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α no sakebi
阿尔法的呐喊
なかなかに意味深なモノローグから始まります。
「もしこれまでのことが全部悪い夢だったのだとしたら・・・これで悪夢は終わるのだろうか」
クローンの研究をしているトビは恋人で同僚の研究者市柿と待ち合わせした場所に向かう途中事故に遭い死んでしまう。
しかし、クローンとして記憶のいくつかの欠落はあるものの、再生され、自らが被検体になったような形で研究所に必要とされる。
彼の恋人であるという市柿、トビに恋した気持ちを持っている大学の後輩で医師の由等との微妙な三角関係。
再生したトビには恋人の記憶は残っていないのだが、、、果たして?
かなり淡々として、謎に包まれた展開をしています。
その奥に何かあるのは確かで、それが見えそうで見えない登場人物の気持ちや展開が、この物語への興味をよりそそります!
ヒトゲノムだの、クローンだのDNAだの、そんな難しい事はわからないですが、
確かにトビはクローンとして再生しました。
遺伝子上の記憶はあるけれど、欠落はしているけれど、研究の事も知識としての記憶は覚えている。
ただ、感情の記憶の部分がまっさらなのです。
これが簡単に、白紙の状態でもう一度恋に堕ちる話ではなさそうな予感がします。
なんといっても、市柿が謎の鍵を握っていそうです。
番外で、市柿とトビは中学の頃出会い、その頃から市柿はトビを意識し、そして何やらワケアリに恋人にしたような・・・そこにはトビの感情を何かしたものがあるんだろうか?
由等は、大学でトビと出会い惹かれ好きになっていたようですが、その気持ちが募った頃に突然トビが大学から消え、そして市柿の誘いで研究所へ来ている。
何やら、トビもひょっとして由等が?と思わせる場面もあるのだが、
いずれにせよ、トビをずっと見続け、自分のものにしようとした市柿が全てをしっているのかもしれません。
再生したトビは、生きていた頃に比べてすごく人間らしい様子を見せています。
すごくシリアスの話なのに、時折見せるちびキャラ表現だったり、周囲の人々の愉快なやり取りだったり、ネガティブ&シリアス一直線にならないように、浮上させてくれる場面がとりこまれていてホッとします。
いろいろな謎が解ける・・・と考えるほどにそんな複雑な物語ではないのでしょうか?
それとも何かあっと驚く仕掛けがあるのでしょうか。
とにかく、下巻がでてみないことには・・・
そんな意味でも、関係性も謎の真実も、全てに引き込まれる要素でありました。
登場人物の髪型が安定してなくて、いろいろに変化するのは意図的?
市柿のおかっぱのようなヘアスタイルにメガネ、まばらな無精ひげのスタイルって、なんか変質者みたいで、結構好みですwww
余談として、こうして突然大人のクローンが用意できるってことは、ひょっとしてトビのクローンが何年?二十年?以上も前から用意されてないと、こうした移植再生ってできないですよね?
そんな事をかんがていたら、思考がバイオハザードになってましたwww
まさかね、、、何体もトビのクローンが研究室の奥で眠ってるとか・・・ありえ・・・?
結局のところどうなのよ。
さいしょから 両想いな二人だったわけで それがすれ違ってこうなったから
あーなってこーなったの?
横恋慕なあれがどーで・・・ん~・・・・・
いろいろ伏線が貼ってあるようなので、上下まとめて読めたら嬉しい作品。
とはいえ、秘めた想いをもったまま死んでしまった受。
そして目が覚めた場所。
自らが本物の受ではないという事実。
失ってしまった記憶。それから~なお話。
設定はちょと辛気臭いですが、キャラクターたちはクルクル動いてて
可愛くもあり、ちょっとクスっと笑える部分も有りました。
あのウサギ好きwwww
とりあえず、うまいかどうかの判断は下巻が出てからかな=という雑感。
結局後輩とくっついて終わりってこたないよね?
九重さんの絵が好きなのと、SFファンタジー・科学系が好きなので手にとった本でした。
が、萌テンションがぜんぜん上がらなくて困った作品でした。
えっと、九重さんは好きな作家さんです。
本当にキャラクターも設定も好きな内容なんです。
完全に自分向き設定なんです。
クローン技術の話が出てきますが、生命倫理云々でダメとか、そういうのもないです。
でもなんでかぜんぜん萌テンションが上がらなくて、おかしいな~おかしいな~と思いながら読みました。
そして読み終わって、お話の内容自体にSF特有の「謎」や「恐怖」が感じられなかったということが自分には合わなかったのかなと思いました。
個人的な趣味ではこの手の話の時には謎解きだったり、謎の組織との関係があったりなど、とにかくミステリアスな部分やスリルを味わうような部分があるのが好きなんですよ~。
そこが個人的には全然足りなかった部分でした。
完全に自分の趣味が違う方向に濃ゆいのが原因なんですが・・・^^;;;
筋立てとしては主人公のトビが事故で死んでしまい、それを恋人の市柿がトビのクローンを作るんですが。こういう話もありきたりだけど大好物なんですけどねー・・・やっぱりあんまり心にこなかったんですよね~。
ここの部分も、市柿は研究のためにトビを生き返らせたらしいんですが、
(もしかしたら過去のことがあって、トビや由良に対して悪いと思っていた気持があったから生き返らせたのか?)とにかく市柿が変に優しくてぬるいキャラクターに思えたのが個人的に合わなかったです。
・・・自分は市柿はもっとマッドキャラだったらテンション上がった気がします。
変に過去を引きずっているし、何かを匂わすような言い方をするくせに、
トビにその「何か」を説明しないところが単純にまどろっこしかったです。
むしろズバズバ切り込むマッドキャラのほうが絶対テンション上がった気がする。
あぁ~ん。このお話じゃなければそんなに嫌なキャラでもなかったかもしれないな~と思いながら。
大変細かい条件なんですが、こういうお話にはこんな設定、こんなキャラがあったら萌える(燃える)みたいな、けっこう個人的に幾重にも条件が細かくあることがありまして^^;;;
これはSFじゃなければこのキャラたちで楽しめたような気がしてならなかったです。
完全に個人的な趣向のベクトルが違ったようでした。