かえっちょ
shakespeare the sun
『SHAKESPEARE』の下巻となります。
光と影とは表裏一体な存在であることを、二人の大地を用いて描いている傑作です。
コピーとして作られた大地が、大地であるが故の決断が哀しい。
では不幸せだったのかというと、そうとも言い切れないのですよね。
この件の説得力が圧倒的。
彼にとってラビが認めてくれたこの僅かな時間があったからこそ、"生きる"ことができた。
ラビには重くのしかかる記憶となるのですが。
この作品、コピー大地の人気故か圧倒的な支持があるらしいのですが、私としたら当初はそこまではのめりこめなかったのです。
本物の大地の活躍がない、ちょっと子供だから仕方ないのですけど彼がちょっと女々しすぎると思ってしまうからなのでしょか。
非常に暗い話でもありますしね。
でも次の展開になくてはならない話ですし、後々に読み返すと理解できることが沢山あってじわじわと良さが解る、後の作品があってなお一層活きてくる、そんなストーリーです。