かえっちょ
einstenium
”まるごと『EINSTEIN』の予告編”と書かれておりますが、
『HAWKING』同様に『C.DARWIN4』以降に読んで理解つつ味わうも良し、
逆に発行順に読んで今はまったくわからなくとも後ですべてのつじつまが合うカタルシスを味わうも良し、
と思います。
『HAWKING』直後に出たこちら、同じく18,19才設定の冬となります。(正確にはラビは20才)
冬なので二人は会えません。ひたすらシリアスかつダークに話は進みます。
大地の見の内に封じている闇は大地を侵食し、まともでいられなくなっています。
そしてラビも。
冬は闇の活動が高まる時期なので、ほんとうにしんどい状況なのです。
なので大地側は友人の大橋君が、ラビ側はガスの眼を通して語られます。
大橋君が大変いい男なんです。
まともでない大地を知る唯一の友人として側にいてくれています。
しかしそれは単にボランティア精神ではなく、なんとなく友人として見逃せなかった感が漂うのがいい。
そんな聖人ぶってはおらず、一人の若者の嫉妬や葛藤がある上で大地を支えている。
だからこそ、大橋君は"いい奴"なんだと思います。
ガスは大橋君とは違い、事情を知り同じ戦士として一緒に闘いたいのに実際は手出しできないジレンマを抱えています。
それでも折れない心の強さを持っているからこそ、彼は風の魔道戦士なのでしょう。
歴代の魔道戦士たちの無念を晴らすためにも、ガスを応援してます。
ちなみにこちらがずっと続いている「進化論」の結末編世代となるようです。
どうこの宿命の輪を彼らが断ち切ってくれるのか、そして何より大地とラビの将来は!?
知りたくてしょうがないです(>_<)
何度読んでもなにかしらの衝動がわきおこるので、あと一つ評価をあげてもおかしくないところです。
再録集『S・HAWKING』でも読めますが、ぜひこちらの迫力あるB5版もおすすめしたいと思います。