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だって、11年前よりもっとずっと好きになっちゃってるんですから
yozora no sumikko de
在夜空下相遇
とても分厚い単行本で、中身もぎっしり詰まっております。
前作、えんどうくんの観察日記でもそうでしたが、描き下ろし以外にもカバー下やおまけの4コマ漫画もあり、一冊を十分に楽しめる点で読者としてとても満足しました。
今作もハヤカワ先生の世界【行間で読ませる】感じはそのままに、しかし心理描写はより濃厚になっていたように思います。
絵柄から ふんわり ほんわり 初見ではそんな印象を受けるのです(たしかにそれに間違いはないです)が、ハヤカワ先生が生むキャラクターたちは【求める欲】がすごく熱いと感じます。それが肉欲に直接繋がるわけではなくとも、欲する心というか、可愛らしくきれいな絵柄で少女漫画のような甘さもある詩的な展開のなかに、熱くふつふつとした抑えきれないほどの欲を孕んでいて、それが話が進むごとに垣間見えてくる、ちらっとのぞくソコにギャップを覚えます。これに、やられてしまいます。
たとえば星野と須藤、ふたりが高校生だったころの思い出のなか。
再会してしまった須藤が問題児の父親と知ったとき。
先輩じゃないと突き放され階段を降りるとき。
星を掴みながら、星野の過去と今を重ねた須藤。
様々な思い出と感情と現実と過去となにもかもを手繰り寄せながら困惑しつつも自分の気持ちを伝える星野。
そして、心を交わして口付けるふたり。
この口付けがまたとてもエロティックなんですよね、キスだけなのに。求めあいながらようやく得たお互いのことを離さないように深く深く欲望に従順に、ただキスをしているだけなのに。シャツははだけないし、ズボンの前も緩めないのに。
見た目のとおり、おっとりとしてアナログ人間で生徒にも「大丈夫?」なんて聞かれちゃう星野先生。草食系まっしぐらかと思いきや、彼の方が須藤に対し正直で、高校生時分に抱えていた感情は相当大きいものだったのでしょう。大人になって、須藤が自分の教え子の父と知って、抑え込むべきだと分かりながらも戸惑いながらも結局真っ直ぐだったのは彼でした。
須藤の方が、その点で言えばズルいのかなと思います。星野を遠ざけるようにしてみせて、でも彼もまた星野が欲しかったんですね。星野がかつて須藤から貰ったペンを落としてしまったのは偶然だとしても、ただ返すだけで良かったのに。それを引き寄せて星野を求めたのは須藤自身です。
須藤にとって、星野は自分の夢を認めてくれた大切な人。
屈託のない笑顔で、叶うと信じて応援してくれて、うらやましいと言ってくれた星野を裏切りたくなかったのもあるのですよね。もう連絡もとれず、関わりも持てない星野には本当にパイロットになったと思っていてほしかったんじゃないでしょうか。あの当時は少なくとも、星野が須藤のことを好いていた、それを確信していただけに。
高校生の頃は本心に向き合えず、不器用に、まるで子供がするいたずらのようにしか星野へ応えなかった須藤も、星野にだけはかっこいい先輩のまま記憶のなかのままでありたかっただろうと思います。
星野もまた自らの感情に蓋をして(須藤から身体的接触を持たれたのに、結局突き放されたわけですから、蓋をしなければ傷をえぐるだけですものね)過ごしてきたとき、まさか現れると思わなかった須藤との再会は実に運命的なものだったのでしょう。下の名前を忘れるのも無理はないと思います、【須藤先輩】として完成されていたはずですから。須藤先輩は、パイロットになったはずだ。憧れていた対象だからこそ、そう信じていてもおかしくないです。
ハヤカワ先生は脇キャラの描き方も非常に素敵だと思います。真実さんもそうですし、大もりさんも大樹くんも。ひとりひとりがきちんとお話に絡んで、それでいて嫌味がない。
なかでも個人的「夜空の~」MVPは 翔 太 く ん !! 主役ふたりを差し置いてでも、 翔 太 く ん !!
正直須藤よりもハイパーかっこよかったです。そりゃ大森さんも惚れてしまいます。
彼にしてみたら星野に構ってほしかっただけの、もう星野を困らせたいだけの、星野中心でしかないけれどこの星野への一直線さが大変…大変よろしかった…! まだ小学生なのに、かっこいいセリフだらけで カカカカ なんかじゃおさまりません、当方は【ほしのをまもるから】で口から「ンンンカッコイイイイ!!」と声に出ていました(笑) 翔太くんの良さが絶大で、この評価です。
星野がいくつもの糸やリボン、それらを束ねたものを握りしめる見せ方が印象的です。それと水、あと木漏れ日、細切れに考える吹き出しも。いつか3人で、南十字星が見える島に旅行に行くのかな。
11年前から(これは特に須藤の方が)止まっていた時間が動きはじめ、心のなかの葛藤をいくつも越えて想いを通わせるふたりの密なお話でした。
二冊目のハヤカワノジコさんの作品。
前回の「えんどうくんの観察日記」が凄くツボで、今回をどれだけ待ちわびたことでしょう!
首を長ーくして待ってただけありましたっ!
今回は社会人モノで、「えんどうくん」よりも大人な作品です。
体の線もちゃんと大人!首も太くて華奢な子供じゃないんだなぁ、というのが現れていて良かったです。
ハヤカワノジコさん独特のコマ割り、吹き出し、モノローグ、背景。それらの全てに意味があり何度も読み返したくなる作品です。トーンの貼り方も大好きです。もちろんカラーも。
今回もエロはなくちゅーだけなのですが、それがいい!
見たいかと言えば見たいのですが!笑
ちゅーだけの関係が更にドキドキ感を煽られます。
11年も前の小さな違和感。恋と名付けるには怖くて。蓋をしていたのに再会してそれが開いてしまい違和感の正体にハッキリと気づく。
一方、攻めの方は気づいていたけどそれを言葉にするのが怖くて逃げてしまう。逃げて逃げて。でも、元から捕まっていて。だから相手に逃げて欲しかった。
子供じゃなくて大人だから。
今、認めてしまうということは、どういうことなのか。
お互い、受け入れた後の穏やかなラブラブ感はいいです!
胸がぎゅーってしちゃいました!
最後の攻めのセリフと顔はキュンです!
攻めの子供も可愛かったー!ストレート!スピンオフも楽しみですっ!!
ハヤカワノジコ先生、待望の二作目です。
本自体がとっても分厚くて、袋から取り出した時吃驚しました。
こんなにこの方のお話を堪能できるのか…!と、初っ端から期待に胸膨らみましたが。
ハヤカワ先生のコマ割りはまるで積み木や貼り絵のようで、ぽっとした間もあり独特ですが、不思議と違和感なく、自然に読み進めていけます。
背景などはほとんど描かれてませんが、決して真っ白ではないんですよね。
夜空や日暮れの街、風に揺れる木立など風景はそっと描かれて、ここがどんな場所なのかを自然に捉えることが出来ます。だからこそ細かい描写は必要ないのかもしれません。
人物がいるだけの白い背景。けれど何もないから、その人物や話に読み手が集中できるし、物語の中の些細な空気を感じることができるのではと思います。
お話は一言で言えば、星と恋とコーヒー。
主人公的な立場の小学校教師の星野先生と、星野いた高校の部活(天文学同好会)の先輩、須藤先輩。たまたま先輩の子供である翔太くんの担任だったという事で、高校卒業以来の11年ぶりの再会を果たします。かつて先輩への憧れと同時に自分でも気づかない淡い恋心を抱いていた星野は再会した須藤への想いを再び積もらせていきます。
須藤も同じく高校時代、後輩の星野に恋愛感情を抱いていましたが、その気持ちを上手く整理することができずに星野を突き放してしまいます。須藤にとっては自分の夢を笑い話ではなく、本当の笑顔で聞いてくれた星野が大切で、今持っている自分の気持ちが大切に繋がるのか不安だったのかもしれません。
再会後、須藤は昔とは違うと星野と距離を置こうとしていますが、星に手を伸ばすが如く日に日に星野への気持ちを明確にしていくのがいいですね。
星野も今と昔は違うと言い聞かせつつも、一度は蓋をした想いを再び解き、須藤を好きだという気持ちを新たに折り重ねていく過程がとても好きでした。暗い奥底に閉じ込めた星が、じんわりと熱を帯び、きらりと瞬いて、夜空に煌々と輝き出す。まさにそんな印象でした。
そしてこの物語には何度もコーヒーが出てきます。星野の小学校の先生方もよく淹れてますし、星野が須藤宅を訪問した時も出てきます。読んでいて飲みたくなる程でした。安中先生の淹れる美味しいコーヒーを飲んでみたいです。
須藤の息子である翔太くんですが、この子に萌えず何に萌えろというのか…ッ!なレベルでいい子でした。とにかく星野先生のことが気になって気になって、ついツンケンしてしまったり。しかしそれを恋と自覚した瞬間からは一気に男前になりましたね。所々で出てくる翔太くんの、おっとこまえ台詞で星野先生が落ないのは仕方ないですが実に悔しいです。
この物語で一番格好良いのは間違いなく彼でしょう。
一途と直球は子供が持ちうる特権のようなものですが、この翔太くんは素でそういうタイプの子なのではと。新連載で描かれるスピンオフでは、翔太くんとケンカ友達な大樹くんのお話みたいで今から楽しみです。とっても。
前作の「遠藤くんの観察日記」でも魅せられましたが、今回も素敵なシーンがいくつもあります。ほんの一瞬ではっとするような場面もありました。端々で読み手の感性に訴えかけているような、けれどもちゃんと地に足のついた物語です。
この本を読み終えた時は、思わずため息が出てしまいました。
満足や幸福感とは似ているけれど、どこか違った、達成感のような。
上手く言えませんがとても心地よい気分でした。
ハヤカワ先生の世界をたっぷり堪能したということでしょうか。
そして章の合間の四コマや、カバー裏まで、一冊丸々余すとこなく楽しめます。
ああ、BLだなぁ。とぽつりと呟きたくなる、素敵な作品でした。
えんどうくんの観察日記で絵柄やコマ割に惚れ込んでから、
ハヤカワ先生の次の本が出るのを待ちわびていました。
表紙の夜空と白の対比がとても綺麗で、表紙を見ただけで読む前からわくわくしました。
この一冊の分厚さも単純に嬉しいです。
ハヤカワ先生の作品は前作でも思いましたが、画面の構成が非常にデザイン的。
そして白の部分の空間の使い方が大胆かつ綺麗です。
ただ単に余白が多い画面の場合「手抜き感」が出て、
読んでいるほうはもっと何か書き込むべきでは・・・と思ってしまうのですが、
ハヤカワさんの白は意図を持って使われていることが十分に伝わる画面なので、
その白が美しいとさえ思えます。
視覚の認知には個人差があるし、もちろん好みもあるので、
それを美しいと感じるかどうかはそれぞれの人の認知次第になりますが。
セリフ・コマ割・コマの中の人物・背景、それらの全てが空間美を意識した配置になっていて、
一冊まるまるデザインアートのような印象の本です。
そして人物の描き方が絵コンテ風のところもあり、アニメーション的でうまい。
マニアックでアレですが、須藤の大学時代の、
真実さんと須藤が一緒に農学部の秘密基地にいる場面の背景、
木やトマトなどの野菜の描き方や木漏れ日の表現がとても好きでした。
内容は、越えられない一線の前で戸惑っている、
大人二人の気持が近づいていく過程も良かったです。
「星野が女だったら話は早かった」と思っていた高校時代の須藤先輩。
男同士の部分に対する引っかかりを感じて一線引いてしまった過去。
冗談めかしてキスしようとするけれど、やっぱりその先に踏み込めず、冗談で終わらせた。
そこが現実的であり、切なくもある描写でした。
そして星野は期待していたのに冗談だと言われて須藤から突き離されて、
その後それっきり。
言葉にはしていなかったけれど、好きという気持ちはその時すでに出来上がっていたというのに、
須藤も星野もその気持を互いに告げることのないまま、お互い別れてしまいます。
それが11年経って形になるなんて、不思議な運命だと思いました。
もし二人が再会しなければそれは一生「形」になることはなかったんだろうと思う一方で、
二人が再会したのは必然でもあったように思えて仕方がない。
11年経って再び動き出す二人の時間。
もうあの頃には戻れないという思いと、さらに積み上がる想い。
戸惑い、揺れ動く気持ちの切なさに、キュンとなりました。
須藤から星野へ仕掛けるようなキス、
二人の気持ちが重なりあった時の熱を帯びたキス、
その後の甘いキス、
その先の描写はありませんが、とても萌ました。
また、翔太くんがとっても可愛い!!彼はこの作品の中の助演男優賞ですね。
星野に対して一途で真っ直ぐに気持ちをぶつける所が男らしくて格好良かったです!
翔太くん、大きくなったらどんな子になるんだろうと、わくわくしますね♪
カバー裏の2年後の翔太くんも可愛い♪
喧嘩していたクラスメートの樋口君が翔太君に惚れていたみたいですが、
そのあたりもどうなるのか、スピンオフ楽しみです!!!(翔太くんと誰のお話になるんでしょうか?)
あと学年主任の安中先生や保健室の先生や保護者など、
どのキャラクターも人間味があって暖かくて魅力的なキャラクターばかりでした。
当の二人のグルグル加減が際立って、良いんだか悪いんだか、
というくらい素敵な脇役さんが大漁。
あとは四コマ漫画が良い味出してて。
作品の合間にあるので、箸休めのような役割があって、クスっと笑ったりほっこりしたり、癒されました。
内容自体は萌萌くらいの評価なんですが、
四コマ漫画の描き下ろし(結構な数です)やカバー裏の漫画などの作者さんのぬかりないサービス精神や、
また絵やコマ割等のアートセンスが素晴らしいので+神評価にしたいと思います。
とても分厚い単行本で、そのボリュームがまず嬉しかった一冊です!!
それぞれのキャラクターにそれぞれに魅力があって、
主人公以外のひとたちもみんな暖かあったり、人間味があるというか、
とにかく私の大好きな雰囲気だったので、
読み終わったあと、しばらくじ~んとしていました。
エロの場面はありません。キスだけなんですけど、
それがまた私はすごくいいなと思ったんです。
エロ話も好きで読んでしまっちゃってますが(イヤン☆)
元々は過度な描写を好むほうではないので、
作品の雰囲気にも合っているし、こういうのいいなって思いました。
あとは翔太くんがかっこいー!
もしかして須藤超えちゃうかも!?
大樹くんが惚れてしまいますよ!
星野さんに必死な翔太くんがかわいい☆
私の中の何かがぐりぐりと押されました!
二人が出会ったことによって動き出す時間。
11年前の小さな違和感はなんだったのかという、
その部分が分かっちゃうその過程。
葛藤もありつつ、それを無理のない展開で描かれていて心に沁みました。
四コマ漫画もほのぼのとしていて、
とにかく作品全体の雰囲気がすごくすごく好きでした!
このレーベルにしても分厚い本文【実際21mmありました】を
読み通すのにどれ程迷うだろうと最初はかなり不安でした。
が、杞憂は無用。物語に引き込まれると頁の進みが早い速い。
助長な伏線無しにこれなのですから凄いものです。
本文のさりげない緻密さも良いのですが、随所の空き頁相応部分に
挟み込まれる日常小ネタを拾い上げた4コマ漫画が良い味を
出しています。
やかましい薀蓄設定説明ではなく、「あ、そう言えばね」と言う
ノリの小さな囁き。それは時に緊迫の緩和剤であり、清涼剤の
役割を果たしています。
恋をする人は何歳でも真剣です。
その一言を諄々と繰り返し説いているのが、この一冊に
詰め込まれた物語です。
独特のコマ割り、繊細に描かれた表情、どこかノスタルジックな空気など、
物語自体は特別に目新しいものではないのだが、個性のある作家さん。
これは、かなり分厚い一冊。
えんどうくんを読んで、嫌いじゃないが夢中になる程ではなかったが、
次に新刊のストロボを読んで、前作より随分強く気持ちに入ってきたので
厚さに敬遠していたこの作品も読んでみたのだが、これは良かった!!
高校時代に天文部の先輩後輩だった二人の、11年後。
小学校教師となった星野は、憧れていた須藤先輩と
受け持ちの問題児翔太(小5)の父として再会する。
かつてお互いに惹かれ合っていた二人……
思わず伸ばしてみたものの、その手が触れ合った時に臆してしまった過去。
淡い記憶が少しずつはっきりと想い出され、やがて浮かび上がる想い。
星野視点のモノローグで描かれる世界に、いつしか引き込まれる。
語らない須藤先輩の想いも、ひしひしと伝わってきて
胸がキュンキュンする。
高校生の頃のままの純粋で強い思い、
高校生の頃のままではいられない、大人として背負う物や思う事。
昔は分からなかったことできなかったことと、今わかることできること。
戸惑いながら、迷いながら、近づかずにはいられない二人。
星野のひたむきさにも、須藤先輩の臆病さにも、心揺すぶられる。
須藤の息子・翔太の真っすぐな強さは可愛く、
同僚の教師達や友達のお母さんの暖かく深いまなざしも、
物語を魅力的にしている。
リボンの表現や、陰影の付け方、表情やアングルなど
セリフと絵が一体となって、読み手に想いを伝えてくる。
時折挟まる4コマ漫画の存在も、緩急がついて面白いし、
最後にカバーを剥がすと読む事ができる、2年後のある朝の情景には
気持ちがほっこりとする。
美しい表紙、柔らかな絵柄、星空というファンタジックなイメージ、
雰囲気だけに留まらない、静かな熱を感じる物語でした。
頼りなげな小学校教師・星野は、高校時代に憧れていた須藤先輩と、教師と生徒の保護者という立場で再会した。
眩しかったあの頃の記憶と想いが甦る———
だが、「昔のままじゃねぇ」と須藤に拒絶の言葉を告げられてしまい…
という目新しい設定ではないんですが、心の宝石箱にしまっておきたいようなステキな読後感の作品になっております。
前作「えんどうくんの観察日記」でも感じたのですが、癖のある画面構成とデリケートな味わいのある描線、上手い絵に、まず目を惹かれました。
読んでいくと、印象に残る表情や切なさの漂う空気感、揺れ動く気持ちの丁寧な描写、あぁ…少女マンガのツボだなぁ。
憧れていた相手も自分を好きだった~ってのは、乙女の夢だよねぇ。
酸いも甘いも噛み分けたトシになってしまうと、現実はそんな都合良くできてないとわかってるし、そんなのはおとぎ話でしかないのだけれど、わかってても腐った乙女心をぐわしっ!と揺さぶられました(笑)
また、須藤の子・翔太が、いっちょまえに凛々しくて、可愛いんだよー。
パラレルストーリーで翔太×星野も、ちょっとだけ見てみたいという、禁断の妄想がチラリとよぎってしまいました……orz
評価の高さが気になり購入しました。
もう評価の高さも納得の素晴らしい作品。
えんどうくんの観察日記の作者の方なのですね!
あまり冊数出してらっしゃらない作家さんで名前より作品で覚えてしまっていたので読んでから気がつきました笑
えんどうくんの観察日記同様、この作者さん特有の透明感と言いますか、不思議で心地の良い世界観でした。
2人の関係と星空、高校生の時と大人になってから、目新しい設定や要素は無いのに今まで読んだことの無い心地よい作品でした。
翔太くんを初めとした小学生三人もとってもいい!可愛らしいですね〜普段BLに子供が出てくるとモヤモヤとしてしまうことが多いのですが、この作品ではそんなことが全くなかったです。これも作家さんの力量ですね。
表紙裏の二年後の三人がもう本当に愛しい。
あのぶ厚い本に一瞬怯みましたが、読んでみるとページが足りなく感じました。
嗚呼~、終わっちゃった~と。
ストーリーやキャラクター達はもちろん、相変わらず絵も構成も個性的で上手いなぁ~と唸るばかり。
人物や物に溶け込む夜空。
ステンドグラスのような背景。
台詞ではなく絵や画面構成で伝える心理状態。
これ、たしかBL漫画だよね…?と疑いたくなるほど。
そしてお話。
ハヤカワ先生は、何年も温めて練り上げたキャラクターを沢山お持ちな気がします。
星野や須藤先輩の静かに引き込むような魅力、翔太と同級生の子供たちの強烈な魅力。
彼等を見守る先生方、お母さん…皆、個性的で魅力的。
ほんと、時間をかけて熟成されたキャラクターなんだろうなぁ、と思いました。
星野の、あまりにも純粋で鈍感で健気で素直すぎるところ。
気持ちに蓋をして見ないふりする、無意識の防御。
それでも、昔須藤先輩に貰った言葉や物に固執して、忘れられない気持ちの強さ。
須藤先輩の息子、翔太の担任になってからも、「先輩」への気持ちは駄々もれですし。
大人しいけれど、中身は物凄く情熱的な人ですね。
須藤先輩は、星野との出会いで自分の夢に素直なれて。
だけど気持ちには素直になれなかった。
そこにはやはり、男同士という戸惑いも大きい。
私だって、もしも高校時代に同性を好きになって、素直に態度に出せるかって言ったら、絶対に無理ですもん。
二人の戸惑いや翔太の周りの子達の反応が当たり前で。
翔太の(あの母譲りの)自分に素直で正直なところ。
それは最大魅力である反面、周りの思いが見えない怖さでもある気がしました。
翔太のまっすぐさに引きずられ、いろんな人の言葉や行動に助けられてやっと素直になる二人。
この再会は偶然ではなくて、神様の悪戯というか策略な気がしてなりません。
最終的には、二人が幸せになって本当に良かった。
そして、翔太はどんな大人になるのだろう?
今月のCLAFT(季刊誌)には、高校生になった子供たちの話が載っています。
翔太のスピンオフではまだ続くようです。
大人になっていく翔太のお話も、とても楽しみです。
表紙もハヤカワ先生(傘と夜空がいっぱい)で素敵でした。
一番星と、満天の夜空が恋しくなりました。