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シリーズ第4部の1冊目。通しで17冊目になります。
後書きによると、第1部は、かみ合わない度100%の2人の出会いから、圭が悠季を口説き落として悠季が圭への恋を自覚するまでの話で、第2部は、結婚編ともいえる2人の恋の深化の過程を、そして第3部は、プロのバイオリニストを目指し始めた悠季の演奏家としての成長を追った話で、今巻からはいよいよ「イタリア留学編」スタートです。
収録作
・ローマの平日
・マエストロ エミリオ
「ローマの平日」は、悠季が機中でフジミ一同に宛てて書いた手紙の文面から始まります。初めての海外で言葉もろくに話せない悠季は圭に頼りっきりで地に足がついていない状態です。ローマ到着当日は圭と一緒にロスマッティ宅で世話になります。
そこで悠季は息子のカルロくんに挨拶代わり?のキスをされ、目撃した圭がカルロくんの頬を叩いたことからロスマッティ先生にも知れる騒ぎになって、圭は二度とこんなことが起こらないようカルロくんと先生相手に厳しく意見します。相手が世界の巨匠であっても堂々と自分の思いを主張する圭は格好良いです
また、悠季が先生宅に下宿数することになったため圭はローマにも居を構えることにします。そして先生から悠季の外泊許可を得て、借りたアパートとローマ観光を楽しむ2人です。
「マエストロ エミリオ」は、2人がローマに来て2晩目の深夜、圭と共にホテルにいた悠季に福山先生からの電話が入り破門を言い渡されるところから話が始まります。悠季は目の前が真っ暗になりながらも破門の原因を必死で考え、ホテル近くの公園にバイオリンの練習に行き、そのまま寝ずに、謝罪と相談のためにロスマッティ先生宅へと1人で向かいます。そして先生から圭の方しか見ていないことと、思っていることは言葉にするよう注意され、麻美奥様には福山先生とのことでフォローの言葉をもらいます。
その後、一緒に朝食をとり、いきなり先生のシエナ行き(私立の音楽学校での奨学生選抜コンクールの審査員)に同行することになります。そこで少年たちの喧嘩の仲裁に入りロムのミスカ・キラルシュくんと出会います。ここの咄嗟にミスカくんを庇った悠季は格好良かったです。そして悠季はミスカくんを庇っただけでなく、彼がバイオリンを隠されて困っていたため命と圭の次に大切だと思っているグァルネリも貸してあげます。そして彼の演奏を聴いた悠季はその才能と音にショックを受けます。なお、悠季のことを恩人という、このミスカくん(後の情熱の吟遊バイオリニスト)は後にも出てきます。
そして翌日夜に到着したローマのテルミナ駅には悠季の帰りを待つ圭の姿がありました(笑)悠季の帰りを始発到着頃から待っていたのではないかと言うエミリオ先生。どうやら先生は日本人らしくないハッキリした物言いをして悠季ベッタリな圭のことを気に入っているようです。それから、エミリオ先生に言わせると今回の悠季は「シエナで喧嘩を1つ止めて、1つ売って、敵を1人とファンを2人作ってきた」ということです。