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choukyou wa bishu no kaori
いやぁ、愛のある、愛に育つ、SMはアリですね。
最初のご主人様をやむを得ず(本人は気付いて無かったけど)愛さざるを得ない潤音。
住むところ、食べ物を最低限くれるご主人様から離れることは出来ない。たまに優しくしてくれるご主人様。
ところが、捨てられて放置されてしまいます。
クラブに拾われた潤音は、ご主人様が迎えに来てくれると信じてるのですが、新しいマスターに預けられます。実は潤音は味覚と嗅覚、そして記憶力に優れた能力を持っていたのです。
最初はご主人様しか認められず、新しいマスターから逃げることも考えていたのですが、正しいS、マスターから調教されることで次第にマスターを好きになっていきます。また、ソムリエを目指し働く、ということに価値を見出します。
マスターの方も実は潤音に思い入れているんですが、なかなか二人の思いは繋がりません。ある日、失踪したご主人様だった男が現れ、あろうことか潤音を金蔓として拉致します。
この事件で思いを確かめ合ったふたりは…
あとがきにあった痛くないSM、あまりSMモノ自体好きでは無いんですが、これは問題なかったです。どちらかと言えば、ご主人様との思い出のところの回想シーンが辛かった。
人はやはり環境に洗脳されるのだなと思いました。
表紙から想像したほどの熟し過ぎた果実のような重みはなく(1つのテーマでもあるワインのことは除いて)、激しかったり痛みを伴ったりするプレイに興じていてもけっして上品さを失わない、攻めである宗司によって品位を最上級に高められたSMものだったなと思います。起承転結、宗司と潤音の心の距離の縮まり方は王道です。ただ、愛するものは手の内で大切にして簡単には離さない、魅力を秘めているものは然るべき時が来るまでじっと待って、機が熟してから楽しむべし、というあらゆるものに対する宗司のスタンスが徹底されブレていなかったのが素晴らしかったです。
一度は別の主人に飼われ、卑劣な扱いを受け身体も傷だらけだった潤音。処女でもない彼を、宗司は本当にラストに行き着くまで抱きませんでした。恥辱と主従の倒錯に塗れた濃密な情事をたくさん重ねながらも、潤音が心から前の主人でなく自分の元にいたいと思うまで本番はしなかった宗司。時々嫉妬を滲ませる台詞を吐きながらも、自分勝手な感情から潤音を責めることはないんですよね。それでいて調教の時に過剰に甘やかすことはなく、ようやく気持ちの通じ合ったセックスをした後日談では、既にSMプレイをしっかり再開している。甘やかし過ぎず、冷た過ぎずな態度をここまで上手に保てる支配者はそうそういないと思います。潤音が社会にも居場所をつくりながら、安心して自分を委ねられる人に出会えたことが本当に嬉しかったです。
ワインの出来上がりと共に服従信頼関係が成り立ってく過程が甘くてハード!!
SとMの強固な繋がりを見せつけられました本格プレイの中に愛情と甘さもたっぷり。どんどん心が傾いて、天涯孤独だった潤音がMとしてソムリエとして生きる意味を見出してくとこも見ごたえあり!!
そして、2巻でまさかのフィ!ス!トーーー!え!!小説で!!文字で読むフィスト!?ドッキドキンで読み進めるも…真摯な愛で回避されてまった………ぶっとい腕で頭はいっぱいなのに!!まだある?このあと?と期待しつつも、愛あるお仕置きのてんこ盛り。
ヒィツツツて痛いのはなくて(?)数々の緊縛やら羞恥プレイもマスターからは誠意を感じられ、潤音も強く、想う気持ちを感じるからかな。
小山田あみ先生の美麗なイラストで!凍てつくような目線やがっちりした体躯がすばらしかったです。イラストからもSMのドキドキと相手への想いが感じられます。首輪もピアスも潤音の可愛さ倍増!!1巻でお風呂で洗われてるのも可愛いい!!!
少し腑に落ちない?物足りなさもあるけど、見どころはもたくさんでした。
初SMもの。入門編に適していたかは他を知らないので分からないが、用語やルールの説明が分かりやすく丁寧で読みやすかった。
文章は少々レトロ感がある。かなり落ち着いていて、耽美な雰囲気作りに一役買っていたと思う。タイトルからイメージする文体そのままな感じ。
暴君の奴隷だった潤音と調教師一鷹のお話。
元々潤音の飼い主だった男の酷い扱いを否定し、一鷹が実践によって正していく形で展開が進む。SMとはこういうものですよ、と教えてくれているよう。珍しい器具も多く登場し、読んでいてちょっと勉強している気分になってしまった。萌えるより先に、なるほど、と知識が増えていく快感を覚える。
さらにワインに関する情報も豊富に書かれていて、とても楽しく読めた。
潤音は脳内セリフになると意外にも俗っぽく、そこだけ作品の雰囲気とズレて浮いているのが気になった。一鷹は冷徹硬派なところから徐々に潤音にハマって人間味が出てくるのがとても良かった。
たぶん恋愛主体で読めば、前の主人とは全く違う一鷹に惹かれる過程を楽しんだり、主従関係に萌えを見出したりできたんだろうと思う。
今回はSMものを読む心づもりが強すぎたせいか、前の主人との関係性は誤ったSM・一鷹との関係性は理想のSM、といった資料を参照しているような見方になってしまい、知識を得ただけで終わってしまった。ちょっと読み方を間違えたかもしれない……萌え忘れた。
最後まで一度もセーフワードを使うことなく終わってしまったので、続編等でそんな潤音も見てみたいと思う。ここまで従順なMが使うとしたらどんな場面なのか、とても興味をそそられる。
SMものに挑戦したい気持ち(読書的な意味で)を十分満たしてくれて、読後の満足度は高い。いつか再読したい一冊。
タイトルは作者様が後書きで仰っていた言葉をお借りしました。
これ、私の様なSM初心者には大事な事だったりします。ハードな物読みたいなぁーSMとかどうだろ?と思っても、痛かったり汚かったらどうしよって二の足を踏むんですよね…。
大丈夫です。こちら、痛くも汚いシーンも無いのに本格的なSMを堪能できる素晴らしい作品となっております(*´꒳`*)!
愛を知らない潤音と"本物"の加虐嗜好者(S)の宗司。
宗司に本物とつけたのは、潤音の元の主人が偽物のSだったからです。元の主人が潤音に行った行為は、宗司曰く、虐待というらしいです。
なるほどなぁ…SMのエの字も知らない私は、痛い事すればSMっぽくなりそう〜と思っていたのですが、本物から言わせればそれはただの暴力となるそうで。SMって深い!
元の主人に捨てられた事も気付かず、元主人を待ち続ける健気で愚かな潤音。
元主人の事を悪く言ったり、手荒いお仕置き(ちゃんと理由はあるのですが)で屈服させようとする宗司に最初は反感を持つ潤音。
だんだん宗司を自分のマスター(主人)だと認識していき、愛を知っていく。
宗司にただの虐待と言わしめるSMしか知らなかったのに、本物である宗司がいたから、愛あるSMを知っていく。
潤音、良かったねと何度もウルウルしました(;_;)
SMに挑戦してみようかな?や、健気受けに会いたいなと思った時は是非手にとってみて下さい♪あ!あと、ガッツリエロ堪能したいなという時にも是非(^-^)笑
自分のどんぴしゃ好みを模索中。
今回のテーマは『SM』
もとより支配するされる関係に美味しさを感じていたのでそれなりに楽しめました。
初っ端からの排泄シーン、良かったです。
SMについてはただ痛めつけ、られることに性的快感を感じる…なんて上辺だけの知識だけでしたが、踏み込んだところまで知れた気がします。
なかなか奥深いんですね。
セーフワードの存在、覚えておきたいです。
この話では最終的にそんなマスターとボトムの関係に恋人同士という幸せ要素が追加されます。
受けの潤音(じゅんね、っていい名前ですよね)の人間みを取り戻していく姿も攻めあってこそですしお話としてはまとまっていたと思います。
関係性が甘くなってもSM要素は続行です。
ただ恋人同士でもある者たちのSMって…なんだかごっこ遊びにも見えてくるような甘ったらしさを感じてしまい…少し似つかわしくない…というか自分が欲しているものではないなと思いました。
序盤のプロの調教師として淡々と命令する攻めが私は一番好きでした。
そして攻めは一体どこで受けに惚れ込んだのか…読み終えてハッとしたのですが記憶に残っていなかったです。
前のご主人様に関しては当て馬モブみたいなイメージで…もう少し存在感ある攻めと同レべのスペックだったら楽しかったんじゃないか…なんて思いました。
それにしてもやっぱり攻めが助けに来るの早くないですか?
ピンチは容赦ないほうが好きなのですが、ここまでやってくれるのか!と思う作品になかなか出会えないな。
そうそう、一番気になっていたこと。
仕事にもするほど攻めが愛するワイン。
その道具を使用したり扱う場所にて卑猥な行為をするのはどうなんでしょ??
攻めはそう思っていないのでしょうが個人的にはなんだか穢した気にならない?って凄く気になりました。
愛している存在、商売道具と性的行為…そこには線引っ張っても良かったんじゃないかな。
見開きの作者の一言に「最後まで笑わずに読んでいただけるとありがたい」とありましたが真面目に読ませていただきました。
それは作者の細かな描写力あってこそだと思います。
ただ地下でのお仕置き中に「騒ぐんじゃない。眠っているワインが起きてしまうだろう」には笑ってしまいました、ごめんなさい。
最後に挿絵について。
はっきりとした線で細かに描き込まれた美麗イラストが絶妙でとてもゾクゾクきました。
絵で見たいと思えるシーンをチョイスされていて…とても良かったです。
そもそもこの本を読んだきっかけは、ちるちるのソムリエさんに、オススメされたことでした。
その頃はまだBL小説ってあまり読んだことがなくて、SMにも特に興味はなく。でも、ソムリエさんに訊くとよく出てくるので、軽い気持ちで買ったんです。
で、まずこの表紙ですよ。とてもリビングに出しっぱなしにしておけない…!
淫靡、耽美としか言いようのない、小山田先生の美麗イラスト。素敵すぎる。
そして口絵がまた…宗司さんと潤音くんの初エッチの場面なのですが、乳首!
乳首責めに目がない私は、口絵イラストの乳首ピアスに期待感が高まりながら、ウッキウキで読みはじめたのですが。
序盤の調教シーンの、デキャンタボトルに放尿させられるあたりから、ページをめくる手が止まりがちになりました。
もう、なんというか、読み終わるのがもったいなくて。
舞台設定、題材、キャラクター、文体、そして挿絵。なにもかもが好みすぎると、萌えるどころじゃなくなるという経験を初めてした私は、エロい気分はその段階で吹き飛び、もう「尊い」しかなくなりました。
ドキドキして手がふるえ、作者様に「ありがとうございます…!」と言いたくなるあの感じ。こんなことってあるんですねえ…。
前の主人に捨てられた潤音くんは、叩かれたり鞭を受けたりすることを、愛だと思い込んでいます。
そんな彼にした宗司さんの最初の命令は、「私を信じなさい」。
調教は信頼がないと成り立たない、Sが欲望のまま一方的にMを鞭打つことは虐待でしかないのだと、潤音の間違った思い込みを正し、前のご主人様の痕跡を消すのが宗司の目的です。だから、潤音とはセックスをしない。
潤音はそんな宗司に反発するのだけど、だんだんと彼の考えを理解し、マスターとして受け入れていくようになる。
期待していた乳首ピアスですが、そこに至るまでの潤音の気持ちの揺れ動きがもう、可愛いとしか言いようがなく、悶えました。
宗司に認められたい、褒められたいと思うようになった彼は、やはりMなだけあって、同時にお仕置きしてもらいたい、と思ってしまう。その結果が、あのピアスです。
で、言葉が厳しいから宗司の気持ちは伝わってはいないんだけど、彼も潤音を大事に思っているのがわかる。
調教後は身体のメンテナンスをしてやり、ひとりで眠るのを不安がる潤音に、自分の寝室にベッドを用意してやる(同衾はしないのです。そこがまたいい!)。
体を売ることしかできなかった彼に、ソムリエの教育を施し、まともな仕事ができるようにしてやる。
この作品が他のSMものと一線を画しているのはそこで、宗司は調教を通して潤音の才能を引き出し、社会人として一人前に育てようとする。
セックスをあえてふたりの関係から排除したことによって、純粋に相手の幸福を想う、深い愛情をそこに感じずにはいられません。
調教で信頼と絆を育み、ワインを通して愛情が生まれていく過程、潤音の人間としての成長が、恋愛小説として読み応えがありました。
そして! 声を大にして言いたい。宗司さん、意外とムッツリです。そこがいい!
私にとっては、他の神作品よりも更に上の評価をつけたい。自分が死んだらあの世に持っていってまた読みたい。それくらい尊い作品です。
タグについてひと言。
「スカトロ」とありますが、小のみです。痛いシーンはピアス貫通の場面くらいで、「異物挿入」も、デカくて痛そうなものではありませんのでご安心を(ワインに関するあるものをねじ込まれますが、あまり痛そうではなかったです)。
新たなお気に入りの作家さんを発掘すべく、目についた作品を読み漁って見つけた一冊なのですが、こうまで自分の性癖にドンピシャの作品を見つけてしまうと、嬉しくて嬉しくて読みながらプルプルしてしまい、たて続けに続編の『調教は淫酒に濡れて』と、緊縛繋がりで『心まで縛りたい』も一気に読んでしまいました。ただ、お仕置き描写は小スカやスパンキングなどあるので、万人受けではありませんが私にはめちゃくちゃツボでした!
緊縛物やSM物は滾るテーマなので好んで読んでいましたが、受けが自らも気づいていなかったり、ひた隠しにしている被虐嗜好を、攻めによって暴かれて辱しめられながら責められるところに萌えを感じていたのに、この作品でさらにもう一歩深~い世界にまで踏み込んでしまいました。
不幸な生い立ちの受け潤音は、性格も災いして、人間関係もうまくいかずに、結果、ウリをすることで何とか行き長らえていたところを「ご主人様」に拾われ、愛という言葉のもとに家畜同然の扱いで散々の虐待をされ、捨てられ、すがるように本格的SMクラブに逃げ込んできます。そこで新たな主となる一流の調教師、宗司と出会い、ボトム(愛奴)として預けられることから二人の関係は始まりまるのですが、新たなマスターとなったこの宗司がめちゃくちゃイイ〰️(泣)
主従関係に対してはとても厳格で、調教もかなり厳しいのですが、罰を与えるにしても、鞭や道具で一方的に痛め付けるのではなく、直接掌で叩くことでボトムと同じ痛みを感じて調教したり、もとの主に付けられた傷に自ら薬をつけたりと最初から端々に優しさが見えるのですが、潤音にワインの才能を見出だし、潤音自身も少しずつ従順になっていくと、宗司の方もどんどん気持ちが傾いていき、求めるものは厳しいながらも、ますます『飴』が甘々になってきて、もう〰️っ身悶えするほどでした。
さらには体を売ることでしか生きられなかった潤音に新しい道を拓かせるために、働く場所を作ってあげるとか、がんばったご褒美はお膝で頂くワインとか、慈しむように頭なぜなぜとか、もうなんなの〰️(泣)そのうえ主人の仕事として、日々、潤音をお風呂ですみずみまで洗い上げ、ドライヤーで髪を乾かし、さらに入浴後はボディマッサージとか…マスターによる至れり尽くせりのお手入れも半端ないです(笑)
愛に飢えていた潤音なので、そんな愛情深いマスターに調教されることで、どんどん惹かれて、ボトムとしてだけではなくて、さらにそれ以上の愛情を与えられる存在になりたいとひたむきに頑張るのもわかるし、一途で健気な姿はめちゃくちゃ可愛いいんだろうなぁ~、ワインにしか興味のなかった宗司がズブズブ嵌まっていくのも理解できる。
極上の飴と厳しい鞭を使い分ける宗司ですが、意外にも一番初めにした要求が「私を信じなさい」だったのが、とても印象的でした。迷いなく信じることで、どんなに苦しい責めにも立ち向かえるし、セーフワードで苦しみから逃れることもできるのに、耐えきって相手の期待に応えたいと健気にも思わせてしまう。
SMってただ単に痛みや羞恥を与えたり、与えられたりすることで快楽を得る性的嗜好だと考えていましたが、それだけでなくむしろ体以上に精神的繋がりが重要で、ここまで信じきれる、信じさせる二人の関係ってすごい純愛だなぁ…と、じ~んときてしまいました。巡りあえて本当によかった、めちゃくちゃ嵌まった一冊でした!
調教師でスパダリの攻め一鷹に才能を見い出された、天涯孤独でMの潤音が、映画マイフェアレディー(blだけど)のように磨かれて、一鷹からの愛情を手に入れ、人間としても成長していくお話しです。
愛情に飢えており、虐待を愛情と勘違いして、奴隷として悲惨な生活をしていたMの潤音。
以前の主人に捨てられますが、捨てられた事を受け入れられず、新しい主人の一鷹に始め反発ばかりします。
しかし、一鷹に厳しく躾けられ、愛情ある調教をされ、以前の主人は自分を玩具にしていただけだと気づいた潤音は、徐々に一鷹に惹かれていきます。
一方、一鷹も始めはただのプレイ上の関係だけだと公言していたのに、潤音の才能と健気な可愛さに惹かれて、プレイ上の関係以上に潤音の事を愛していくようになります。
しかし、始め潤音が以前の主人の所に戻りたいと言っていたのを気にして、お互い愛しあっているのに中々その思いに気づきません。
そして、以前の主人が潤音を金づるにする為、誘拐してしまいます。
一鷹が助けにきてくれるはずはないと思い込んでいる潤音は、自暴自棄気味になりますが、一鷹は潤音を探して助けにきてくれて、そこで初めて2人はお互いを愛していることに気づくのです。
お互いの事を思いあう2人の純愛ラブストーリーですが、本格的なSM調教がたくさん入っていて、とてもエロイです。
小山田あみ先生の素敵なイラストが、一鷹と潤音の雰囲気ぴったりで、SM調教の場面もがっつり描いてあります。
乳首にピアスを開けるため、テーブルに磔て縛られてる場面や、カウンターの上で四つん這いで排尿する、目隠しされアナルにバイブを入れられてるなど、お話しもエロイですが、イラストもエロくて最高です!
SMものってことで、ちょっとハラハラしながら読んだんですが、すっごく胸キュンものでいい意味で予想を覆されました。Hシーン(というより調教シーンですけど)は多めだけど思いのほかソフトで、痛々しいのが苦手って人でもわりといけるんじゃないかなぁ?
なにせ攻めさんがカッコいいです。台詞にいちいちドキっとさせられます。単にドSってだけじゃなくて、なんか包み込んでくれる感があるのも不思議。プロのドSさんは、本当はこういう感じなのかもって思いました笑)
雑魚キャラに対しての台詞ですが、「豚が、生意気にひとの言葉をしゃべるんじゃない」が個人的にツボです笑)
受けちゃんは、最初の方はウジウジしてて生意気っぽく書かれてますけど、読んでいるうちに寂しい胸の内がどんどん見えてきて愛しく思えてくる。特に攻めさんへの恋心を抱いてからはすっごく可愛くて、最後のH場面なんか、もうきゅんときます。
話自体は、そんなに過酷な山場とかがあるわけじゃないんですけど、攻めと受けの関係の変化がメインになってて引きこまれます。砂床さんの筆力があるから余計に。SMのほかにも、ワインの知識がしっかり書かれているのも、読んでいて面白かったです。飲みたくなった!笑)
SMって、普通の感覚でいえば歪んだ愛情の形ですよね。どっちも共依存してるっていうか、そういうのってどうなんだろうって今まで思っていたんですけど、まさに覆された感じ。これはれっきとした純愛だ!って言いたくなる。そういう作品を生み出された砂床さんにザブトン百枚って感じですっ。
初読みの作家さまですが、小山田さんの美しい表紙に釣られて購入してみました。内容はすでに書いてくださっているので感想を。
「痛いことをする(される)」というのが苦手なのでSMものってあまり好きではないのですが、これはすごく良かった。
物心がついた時から施設で生活していた孤児の潤音(受け)。自分を守り庇護してくれるべき保護者に恵まれることなく、生きるために体を売り、まさにどん底の生活をしていたところに手を差し伸べてくれた「ご主人さま」。
この「ご主人さま」に捨てられたことでとあるSMサロンに拾われ、そこで調教師の宗司に預けられるのですが。
「正しいこと」や、本当の愛情を知らずに育ってきた潤音が、この「ご主人さま」に尽くし、求める姿には思わずウルッときてしまった。そしてそんな潤音が、宗司にMとしてもソムリエとしても育てられていく過程の中で、人としても成長していく様が非常にツボでした。
そして宗司がとても素敵。
もともと裕福な家庭の子息ではありますが、それに頼ることなく自身の力と努力で全国でも有数のワインバーのオーナーとしての地位を確立させて。
Sの調教師としてSMプレイの最中はそれなりの行為を潤音に強いますが、初めはワインにしか深い愛情を注げなかった彼が、徐々に潤音に惹かれていく様子には激しく萌えてしまいました。
色々な出来事を経て、最後に心も体も結ばれた二人。甘々な行為が非常に良かったです。
「本物のSM」を目指して書かれたそうで、初めて知るSMグッズなんかもたくさん出てきますし痛い行為もそれなりにあるのですが、宗司と潤音の、お互いを想う気持ちが透けて見えるので安心して読めました。
続編にあたる『調教は淫酒に濡れて』も予約済み。そちらも早く読みたいです。
そして小山田さんの挿絵は美しすぎました。宗司にシャンプーされてる潤音の可愛さにはKOされ、宗司のクールな雰囲気もとても素敵でした。
ワイン、秘密クラブ、SM、美少年といった一種「耽美」的な世界、それに合わせた小山田あみさんの表紙絵、口絵、挿絵が素晴らしく美麗です。
捨てられたボトム潤音の次の主は、全国規模のワインバーオーナー宗司一鷹。はじめはSMサロンのオーナーQから、ソムリエ修行を兼ねて貸し出された関係だったが…。
プロの調教師としての顔を持つ宗司はこれまではMに対して「支配と従属」のみの関係性しか持ってこなかったのに、ソムリエの才能を見せる潤音には段々甘くなっていくんですね。言葉責めや人前でのプレイ、緊縛、ピアス、排泄系、スパンキング、ローター等あれこれしつつ、お風呂で洗ってあげたりワインの知識を教え込む時は至極真摯に。
これはBL&SM版「マイフェアレディ」だなぁと思いました。
美しい容姿とワインへの深い造詣、元々の育ちの良さに加えて、両親の離婚後の独立心と起業家としての力量、全てを兼ね備えた宗司一鷹という造形。
でも愛は知らなかったのでしょうか。
前の所有者の元ではただの性奴隷だった潤音にソムリエの才能があったから「調教相手」だけでない「愛情」を抱くようになっていったのか?いえいえ。潤音がとっても可愛くて、捨てられた仔犬みたいで、それでも人形としての自分より「必要とされる人材」になろうとする健気さ、そんな彼にちゃんと恋愛をしたんだ、と思います。ラスト、甘いです。
もう、デキャンタみたら、思い出すじゃないですか!!(笑)
SMぽい話なのかと思ったら、ぽいではすまなかった!!
なかなかいいSM小説ってないんですよね。いろんな攻めもあって、楽しめます。
挿し絵もとてもいいですよね。場面が。
どきどき、読み返してます。
なんちゃってSMではなく、SMの世界がしっかりと書かれていてすごい。
でもページ数の都合なのか、それまで丁寧なストーリー展開だったのに、ピアス穴が落ち着いた後の調教シーンがなく、どんなことをしたのかという説明だけだったのが勿体無かったと思う。
今まで、Mの潤音はSにどんなに痛いことをされてもひたすら耐えないといけないと思っていた。
でも、宗司に「愛のない鞭はただの虐待だ」と、本当のSMのあり方を教えてもらった。
そして、プレイだけでなくソムリエとして生きていく術も教えてもらった。
潤音がいろいろなプレイができる素晴らしいS兼恋人に出会えて本当によかった。
そういえば、もう一つのピアス装着シーンがなかった。
見たかったなー。
表紙やらタイトルやらで、期待しすぎたかな?
あまり?ハードな話し&Hは無いと感じました。(個人的に)
何故、前の主にそこまで…………と。ただ、ただ感じたかな。
好き嫌いが、別れる程の内容ではないと思う……よ。
SM物で、正直期待してなかったけど。読んだら、途中で泣いてました(笑)
主人公が健気というか。痛々しいというか。
途中から、調教関係なくなってしまったので物足りなさは有りましたが、ハッピーエンドなら良し。という事で。
SMスキーなので、「本格SM官能ロマンス」なんて言われたら、読まずにいられずw
受けはとても不器用で生きづらい子。社会にうまくなじめずに売り専をしていたところ、ご主人様に買われて奴隷に。でも、ご主人様は事業に失敗し、潤音を置いて失踪してしまいます。何かあった時に行けと言われていたSMクラブに身を寄せていたところ、宗司に再調教されることになるのです。
前のご主人様の調教はほとんど虐待でしたが、それでも最初は優しかったし、愛情だったんだとかたくなに拒む潤音に、宗司が本当のSMについて教え、再調教していくのです。
さすが、本格と謳っているだけあってSMシーンが素晴らしい。そしてそれを支える信頼関係の構築と愛情もしっかりと伝わってきました。ご主人様が品格を重んじるからか、総じて上品です。痛さよりも、甘くコーティングされているので、読みやすいんじゃないでしょうか。
希望を言えば、ペニピ開通シーンも入れてほしかったなぁ。あんまりないし。
気持ちが通じ合った後なので、きっとものすごくラブいシーンだったと思うんですよね。見たかったなぁ。
私はこのご主人様、ちょっとむっつりっぽくて好きでした~♪
◆あらすじ◆
主人公は、孤児として育った潤音(じゅんね 20代)。売り専ボーイをしているうちにマゾに目覚め、金持ちの「ご主人様」に飼われますが、事業に失敗した「ご主人様」は潤音を捨てて失踪。
その後SMサロンに身を寄せた潤音は、プロの調教師で、ワインバーなどを手広く経営する宗司(30代半ば)の下で、ソムリエ修業兼M調教を受けることに。
サヴァン症候群にも似た異常な記憶力の助けもあって、たちまちソムリエの素質を見せ始める潤音。
一方SM調教の面では、宗司に「ご主人様」に受けた愛のない調教を否定され、愛のあるSMプレイを仕込み直されます。
しかし、次第に宗司に惹かれていく潤音を、宗司は一度も抱くことはなく…?
ワインの話題を絡めつつ、プレイとしてのSMの世界を描いたストーリーです。
◆レビュー◆
SMものは好きなのですが、いわゆるプレイとしてのSMものは初読みです。
「セーフワード」「トップ(主)」「ボトム(奴隷)」などSMプレイの用語やルールも紹介されていて、新鮮味がありました。
軽くワインの基礎知識も織り込まれてますし、や~BLって、勉強になりますね☆彡
SMというと、Sの執着愛とセットになっているイメージを持ってましたが、この作品のS=宗司は感情に走るSではなく、SMを愛あるプレイ・SとMとのコミュニケーションとして楽しむスタンスの人。彼のプレイは、スマートで余裕があります。
しかも彼の生活のゴージャスなこと!
宗司の住む屋敷は、旧華族の別荘を移築した豪邸で、燕尾服の執事はいるは、腕のいいシェフはいるは。屋敷内に図書室まで完備。
こんなところで、おいしいワインとワインに合う食事を与えられながらのソムリエ修業&M調教なわけですよ。
潤音はもともと被虐性があるので、調教が辛い・痛いと感じる場面はほとんどなく、ス○トロを強要されても、感じてしまいます。
前の「ご主人様」と違って宗司は潤音を人間として扱ってくれて、調教の後には香りのいいバブルバスで体を洗ってくれたり…これはもう、Mホモ版シンデレラ・ストーリーですね。
その上宗司は、子供の頃から「愚図でのろま」で、デートクラブの接客もままならなかった潤音の、特異な才能まで引き出してくれるんですから、もう潤音にとっては王子以上の存在です。
でも、ここまでしてくれる宗司が、何故潤音を抱かないのか?
愛あるSMって、当然セックスとセットになってるものだと誰しも思うわけですが…
これには宗司なりの理由があって、その理由というのがまた、実にワイン通の彼らしいんです。
ここは読んでみていただければ、なるほど、と頷けると思います。
とにかくSMでありながら、とてもゴージャスに気分よくカプの変態っぷりが楽しめるストーリーなので、ストレスを感じません。(執着愛のないSMなんて、という物足りなさは若干ありますが)
小山田あみさんの美しすぎる挿絵も大きな魅力!ずばりス○トロシーンの挿絵もあります。こんな美しい挿絵なのに人前では絶対に開けないのが残念です(笑)
ストーリーとイラストがとてもマッチしているように感じました。
いつもは、あまりイラストを重要視していなくて、見ないこともあるのですが、
今回はイラストを楽しみつつ読むことができました。
今回は、SMものということですが、
砂床さんらしく仕上がっているように思います。
こういったSMものだと、
「縄とか色々な趣向を凝らしたエチを
詰め込めばいいと思っているのかな?」と感じてしまう作品もありますが、
ちゃんとエチ1つ1つにも意味がありました。
ただ、受の生い立ちがあまりに不幸しぎて、
別の意味で悲しくなってしまいました。
幸せになってもらいたいです!!!
新刊チェックの時に、タイトルと、何よりも表紙絵に惹かれて、
粗筋は殆ど見ずに、特典ペーパー付きということで予約して購入しました。
ワクワクしながら本を開いてカラー口絵を見てみると…、
乳首ピアスに固まってしまいました……。
期待は一気に無くなり、一体どの程度の地雷なのか、
不安で一杯になりました。
まだ、読んでいて、乳首ピアスの存在を忘れてしまうくらいの描写で
物語が進んでいくのならまだしも、何度も痛々しい描写が登場してきて、
心の中で悲鳴を上げ続けながら何とか読み終えました。
しかも、今回、この物語の中では実行に移しませんでしたが、
攻めが受けに乳首ピアスをプレゼントした時に、局部用のピアスもあって
(そんな、アソコ用のピアスがあるなんて知らなくて驚愕でした。)、
「いつかアソコにもピアスをしよう」みたいな会話があって、
眩暈を覚えました。
今回は地雷が何度も爆発しましたが、地雷に負けないくらい、
物語の内容や展開、人物設定など、とても素晴らしかったです。
受けの潤音くんが攻めの宗司さんの後をついて行く様子を、
作中では犬のようだと表現していましたが、私には生まれて間もない
雛鳥が親鳥の後をついて行く姿を想像しました。
確かに子犬のようだと思った場面もたくさんありましたが、
子犬というより雛鳥のほうがピッタリ合うと思いました。
宗司さんがSMプレイ中、潤音くんを奴隷とか物扱いせず、
一人の人間としてきちんと弁えて接しているところに好感を持ちました。
愛情がきちんと伝わってきたので、(私の地雷を除いて)過激なプレイでも
安心して読むことが出来ました。
そこで、宗司さんを信じて安心して身を任せる潤音くんの姿に、
「あ、これがSMなんだ」と気づきました。
今まで本当のSMをよく理解していないまま、M役の人の気持ちを
理解できないままSMものをいくつか読んできましたが、
SMとは何か、また、M役の人の気持ちが理解できたように感じました。
今回の評価は「萌×2」と「趣味じゃない」で非常に悩みました。
今も迷っています。
物語の内容や展開、文章表現、人物設定、挿絵など、
迷うことなく「萌×2」です。
しかし、やはり、どうしても乳首ピアスの痛い描写が
何度もあったことが、どうしても見逃すことが出来ませんでした。
一度だけ、あまり痛そうに感じ無い描写なら、文章表現が弱ければ、
あまり評価に影響が及ばなかったと思いますが、
いくら受けが望んだことだとしても、逃げ出したくなるくらい
何度も痛々しい描写があると、その点は本当に趣味じゃないので、
そこで評価をどうしても妥協できませんでした。
それさえ無ければ、本当に、本当に良い作品だと思っています。
いくら地雷とはいえ、評価が左右されるほどの、
情景や痛さが伝わってくる描写なので、
それだけ、大変、価値がある作品だと思っています。
裏を返せば、「神」評価と言っても過言ではありません。
本当は自分の地雷のために作品の評価を下げたくない、という思いも強いです。
なので、今回の評価は本当に困りました。
まだBLを読み始めて間もない頃、地雷を発見し、
それ以来、地雷が無いことを確認してから本を購入していましたが、
SMもの、粗筋が分からない時はSMらしいと思われる時は、
特に注意しようと、肝に銘じました。 f(^^;
それにしても、ようやくSMは理解しましたが、
ピアスを開けたいと思う人の気持ちは、やはり
どうしても理解することが出来ませんでした。
表紙で若干身構えたものの、蓋を開けてみればしっかと愛もあり、SMもありな作品でした。
調教と言ってもそこまでどぎついものはなく、むしろ宗司さんのところへくる前のご主人様のところにいた時の描写の方が痛々しいくらいでした。
虐待とSMの違いを潤音に教え、心も体も調教していく様は非常に萌えました。
調教といっても鞭や緊縛などを使った痛々しい調教ではなく、比較的優しい、という言い方はおかしいかもしれませんが、痛々しいSMではありませんでした。
小の方のスカ表現が少々ありましたのでそれについては好みが別れてしまうかもですが、個人的にはとても好きです。
ただ囲って調教していくだけではなく、一人の人として扱い、ワインという新しい知識を与えていくというのも、潤音にとってSM以外の世界を見せるきっかけになっていて非常に素敵でした。
二プルピアスや首輪などの定番もあり、非常に満足した一冊です。
俗世に溢れているような鬼畜雑誌のSMとは違い、SM物としてはどぎつくない気がします。
しかし、ソフトながらもスカトロ(放尿)があったり、縛りやニプルとSMではお馴染みの
設定はありますが、やっぱりソフト系なイメージです。
肉親にも捨てられ愛に飢えているような受け様は生粋の被虐体質で本当のSMとは何かを
知ることも無く、初めてのご主人様に奴隷としてもかなり酷い扱いを受けて来たが
それすらも愛されているからと思い込んで耐え、挙句理由も解らぬままに捨てられる。
でも捨てられた事自体理解していなくて、何か困ったときに行けと言われた場所へ
なんとか行きつくが、そこの女王様のQから攻め様へ貸出調教に出される事になる。
初めはご主人様は一人だけと思い詰めていた受け様に、その長年の思い込みを
捨て去るような新たな調教をされ、攻め様に虐待と調教は違うと言われるが
受け様には理解出来ない、しかし攻め様と過ごすうちに次第に違いが分かり、
元の主からの呪縛が消え始めると同士に新しいマスターである攻め様から捨てられる
恐怖と怯えが生まれ始める。
暴力による洗脳を正しい奴隷調教で解除するような流れだった気がします。
それに、受け様の持って生まれた才能と攻め様の仕事で扱う品でもあるワインが結びつき
受け様はソムリエとしての勉強も調教と同時進行でさせられることになります。
ただ、個人的にう~んって思った設定が受け様の持って生まれた障害の記述。
いくらファンタジーとはいえ、これは少々頂けないなと感じましたね。
内容自体は良かっただけに、ちょっと正直残念でした。
受け様の育った背景から、愛に飢えた、誰かかに必要とされ愛されたいと思う受け様が
切ない感じで、虐待されているのも愛してるの一言が免罪符になってしまうなんて
悲しい受け様が攻め様と出会ったことで、本当の意味でのSMに目覚め、更に知識も
吸収して、最後に攻め様を選び幸せを手入れる内容で、楽しめると思います。
ホントはW萌えにしたいところですが、どうしても気になる一点が拭いきれずの萌えです。
かなり目をひく素敵な表紙です☆
帯の煽り文句は「閉ざされた屋敷で行われる調教。そこには愛と快楽しかない。」とあり、幾分かありきたりですが、その通りに ”SM” ではありますがかなり愛情がありましたよ。
自分的には全然痛くないSMで、展開的にもラストに至ってもちゃんと「愛」があるので安心して読める1冊だと思います。
生年月日も親も知らない施設育ちの青年・潤音が行きついた先は己のマゾヒスト嗜好に目覚めたことからM奴隷。
依存していたご主人様が事業に失敗して自分を捨てて逃げた事を信じられず、頼った先で預けられたのが、ワインバーとショップのオーナーでもあり調教師でもある宗司の元。
彼の記憶力に目をつけた宗司が、奴隷だけでなく一人の人間として自立できるようにワインの知識と取り扱いを教育し、そしてM奴隷として調教し直していく過程で、
潤音が本当のSとMとの関係に気がつき、宗司を本物の愛するご主人様として、恋人として、
そして宗司にとっても潤音が愛しい奴隷であり恋人になっていくといったお話。
その過程に調教があるわけですね。
緊縛、ローター放置の上での暗記勉強、スカ、スパンキング、鞭、ピアス、などなどさまざまなプレイが調教やお仕置きとして登場して、潤音を躾けて行くのでそういった多様なプレイが見られるのは中々他作品ではなんちゃってや言葉だけや精神的SMが多い中、要素的にはバラエティがあります。
ここで潤音が主人公であるので、彼が正しいマスターと奴隷の在り方に気づかされるのがまず一つのポイント。
前のご主人様をとても慕っていて、宗司の元に来ても帰りたいと願っていたのですが、宗司によってMの要望するままに壊れるまでするのは本当の主人でなく、Mの願いを知った上でコントロール出来るのが本物の主人だと知るわけです。
以前潤音が持っていたものはただの「捨てられたくない」という愛情欲求を満たす為だけの依存でしかなく、主人はそれを聞きながら傲慢にそして最後はストレス発散の苛めになっていたという差が出ることで信頼と愛情(SMとしての)が見えるのですね。
また潤音の才能について、文中で「サヴァン症候群に似ている」と発言されていまして、どうやらそのような要素があるようです。
記憶力と言う点で、たまたま宗司がワインを扱っていたのでそちら方面で生かしたということですが、今までの犬のような扱いから人の扱いとなる差も見せています。
ご主人様への信頼と愛情が生まれ、嫉妬も生まれ、潤音がより人間らしいMとなっていく過程を描いているので、そしてラストに元ご主人様が登場して彼がいかに酷い輩なのか暴露したことで、この話が非常に読みやすいSMの形を借りてはいるが恋愛話となっているのが、読者が安心して読める点だと思います。
萌え萌え?と聞かれると、自分には剛しいら作品のテッシー、対局に石黒氏、という強力なご主人様が控えている為、この宗司は普通すぎてご主人様としてはちょっとランクダウン(笑)
榎田作品の「優しいS~」よりは元来がご主人と奴隷の人達なので、ほのぼのはないけど関係性としては納得できやすいんじゃないかな?
ということでエスエムスキーとしては、ちょっと厳しいけど「萌え」にさせていただきます。