ビューティフル デイズ

beautiful days

ビューティフル デイズ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神48
  • 萌×226
  • 萌17
  • 中立6
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
27
得点
401
評価数
100
平均
4.1 / 5
神率
48%
著者
斑目ヒロ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス・リンクスコレクション
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784344823846

あらすじ

高校生の朝陽は、幼い時に叔父・棗に引き取られてから共に生活している。ある日、動物の拾い癖のある棗が人間も拾ってきて!?
(出版社より)

表題作ビューティフル デイズ

棗,30歳代,生き物を拾う癖のあるダメ叔父
朝陽,高校生,引き取られた血の繋がらない甥 

同時収録作品アナザーライフ

同時収録作品今日 あなたに別れを告げます

同時収録作品明日 君に愛をささやく

同時収録作品昨日 僕らは罪を抱いて

その他の収録作品

  • ビューティフルサンデー
  • ビューティフルライフ 前後編
  • あとがき
  • カバー下漫画

レビュー投稿数27

これも一つのバイブル


情緒が安定していない拗らせた攻めが斜め上の方向に飛んで拗れたことをやっているお話です。

ビューティフルライフ、今日明日昨日ともにBL要素がどうでもよくなるくらい「人間」そのものにフォーカスして読ませていただきました。
その上で私には受け止めることが難しい話でした。

前者は共依存で突っ走れればハピエンの可能性あり。
朝陽はとてもいい子なのでできればくず男から解放してあげたい。

後者は元凶がもうどうにもならない思考回路の人で、その元凶に思いを寄せる子の執着が呪いじみているのが怖いです。
身も蓋もなく言ってしまうと、この2人でくっついで傷なめ合えばいいんじゃない?という具合です。
ミサトもとてもいい子なので元凶から解放してあげたい。

唯一感情を揺さぶられたのは、朝陽が「おかあさん」と過去に支配されながら蹲るシーンですかね。

自分の地雷はこれだ!と主張できる要素が盛りだくさんで、これも一つのバイブルだと思いました。

0

読み進むにつれ だんだんと悲しくなってくる

朝陽君も棗さんも気の毒。
二人は多分、共依存症。お互いに必要だと思っている、病的に。
朝陽君も棗さんも、似た者同士、独りになれないトラウマを持っている。
読み進むにつれ、物凄く悲しくなってしまった。
二人が幸せになる続篇、描いてください。

朝陽君は、母親から育児放棄されて餓死寸前のところを、遠縁の棗さんが借金をして養育費を作り引き取った子。
育児放棄された時の恐怖を癒せないままの朝陽君は、取り残されて独りぼっちになると、パニックをおこしてしまう。
棗さんは、可愛そうな生物を見つけると、見ない振りが出来ない人。
見つける都度に拾ってくる。拾いものは動物だけじゃなく人間も。
・・・管理能力を超えた数を拾う過剰多頭飼育も、精神的な疾患の一つ。
心に癒せない傷を持つ二人の間に、誰も入り込む隙間が無い。

もう一つの話は、メイを取り合う3人のサトの話。
一番メイを欲しかったサトが、メイに選ばれなかった訳が切ない。

---

*棗x朝陽
ビューティフルデイズ
ビューティフルサンデー
ビューティフライフ前後
アナザーライフ

*メイx三人のサト
今日あなたに別れを告げます
明日君に愛をささやく
昨日僕らは罪をだいて

---
共依存:英語: Co-dependency)、共嗜癖(きょうしへき、Co-addiction)
依存症者に必要とされることに存在価値を見いだし、ともに依存を維持している周囲の人間の在り様。 「他人に必要とされる必要」

0

腰を据えて読む一冊!

二作品、どちらも重くて痛くて苦しいです。
でも、その先にはきっと再生と癒しがあると思わされるので救われます。

人の心は複雑で、綺麗事だけではないと、
斑目さんの作品を読むと思います。

ただ辛いだけではなくて、
そこでもがいている人たちのリアルな感覚に、
読んでいる方も引きずられてしまうので、
ついつい一生懸命考えながら読んでしまいました。
でも、私ってこんなに必死に生きてないなぁとも……

私は基本、BLにはらぶらぶはっぴー❤️を求めているので、
こういう重くて痛いお話は読まないのですが、
斑目さんのはつい手にとっとてしまいました。

読みながら、必死で光を探している私……
光が見つからなければ封印なのてすが、
そうならなくてよかったです!

それでもやはり「萌える」かと問われれば……辛い。
しかし、アナザーライフは良かった!v
これに救われて「萌×1」で!

1

「ミサト」と呼びかける日が来ますように・・・

班目先生の作品で未読なのはこちらのみとなってしまい、なんだか尻込みしていたけど読んでみました。

「今日あなたに」シリーズから
「明日 君に愛をささやく」に特化してネタバレ含めて書きます。

何度も読み返しました。
読み手によって色々な感想を抱くと思いますが、私の感想を一言で言えば「現時点ではひたすらやるせないけど、希望の光が見える」です。
自分の中では消化しきれない気持ちも含めて、他の読者の方々と語り合いたい気分になる作品です。

ハッピーエンド命の私なので、なんとか希望の光が見えないかと何度か読みましたが
「明日 君に愛をささやく」はメイの中での美里に対する変化の兆しが見えたと思うんです。

メイは三人のサトに愛されたけど、その中で特別な「サト」はサトシでした。
かっこ付きの「サト」が特別な存在として表記されてます。

メイが自分に言い聞かせする途中がキーだと思うんです。

美里にとっての自分は、サトシに対する復讐心とプライドを守る幸せのために存在しており
自分はなぜ美里と一緒にいるかというと美里の役に立つ幸せと、サトシを選ばない事が自殺したサトミへの償いになるためだと考えるメイ。

それに自分のために誰かの気持ちを切り捨てる残酷さとその代償を知ったから、もう二度と誰かが犠牲になるようなことはあってはならない、
だからこれでいいんだ・・
なのに、なぜ、サト(美里)から向けられる愛は痛くて、苦しいのか?とメイは考えます。
それでも俺はサトを愛してる サトを愛していこうと思う。
俺にとって特別な子・・・傷ついた「サト」に小さな幸せをあげるために(→ここから「サト」になってます。)
僕を愛した寂しい眼をした「サト」

ここでメイは気付くんです。

「サト」はどんな顔だったか?
さっきの「サト」は一体どのサトのことを指しているんだ?

今まで彼の中の「サト」はサトシでしか有りえなかったから、こんな疑問を抱くことが異常だと思うんです。

そしてメイの視界にベンチにぽつんと座ってメイを待っているサト(美里)の姿が入ります。
メイは三人のサトはみんな少しずつずるくて愚かだと思っていたのだけど、美里はその中でも少しだけ違っていた事に気づくんです。
他の二人よりも少し優しくて、少し聡くて、少し前を向いていて、少し寂しい人だった・・・と思いながら、美里のいるほうへ向かうのですが、なぜか理由もなく気が焦って次第に歩幅を広げて息急き切って彼の元へと急ぎます。
そして呼びかけるんです。サト、と。(かっこ付きではない普通のサトです。)

振り返った美里をみて メイはなんて都合のいい夢を見てたんだろう・・って気付きます。
美里をすべての(サトシとサトミ)身代わりにしていた自分に気づいて、心が壊れた美里を前に「これが自分の犯した罪だ・・・」と気づきます。
そして美里へ「ごめん・・・」と言う。

ようやく初めてまともに美里と向き合ったんじゃないかなと思います。

心が死んでもはや抜け殻の美里。そこがメイのいう「少しだけ他の二人のサトとは違う」ところであり、サトシとの差なんだと思う。サトシは愛していないアキラの腕の中にいても心壊れない。
メイにとって身代わりでしかなかったこの恋は美里の心を殺してしまいました。
だからこそ足早に近づいたメイは彼に「ミサト」と呼びかけてあげて欲しかったんだけど、この呼びかけ時点ではまだ自分の罪を自覚していないので「サト」と呼びかけてしまったのではないかなと思います

今はまだ贖罪の意識で美里が許してくれる限りそばにいることを誓っているようですがそのうち「サト」に関わるものとは決別して、
「明日 君に愛をささやく」」のタイトル通り、明日=未来・これからは愛をささやいてくれて「ミサト」と名前を呼んで、美里の心が蘇るといいなぁと心の奥底から熱く熱く妄想しております。


------------
表題作 こちらもネタバレしてます。

冒頭からのほほん&博愛精神に富んだ攻めというイメージでずっと描かれていただけに
街中でのやり取りの際、感情を剥き出しに受けに執着する姿が格別際立って見えました。あそこの場面は劇的ですね。

愛されたいと思ってもいい、人を愛してもいい、ということがわかった受け、永遠に幸せになってほしいです。

肉欲が絡むと、情欲や愛憎がまじっていつか別れてしまう時がくるかもしれないから、一切それを省いた清らかな真綿でくるむような愛を与えて、家族でいれば別れることがないと考えてたなんてねぇ。泣けます。

だからって彼氏を家に住まわせたりしていいのか?そこはずーっと受けに対する思いを抱えたまま悶々として欲しかった・・とも思ったのですが
受けは性に関する知識が皆無で、彼氏がいるということが性的にどういう意味があるのか、全く理解していなかったようなのでまぁいいか・・となぜか思ってしまったり、どうしようもなく湧き上がる獣のような愛をなだめるために、代替え品として他の人と仕方ないか・・・聖人君子ではないし攻めも若いのでそりゃしたいだろうから仕方ないか・・・でもそこも我慢して欲しかった・・・などそこらへんが自分の中でグルグルします。


14

ツボにはまれば

班目さんの出版されている本の中で最後まで読むか迷っていた作品です
なぜならみなさんの感想にちょっとビビっていたから
読んでみてとても良かったです
ビーティフルデイズ ツボでした 文句なしに好きです
今日あなたに〜 切ないです
やっぱりバットエンドだと思うなあ
恋に落ちれば必死で身勝手になるものだから、私は誰がどうのとは思いませんがどなたかが書かれていた通りメイのミサトへのサト呼びをやめてもらいたい
ほんとにやめてあげて

1

泣きました。

斑目さんの作品は全て読んだと思っていたんですが、これは読んでいなかった事に、大好きな、「悪魔…」シリーズを読んで気付きました。

この作品は、皆さんも言っている通り、痛く切ない、とても重い話です。

しかも、まるごと1冊。

私も、BLでこれ程泣くとは思わなかった。

この先はちょっとネタバレします。



朝陽が自分の気持ちに気付いた途端棗に拒否されてしまい、棗の気持ちを推し量れない朝陽は、過去のトラウマにより、また苦しみます。

それでも、朝陽は棗を一番に考えている健気な所が、私は痛かったです。

棗は棗で、精一杯の嘘をついた朝陽を引き止める所は、人間臭くて私は大好きです。

共依存の様な関係ですが、実は、愛情たっぷりの恋人兼親子…の温かい関係に思えました。


ホントは、棗も家事は完璧に出来たりして。

それを敢えて朝陽にやらせて、気兼ね無く一緒に生活出来る様にしてたりして…

等々、色々と考えました。

が、結局、その答えは分りませんでした。?

広海のお話も、切ない中に救いの手があり、当て馬にされっぱなしじゃなく終わったのが良かったです。

もう1つの3部作品も痛く切ない話です。

1話ごと目線が変わります。

3人のサトとメイ、と、ちょこっとアキラ。

ホントは、誰が悪いか…という話ではありませんが、私としては、一番悪いのはアキラなんではないかと思います。

ちょこっとしか出ないクセに…(笑)

この5人のお話は、少し複雑で、何度か読み返してやっと理解出来ました。

でも、理解出来たからと言って、救われる事がない。

なのに、読まなければ良かったとは思わないんですよね。

ハッピーエンドではないけど、とても心に残るお話です。

5

複雑で、辛くて、重くて、心が痛い話

ギャグは一切なく、斑目先生のコミックスの中で一番シリアスです。
とくに後半の「今日 あなたに別れを告げます」は心臓をつかまれるような痛みを感じる話でした。

「ビューティフル デイズ」
母親に幼児虐待された朝陽は、妖怪の餓鬼のように痛々しい。
朝陽を引き取った棗は、動物だけでなく人間も拾ってすぐ肉体関係に発展するようなだらしない男だけど、朝陽は棗がつくってくれた居場所をとても大事に思っている。
でも棗がヨリを戻した広海が二人の生活に入り込んでくると、朝陽は邪魔者は自分だと感じ、居場所を失くす恐怖にふるえながら二人から離れようとする。
物語中、棗がどう考えているか語られることはなかったけれど、最後の最後に棗も朝陽への想いを爆発させます。広海との別れがあったからそうしようとしたんだと納得できました。
最新刊「悪魔にキスを 1巻」に後日譚が収録されています。二人とも別人に見えますが、すれ違っていた二人の気持ちが重なって変わったんだろうなと心が軽くなりました。

「アナザーライフ」
棗の恋人だった広海の後日譚。本編では朝陽を邪魔に感じてる部分がクローズアップされていたけれど、棗だけでなく、朝陽のこともちゃんと考えていたんだ、広海良い奴じゃん!と見直しました。そして広海のグチを聞き、傷を自信に変える言葉をかけるバーのマスタは良い男です!新しい恋の予感は、この本のなかで一息つける瞬間です。


「今日 あなたに別れを告げます」シリーズ
※なにを書いてもネタバレになってしまいますが…
斑目先生の、心の闇をえぐり出す話が好きな方は、ネタバレは一切読まずに、斑目先生の絵と展開で、登場人物たちの絡みあった関係性と心の澱を感じて欲しいです。

「今日 あなたに別れを告げます」ミサトの視点
アキラ:大学にくる高校生・飯田君が好き。似ているミサトを身代わりにしていたが、飯田君に想いが通じてミサトを捨てる
飯田君:幼馴染の大学生・メイが好きだけど振り向いてもらえず、アキラを受け入れてしまう
ミサト:アキラを奪った飯田君への復讐のため、メイを騙して恋人におさまる
ミサト→アキラ→飯田君→メイ 誰もベクトルが向かい合ってない4人の複雑な関係性…心が想い人に向かいすぎるてる分、他の人に対して残酷です。
始まりは嘘と復讐でもメイに惹かれ、誠実であろうと別れを決心したミサトは、メイが口にした飯田君のフルネームでメイの本心に気づいてしまう。誰の想いも報われていない、心臓をつかまれるような痛みを感じる話です。

「明日 君に愛をささやく」メイの視点
飯田君と、飯田君の双子の妹と、メイの話。メイの想いと抱えている負い目が明らかになります。

「昨日 僕らは罪を抱いて」飯田君の視点
飯田君が犯した罪が明らかになります。飯田君とメイはある意味で共犯者なのに、罪の意識と負い目から素直になることは許されないと思っている。

複雑で、辛くて、重くて、心が痛い話でした。
ただ、凝り固まった想いが、隣に居る人の温もりで、少しずつ溶けていくこともあるかもしれない、そんな余白を感じさせる終わり方に救われました。
読後感は良くはありませんが、作り込まれた話なので、ページ数の10倍はある長編・名作を読んだような心地よい疲労感があります。

4

評価が変わってしまいました

悪魔シリーズとは違い、ギャグ要素のない切ないお話でした。朝陽の暗すぎる過去と、痩せ細った体の描写が痛々しくて、ちょっと読むのに気合いを入れないといけない作品。
でも、ダメ男棗さんの生活能力のないところや子犬や子猫を拾ってくるやさしいエピソードなどが所々にあって、全体としては、じんわりと温かみも感じられます。
ただ、家族になれば離れないですむ、と言う話と朝陽に手を出せない分、他の子と付き合ってしまうと言う話は私の中では繋がりませんでした。
そこは溺愛して、悶々と過ごしてほしかった。
評価はずいぶん前につけたので神にしてますが、今レビューを書きながら再読すると中立くらいかも。

3

誰もハッピーじゃ無い

斑目ヒロさんは、「理想の〜」がツボで、悪魔シリーズを読んで、
レビュー等を見てこの作品を読みましたが、
とにかく、中に入っている二題ともに切ない…

始めは、表題作の「ビューティフルディズ」の方が面白いと思ったのですが、今は「今日あなたに〜」の方が読み進めて行くうちに何だか奥が深くて、一度読んだだけでは理解出来なくて、何度か読んでいるうちに全員の別方向へ向いたループの輪に自分もハマってしまう様な不思議な作品でした。

全員の少しずつ傲慢な感情が結果誰も幸せになる事がない。
付き合っているカップル二組が別れるバットエンドじゃあないのに
決してハッピーエンドじゃあない。
全員が、それぞれの事情を理解していながらも結局は都合のいい状態でいるしかなく、抜け出せない。

今日、明日、昨日、とずっとループしていくんだろうなと思われる作品でした。

心を壊し、殺してしまった美里。その美里に対して略奪したくせに、「そんなだから誰にも愛されないんだ」と追い打ちをかける、さとし。自分の都合のいい事ばかり考えて、人には偉そうに詭弁だと言うメイ。美里を当て馬にさとしを手に入れるアキラ。
誰もまっとうな人がでてこない…
恋愛の表面には見え無い、複雑な心理の入り混じった
そしてこんがらがってしまい、でも抜け出す事も出来無い物語です。

やっぱりBLは、わかりやすいハッピーエンドが好きなので、
作品としては二題とも面白かったのですが、評価としては、神寄りの萌2で。

とにかく、メイは、美里とさとしのサト呼びを止めて下さいと言いたい。

1

大人ぶってなんかいらんない

画がキラッキラで美しい。お話は重めです。本作『ビューティフルデイズ』は二つの物語が収録されています。一つめは、叔父と甥(ホントは保護者と養子の関係)の愛情物語。二つめは、「サト」という名前を含む人物たちをキー・モチーフにした物語。どちらもキュンをはるかに超えてズキンとくるわ。

『ビューティフルデイズ』 サラリーマンの棗は大学生の時、ネグレクトされていた朝陽を引き取り育てて来た。朝陽が成長して高校生になったころ、棗は朝陽への愛情と劣情の間で葛藤する。保護者としての責任、という大義がかろうじて棗の救いでもあり、忌々しい枷でもある。棗、大人の自負があるよ。でも耐えられるのか…?ウルウル瞳の捨て犬や仔猫すら無視できない優しい、優しいヤツだよ?棗さんの「よろめき」加減が色っぽいなと思いました。

『今日 あなたに別れを告げます』 大学院生、メイを慕う男女の双子、サトシとサトミの三角関係と、アキラとミサトのカップル、両者の人物たちが交錯する物語。一つめの物語も切ないけど、この物語はえぐられる。みんないい人。なのに好きな人のことになると、分別を保てないほど自己本位で意地悪な人間になる。自分を責めすぎることが実は大事な人を傷つけているかもしれない。相手に自分の感情を直接ぶつけた方が、罪は少ないのかもしれない。優しさは罪なんて言い得て妙。メイさん、包容力ありすぎでしょ。大人すぎるでしょ。性根だけは乙女なんで、こんな人いたら恋しちまうわ。

好きな相手を傷つけようとして極端に酷い行動をとったとしても、なぜか読んでいて嫌な気持ちがしない。そうならざるを得ない事情がちゃんと盛り込まれていて納得できますし、なによりも物語のベースに他人の痛みに共感できる、心の温かさを感じさせてくれる作家さんです。もちろん、重い話ばかりではなく、コミカルな要素を含んだ作品も描いていらっしゃって、そちらも綺麗な画とのギャップありつつ、イタ面白く読ませてくれます。

2

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