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少女の毒は蜜の味 究極に妖しく、最高に甘美な、中村明日美子の世界。
2shuukan no adventure
2周的冒险假期
「彼の左目」のためだけに買いました。
「2週間のアバンチュール」
こういう怖さを持った子っていたなぁと思いながら読みました。女の子の残酷性は生臭い方に向くのはどうしてなんだろう。どんなにかわいい顔して清純な子でも、こういう部分って持ってるよなぁ、と。女って怖いですね。
「ヒメコちゃん」
ちょっとブレイク。彼に工事がなぜ必要だったのか、私にはわかりませんでした。
「彼の左目」
ドストライクです。買ってよかった。私にとっておいしいところだけが詰め込まれています。もともと魔性のユージーンが過程も含め非の打ちどころなく成長してくれていて、理想そのものです。ありがとう。(何に?)耽美・アナカン的世界はこうでなくては!というお手本のようなお話でした。
「Belgian waffle」
モーガンのその後のお話。大団円といったところでしょうか。
実は「同級生」などの作品よりも、これらの作品群の方が私は好みです。BLかどうかは別として、耽美主義・淫靡さ、いかがわしさ、異端の、そう言った雰囲気を楽しめる一冊だと思いました。
中村明日美子先生の新刊『薫りの継承』のレビューでこの作品に触れたので、読み返してレビューします。
・『2週間のアバンチュール』
年齢より幼く見える少女アンジュの2つの夏のコロニーでのお話です。
最初の夏、アンジュは書くのもおぞましい『罪』を犯します。裁かれるようなことではないので『罪』というのとは違うかもしれません。2度目の夏の出来事に至っては、相手の少女にとっては良い思い出にすらなったかもしれません。しかし、幼い子供の体と知識のアンバランスな危うさが恐ろしいぐらいに描かれていて、『中村明日美子』とはいったい何者なんだ?とその毒にあてられて、いつしか明日美子ワールドの住人になっていました。
BLでもないし、吐き気を覚えるような表現もある作品なので、とても人にはお勧めできません。
(追記 少女たちの年齢が書かれていませんが、作中のミサでパン「ホスチア」を口にするシーンがあるので初聖体拝領後の少女たち。つまり10歳前後だと推察出来ます。)
・『彼の左目』
『ばら色の頬のころ』のジェリーとユージーン。全寮制の男子校。「先生は敵。上級生は悪魔。女の子は偶像』そんな閉じた世界にいた2人が、大人になって再会してからの物語。
子供の頃、一心に自分を愛するジェリーに恐れを感じたユージーンが2人の関係を自ら密告して別れましたが、ジェリーは今でもユージーンが好きでした。ユージーンもジェリーのことをずっと考えていました。戦地での傷を抱えるユージーンに、「君のためなら全てを捨てられる」「ヨーロッパに行こう」とあの頃のように誘います。ヨーロッパが彼にとっての永遠のユートピアなのです。今回はユージーンも了承して船着き場へ向かいますが、大人の2人が背負う物は、簡単に捨てられるものではなくて・・・。この2人のことだけを思えば、今度こそ幸せになってほしかったのに、別に当事者がいる限り、そうはいかないものなんですね。悲しい気持ちで続きを読んで行くと、次の話『Belgian waffle』のモーガンにヨーロッパからエアメールが届くのですが、その差出人がジェリーとユージーンの連名なんです!2人はヨーロッパに辿りついたのでしょうか?真相はわかりません。明日美子先生のデビュー15周年を記念して刊行される新装版で、2人のその後が描かれてるといいなと思います。
美しい表紙に惹かれ購入。
【2週間のアバンチュール】
南仏→ペド注意。女の子は可愛いけど怖いって感じでしょうか。痛々しいです。
修道院→百合。こちらも幼さ故の残酷さが痛いです。
▼みつあみの女の子にときめいた私にとってはあんまりなラストでした。百合やペド、痛々しい話が苦手な方は注意です。
【ヒメコちゃん】
女の子よりも女々しくて、強いヒメコちゃんの話。
▼工事したらBLじゃねぇって方は注意です。
【彼の左目】
"ばら色の頬のころ"に脇役として出てきた二人が主人公。これまた痛々しい話ですが、毒のある色気が素敵。
▼"ばら色の頬のころ"から救いのある二人を求める方は注意が必要かと。
【彼の左目】を求めて買う方はその他の話で力尽きるかもしれません。ご注意を。
百合が大丈夫な方でも好き嫌いが別れると思います。
表題作の『2週間のアバンチュール』
少女の幼い故に残酷なエロティシズムが、独特のタッチで描かれた作品。
都の条例に引っかかりそうな話だなーとか感想は数多あれど、
BLじゃないので割愛します。
『チーズトースト考』『ヒメコちゃん』でちょっとブレイクの後…
『彼の左目』
「ばら色の頬のころ」の番外編。
カレンズバーグを離れて13年、アメリカに戻り医師として働くことになったジェリー。
淡い期待を抱えて戻ってきたジェリーだが、ユージーンは既に結婚をしていた。
大人になっても禍々しい程に美しいユージーン、彼はジェリーにキスをしてきて…
「ばら色〜」と比べても、耽美色が強い官能的な雰囲気のある一編。
そして、まるで映画を見ているような衝撃的なラスト!
『Belgian waffle』
刑務所を出た後、身体をこわした父親の介護をしているアンドルーの話。
優しい思いに包まれる短編、ここまで読んで「Jの総て」シリーズ完結だと思います。
感涙…
表題作が苦手な為に敬遠されていらっしゃる方(私がそうでした〜)
でも「Jの総て」「ばら色の頬のころ」には魅せられたとおしゃる方、
そこは飛ばして後半だけでも是非お読み下さいませ〜