JITTER BUG

jitter bug

JITTER BUG
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神37
  • 萌×228
  • 萌11
  • 中立7
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
16
得点
337
評価数
84
平均
4.1 / 5
神率
44%
著者
一ノ瀬ゆま 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
ルチルコレクション
シリーズ
JITTER BUG
発売日
価格
¥667(税抜)  
ISBN
9784344828940

あらすじ

ワケあって活動休止中のミュージシャン・渋川は役者志望のショータの憧れの人。その渋川とドラマ共演することになったショータは…?

表題作JITTER BUG

俳優志望のモデル
ワケアリで活動休止中のミュージシャン

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数16

No Title

俳優のショータはモデルの仕事ばかりが増え芝居への想いを燻らせていたところ、深夜ドラマ出演の話が舞い込む。相手役はある問題から活動休止中のミュージシャン渋川で、ショータの憧れの人物!ところが渋川は投げやりな態度でやる気がなく、ショータは2人での自主練を申し込む。
一緒の時間を過ごすうちに明かされていく渋川の抱える過去…。マネージャーとの苦しい関係や、それぞれの持つ悩みと想い。役者とミュージシャンとしてお互いに成長していきながら、惹かれ合う2人が良かった〜。
作者様買いだったけど、1話が描かれたのは2011年との事で読めて嬉しい!

0

JITTER BUG

重たいのに何度も読んでしまう。切なくて苦しいのに、嫌いになれない不思議な作品です。真っ暗な海の底に差し込み光のような作品。一ノ瀬先生の作品は重厚感がすごくて息苦しい展開があるのに最後に救われるから止められない中毒性があります。細かな絵からキャラクターの心情や心の移り変わりが響くように伝わってきて読んでいてとても切なくなるし嬉しくなります。それと、余白が多いところがすごく好き。一ノ瀬先生があえて書かなかった言葉がたくさんあると思っていて、それがすごく人間らしくて好きです。言いたいこと全ていえるわけではないし、言うことがいつも正解ではないからこその表現の仕方。それがもどかしくてとても好きです。

0

業界トラウマもの(他所感)

この頃はまだ絵が初期作っぽいんですね(giftで少し変わって、神様なんか〜で劇的に変わりましたもんね)

私はどうも業界モノ(バンド、俳優、モデル)があまり得意ではないのですが(かっこいいキャラがかっこつけてこれでもかとかっこよく見えるよう描かれすぎていると小っ恥ずかしくなってしまう)(気まジャガはそれはなくハマりましたが)本作はそんなシーンがほぼなく大丈夫でした。

健志、敦志というキャラ名は某ミュージシャンを思い出してしまいましたが(字は違うけど)翔太もか。

内容としては、大切な人を自分のせいで死なせてしまった(と自分たちが思っている)罪悪感、贖罪による共依存からの救済…という昔ながらのテーマでしたけれども。
なんだか昭和なメロドラマ風に感じてしまいました。きつく言ってしまうと自己憐憫的な。そのターンが長かったし。

各話のサブタイトルがおもしろいですね(gift各巻の副題のようで)

巻末のクレジットも映画のエンドロールのようで、これもgiftに引き継がれているんですね。余韻に浸れるようで好きです。

本作から少し話はそれるんですが、giftも盛大なトラウマ話でしたが、ストーリーもキャラも良く、好きな要素が詰め込まれていたので、私の中で神作品でした。
ただ、超有名少女漫画に通じる部分が多いなぁと思っていたら、先生はその作品の二次創作をされていて、やっぱり!と
確かに某少女漫画は名作ですが、個人的には80.90年代に10代で読んだからハマって、数年前に読み返すと、若い〜という印象しか持てず(汗)(世間的にはアニメが大ヒットしましたが)
何が言いたいかと言うと、先生もリアルタイムで某少女漫画の影響を受けられたんだなと。だけれども、神様なんか〜ではトラウマものからの脱却を図られている。そこがいいなと思ったんです。

それが本作を読んで改めてよくわかりました。
初期作、本作、giftではトラウマを題材にされていて、作品を追うごとに内容がすばらしくなっていった。
giftでトラウマについて徹底して描き尽くされたというか、見事に昇華できたというか、作品としてすばらしかったので、それがあっての、神様なんか〜が生まれたのかな、と感じています。
もっと具体的に根拠を言えればよいのですが、リサーチ不足でして…先生のインタビュー記事など探して読んでみようと思います。

0

1人をきっかけに過去から解放された人々

 一ノ瀬先生の脚本力の高さに唸らされました。絵もこんなに美麗な上に、ストーリーにもすごく惹き付けられて、もはや言うことありませんね。芝居に本気になれない渋川が、直向きなショータに感化されて変わっていく話かと思いきや、ページを捲るごとに渋川と彼の周りが囚われている過去が見えてきて、彼らの苦しみが胸の中に迫り来るんです。誰も悪くなかった、けれど誰かを責めずには、恨まずにはいられなかった、不毛だと分かっていてもこの寂しさを共犯者達と分かち合わずにはいられなかった。誰に感情移入しても辛い、雁字搦めのような過去でした。

 渋川が最初ショータにゲイセックスの手解きをしてあげた時には、手慣れた攻めかぁと思ったんです。でも、実際には彼は恋人を失った城下に抱かれていた。兄と瓜二つの容姿を城下に捧げることで、少しでも罪悪感を減らそうとしていたんですね。最初の印象からは随分変わって、こんなに健気な人だったんだと彼のキャラクターに心を掴まれました。そして、最後の城下の独白も良かった。渋川兄弟2人の心の綺麗さと比べて、いつまでもそこまで出来た人間にはなりきれない自分をありのままに晒け出した彼。きっと敦志はそんな城下でも快く笑って受け入れてくれたでしょうね。誰も悪くなかったから、誰かを悪者にしたままでは終わらせない展開が素晴らしかったです。すべてはショータが渋川と出会い、彼への影響力を持ったところから始まった。ショータといる時の心底幸せそうな渋川の表情がとても印象に残っています。

1

今の一ノ瀬さんの画風の方が好きだけど、これも良い!

サンプルを見た時は、絵柄が少女漫画っぽくて好きになれなくて。でも、なんとなく読んでみたら。。。あらら、凄い話じゃないかい!リズムも好き!
結構重いストーリーになるんだけど、ショータがとにかく前向きで良い子なんで、そこが救いです。
それぞれのキャラクターのセリフが切なかったり、表情が切なかったり。。。
切ないハピエンストーリーが大好物なので、最高でした。
最後の場面、なかなか離れられない2人のシーン、めっちゃ好きです!

2

素直に楽しみたかったが

予感はしていてそれでも気になったから手に取った作品。
こちらはやはり、自分の大好きなバンドからきているタイトルのようでした。タイトルだけならよくあることだし、たぶん気にせずいけたと思うけれど、登場人物の名前だったり、ほかの曲名の一部だったり、ちょっとした説明やエピソード...と、その要素があまりにも作中に散りばめられていて、ライブにインタビュー誌にと思い入れが強い者としては、どうしても入り込めなかったのです。

いやこればっかりは仕方がないですね。
ストーリー展開はなかなか無い感じがしたので、作者の他の作品にトライしてみようと思います。

5

迷宮のリコリス

詩雪さん

とあるコミックスで私が好きなアーティストの曲名が
そのまま各話のタイトルになってるのがあるんですが、
曲名だけだったので、ファンの間でも作者さんもよっぽど好きなんだね、と好意的に受け取られていて、取りあえずみんな買ってみたと言う(笑)私も全巻買ってしまった^^;
音楽とは関係ない話だったし、耽美な絵柄が本人のイメージを壊していないって言うのもあったかも!?
でも、音楽の話でエピソードまでかぶると、ちょっと複雑。
歓迎できないだろうな。


読み終わって思わずグッときた…

一ノ瀬ゆま先生の作品を読んだのはこれで2冊目なのですが、giftに続きこの作品も良いですね‼︎
ストーリーがしっかりと出来ていてドラマ性があり、読み終わった時は映画を見た後のように心にグッとくるものがあり熱くなりました。

今作はまた私の好きな音楽関係の話でもあり、私個人的に憧れもあるもので、あくまでフィクションであり現実は違うのかもしれませんがやっぱりなんといってもカッコイイの一言に限りますね‼︎
勿論ただ見かけだけではなく、一ノ瀬先生の創り上げたショータや渋川の言動がカッコイイんです、うん。

双子…兄の死…罪…焦燥…誤解…と、死が絡む内容はどうしてもずるい…故人の残像とか心にくるものがあるのですが、それらを上手くミックスしてシリアスで繊細かつ色気のある雰囲気のある作品に仕上がってると思います。

あと特に印象的なのは「難しいことの方が楽しい」という作中に出てくるキーワードでしょうか。
私自身本当努力が苦手で楽に楽に生きようとする駄目人間なんで、やはりそう思えるからこそ万人に認められる…魅了する人になるのだと思ったし感心させられましたね。

最後に。。。なんといっても黒髪男前受…個人的な好みでかなり好みでどストライクでした‼︎渋川さんまじエロイ×セクシーですよ‼︎‼︎←変態すみません

2

全てが好き

BLに目覚めてから2冊目に買った本がこれ。
一話の試し読みをして、絵柄から話からすべてに惹きつけられた。買うのはめちゃくちゃ悩むタイプだけど、これは何度読んでも気になったので一念発起、買いました。
渋川さんのキャラがとっても好きです。心に闇があってすべてに対して投げやりでこの世なんてどうでもいいって思ってる(笑)それをショータが救ってあげる。こういう話大好きなのでドンピシャでした。
また、絵柄も好みだしとっても綺麗。画面構成も映画やドラマの一部を切り取ったような(エンドロール然り)感じでとても素敵でした。
一ノ瀬さんの作品がgiftを読んだ感じも好きなのでこれは作家買い決まりだと思いました。

4

難しいことをやるほうが楽しい

読み進める中で一喜一憂した作品です。

モデルのショータは役者として芝居をしていたい。でもなかなかチャンスはなくて葛藤する日々。やっとつかんだドラマの仕事。しかも相手役は憧れのミュージシャンの渋川でテンション上がるけども相手はこの仕事に対してあまり本気じゃない様子。やっとつかんだチャンスを不意にしたくなくて、渋川と個人レッスンをすることになると渋川の意外な一面が見えてきて・・・っと言ったストーリー

これ、表紙を見たときにどっちが攻めだろうかと悩みに悩みました。黒髪が受けがいいけど、なんか攻めくさいな・・どうしよう。そんな感じで小一時間本屋をうろうろしました。黒髪が受けです。読んで歓喜しました。

このミュージシャンの渋川さん、薬物で捕まって活動休止中で復帰前の話題作りということで今回のドラマ出演が決まったという経緯があるのですが、その薬物でつかまったまでの経緯がとても暗い。そして切ない。でも、たぶん、タイミングが悪かったんだと思います。


幸せになってはいけないと思い込んでる二人が幸せになるまでのストーリーです。

あと、個人的に司さん嫌いです。
でも、彼の気持ちがわからないわけではないんです。

切なくなりたいときに読むといいと思います。


1

間違ったことがいつか君を救うから

このバンドに音楽に出会わなかったら、とかの"もしも"を考えると怖くなる事がある人にはもうグッサグサに刺さる作品と思います。

何年かぶりに楽曲を聴いても諳んじる事が出来て自分でも驚くくらい今の血肉になっているバンドが物語のそこここに下敷きとしてある為に、もういちいち入れ込んで読んでしまって、最後の方で健志がラジオ局の前に集まったファンに頭を下げる場面で涙腺が決壊しました。

「難しいことの方が楽しい」

健志の双子の兄・敦志の言葉をルアーと共に、彼に関わりのあった人間がまじないの様につぶやいていつしか其れが己の胸の真ん中にある。
城下や弟に、生きていける様に遺してくれたとしか思えなくて、そういう得難い人って何の前触れもなく居なくなってしまうんだよなとやるせなさも痛感します。

こちらでレビューを読まなかったら出会えていない1冊なのでさきに書いて下さった方々に感謝です。

"他に何も言う事はありません"の作者あとがきも清々しい気持ちのよい物語でした。
読めて良かったという満足感でいっぱいです。

健志エロいーv個人的には、行為の際に頬を染めたりしないのがよかったです。其れでも充分エロいから。

5

読後感がよかった

バンドものが好きで、あらすじに惹かれて購入。
表紙での印象よりもシリアスでした。
登場人物の気持ちの変化が自然で、最後に本当に好きな人と結ばれるので読後感がいい。

読みはじめてからどっちが受だろう…と気になって…。
黒髪が受ならいいなーと思ってたら、誘い受でキスしながら下になった時はガッツポーズしましたw

受の元カノがクスリ盛ったりするので、女性がトラブル起こすようなのが地雷な方は注意かもです。
でも付き合ってる男が知ってる男とヤってたらそらショックだよね…

読んでから某バンドの曲タイだと気づいて、あーだからタケシか!と。
バンドに対する誠実さもあるし、擦れているようで根は素直だし、自分の気持ちを押し殺して罪を償おうとするところ、エロい表情が個人的にかなりツボな受でした

3

ぜひ一度、お読みくださいv

これは…少女漫画を読んでいる錯覚に陥りました!
本当にBL?
あぁそういえば、主人公たちは同性愛だね。
でも、BL読んでいる気がしない~。

あの映画にもなった「NA○A」みたいだな。
なんて思って読んでいました。
絵が綺麗だからなのか?
美形揃い(芸能界ネタだし)だからなのか?
ストーリーもものすごく練られていて、とても読みごたえがありました。
この作家さん、なんだかすごいぞ!

その割に私の評価が萌止まりなのは。
バンド好きとしては、バンドのシーンがもうちょっと欲しかった!
というのも多少ありますが。
じつは、気になる絵がありまして…。
ある場面の物の見え方が間違っていて、気になって気になってww
同じ場所の場面の度に、絵のチェックを無意識にしてしまって、ストーリーに集中しきれませんでした。
たいした事ではないのですが、気になると止まらないww
もうひとつ贅沢を言えば、ショータが最後ちょっと女っぽい喋り方になるのが、ちと気になりました。

でもですね、そういう細かい個人的な突っ込み所を排除すれば。
「萌×2」~「神」評価したい素晴らしい作品だと思います!

5

これは凄い

面白かったです、出てくるキャラ達がまるでドラマか映画のキャスティングみたいに
それぞれがいい味をだしている、主役キャラの脇役で終わるだけでなく、
脇キャラとしての存在感がありながらも、主役キャラの心情を見せる一役を
補って余りある、分厚い小説を1本読んだ後のような満足感があるコミックスは
やっぱり珍しいし、かなり貴重な作品でした。

そして、主役の一人は双子で片方が突然亡くなってしまう。
まさにここからかかわりのある人間の歯車が狂い出していくような流れで
読んでいて惹きこまれます。
後悔、罪悪感、一人で乗り越えるには苦し過ぎる大切な者の死。
それ故に目の前に見え始めた幸せに手を伸ばす事が出来ない切なさ。
丸ごと1冊、作者渾身の作品を堪能させて頂きました、ありがとう!

7

なにもかも簡単なだけじゃ、きっと楽しくない

バンドものが好きな方、劇中劇が好きな方、切なさも重視したい方、おすすめします。
ジターバグというワードに聞き馴染みがある方、このお話はあのバンドの歌詞に通じるものもあるのなと個人的には感じました。※あくまで当方の主観です。

ネタバレなしでのレビューです。少しでも参考になればと思います。
読了後、物足りないとも長かったとも思いませんでした。表紙のふたりがそれ以上でも以下でもなく、この一冊で完成されているストーリーです。
様々なシーンで心を鷲掴みにされるその都度、鼻の奥がツンと痛みました。主役のふたりだけでなく、その他のキャラクターたちの心理描写もまた素敵で、彼らの辛そうな顔、嬉しそうな顔、悲しそうな顔、苦しそうな顔…それらがこちらの胸のなかをかき乱してゆきました。

それぞれが抱えている痛みや想いや衝動や後悔や…様々です。
(おそらく)主役のショータが、暗闇を斬り裂いてくれたのではないでしょうか。
世界に没頭できる素晴らしい作品でした。一気に惹き込まれ、そしてファンになり、大切な作品のひとつになりました。

7

だらむし

>舎楽宰さま

はじめましてこんにちは、コメントありがとうございます。いまいちちるちるのローカルルールを分かっておらず…、こちらでレスポンスさせていただきますね(^v^)!
まさに仰るとおりでして、私も題名を見たときから「エ、エ●レ…!」と心躍りました。
舎楽宰さまはお好きですか? 私も彼らがとても好きなんです。いつになっても構わないから、活動再開してほしいですね。
ところでお名前は しゃらくさい さまとお読みするのでしょうか? 粋なお名前ですね! 私ももう少しヒネればよかった…(笑)

一冊まるまるがこのふたりの話で、脇のキャラクタたちも良い味を出しておりましたよっ。機会ございましたらぜひぜひ!

まるでドラマを見たような読了感

こちらの作家さんは始めて読んだのですが、とても素晴らしい作品でした。
購入のきっかけは表紙に惹かれて購入検討していたところ、本屋でラスイチのサイン本だったから、という非常にアレな理由なのですが、本当に購入してよかったと思いました。

芸能人モノ、しかも受けは昔、薬物関係で色々とあり復帰したばかりというなかなか見ないタイプの作品でした。
本当にこれは読んで欲しい…!

最後のエンドロールのようなあのラストはもう最高でした。徹底した作品の世界観で、最後の最後までこの作品に浸ることができました。
一冊読み終えると、本当に深夜枠のドラマを見たような、そんな気分になる作品でした。

6

作者さんの底力を見た!!

この作家さんの作品は前作1本しか見た事がないのですが、表紙に惹かれました。
開いてみると芸能人設定。
本当は役者をやりたいのにモデルの仕事ばかりのショータに持ち込まれたドラマの話しは深夜枠の同性愛設定。
芝居に飢えているショータは飛び付きますが、なんと共演者が大好きなバンドrabbishの渋川健志。
彼は薬物問題で現在音楽活動を停止中の身でした。
ヤル気のなさそうな棒読みセリフに、スタッフも黙認。
ドラマに情熱を傾けるショータはいいものにしようと、健志にレッスンをもちかけます。

色々ワケアリそうな設定はあるけど、芸能界モノの何気に昔どこかでみたような少女漫画延長の漫画に似ている・・・などと実はタカをくくってました。
どうせそれでくっつくんでしょ?とか。これでドラマティック展開されたらベタコテで超苦手路線になってしまうんではないだろうか?とか…
確かにそういう傾向はあったのかもしれないのですが、読んで行くうちに惹き込まれていきました。

ショータはあくまでも真っ直ぐで一途です。
彼には目標がある。
やりたい役者の仕事ができなくて腐った時、健志のバンドの音楽を聴いて励まされてきて頑張ったのだと。
健志がワケアリで心の奥に罪を背負って前向きに生きることができなくなっている人でしたので、このショータが何となくキラキラした太陽のような、今は日陰にいる健志を光の当たる場所へ導く為の目印となっているような、
彼を両手を広げて待っているような潔い懐の深さを持って、ラストのエンドで待っていたような気がします。

健志については大切な双子の兄がいて、彼を失くしたことで後悔にさいなまれて自分の行き方を前向きにしてこれなかったのかと思います。
マネージャーが兄の恋人だったのですが、兄が亡くなったことでその代わり身となって彼に体を差し出す関係がありました。
本当は音楽だけが彼を解き放つモノだったはずなのに、それすらも奪われて、そんな時に出会ったのがショータだったのです。

健志が、マネージャーが、彼等が亡くなった人を忘れるのではなく、立ち止まってしまったそこから一歩踏み出す話しがメインであり、夢を追う話しでもあったのが、きっと魅力だったのでしょう。
恋愛が最前面にならなかったからこそ、自分の地雷を踏むことがなかったのだと思われます。

少し絵柄は少し前の少女漫画っぽいのですが、今回は話しが気に入った為に苦になりませんでした。
ショータが髪を切ったら某ヒーローのバ○ーちゃんみたいだったですw(何気に着ているモノも)
エッチシーンの健志の表情が色っぽくてよかったです♪
また作中、主人公達が演じるドラマは作者さんの作品という中々にユニークな設定も作ってありました。(ちゃっかり)
キャラクターに萌えるというより、しっかりしたお話作りにがっつりと読み手の自分も手ごたえを感じた一冊でした。

ラストにエンドロールのようなあとがきがあり、世界観が徹底されていて洒落ています。
この作家さんを見直した作品になりました。

13

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