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ashitaya akinai hanjou
かねてよりARUKU作品を読んでみたかったのですが、どのコミックスを読もうかと迷っているうちになんとなく今日になり、それならばとARUKUファンのちるちるユーザーさんに思い切って「一冊目におすすめするとしたらどれですか?」と訊いてみました。まずおすすめいただいたのがこちらの作品です。最初に出逢えたのがこの『明日屋商い繁盛』でよかった、ありがとうございます。以下、1・2巻合わせてのレビューとします。
描かれるのは、古道具屋「明日屋」を譲り受け、商売などしたこともなかった主人公が日々出逢う客たちのなかに見るもの。そして、そんな店主を近くで見守りながらもときどき、可愛い子(店主)には旅をさせる"大きな存在"。勝手なイメージですが、鮮やかな赤・黄・白が強く見事な花を咲かせ続けるような...私にはとても長い二巻でした。ものすごくお気に入りのシーンがいくつもあるのですが、それはあえて書かないでおきます。涙はぐっとこらえて読みました。
天にも情けがある、傷ついて悲しくてなおも恋しい、好きだけど憎い、好きだから憎い、生きていく強さを思うとそこには愛がある・・・そして、生きていくとはこんなことだ、というような。どこにも人の情熱と心がみえたと思います。
そしてなにより。
いやぁ...どうしたらこんなストーリーが生まれるのか。
よくレビューを拝見していると作者の「ファンです」と文中に入れていらっしゃる方が多いのも納得でございます。「完」の文字を読み終えたときの気持ちはなんとも忘れがたい宝物となりました。まぎれもない神作品。これからもぜひ、たくさんの人にこの作品が読まれますように。なお今作未読の方には、特に登場人物たち自体についてや終盤の展開など、ネタバレをせず読まれることを私は強くおすすめしたいと思います。
「明日」を信じるのではなく、そこにいる誰かのためになにかをしたいと思えば、明日がくるのかもしれないですね。
表紙の絵なんですが、秋緒がキッカの頭皮をマッサージをしているように見える(笑)
キッカが将来ハゲないように、秋緒が健気にマッサージしているのかな。
「キッカ、最近頭薄くなってきてない?」
「何ぃ!本当か」なんて会話をしていそう、と妄想。
さて、今回でこの明日屋のお話も完結です。
前回もそうですが、今回も私の個人的な趣味の部分を確実に突いてくる作品で、
ネタ的に濃い過ぎなんですけど「地獄」「がしゃどくろ」辺りにはときめきました。
とても女性が喜ぶネタではないんですが、私のハートを確実に捉えているのは「妖怪」!!
和風ファンタジー!それも水木しげる系の世界観。
コア過ぎてあれですけど、大好きなんです。
もうね、分かってる~ARUKUさん!と思いながら読みました。
地獄行きの電車に乗るとか、付喪神が集合するとか、胸熱です。
もちろん男色家の付喪神キッカもマスト!(笑)
はぁ~設定だけでご飯10杯いけるわ~♪
「火鉢」のキツネの話は反則です!!
関西弁をしゃべり、化け学の勉強を熱心にしている感心な狐さんが出てきます。
あんな健気で可愛いキツネが・・・あぁぁぁ泣けました。
動物ネタに弱い私にはちょっと辛かったわ・・・。
でも全体的に切ないながら心あたたまるお話ばかりでした。
それは主人公の秋緒の心根が優しいからあたたかみを感じるお話になるのだと思います。
今作もARUKUさんらしさ満点でした。
ARUKUファンならば買って損はない作品かと思います♪
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~以下激しくネタバレのため閲覧注意でお願いします~
(↓完全なネタバレは避けておりますが、これから読もうと思っている方は自己責任で閲覧お願いします)
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そして最後にキッカと天宮の正体が分かり、
和風ファンタジーから現代科学へと進むというこの展開。
ドラ○もんは実はの○太くんの夢だったんだよ!というオチと同じような展開ではありますが、
現実に戻るということが「夢から覚めて」つまんなくなるような話ではなく。
そこからが素敵展開なのです!乙女の気持ち鷲掴みです。
白馬の王子様の献身的な語りかけによって秋緒は目覚めることができたのです。
もちろんそれはあの人のおかげ。
ページはここまでですが、お話はここで終わりではありません。
二人の物語は最後のページ、ここからまた始まります。
ずっとファンタジックな雰囲気で行くのかと思いきや、最後には現実世界と入れ替わりました。
が、さすがARUKUさん、落としどころもバッチリ決まっていたと思います。
個人的に好きなネタ満載かつ素敵なお話でとっても楽しめました~♪
不思議なお話で続きが読みたいとずっと待ってました。
今回も1話1話がちょっと悲しいストーリーで涙ホロリもあり。
特に狐の火鉢のお話は本当にホロリ。
狐が悪い事をしたのはわかるんだけれども、可哀相すぎる…。
そして本題!
キッカやそれに瓜二つの友人やら、いろいろと謎でしたが
まさかこういう展開になっていたとは?!
とにかく最初の事故から始まるんだね。
今まで暮らしてきた世界は植物状態になった自分の夢の中(?)
生と死の境目(?)なんて言えばいんだろう?
目が覚めた後にも、それらに繋がるものもあったり。
それより、なんといってもキッカの存在ですよ。
傘のお化けでもなければ、友人でもない、
天才脳神経外科医が見せた奇跡なのです。
でもこの天才脳外科医、すでに日本(医師会?)から追い出されてるわけだけど
奇跡的にも目を覚ました秋緒がいるんだから
また日本に戻ってくるのかな?
それとも向こうで一緒に暮らすのかな?
それぞれのお話がすごく良くて、ストーリーの構成上そのままと言うわけにはいかないのはわかるけれど、ずっと「明日屋」での生活が続いてくれたらいいのになと思いながら読んでいました。
「明日屋」にやって来る客はみんなひと癖も二癖もあり、持ち込まれる品も願い事も厄介な事ばかりなのに、優しくて切なくて穏やかな「明日屋」での生活。それは秋緒にはとても居心地のいい場所なのです。それでも前に進まなければならないわけとは…。
・バラバラにされて殺された人気女形の右手を、地獄へ探しに行くお話。
・子供に化けて火鉢を買いに来たひとりぽっちの子狐のお話。
・意に添わぬ結婚をしたときの花嫁衣装を売りに来た老婆のお話。
・盗まれた鞄を探して「明日屋」に現れた漫画編集者と貧乏な漫画家のお話。
・秋緒が頑張ってもらった壺を「売ってくれ」とやってくる黒い影のお話。
恋の地獄で人が人を欲しがる罪の深さを見て、愛着を抱いたものを奪われて、運命のやり直しを手伝って、誰かを失った痛みは忘れられないけれどいい思い出も忘れないという言葉をもらい、壺につまった沢山の「ありがとう」を抱えて、秋緒はキッカや「明日屋」を後に一人走るのです。そして秋緒は病室で目を覚まします。「明日屋」は秋緒が見た長い夢だったのか?それとも…。
植物状態から目覚めた秋緒は、一人になった寂しさに「明日屋」の痕跡を探しまわります。助からなければよかった「明日屋」に帰りたいと思っても、キッカや天宮そして「明日屋」の客たちがくれた明日と言う未来を生きなければならない秋緒。
ARUKU先生が用意していたキッカの正体にびっくりです!ここから続く秋緒の「明日」が、キッカとの暮らしのように穏やかになることが想像できてほっとしました。
どのお話も外せないのですが、『ごんぎつね』や『きつねの窓』の刷り込みがあるせいなのかな、一番涙腺を刺激したのは子狐のお話でした。
1作目で不思議ワールドに魅惑され、続編が気になって気になっていた待ちに待った続編。
内容を簡単に語ってしまうには素敵過ぎて是非読んで欲しいと思った1冊でしたね。
昭和初期やそれ以前の時代を感じさせる設定や、物の気たちが沢山出てくる
そんな不思議ワールド、主人公の秋緒がいわくありげな骨董屋で曰くありげな
骨董品やそれにまつわる不思議な客たちとの各章1話完結のような内容で綴られる
物語は、結果的に一つの出来事に繋がる為の布石のような作品なのです。
家族を1度に亡くした秋緒、生きる気力を無くしていた秋緒が始めた骨董店の明日屋
そこにいつの間にか住んでいたと言うキッカ、そして自分の友人と思われる
キッカと瓜二つの友人の天宮。
1作目でも気になっていた二人の正体が明かされる、その意外な結末に驚きと共に
涙を誘う展開が随所に入っていて、まさにヤラレマシタ!ありがとうな気分。
BL的にはラブが少なくて物足りないと思う所なのですが、そんなのが気にならない結末。
楽しみにしていた続編が予想を大きく裏切るくらいの展開で描かれる。
読んで良かった面白かったと素直に感じる事が出来る作品に出会えて嬉しいと思った1冊
なんとも不思議な世界のお話し。2巻でラストです。
絶対ここは「現世」ではないんだろうな。と思うのに、秋緒は死んでない。ではここは・・・?
親戚から受け継いだお店に居候として居座るかさかさおばけのキッカとキッカにそっくりな秋緒の友人・天宮との関係は?
1巻からの謎が全部あきらかになります。
正直「BL的萌え」は少ない作品だと思います。「大人が楽しめるおとぎ話」のようで、ぐっと心をつかまれるのです。
秋緒が引き継いだ古道具屋「明日屋」には死者の思いが強く残った品物が持ち込まれます。
物についた死者の思い。それを秋緒が解決してあげることで死者の思いが浄化されていく。
なので、一話完結なのですが、それぞれに切ない思いがあふれていて涙が出てくるのです。
そんな日常を一緒に過ごすうちに同居人キッカに惹かれ始める秋緒ですが、火鉢を買いに来た子ぎつねちゃんの悲しい最期を目の当たりにして「自分が思いを寄せる人はみんな死んでしまう。だからキッカに好きと言わない」だから一緒にいれるよね・・・。その秋緒の想いも切ないのです。
↑みなさんお書きになっていますが、子ぎつねちゃんのお話しは号泣しました。やっとやっと人間(秋緒)と仲良くなれたのに。あぁ、今思い出しても泣ける!!
いつまでもこのままで。
そんな二人の生活も、とうとう最後の日がやってきます。
自動車事故で家族を奪った「死」がとうとう秋緒の元まで迫ってきます。それを身体を張ってキッカが、天宮が守るのです。
二人(実は同一人物っていうのかな?)の思いと、今まで秋緒が助けてあげた死者達の秋緒に対する感謝の思い、そして何より秋緒を愛してくれた家族の思い。
それが一つになった時。
秋緒を事故から1年。やっと目覚めます。
「元の世界」に戻った秋緒は、キッカを失った喪失感でいっぱいです。
生き返った秋緒が幸せそうに見えず、悲しい気持ちになりました。。。
それでも「いつかキッカが戻ってくるかも」と、秋緒は「明日屋」を開くことにします。
そこにはあの「死」と「生」のはざまの世界にあった「明日屋」で出会ったような人たちが。
道端では、生まれ変わらなきゃと泣きながら秋緒の元を去って行ったダルマちゃんが生まれ変わった男の子の姿で登場します。←かわいい。
そして。そして。
定期健診で訪れた病院で、秋緒は思いがけない<事実>を知ります。
そして、一番会いたかった人に出会います。それは正確にいえば秋緒が本当に望んでいた<再会>とはちょっと違うのかもしれない。
でも、生きている二人がこの先新しい関係を築くのを予感させるような終わりになっています。
キッカはいつも軽口を叩きながらも、秋緒の支えでした。男前だったなー。
秋緒はあんなにつらい目にあっているのに、まっすぐな気持ちを忘れない青年でした。
ほんと、素敵な家族だったんだなーと、家族エピソードもじーん。。。
最期はちょっと駆け足な印象もありましたが、私の想像よりちょっと上を行く真実に「ほぉぉぉーーー」と思いました。そうきたか!と。
最初に書いたように「BL的萌え」というよりも、上質なファンタジーを読んでいるような充実感でした。
いっぱい泣いて、でも大きな「愛」を感じました。
ARUKU先生、短編も読みごたえのあるお話をお書きになりますが、やっぱり長編いいですねー。1と2、合わせて神評価です!
アルクさんの作品で2番目に好きです。今回で全ての謎が解けて、驚きの結末に度肝を抜かれます。
キッカの正体や黒い影の正体。そして、家族の死の原因。全てが明らかになり、お話の深さに感嘆するばかりです。
明日屋に来る客たちの話も、いくつか切ないものがあり、泣けます。秋緒を兄さんと呼んで慕っていた子狐の話では、最後の力を振り絞って電話した子狐の気持ちを考えると、この終わり方に胸が痛かったです。
現世に戻ってから、生まれ変わった彼らを見れたのには、嬉しくて胸が温かくなりました。特に達磨ちゃんの可愛さは、子狐で辛かった気持ちが癒されます。
キッカとの再会で、秋緒の世界は輝かしいものになると、確信できる終わり方に大満足です。
本当に素晴らしかった。ARUKUさんの作品で1番
好きな作品になりました(笑)
明日屋について、天宮について、キッカについて、そして秋緒自身の
真相が分かるのですが・・・こういう事だったのか!と本当に驚かされました。
明日屋での日常と、真相の組み合わせに、私は魅せられました。
キッカの秋緒への思いは無償の愛にも感じます。
秋緒は愛されて見守られて、そして秋緒も誰かの助けになり少しずつ
強くなりました。それは幸せな夢から覚めた時の為でもあったのですね。
本作の最後の言葉には、泣かされました。ARUKUさんは本当に素晴らしい
作家さんです。最後にこの言葉を持ってくるなんて・・・スゴイ!
秋緒に「おかえり」と言ってくれる人がいて、よかった。
1巻に続き、グロテスクかつ美しい世界観と独特の人外表現に夢中になった2巻でした。
キッカに使役されるつくも神たちがキュートでかわいかった…。
2巻も、オムニバスの一話一話がすごく濃密で面白かったです!
(個人的に、1クールくらいのアニメーション作品としてまとめて頂きたいくらい大好きです…動くキッカと秋緒と妖怪たちが見たい)
一番印象に残ったのはやっぱり子ぎつねのお話なのですが、
生まれて初めての暖かさを知った直後に襲い掛かる、ある種正当でやっぱり理不尽な暴力と、今わの際での強がり、そして見つけられてしまう亡骸…
恐ろしく残酷な展開ですがはらはら泣いてしまいました…
(残酷さの中に、ARUKU先生らしい死生観と美しさを見出すこの感じ…以前読んで大好きだったクリーニング屋さんのお話を思い出します)
お話全体のオチもまたARUKU先生らしいというか…!
明日屋という世界の都合の良さ、それでも秋緒を包み込むようなやさしさ、無情な残酷さ、それらの全てにしっかりと理由がついていたのが、
もうそういった部分は度外視して読んでいたので予想外で面白かったです。
(意識を取り戻してから、身の回りのあらゆるものに明日屋で過ごした名残がある辺りもすごくぐっとくる演出だった…)
残酷な話、暖かい話、なつかしい話、オムニバスのすべてが切なくてちょっぴり寂しい『愛』がテーマになっていて、なんだか野島伸司の「世紀末の詩」を思い出しました。
ARUKU先生はやっぱり唯一無二の素晴らしいストーリーテラーだと思います。
濃密な世界観にどっぷり浸りたい時に、1巻から続けて一気に読み返したい作品です。
個々のエピソードと並行して、靄が晴れるように謎が明かされて予想を遥かに超えた結末にこういうことだったのか!と驚かされました。
どうしてこういうお話を思いつけるのでしょうね。
一巻目でもストーリーテラーとしての凄さに驚きましたが、二巻目はさらに上回ったものを見せつけられて震撼しました。
死の存在が見えるようになった秋緒の言葉
「いつか自分が死ぬ日がくる
それまではもらった命を大事に生きてやる。」
は「memento mori 死を想え」そのものです。
生きるために死を想う。
死は避けられないものだから、今を大切に生きる。
ARUKU先生からの強烈なメッセージを感じました。
それにしても、狐といい、漫画家といい、羽裏といい各エピソードではこれまたいいように泣かされました。
そして一巻に比べるとグロも控えめで幼虫も出なかったので胸を撫で下ろしました。