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takaramono wa zenbu koko ni aru
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
あー、そうくるか!というBLっぽくないラスト。
でも読後感は晴れやかで幸せで納得できて、
そして妙にリアルもあって。
よかった、しみじみと、よかった。
期待以上に涙線を突かれた。
愛に飢えた作家・シンタローが
周囲の人々と関わる中で、
悩み・傷つき・自分を認め、
その全ての関係が大切なんだと受け入れてく話。
…簡単に言うとそうなんだけども、
ただ描かれる関係性が多い分、
説明やレビューがとても難しい。
シンタローと高校の同級生・橘高。
シンタローと恋人・チャコ。
シンタローとそのファン・榊。
シンタローと最愛の母。過去の恋人。
そしてシンタローと書生・旬之介。
それぞれに「肩書き」はあるけれど、
シンタローにとってその相手がどういう存在か、
自分の認識と同じレベルで誰かにそれを
伝えるのはきっと難しいだろう。
でもそのどれもが大切なのは真実だ。
それって読者の誰もが共感できる部分だと思う。
これはそういう、曖昧で大切な絆のお話だ。
作者・糸井のぞさんの
キャラ設定・表現方法の巧みさも
この物語に暖かい印象を与えている一因だろう。
通常のマンガに比べて登場人物が多いのに
どのキャラも本当に愛おしさがあって憎めない。
カバー下の、のぞさんによる人物紹介には、
「うんうん」と思わず頷いてしまった。
ただ、シンタローの性愛に自由奔放な設定が
ダメな人っているかもしれないな、とは思いました。
でもそれこそがこの物語の鍵であり、
リアルさでもある。
物語全体に漂うのは、暖かさと切なさ。
恋愛以外の側面が描かれるBLって結構好き、
っていう方にはオススメしたい。
読後じんわりとくる「良作だった…」という感覚が
とても気持ちが良かったんだよなぁ…。
描き下ろしは旬と春威を中心にした2年後。
ほんの2Pの4コマ連作で
小さいエピながら、かなりきゅん!
15年後の旬之介と春威とぽっぽちゃんのお話も
ぜひ読んでみたい。
家出した父を連れ戻すと言って、家を出て行った母。
母が連れてきた弟。
恋人3人と半同居する兄は、作家。
兄の宝物は、出会った大事な人達。
大事なもの=父を、何時までも探しに外に出る、諦めない母。
出会った人達を宝物だ、母;ひとみに心の中で呟く兄は家守。
・・・母は、陰を追いかけても、影も逃げていくことに気づく必要がありそう。追い付けない。
追いかけたいものが有る間は、それが生きがいになっているということなのかな。
余韻ある終り方でした。
なんでこの作品見逃してたのか!
書生視点なんだけど、途中からシンタローが主役なこのに気づく。
あくまでも書生は語り部といったところか。
その書生、旬之助と春威の大人になってからの話が読みたい!って思いながらあとがき読んでびっくり。自分の記憶力のなさに。
『コイノヒ』に載ってたとは。でもきっとそれは子供の頃の話かな。どっちにしろ覚えてない・・・。
無責任な父親と身勝手な母親のせいで、誰かにおいて行かれる恐怖や喪失感を常に抱えているシンタローがみつけた宝物。
それが最後に見れてよかった。
BLとしてではなく、人間ドラマとして読みました。
あまりにいろいろな感情が入り混じっていて、ぶつかり合いそうでぶつからないままだったり、BLという枠で括ってしまうには大きすぎる作品だと思います。
糸井のぞさんの作品っていつもそうですよね。
BLの切なさではない、人間としての切なさ、やるせなさ、もどかしさをすごく丁寧に描き出せる作家さん。
母に置いていかれたため、作家の信太郎の家に身を寄せる旬之介。
作家を「先生」と呼び、自らの身分は「書生」。
そして先生の家にはもうひとり、同居人がいて…。
という始まりです。
やっぱりストーリーテリングの妙と言うのでしょうか。手の内の見せ方が上手い!
先生と旬之介の関係には衝撃が走りました。そうだったのか!じゃあひとみさんというのは…と絡まった糸がほどける感じ。旅館の写真もあのときはよく分からなかったけれど、そういうことか、と。いくつも分からないまま読み進めてきたものが、ひとつの事実が分かった瞬間にぱっと全部つながるのです。すごい。素晴らしい。
ただ先生の生き様はよく分かりませんでした。「一番欲しいものは手に入らない」と言っていた高校時代、欲しいものはたったひとりだったのに、最終的にはそのひとに求めたものを分散化してしまっただけのような。橘高が不能でなければきっと橘高だけを求めたかもしれませんね。ただその場合、橘高は深雪との間に子供もいるような、いわゆる完全な関係を築けるわけで、そうなると話が全く変わってしまうのだなあ。
母親が欲したのはたった1人、父親だけ。だけど先生には最高の友人である橘高、恋人のチャコ、愛人(と言っていいのかな?)の榊、子供のような存在でもある旬之介がいる。1人を追い求めてなお旅を続ける生き方と、4人に囲まれてしあわせに暮らす生き方の対比。
それぞれの宝物。どちらがしあわせなのかは本人次第、というところでしょうか。
でもビッチは受け付けないので何とも厳しかったです。榊が絡んでくるのが一番いやでした。ぽっぽちゃんを置いて逃避行とか、旬之介が殴ってくれたから少しはスッとしたけれど、本当にほんのちょっと。わたし自ら殴りたかった!いや、むしろ某アイドルの握手会ばりに、この本を購入した全員で「榊殴り会」を開催したいほど。チケットは購入した本で。
先生は苦手ながらも、先生が橘高の娘になりたい、と言ったシーンはすごく胸に沁みました。「恋人」という立場では、マスターを引き留めることはできなかった。「息子」という立場では、母親を引き留めることができなかった。自分が娘だったら、娘が欲しかった父親を引き留められたかもしれない。目の前でぽっぽちゃんという「娘」のために戻った榊を見ていただけに、橘高を引き留めておきたい気持ちの強さが痛いほどに伝わってきました。
でもなあ、やっぱり先生の生き方は嫌なんだよなあ。
せめて恋をする相手と性欲を満たす相手を統一してもらえないものかと願ってしまう。チャコと榊がそれでいいならいいのですが、何だかなあと思ってしまう。
半分同じ血を継いでいる(ヒトミさんは後妻だと思っているのですが、合ってますか?)旬之介はきっとたったひとつの宝物をいつか手にするのだろうけど(あらすじでは30才前後と書いてありましたね。長い…)、わたしはこういう生き方の方がやっぱりいいなと思えました。
春威の短編も読み直したら出てましたね、藤木くん!あの子がこの子か、とちょっと感慨深かったです。
ぐるっと回って、すとんと落ち着いた。
そんな感じの作品でした。
途中参加の榊だけが、新しく仲間入りしたというくらいです。
チャコと別れて橘高や榊とくっつくわけでもなし。
橘高はかけがえのない人。でも恋人じゃない。
橘高、チャコ、榊、旬之助。信太郎にとっては、みんなそれぞれ違う別の立ち位置というのが、個人的に共感できました。
この人、一人が傍にいてくれたら自分は生きていけるという猪突猛進的なものも良いですが、別々の人間なのだから、自分にとってもそれぞれ別々の大切な存在で順位をつけるものでないというスタイルも素敵です。ある意味我儘ともいえるのですけれど。
最後に出てきたヒトミがまた良かったですねぇ。ぜひ手にとって欲しいです。
それにしても…表紙裏を読むまで春威を思い出しませんでした。「コイノヒ」を先に読んでいたのに(汗)
家族がテーマでありながら、家族の繋がりが希薄な不思議な話だなあと思いました。
そもそも、一番世間の常識に添って生きている旬之介が自分の母親を名前で呼んでいる事でも伺えるような。
春威とチャコさんは分からないけれど、他の人たちには家族の何かが欠けている。
そんな人たちが寄り集まって終わるラストは、とてもほんわかしました。
先生みたいな貞操観念が薄い人はちょっと不得手ですが、淋しかったから仕方なかったという事でしょうか。
子供もいるのに先生と流されてしまった榊さんも苦手かなあ。でも父親だから、母親程は子供に対する執着は薄いかもしれませんね。
複雑だけれど、読後感が温かい作品でした。
しかしポッポちゃんが、「お、おう」と一瞬ためらってしまうくらいのブサ可愛さ。
もう少し、ブサ成分が少なくても良かったかも?
置いて行かれた子どもが、自分の居場所を確認する話。
「宝物はぜんぶここにある」と。
タイトルとあらすじで、ここにあるのは全部だ。
と、言い切っちゃうと終わっちゃう。
あ、あと、そうだ、裏表紙のカバー絵!
いいお話でした。
信太郎と旬之介がそれぞれ迷いながら自分の居場所を模索するお話は、読んでいる最中はとっても惹き込まれて、この結末に至ってよかったねと思えた。
そこで、改めてこの本のタイトルをみると、、、、
なんだかくやしい。
凪のようで、ゆらゆら気持ちよく読みました。
登場人物、みんなが欠けていたり、悩んでいたりしていても、決して暗くなりすぎず。
今の小さな幸せや大事なものに気づいていって。
あまりに身近にある幸せには気づきにくいし、気にもせず毎日を過ごしているけれど、振り返ると大切なものがたくさんあったのだと。
宝物、すぐそばで輝いていた。
この本を手に入れてから、どうやってレビューしたらいいか、散々悩んだ。
雑誌掲載の時も、前作もそうだったのだが、この作者さんには、いつもしてやられるw
ブレないものが周りにある。
散々悩んでブレるのは主人公。
この主人公に目線がいって、彼等目線になってしまって読者である自分がオロオロしてしまうのだ(笑)
一見ネガティブで深刻さをまといながら、あとになってみれば・・・なんだ~
この手法は、前作「コイノヒ」でもまんまと騙された手法だw
でも、そこにこの作家さんの良さと持ち味があるのだな~と、その独特の表現は決して嫌いじゃない。
前作の単行本に収録の『春威少年の恋と反抗』に登場した、友達になってください!と言ってきた黒髪短髪丸眼鏡の旬之介がストーリーテラーのような役割で進行します。
彼は母親に連れてこられて、童話作家・轟信太郎の家に預けられて家事をしながら学校へ通う中学生です。(なので書生ってw)
その家主である信太郎の元には、恋人である俳優のチャコ、信太郎の高校の頃からの友達で出版社の編集である橘高が、出入りしています。
そんなある日、作品のファンだという榊という妻と別れた男が子供を連れてやってくるようになるのですが、その子供を置いて信太郎と榊がいなくなってしまう。
そんな彼等の関係と出来事を通して、彼等の求めるものが明らかになっていくという、
大雑把に言ってしまうとこんな感じだろうか?
信太郎・・・いつも着物を着て髪をながくしている、何となく昔の小説家風の外見。
チャコが恋人のようでありながら、榊とも関係を持ち、橘高に絶大な信頼をよせて甘えている。
彼の過去が明らかになることによって、彼は家族が欲しかった、愛が欲しかった、かなり子供な欲求を持ち奔放な行動にでながら、実はトラウマに囚われてあがいている、とても可愛らしい人だった。
橘高・・・彼は本当は信太郎が好きだと想う。
だけど、彼にはインポテンツというどうしようもできない部分があり、妻とも離婚しようとしている。だからなのか、信太郎にとって母であり、父であり、兄であり、恋人であり、全てを兼ね備えた信太郎にとっての一番すべての人な気がする。
信太郎が榊と出奔するのも、橘高のせいではあるw
チャコ・・・ワンコです、信太郎一筋の!
橘高と寝ていたらどうしよう?とかすごく心配だったりするんだけど、その愛情は一途で、信太郎にとってきっととても可愛がりがいのある恋人なんだと思う。
榊・・・ちょっと影が薄いおじさんなイメージw
始めは信太郎の童話に癒され惹かれ、そして信太郎にそそのかされて?流されて?彼自身に救いを求めたのかな?ちょっとダメなおじさんだが、やっぱりその前に父親であることを自覚して立ち直る(笑)
旬之介・・・まだ子供なのに、母親を名前で呼んでいるくらいだから、彼女が母親である前に女であることをわかっているのだろう。
しかし、子供である。彼なりに何か分からずに、母親に与えてもらえなかった愛情を無意識に求め、しかもそれが揺るぎない変わらない、ずっと続くものとして求めている。
一見大人びているのだが、その考えは子供だ。
しかし、一番かわいそうかもしれない。
物語の進行とともに、年齢相応の子供らしさをみせるのに、ほっとしてしまうw
信太郎も、旬之助も、同じモノを求めていたんだな~
それは同じ親を持つものだったから、それが一番の真実だったかもしれない。
本当はこの二人が一番ゆるぎない関係だったのかもしれないけれど、信太郎には信太郎のしがらみが、旬之介には真実を知らなかったという事が。
彼等は、疑似家族を形成して、それでもきっと幸せに過ごしていくんだろうな、
この中で、春威と旬之介の関係の進展も一緒に少し描写されますが、春威が攻めだったか(笑!)
おまけの4コマの2年後というのが実に楽しい♪
榊の子供のぽっぽちゃんの描き方がブサ可愛くて!彼女がどんな子供になるのか、すごく楽しみです(きっと一番のしっかりもんになるようなwww、そして春威と旬之助争奪戦をするに違いない♪)
一見複雑でわかりにくいような様を呈する作品でしたが、題名が全てを物語るモノでした。
【インポ】
かっこいい男が【インポ】。
BLなのに【インポ】。
理想の男性ですが【インポ】。
ここまで【インポ】について考えさせられるとは・・・。
作者 上手いです!手法にまんまと引っかかってしまいました。
あと気になる子がもうひとり。
『ぽっぽちゃん』本名は鳩子です。
ブサ可愛い女の子で この本のヒロインでした。
あとがきに書いてあった15年後を期待したいものです!続巻希望です!
全員まとめての「家族の物語」でした。
何回も読むと良さがわかってくると思います。