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大切な人は、想いを伝えたい人は、今そこにいますか…?
DKの先輩後輩がひょんなことから出会い、他愛ない会話から親しくなっていく過程がかわいらしい。
特に、終盤、気持ちが通じ合うシーンがまさに青春!て感じでキラキラしていてよかったです。
途中、三角の母が息子が付き合っていた人の名前を確認せずに息子の日記を渡すところは、え?そんな状況で大事なものを渡す?と思いましたがw
あと、全体的に文字量が多いかな〜と。
多くても気にならない作品もあるのですが、今回はなんだか少し気になりました。
煌のデッサン練習用の彫刻に名前があったり、一言セリフがあったり、番外編では彫刻同士が煌たちの話をしているのがおもしろかったです。
「悪いんだけど荷物少し一緒にもってくれる 今俺と三角先輩が付き合ってたって知ってるの 多分この世に君だけだから」
ファンタジーや歴史物の印象が強い作家さんですがこういうシンプルな作品も良いですね、絵の上手さをゆっくり堪能できます。
三角関係などの要素もあるものの基本ストーリーはゆっくりと流れて、鎌倉を舞台にした
背景と良く似合っています。
最終的には閃の高校卒業と煌の予備校→大学卒業までが描かれますが、この続きも読んでみたいと思う話でした。
びっけさんなので爽やかだよなーと思ったら本当にそうでした。
交通事故で亡くなってしまった先輩を思う、先輩、煌。そんな煌と出会う、閃。煌の時間は止まったままだが、そんな煌の元に通う閃が、少しずつ煌の心を開いていく。
煌がつきあっていた先輩は、どうやら他校に彼女がいたようで、そこがなぜなのか最後まで分かりませんが、残された日記には煌のことばかり書かれていたということになっています。
現在、美大を目指して美術室で絵を描いている煌のもとへ、日々通う閃。いつしか二人は仲良くなるが、それ以上の気持ちも。
日記をきっかけに、閃は気持ちを伝え、煌も閃が大切なのだと気づく。
煌は浪人しますが翌年には二人そろって合格し、新しいスタートを切った模様。
付き合っていた先輩を事故で亡くした煌(こう)。命日に気分が落ち込み神社でうずくまっていたところを、一つ下の後輩・閃(さき)に声を掛けられるところからお話がスタートします。
亡くなった三角先輩が男だったこと、そして煌とこっそり付き合いつつも他校に彼女がいた事などを葬儀の日に知った…という過去を閃に話すんです。
「悪いんだけど荷物(思い出)少し一緒にもってくれる 今 俺と三角先輩が付き合ってたって知ってるの 多分この世に君だけだから」というところでいつも泣きそうになります。
自分も亡き人との二人だけの思い出があるんだけど、私が死んだらその思い出は消えてしまうんだなぁって思う事がたまにあるんです。だからそういう気持ちが痛いほどわかる。
葬儀の席で先輩を喪った可哀想な彼女として周囲から慰められていた彼女と、たった一人でただの後輩として振る舞うしかなかった煌。
たった一人で抱えていた気持ちを共有して、先輩の恋人だったという事実を誰かに知って欲しいという気持ちが切なすぎます。
死別や浮気といったテーマを扱っているので高校生ものだけど重いです。
だけど始終重苦しい雰囲気が漂っているわけではありません。
鎌倉が舞台なので、鶴岡八幡宮や極楽寺坂切通、海の景色、木々の木陰といった鎌倉を散策しているような気分になれる背景が素敵でホッとします。
三角先輩。
先輩の素直な気持ちが書かれた日記が遺されていてそれを遺品として彼女へと手渡されているんですが、この日記が超重要アイテムでこれを読んで、彼女は二股かけられていて自分には全く気持ちがなかったという残酷な事実を知るわ、中身を読んだ閃は二人の関係に嫉妬して煌への気持ちに気づくわ、そして煌も最後に記された「俺はずっと煌といたいから」という一文で先輩の本当の気持ちを知るわ…と。
それにしても先輩、あんたは一体何やってたのよ…と思わずにはいられなかったです。
「先輩」という意味は、煌にとっての三角先輩であり、閃にとっての先輩・煌という二つの意味が重なっているのだと思います。
エッチシーンはないのだけど、閃の手とか腕とか肩とか頭部とか閃のこと早く立体で感じたいというところが、美大狙いでデッサンを学んでいる先輩らしくてなんかいいっ!
その後「この日は手をつないで帰った」とあって、手を繋いで歩いて帰るシーン、手を繋いでいるだけなんだけど妙に萌え萌えです。
最初の暗い顔をしていた煌が、先輩の思い出を乗り越えて明るい表情をするようになっていくところが好きです。読んでて心が晴れやかになる読後感もいい。
丁寧に心情が綴られているので、結構読み応えがあります。
頻繁には読まないけど、たまに読みたくなる作品です。
高校生ものが好きなので、以前からずっと読みたかった作品です。冒頭から人の死が提示されるので、苦手な方には辛いかもしれませんが、わたしはどちらかというと前のめりで読みました。
どんな距離感の相手からであっても、好きだった人と似てるなんて言われたらリアクションに困っちゃいますよね。しかも故人で同性なら尚更。でも、閃(さき)は煌(こう)が密かに付き合っていた三角先輩と似ていると言われても、当初はあまり気にしてなさそうなんです。まぁ、カノジョだと思っていたので自分は女顔してるのかな?くらいの認識で。
閃は、始まりから最後までずーっと彼のペースで煌と関わっていくんですね。閃の気持ちの変化を丁寧に追っていきながら、自然と彼にシンクロしていきます。多分、この物語は神視点で読んでしまうとキビシイ。人物それぞれの気持ちに寄り添って読めなければ、何にも印象に残らないタイプのお話だと思います。
閃は煌先輩と親しくなっていくのが単純に嬉しかった。三角の存在によってその感情に違和感が芽生えて、戸惑いが生じていく。三角は煌と密かに付き合っていた裏で、ユリという他校の女子生徒とも交際していたらしい。
閃と三角の揺らぐ心情に萌えました。煌と一緒にいる時に得られる高揚感、自分に気持ちを向けてくれる喜びと後ろめたさ。心身がまだ成長段階にある不安定な彼らが、特定の人と親密な関係を築きたい欲求に悩み、答えを出す。その内容が閃も三角もとても前向きなところが清々しい。好きだった人を亡くして沈んでいた煌も、真実を知ってしまうことを恐れていたけれど、痛みを抱えていたのは自分だけじゃないと気づきます。
少年達の成長ストーリーともいえますが、恋愛感情を通して彼らは大事なことを学んでいる。他者への想像力、そこから生まれる思いやり。とてもリアリティを感じるBLでした。
鎌倉が舞台というのもステキです。閃と煌のデート?シーンがとっても楽しそう!鎌倉といえば、海。浜辺のシーンも出てきて、萌え萌えです。あと、閃と煌の私服がお育ちの良さそうな感じで、お坊ちゃんで男子校で学ランで…個人的な萌え要素にクラクラしました。
高校生同士の切ない青春ラブストーリーが、繊細で丁寧に描かれた作品です。
浮気や死別、身代わりなど、高校生にしては重いテーマです。だけど、痛みを抱えながら人を愛して成長していく主人公たちが、切なくなると同時に、胸が温かくなります。
閃は、登校中にうずくまっている1つ上の先輩の煌に声を掛けたことから知り合います。
同じ時間を過ごす内に、閃にとって煌が特別な存在になっていきます。
でも、煌には辛い過去があって…。
大好きだった1つ上の先輩。その先輩の彼女との三角関係。そして、先輩の突然の死と、先輩にそっくりな閃。
煌も辛いけど、そんな煌を傍で見守りながら何もできない自分に対する不甲斐なさとか、亡くなった人に対する嫉妬とか、閃の心情も辛くて…。
ただただ一生懸命に恋する様子にキュンキュンします。タイトル通りの先輩を想う後輩のお話で、びっけさんはファンタジーものという印象が強かったけど、こういうのもいいな~と思いました。
自分でも何でかなと頭抱えるのですが、
いい話なのにすっごく心に残るというほどでもなく、繰り返し読んでも何が原因なのか解らない…。
なんだか悔しいです。
人が亡くなっているという衝撃的な始まりですが、けしてドラマチックに描くのではなく、淡々とした日常の風景のなかからゆるゆると過去の謎が解かれていき、徐々に恋模様も進んでいくという無理ない展開により、等身大の男の子達を描くのに成功しているんじゃないかなと思います。
しかし女の子は強いね。
彼女が立ち直ってくれたからこそ、煌も亡くなった先輩との思い出に区切りをつけられ、前を向けるようになった。
そして煌の見る、新たな景色のなかに閃がいてくれたことは、本当に幸せなことですよね。
ラストも心暖まるもので、いい話を読めたなぁと思いますが、思うほど心に留まらないのは何故なのか(汗)
ただひとつ言えるのが、1Pぶち抜きの大コマの使い方は好きなのですが、他のコマ割りが私好みではなかったようで、そこで印象に残りずらかったのかなと思います。
相性、なんですかね…。残念!
私がこれを読んだのは1年以上前のことで、しかも今この本が手元にない状態なので、あいまいな記憶からあらすじを書くのはやめておこうと思います。
しかし、そこで私が何が言いたいのかというと、1年以上たった今、私は内容を覚えていないぞ、ということです。
たとえば、このちるちるさんの質問コーナーでもよくあるように、題名は思い出せないけどあのシーンだけは思い出せる…なんだったっけ?と思える作品は、少なからず心や記憶にその作品の中の何か、が残っているということで、この作品に関して言えば、そういった何か、が私の中には残りませんでした。
私は母親の影響でたくさんの“名作”と言われる漫画を読みました。それとこの作品を比べるのはちょっと違うかな、と思いもしましたが、結局は同じ漫画の部類であるので、そういった面から言っても、心に残る作品はいつの時代にでもあるのだと思いたいです。
そういった願いも込めて、中立、という評価をさせて頂きます。
でも、びっけ先生には、たくさんのファンの方もおられ、有名な作品も多いので、この先生の別の作品も読んでみたいと思っています(^^)
まだ続いている、茜新社集中発掘。
まっ白なバックに浮かぶ、ブルートーンの二人。
二人の立ち位置、視線、光の当たり方。
このカバーイラストが総てを物語っています。
これは、高校生だからこそ成立する物語。
まだ恋を知らない子どもだった閃が、1年先輩の煌に出会って、煌の恋の軌跡を追ううちに、自分が煌に抱いている感情が、これは恋愛感情だと、ゆっくり気付いていく。
と同時に、煌も三角先輩との過去を昇華して、今いる、閃への気持ちを受け入れていく。
こういう成長物語、好物です。
二人の関係がキス止まりなのも好ましいです。
BLでもこういう話があるんだと、ハマって読み始めてすぐに出会えた作品。
地元鎌倉が舞台なので読んだのですが、厚い一冊丸々二人の事が丁寧に描かれていて素晴らしかったです。
ただ一つ残念なのは、亡くなった三角先輩にさほど魅力を感じなかった事。
重要なのは此処じゃなくて今なので全く問題ないのですが、煌先輩は二股かけられてもなおこの人の何処が好きだったんだろうというのが分かり辛かったです。
あと何より、彼女のユリさんが可哀想で。
この子の犠牲の上に成り立ってる事を考えると、二股設定はなくても良かったんじゃないかと思えてしまいました。そしてドンドン下がっていく亡くなった三角先輩の評価。
煌先輩受だと思って読んでいましたが、実際どうなんでしょう。
自分のコンディションが悪いのだろうか。どうしてもイライラしてしまった。
落ち着いて読めなかった。
身勝手な野郎だなとしか
思えない。
大好きだった先輩に似た後輩に出会う。
先輩は亡くなった。
先輩は彼女がいた。
男と女と両方つきあっていた。
亡くなった後の日記で
彼女ではなく男の恋人が
好きだったことを知る
うーー!女なんて嫌いだけど
彼女立派だったよ
日記渡せたんだから
女の方が好きだったんだと
うじうじしていた男より
彼女の心情がどれだけつらいか。
そっちばかり気になった。
呑気に2人で付き合ってる場合かよ。とイライラした。
花言葉が好きでよく調べてしまうほうだ。
だから紫陽花の花言葉も知っていて、
煌が「アジサイの花言葉って知ってる?」
と言った時、すぐ意味が理解できて
鼓動が早まった。
でも杜若の花言葉は、
「幸運が来る」、なのですね。
そして煌という漢字は
「光が四方に大きく広がる」
という意味なのだそうだ。
閃がいることで煌は幸せになり、
閃にとって煌は温かくて大切なものなんだろうと
想いを巡らせることが出来た。
腐的妄想というよりも、余韻の中で
ふたりの幸せを願う感じの気持ち。
物語は三角先輩の死から一年経った命日に、
先輩と付き合っていた煌と
後輩の閃が出会うところから始まる。
「三角先輩」が好きだったからこそ、
先輩の気持ちを確かめることが怖かった煌。
通夜で「彼女」の存在を知ってから、
大好きな人が死んだのに泣くこともできず、
信じることも出来ないのに諦めてもいて、
残された自分は好きと言う気持ちを
どこにやることもできない。
物語の視点は、ほぼ閃で進んでいくのに、
煌のやるせない気持ちが
しっかりと伝わってきた。
そして、一番心に残ったのは
1話目の冒頭に戻る、第6話の煌の慟哭。
私、読みながら、ただ「わ、わ、」って掴まれた。
物語の構成に「やられた」というかびっくりした。
全く同じモノローグ。
一度冒頭で見ているのに衝撃は大きく、
繰り返すことで自分がとても
揺さぶられているのが分かった。すごい。
想いが通じてキスをして、
人目をはばんで手をつなぐ、
恋の始まりのころまで。
セックスなどないけれど
「閃のこと早く立体で感じたい」っていう
煌らしい台詞のキザなエロスは
ドキドキした(笑)。
煌の言葉遣いは全体的に高校生っぽくなく、
キザ過ぎる台詞が苦手な私には
かっこつけてるようにも感じましたが、
読み進めていけばこういう子なんだな~と
思えて納得できました。
きっと描き方がとても秀逸なのだ。
びっけさんの描き方は、
技巧と言うよりも丁寧さと愛情を感じる。
ひとつひとつに意味づけを
しているようで心ひかれる。
作中の花言葉もそうだけれど、
カバー下や中表紙の桔梗も。
レビュー冒頭に書いた杜若の花言葉や
煌という漢字の意味もそう。
そして杜若で思いだした和歌があった。
神山や 太田の沢の かきつばた
ふかきたのみは 色に見ゆらむ(藤原俊成)
(訳)
神山近くの大田神社のかきつばたに深く願う恋は
そのかきつばたの色のように、
何と一途で美しく可憐なんだろう。
この歌にふたりを重ねました。
ひとつひとつ説明などはされないけれど、
びっけさんの想いは作中にちりばめられていて、
それが読者に伝わって、連想を生んで、
それがまたさらに感動になるんだろうな。
繊細な心の動きの描写が好きな方へおすすめ。
「死」という重いテーマがカギになりますが、
それを乗り越える、爽やかで心地よい読後感です。
絵はデフォルメの少ない清潔な印象。
びっけさんの作品はファンタジーものが
多い印象でしたが、
これはかなりリアルに描いてあり、
鎌倉に行きたくなるという感想も納得。
煌先輩のことを好きになってしまったのは、自分を通して誰かを見ている、その少し遠い目が悲しくてもどかしくて、気が付いたときにはその視線が欲しくなっていたんでしょうね。先輩は物憂げな様子が非常に似合う人です。そしてその影が自分に似た存在が作らせているものなんだと知っているからこそ、閃の痛い思いが物語中盤からぐんぐんこちらに迫ってきて、感情移入していました。
題名の【先輩】は、閃にとっての煌先輩でもあり、煌先輩にとっての三角先輩でもあるのだと思います。
閃は三角先輩のことをいまだに昇華できずにいる煌【先輩】を見ているし、煌先輩は忘れたくても忘れられない三角【先輩】を見ている。忘れられなくて当然だと思います、最後の最後、お通夜で二股をかけられていたこと、その相手が他校の女子生徒だということ、男であり後輩である自分はおそらく本命ではなかっただろうと思いこんでしまうこと…それでも三角先輩のことが好きで本当のことを知りたいと思っているからこそ、昇華もできないし忘れられないし、命日には心痛みますとも。
だからこそ、この命日に三角先輩とよく似ている閃に出会えて良かったんだと思うんです。このきっかけが思い出のなかでくすぶるだけだった煌を救ったはずです。
途中、閃のモノローグでたしかに彼がまだ高1なんだなぁという幼い面を感じます。序盤で三角先輩がユリさんと煌とで二股をしていたことが発覚したときや、『煌先輩が笑っていると嬉しい』というところも。この、悲しい顔をしてほしくない、笑っていてほしい、単純なことだけれども、好きだから想うことですよね。
ユリさんから三角先輩の日記を受け取り、それを煌に渡した後。
このときの慟哭が、冒頭に繋がると分かり鳥肌がたちました。
てっきり、あの慟哭のあとに煌と閃が出会ったのだとばかり思っていたので…。悲しみと真実に喘いでむせび泣く、三角先輩が逝ってから一年の間、煌は恨んだり求めたり懐かしんだり恋しがったり…色々な思いをしてきたんでしょう。その溜まりに溜まったものが、堰を切ったように流れ出たあの叫びは胸に突き刺さりました。
みんな痛みを抱えていた。三角の本命ではなかったユリ、三角を重ねられていた閃、三角を忘れられずにいた煌。煌がいちばん痛みの少ない立ち位置なんじゃないかと思うのですが、痛みは人それぞれで煌もまた辛いんですよね。
閃は、物語が終わりに近づくにつれ、「貧血かな?」と思って煌に歩み寄って来た頃の姿とは全然異なる横顔になっています。もっと小柄でしたし、幼かった。煌と過ごした時間と共に成長していました。
ぎこちないキスも、人目を憚って手を繋ぐことも、とても可愛くてもどかしくて甘酸っぱい。これはびっけさん独特の世界だと思います。過去作のどれとも、設定や国やまったく異なりますがどこか似ているように感じるのです。
舞台である鎌倉には行ったことがないので、出向いてみたいと思いました。
鳩にごはんをあげたり、ろうそく持って洞窟へ入ったり…。ふたりは卒業旅行でも、並んで歩いて時には触れ合いながら、ヨーロッパへ行くのでしょうね。大学に入っても、社会に出てからも、喧嘩したりすれ違いながらもずっと、ずっとこのふたりは一緒に居るような気がします。
びっけ先生の持ち味である繊細な感じが全体的に表れててよかったです。こころ洗われました。
ですが私としては少々期待し過ぎていた部分があったようです…先輩後輩CPに無限の可能性を常に感じている自分は、このふたりにはなかなか心を奪われなかったです…
しかししっとりしたいときにはとてもよいとおもいます。しっとり葛藤BLです。これならきっとBLに少し抵抗がある方でも全然イケるかと思います。ごちそうさまでした…!
びっけさんの本もとても話題に上ることが多いので、一度は読んでみようと思い手に取った一冊です。
「杜若 閃」(かきつばた さき)だなんてもう名前からして素晴らしい(笑)
ところで、この話には、「気になる」から「恋愛」に発展するのに、別に珍しい台詞もないし、特別なイベントもありません。でも二人の距離は確実に縮まっていきます。その上、この話にHシーンはおろか、二人がいちゃつくシーンすらほとんどありません。はっきり言ってしまえば、どちらが攻め、受けなのかも分かりません。それでもびっけ先生は確実に支持されている。
「なんだろう、この空気感」というのが正直な感想です。決して今までのBLに感じていたような萌えはないけれど、静かな感動が読後に広がります。
杜若(かきつばた)の花言葉は『幸運が必ずくる』『幸せはあなたのもの』です。
高校生…子どもではないけれど、おとなというには少し拙い…そんなお年頃のお話です。
杜若閃(かきつばたさき)はある日、ひとつ年上の藤波煌(ふじなみこう)と知り合います。
閃よりもひとつだけ年上の煌は、そのたった1年の間に大切な人を事故で失うというつらい出来事を経験しています。
残された想いを抱えたままの煌と、煌の大切な人:三角に面差しの似ている閃。
少しずつ時間を共にして近づいていくふたり。
そんな中、誰の目にふれさせる為でもなく自分と向き合う為に綴られた三角の日記が出てきます。
先に日記を手にした(読んでしまった)閃は自覚し始めた自分の淡い気持ちにぐるぐるします。
三角という人物を通して煌を知る自分。
自分を通して三角を見ているのかもしれない煌。
それを『イヤだ』と思う自分。
往復させない限り、相手の気持ちはわからない。
相手の気持ちをどれだけ思いやってみても、それはあくまで自分の想像。
やりとりをしない限り、人と人とは歩みよれない。
自分の気持ちに向き合うべく日記を渡す閃はとても潔いです。
そして三角の想い、閃の想いを受けとって初めて泣くことのできた煌。
塞がっていた心に風穴があいた瞬間の煌の表情がすごくイイです。
誰かを想うときにつきまとう不安や葛藤。
それでも生きているなら、その繰り返しからもっともっと歩み寄れる。
杜若(かきつばた)の花言葉は『幸運が必ずくる』『幸せはあなたのもの』です。
煌のとっての幸運が閃ならいいな、と願います。
きっとそうだよね(*´艸`)
訝るような眼差しでこちらを見つめる表紙が美しいです。(ジャケ買いしたw)
そしてキャラウェイのカレーが食べたくなったのでした…。
『真空融接』が大好きだったびっけさん。
読んでよかったこの作品。じわじわと浸透してくる切なさがたまらなくいいです。
恋の芽生えから気持ちを確かめ合うまでのドキドキするものって、ぐっはーとなりますな。透け透けな黒レースよりも一巡して純白な木綿のパンツがチラ見えのほうがよっぽどドッキリするといったアレです(どれだ
正当なBLで等身大の高校生!『先輩』というタイトルの奥深さを噛み締めながら、厚みのある一冊をじっくり読ませてもらいました。
扉絵の美しい桔梗にも、花言葉の意味があるんじゃないのかなんて勘ぐってしまうほど、びっけさんの漫画は繊細です。
自分の恋心に気づいてなかったウブで幼い感じの高1の閃君。体の線も細く背も煌先輩より低いのに、秋には見事に抜かしているというね。萌えます。
この、思春期に少年から大人に変わる~♪時期っていいですよねえ。猫っぽい顔だったのにちょっと面長になって精悍になったりね。可愛い年下の男の子がすっかり大人の男に育っていくのを見させてもらえて大変満足です。
舞台がまた爽やか高校生ものにうってつけな鎌倉や江ノ島。いやこれは私の勝手なイメージですが…。
大仏様のいる高徳院と長谷寺に行ったばかりなんだけど、鶴ヶ岡八幡宮にも行きたくなりました。鳩のストラップ欲しい!
鎌倉って何度行っても行けてないスポットいっぱいあるんですよねえ…電車で行くとすんごい遠いけど。車ではもっと遠いけど。この作品に出てきた成就院にも行ってみたいです。
アマゾンやこちらでの評価が高かったことと、初版特典にポストカードと折り本ペーパーがつくとあったので、初版がなくならない内に……!と思って購入しました。
びっけさんの漫画を読むのは、ビブロス版の「真空融接」と「BAKU」以来なのでずいぶん久しぶりです。
煌と閃の間には、常にもう一人の今は亡き『先輩』の存在が、心に引っかかったトゲのように存在しています。
一見すると重くなりそう話なのに、春から夏にかけての季節感と、鎌倉の風景がそれを緩和させ、逆に抒情的に見せていました。
その辺の描写の仕方が上手いなあと思いました。空気感があったと言うか。
読み終わって、なるほどこれはタイトル通り『先輩』の物語なんだなと思いました。
後輩が好きな、『先輩』の話なんだと。
春から夏にかけての、今の季節に読むのにぴったりなBL漫画だと思います。
そして読んだら、鎌倉に行きたくなりました……!
一読する前にいつもの癖でカバー下を見たら
裏も表も全面に薄墨色の桔梗の群れ。
そして口絵の表には白桔梗。口絵の裏には
お馴染みの青紫の桔梗。
本編を読んで桔梗の花言葉を検索してもう一度
思いを巡らせて合点がいきました。
……卑怯ですね、相変わらずこの紡ぎ手は。
ポストカードにも描かれている蓮には確実に
意味が忍び込ませてあるのでしょうけど。
出来上がった恋愛を描くのではなく、恋愛の
萌芽から熟成する前段階までを描いた佳作だと
評者は感じます。
この熱は厄介なことにじわじわと心を侵して
ゆきますね。一枚の恥じらいを常に視界に
感じさせつつ。
萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
「この人が好きだ」と自覚する手前の心の段階をひとつずつ丁寧に積み重ねた、実に正統派な青春物語でした。
浮気や死という結構ヘビーな題材を扱ったストーリーながら、反比例するように繊細でまっすぐな印象を受けるのは、「人を好きになる」という感情に純粋に焦点を置いているからに他ならないでしょう。設定に頼って下手にドラマに走らない分、純度が高い。
更に、びっけさんの絵柄や舞台を鎌倉と江ノ島にしたのも相乗効果となって、とても清々しい読後感に包まれました。
バドミントン一色で過ごして来た高校1年生の杜若 閃(かきつばた さき)には、最近仲良くなった先輩がいる。一つ上の藤波 煌という先輩だ。まっすぐな姿勢で絵を描く先輩は、一緒にいても時々、「俺」でも「今」でもないどこかを見つめることがある。
どうやら先輩は、過去という荷物をどこに置いていいのかわからないまま心の一部分が立ち尽したままのようなのだ。閃は、そんな先輩が気になって仕方がない。
はたして閃は、その荷物を一緒に持ってあげられるのだろうか。
長袖が半そでになり、そしてまた長袖に腕を通す季節が巡ってくる。
そうして季節は移ろい、人の心もまた、ずっと留まってばかりではいられない。それが生きているということなのだから。
「真空融接」しか読んだことのないわたしが言うのもなんですが、受け攻めやキャラクター、ストーリーラインにおいても、びっけさんていい意味で輪郭が曖昧ですね。
やれ、受けだ攻めだ、ヘタレだワンコ攻めだ執着攻めだなんだのと、どっぷりとカテゴライズされるような作品に浸かっていた脳がちょっと洗われました。
清涼剤のような1冊でした。
特典のポストカードがこれまた素敵なのですよ。
が。
作品が素晴らし過ぎて、好みじゃないなんてのは小さいことだっていうか…
胸に迫ってくるものにお手上げで完敗というか…
とにかく今年のベストテンに絶対入れたい作品でした。
細かい内容は既にレビューされてますので省きますけど、力技の展開ではないのに、二人それぞれの気持ちが痛い程伝わってくる描写が、上手いなぁと思いました。
一話ごとのまとまりも心地よいし、一話の区切りに余韻があったりするし。
舞台が鎌倉~江ノ島というのも素敵な舞台設定でした。
(先日、江ノ島が舞台の「ここにいようよ」を読んだばかりで、江ノ島の風景が脳裏に浮かんでたのも影響あるかも。小説ですが、コレも良かったです)
ラブシーンはキス程度でですけど、コレはコレで自分は全然おっけーです。
ただ…どっちが攻めで受けだろうと…やっぱり後輩くんが攻めですかね!?
<あらすじ>
鎌倉の高校に通う杜若閃(かきつばたさき・高校1年・バドミントン部)は、登校中、道にうずくまる一つ年上の先輩・藤波煌(ふじなみこう・高校2年・美術部)に声をかけたことがきっかけで話をするようになる。二人は学年も違えば、部活も違うのに、その後もなにかと一緒の時間を過ごし、次第に親しくなっていく。
それに伴い、閃は次第に煌にひかれていくのだが、煌は死別した恋人・三角(みすす・男)に囚われたまま、三角に似ている閃を正面から見ることができない。
そんなとき、ふとしたきっかけで三角が生前書いていた日記を閃がもらいうけることになるのだが・・・
<感想> ※ネタばれあり
はじめての作家さんで、表紙買いしました!!
煌は、同じ中学・高校の先輩である三角と付き合っているのですが、三角は交通事故で亡くなってしまうんですよ。そしてそのときまで、煌は自分が三角の彼氏だと思っていたのですが、実は三角は他校のユリ(女)とも付き合っていたのです。三角が二股をかけていたのは、三角の日記の内容から察するに、おそらく男同士の恋愛に疑問を感じているなか、たまたまユリに告白されたことから、試しに女の子とも付き合ってみたんだと思います。ただ次第に煌にもユリにも悪いことをしていると罪悪感に苛まれ、いざユリと別れて、煌と一緒にいようと思った矢先に交通事故で死んでしまいます。
しかしそんなことを当事の煌は知る由もなく、日記を読むまで、自分の思いの重さが原因で三角が二股をかけるに至ったと誤解してしまいます。そんななか、一年後の命日に一人悲しむ煌に閃が話かけたことがきっかけで二人の関係がはじまります。
閃は煌と話していくうちに次第に煌に惹かれていくのですが、当初は「恋人を亡くしたかわいそうな人」に対する同情から来る思いだと勘違いします。しかし、煌が閃を通じて三角を見ていることがわかると、自分自身を正面から見てもらいたい気持ちに気付き、それが恋だとはじめて認識するのです。
そして日記を受け取った煌は、三角やユリ、閃、それぞれが心に傷を抱えていることに気づき、過去の恋と決別し、新たな恋を閃とスタートすることになります。
恋愛はきれいなものばかりではなく、時には傷付き、傷つけあいながら、育んでいくものであることに気づかされる作品です。全体的に悲しい感じのお話なんですが(最後はハッピーエンドです)、穏やかに関係を築いていく閃と煌の進展は見ていてとても優しい気持ちになれます。
自分のお気に入りは、最後に煌が閃に対して
「俺が好きを全部伝えきる前に、俺の前からいなくなったりしないでくれよ・・・頼むから」
と、話しかけるシーンです。
愛する人を失った人って、きっとみんな煌と同じような気持ちなのかなって思うと、ハッピーエンドのはずが、なんだが悲しくなりました(泣)
評価を「萌」にしたのは、個人的に、絵柄が苦手だったからです・・・絵が平たんといいますか、感情の起伏が読み取りづらいといいますか・・・(作者さん、ごめんなさい!!)
ちなみに、名前の「煌」と「閃」は、それぞれ、「きらめき」と「ひらめき」です。
付き合うのが運命であったかのような名前ですね♪
OPERAで全話既読でしたが、やっぱりよかった~!
最終話の後の番外編は加筆されて甘さが増してました。
「先輩」という言葉がこんなにも胸に響く作品はないんじゃないか、っていうくらいです。
これは是非ドラマCDで「先輩」という呼びかけを生声で感じてみたいと思うほどに、キュン萌えするほどに頻繁に出てくる言葉です。
バドミントン部の男子高1年生の閃(サキ)は朝遅刻しそうになり、電車を諦めて遅刻覚悟で歩いていこうとした途中の神社の階段でうずくまっている同じ学校の制服の生徒を見つけ声をかけます。
それが、美大を目指している2年生の煌(コウ)でした。
閃の顔を見た瞬間口に出た”三角先輩”という言葉。
一年前のこの日、付き合っていた先輩が亡くなった命日になり学校へ行きたくないのだと言う。
閃はこの三角先輩に似ているのだというのです。
てっきり女性なのかと思っていた閃は、下校時一緒に帰ることになった煌に亡くなった三角先輩の事を聞いてみると三角先輩は男だと言うことが解る。
しかも後日、練習試合に来た女子高の生徒から三角先輩が付き合っていた彼女がその学校に居ると聞く。
煌先輩は嘘をついていたのか?
半信半疑のまま煌に其の事を告げて煌を怒らせてしまう閃。
しかし、それがきっかけで三角先輩が二股をかけていたこともわかり、二人は仲直りをし、閃は煌の笑顔を見ることが嬉しく感じるようになるのです。
そんな時女子高との顔合わせの席に、三角先輩の彼女だったというユリという女子が現れ、煌の名を口にする閃に、葬儀の時に先輩の親から渡された先輩の日記を煌に渡してほしいと手渡されるのです。
閃がとても素直です。
よく知りもしない事を自分の感情だけで煌に発言して、それをとがめられれば素直に謝る。
煌が先輩と自分を重ねていることを多少は気にしながらも、日記の存在に出会うまでは、ただ先輩の笑顔が見たくて純粋に先輩に惹かれて近づいていくのです。
そして、日記によって自分の知らない煌の姿が書かれていることに嫉妬を覚え、自分を見てほしいと願うようになる、大きな転機になるのです。
煌はこの日記によって、自分の事だけで精一杯で誰の事も見ていなかったことに気がつく。
先輩の死によって、悲しくて苦しかったのは自分だけではなく、皆が苦しかったんだということに気がつくのです。
閃との関係においても三角先輩と同じで与えられるばかりで、自ら歩み寄ろうとしていなかったことに気がつくのです。
こうして初めて互いが素直に向き合うことができるようになるのです。
それぞれがどうしたらいいのか、悩んで傷付きながら学んで行く、
その過程がとても丁寧に、そして的確に、何気ない学生生活を通して描かれる姿はとても自然でした。
鎌倉から湘南の海岸風景もまた青春にふさわしいロケーションでした。
どこが突出しているとか、上手く伝えることができないのですが、真面目にそして地に足のついた展開で進む青春物語なのだからこその、感動なんだと思います。
ローリング萌え萌えするとか、キュンキュンが激しく襲ってくるとか、そういう可愛らしさや派手さはないのですが、じわじわ~と浸食するように胸に響いてくる感動系のお話なのです。
特典の折り漫画は、卒業したら海外へ旅行に行こうという、掲載番外の前振りぶっちゃけ話になります。
今月発売のOPERA32号にも、前振りの番外2Pが載っていますヨv