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作家さんの新作発表
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気持ちに正直な溝口と流されただけだとごまかす湊が繰り広げる日常。
酒に酔ってうっかりな後日から始まる溝口の軽いラブコールの毎日。
本気か冗談か。
勘ぐるだけ無駄な程好き好きオーラがダダ漏れで、あっさり認めてしまえる溝口のしなやかな強さに惹かれてしまいます。
結局は羞恥心に耐えられず逃げを打つ湊に、それ程追い詰めてしまったのかと溝口の引き際の良さに男らしさを感じました。
そしてただの先輩後輩ではない関係になっても、湊の認めたくない、けど手放しきれない苦々しい気持ちがよくよく伝わってきて、気持ちの矛盾にぐるぐるしてる姿がカワイ過ぎです。
日々の日常を逸脱することなくほんの瞬間。ちょっとした隙をついて繰り広げられる押し問答。
いじっぱりな湊が本当に弱っている時を見逃さない溝口のさりげなさにきゅんきゅんしてしまいました。
他「本気。」収録です。
高校教師と生徒。
本気だけどそれを感じさせずに付き合う2人が、大人な征彦の元カレに出会って揺れ動く様。
高校生らしく子供扱いされたくなくて背伸びするいじらしさも、子ども相手に本音をさらして引かれたくない大人のプライドも、それぞれがぎゅーっとしてしまうほど恋するがゆえの弱さを守ろうするする最後の砦。
乗り越えた先の2人の強さが晴れ晴れとしていて微笑ましくなります。
酒の勢いでお隣に住む先輩・溝口と寝てしまった湊。その日から苦労人大学生・松田湊の悩める修行生活が始まります(笑
どうやら溝口は最初から確信犯だったようですが当の湊は本来どこにでもいるような普通の男の子。いくら酒に酔っていたとはいえ男に告白され、挙げ句寝てしまったとあればぐるぐる悩んじゃうのも当然。
しかも湊の場合普段から溝口をいい先輩と慕っていた分、余計その事実に対して色々思う所があるようで。
とりあえず目下の悩みの焦点としては溝口の事は好きなんだけど、=男と付き合う(ホモになる?)というイレギュラーに対してのジレンマにあるんじゃないかなと思います。まぁノーマルの男ならば避けては通れない道。
告白したら即ラブラブみたいな傾向の多い中、まずは「男同士で付き合う」という初歩的な事から葛藤してる訳です(笑)特に湊は過剰に体裁を気にするタイプで溝口に対して常に逃げ腰な態度を取るような子。たまにそこまで頑なにならなくてもいいんじゃないと思うこともありましたが、だからこそ自分なりに悩みを打破して、ちょっとづつ溝口を受け入れようとする湊の姿に親近感が持てました^^
溝口もそんな湊の性格をよく分かってるので強引に攻めるのではなく、ゆっくり答えを出させようとしてあげてるのがいい。
こんな2人の何とも言えない距離感が好きなんですよね~もどかしいんだけど、ついニマニマしちゃう(笑
今回ではようやく溝口本人に「好き」と口に出来るようになった段階で終了。今後の2人の展開は「ピース2」へと続きます。
後半は前・後編の読み切り「本気。」
高校教師×生徒。
学校や自分の前ではいつも余裕たっぷりに見える大人な先生。何を言っても、どんな態度を取っても軽くあしらわれちゃうのは自分に対してあまり本気じゃないから?と受けちゃんが悩むお話。
2作品とも受けが悩む系ですが、どのキャラもみなあっさりしたタイプなので重たい感じは全くないです。読後感もスッキリ系。ただ館野さんの漫画は微妙なニュアンスを用いたシーンがよく出てくるので、分かりにくいのは苦手って方には好き嫌いがはっきり分かれる作品かもですね^^;
絵もストーリーもキャラも、何もかもが好きでした。
館野とお子さんイイですねー!!
酔っ払った勢いで、同じ下宿に住む先輩とセックスしてしまった受け。
受けはグルグルと後悔します。
付き合うことを受け入れてからもひたすらグルグル。
基本的に私、グルグルと同じことばかり悩んで堂々巡りしてるキャラってあまり好きじゃないんだけど、この受けのグルグルにはまったくイラッとくることがなかったです。
社会と関わっていくことを考えれば、悩むのも当たり前だよなァ…と思いながら読みました。
館野とお子さんはそういう悩みを肯定するでもなく否定するでもなく、フラットな視線で描かれてて、そこも良かった。
受けと対照的なのは攻めで、彼は無条件にカッコイイです。「自分はこう思うからこれでいいんだ」っていう意思がハッキリしてる。でも相手にその価値観を押し付けたりしない。
一生懸命恋してる二人に、ひたすらキュンキュンしながら読みました。
派手さはないけど、じわじわと染みてくるストーリーでした。
『本気。』
先生×生徒
いい年の差カップルものでした。
いろんな経験をしてきた先生と、そんな先生に追い付けないことに焦りや苛立ちを感じる生徒。
でも、先生だって別に余裕があるわけじゃないんだよね。
小さな事件を乗り越えて少し近づいた二人の心の距離感にキューン。
かなり前に読んでいたのですが、このレビューを書くために久しぶりに再読しました。
改めてしっかりした恋愛モノを読んだ気がします。
体を先に手に入れてしまったために、相手が自分のことを好きなのかどうか分からない攻め。
受けは受けで男同士であるがために素直に相手に全てを預けられない。
そのグルグル悩んでいる所が丁寧に描写されていて、実感がありました。
同時収録の「本気。」も男同士の恋愛も男女間と変わらないんだということを思わせてくれて、ドキドキしながら読みました。
思春期の時の恋愛って、相手が自分より年上だとこう、焦るよね~なんだか分かる気がするわ(笑)。
なんだかとても可愛いカップルでした。