業員(*親友とは言いたくないらしい)の殺人事件に巻き込まれた事から端を発する。
彼自身も、店を荒らされ何者かにストーキングされるといった被害を被っているのに、警察には犯人と疑われてろくな目に遇っていない。
殺されたロバートも金と性にだらしないイメージだし、友人・クロードのヒステリーやロバートの元妻・タラのご機嫌を伺ったりと、何とも面倒臭い目に遇っているな。
…といった流れを読み進めていく中で、どうも今一つ思い入れが出来ずに読了したのだった。

いかにもゲイを主人公に据えた海外ミステリーだなといった印象を越えず。
先に読んだAll's Fairシリーズのほうが話の展開やキャラクターが断然自分好みで、同じ作者の他作品への期待が大きかったせいかな。

リオーダンとアドリアンがくっつく前提だとしても、1巻ではあまりいいムードではないんだよね。
何より二人の性癖も掴めていないし。

この『M/Mロマンスの金字塔』、全5巻読み切るまでに嵌ればいいのだけど…
つーか自分、今年度の目標に『(なるべく)モノクローム文庫作品を読破するぜ!!』って決めて一気買いしたのに。
盛り上がってくれないと内心困るなぁ…(知らんがな"(-""-)")

0

これは長い道のりになりそう

ついに手を出してしまったなーと思いつつの、初ジョシュ・ラニヨンさん。まだロマンス未満のシリーズ一冊目、このページ数も長く感じず一気に読めた。

主人公のアドリアンはごく普通の青年っぽい。殺人事件に巻き込まれ、何かするたびに裏目に出て追い込まれていくお約束。それが決して愚かな行動の結果でないのが良い。ただ、展開的に次に悪いことが起こると分かりやすいため、そこに突っ込んでいく主人公を見るのはヒヤヒヤする。心臓に悪く、引き止めたくなったりしていた。

リオーダンはアドリアンとロマンスの気配はまだなく、出番もそこまで多くないのに、存在感がものすごかった。ベッドシーンのあったブルースよりよっぽど。アドリアンの心の中に入り込んでいたことと、秘密を暴かれて捻じれた内面を見てしまったこと、事件における立ち回りに惹かれるところがあったためだと思う。

ストーリーは一つの殺人事件から連続殺人に発展するミステリー仕立て。残りのページ数が少なくなるにつれ、一冊で終わるのか心配になったが、ちゃんと解決してくれて良かった。
事件は犯人を推理しながら読むようなものじゃないと思う。犯人は一人だけBLしてるな~という感じだった。M/MでなくBL。動機やら何やらいろいろ。

ラストはちょっとした匂わせ?のようなものがあり、次巻への期待を煽ってくれた。

原書の初版は2000年らしい。作中世界も1999年設定だからか、ゲイとHIVをセットで出してきて時代を感じた。当たり前のように出てくるホモフォビアも、ご意見表明が昔風。
当時のこうした作品の雰囲気が感じ取れて興味深く、今書くとまた違った、より複雑な雰囲気の作品になるんじゃないかと思った。最新作も読んでみたい。

メインカプの出会い編でここまでの進行具合なら、恋愛方面の話はかなりゆっくり進行になるのかな。長期戦を覚悟して次も読もうと思う。

4

M/Mの世界

M/Mの小説初読み。
ちるちる内でもよく挙がる作品だったので気になっていましたが、ようやく読破。
一番好みだったのはセリフ回しだったり登場人物の関係性。
私が洋画を好んでよく見ますが、その好む雰囲気のままでとっても楽しめました。

例えば、雇い主と雇われ人の上下関係だったり自分を嫌っているであろう人とでも(なるべく低接触を図りつつも)ハグをする。
アドリアンと母親の関係性も好き
病弱なアドリアンを心配し、健康になったと一人暮らしを始めたり祖母の遺産で勝手に本屋を開いた息子に怒りを持ちつつも会わなくなるという選択は選ばない。
会えば喜び「ダーリン」と呼びかけ、髪型の称賛を要求しアドリアンもそれに応える。
怒りもあるけれどアドリアンの全てを否定しているわけではない。

一つの事柄で相手を決めつけないというのは本作の中でも色々な人当て嵌められていて、
~することもあるけれでそれは彼の一部分でしかないという考え方。
私から見たら情緒不安定すぎて怖いキャラもいるんですが、アドリアンからみた悪いことはできないさというような。

そして恋愛に対するスタンス。
告白するという文化のがあまりないのでその間の雰囲気が新鮮です。
いわゆるデーティング期間というのでしょうか。
交わした言葉だったり雰囲気で察する駆け引きがまた楽しい。
外国の暮らしや感情の描写と同時にBLも楽しめる、M/Mハマりそうです。

個人的にミステリーの部分は少し物足りませんでした。
でもなんだろうだからこそ展開にドキドキしちゃいました。
そこからBLとしてどう転ぶんだろうと。
2巻に手を伸ばさざるを得ないものでしたとだけ言っておきます。



3

共犯同盟

面白かったです。

ミステリは正直平凡。ミステリ部分にあっと驚く何かはほぼない。どちらかといえばゲイとその周辺人物の人間模様が深く描かれている印象。BLやM/Mってほどロマンティックでもなく、BLばかりよりかは一般小説も好んで読む方へおススメ。

主役のアドリアンは好みではないけど、こういうヒロイン(あえてヒロインと書く)は往々にしてモテるわけよ。君を守ってあげたいってタイプのメンズにさ。引っ掻き回して大人しくせず、最終的には彼の助けがないと生きていけない、そんな君。

だからリガードンがこれでもかって程セクシーに見える!彼はベッドシーンはおろか上着をアドリアンに貸すたった一枚の脱衣しかないのに、こんなにもセクシー。予備知識なしで読み始めたけど登場の瞬間「こいつがこの作品の攻めだ!」って確信する。

最初にゲイとその周辺人物の…って書いたけど、テッドとジーンの夫婦はじめ共犯同盟のメンバーがくどくて好きでした。同性愛に対して、それぞれのアプローチをかましてくる。令和な作品は随分この辺のタッチがソフトだから、この生々しさが読めるのはありがたい。海外が舞台だからこその良さもある。

クロードって完全に巻き込まれで死んでるのに、あんまり悼まれてないの酷いな…

シリーズ続けて読みます。

5

ピンともポンとも来ない。

私にとって鬼門の書、アドリアン・イングリッシュシリーズ。
買ったのはもう5年くらい前。お正月とGWの度にさあ読もう、読まねば、と思いつつ何故かずっと読めずにいたシリーズ。
ついに、ついに!という期待が…大きすぎちゃったんでしょうか…
「こういう話だったんだ…」
悪い意味でね。

レビューも裏表紙の粗筋も一切目に入れずまっさらで読んで、あ、ミステリなんだ、と。
(よく考えたら作者様はゲイミステリ作家でしたね。)
BLにはまる前は海外ミステリばっかり読んでた時期がありまして、まずそこで一度テンションが上がったんです。
が、逆にそれで余計期待値が上がってしまったというのもあるのかも知れません。
はっきり言ってミステリとしてはハンパ、ならBL/ゲイ文学/MM作品としてどうかといえば、そこも薄い。
すでにシリーズ作品とわかって読んでるけど、本作だけだったら何の恋も無いというか。単に出会い編として読めばいいんですか?という気分。
これ、日本版は草間さかえ先生にすごく助けられてるんじゃないですか?多分原書のイメージだともっとむさ苦しいんじゃ…?草間先生のイラストで日本人好みの少し線の細い繊細そうな雰囲気になったような気がします。

2作目以降に期待。

3

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