どこにもない国

dokonimo nai kuni

どこにもない国
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神63
  • 萌×237
  • 萌11
  • 中立2
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
23
得点
498
評価数
118
平均
4.3 / 5
神率
53.4%
著者
草間さかえ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784863492455

あらすじ

南方戦線での状況下、たびたび問題を起こしては処罰される部下・早川と、厳しい隊長の竹内。二人の間にはある秘密があって・・・。そして時代は終戦を迎え、復員船で祖国に戻った二人は共に暮らすようになるが・・・。男同士の情愛と儚さを、当時の風景を濃密なタッチとともに描いた表題作とその続編。ほか読み切り5篇を収録した、ファン必携の作品集。

表題作どこにもない国

部下
上官の隊長

同時収録作品1と2の間

高校生
会社員

同時収録作品0と1の間

会社員
実業団バレーボール選手

同時収録作品もののことわり

高校生
お茶の先生

その他の収録作品

  • パラダイムロスト
  • 0か1の世界
  • 遠き島より

レビュー投稿数23

満足感が半端ない

掲題作は戦争が終わる直前の上司の部下の話なんだけどエロスの真髄って感じがするというか二人の醸し出す空気感に胸が締め付けられました。やっぱり草間さかえ先生は天才すぎてどうしていいかわからない!もうわからん!短編が素晴らしすぎる(長編も然り)
他に3CP描かれているけれどもう大変…素晴らしすぎる。どれもこれもエロスが素晴らしいし、なんだかもうB L的な素晴らしさを超えた文学って感じなんだけど読みやすくて説明がないが全てが理解できる。受けでも攻めでも短髪メガネをここまで魅力的に描く先生は他におりません。というか全てのキャラもストーリーも素晴らしすぎて息ができん。です。

1

すごい、良かったぁ〜

草間先生の描くストーリーと、絵柄の雰囲気がとてもマッチしていて、気がつくとすっかり草間ワールドに浸かってましたぁ〜。
草間先生のコミック読む時は、ゆっくりじっくり読みたいので時間をとってます。
そして、他の作品も含めて〜何度もリピート読みしてます。
それくらい、好きなストーリーと、主人公達の人間臭さが響くんですよね。
今回は、短編だったけど〜短いながらにも、しっかり内容があって伝わってくるものがありました。
ありがとう〜面白かった!

0

戦地にして、2人の世界

草間さかえ先生お得意の年下ワンコやメガネが様々な設定、シチュエーションで拝める作品集です。

表題作は戦中から終戦にかけての時代物。
舞台はどこか南方の島。表紙もきっとその海岸なのでしょう。目の覚めるようなブルーが眩しい。
当時を見てきたかのようなリアリティがあり、ゾクゾクします。
隊長としての威厳を保たせるために、自分を殴らせる早川。
早川と2人になりたいがために、一芝居打つ竹内。
2人の関係性がなんとも言えないものがあります。

竹内を水浴びさせた時の、ノータッチ射◯!
それまでがどれだけ禁欲的だったかが表現されていて、萌えが滾りました。

続く『パラダイムシフト』は2人が日本に帰ってからの話になります。
早川の家族が探していたのを知っていて、自分の家に衰弱した早川を連れ帰った竹内が、良心と執着の狭間で苦しみ一緒に居られた戦地に思いを馳せるという心理描写がさすがだな、と感心させられました。

他に、子供の頃に男×女装男子がやってるところを見てしまい、女性にもアレがついていると思い込んだまま高校生になってしまった哲男と、その女装をしていた男・正良の話や、哲男の同級生で執着ドS世話焼き眼鏡・三ツ矢とバツイチ元ノンケ鶴田のお話も面白かったです。
三ツ矢の見た目も執着も好き。

巻末の短編の着物眼鏡受けが色っぽくて良かったです。高校生ワンコとの組み合わせが意外なようで、案外刺さりました。

0

表紙とカバー下が表裏一体

装丁と目次の見開きが鮮やかな青!海がひろがって爽快、美しいです。
一方、カバー下は表紙の2人が背表紙を挟んで立っていて、バックは真っ黒け。
表紙の鮮やかな海の世界と表裏一体な闇の世界=どこにもない国=2人だけのユートピアを表しているのかなと思いました。

表題作の2人の話が好きです。
関係性がまだわからない時点でも、2人の空気感がいい。色っぽい。
隊長の背中を撫でているだけで、そこには触れないのに達する早川、どれだけ隊長のことが好きなのか、と思わされる。
看病される、する間柄も距離が近くて色っぽい雰囲気。

表題作は早川目線で進み、でもどういう関係かまでは明らかにならず、読み進めながらドキドキ。

「パラダイムロスト」が隊長目線で語られ、両思い、そういう関係なのだとわかる。
そして、早川だけでなく隊長も相当重い気持ちを持っていることも。

「1と2の間」
「0と1の間」
「0か1の世界」
もおもしろかったです。
が、私は理解力不足でタイトルの意味がわかるようなわからないような…自分の力不足にもやもやしましたw

0

幅広いジャンルの味わい深い作品集

戦争絡みの時代物から年の差まで、各種取り揃えで4CP。
どれも読み応え抜群です。

【どこにもない国】【パラダイムロスト】【遠き島より】 萌2
戦時中。弱々しい上官の竹内と、彼の威厳を保つために体を張る早川。
早川の忠義心に萌え、ラストの竹内の計算高さにゾクっとする1話目。
帰国して、早川の迎えを見て見ぬふりをして家に連れ帰った竹内の罪悪感との葛藤が切ない2話目。
時代というスパイスが絶妙に効いていて、じんわり心に沁みてきます。
もっと読みたい2人。

【1と2の間】 萌2
幼い頃に見た光景のせいで、高校生になっても女の子の体というものを勘違いしていた哲男。
ずっと地元を離れていたお隣の正良くんが戻ってきたことで、哲男の記憶に残るある光景の真実が明らかになって…。
正良くんの過去がきついものの、そこが現在の問題につながっているのがポイントでした。
子供過ぎて正良くんを守るどころか、理解すらしていなかった哲男と、鶴田守った三ツ矢の対比も含めて読み応えがありました。

【0と1の間】(前後編)【0か1の世界】 萌2
前出の哲男の友人だった鶴田と三ツ矢。
高校のバレー部では鶴田が部長で、三ツ矢が副部長。
【1と2の間】で、読者には三ツ矢の鶴田への好意が分かっていますが、鶴田は気付かない。
気付かないままバレーを続けて、気付かないまま結婚して。
ただ友情以上のものがあるとは、ふつうは気付けない。
だから鶴田の反応は至ってふつうなんだけど、三ツ矢の献身っぷりを知っているわたしたちには「無神経」に見えてしまう。
でも鶴田…、小悪魔というか何というか。隣のイケメン好きを利用してくるやり方に、なかなかやるな…と思わせられる作品でした。

【もののことわり】 萌
昔からお茶の先生をしている浩介に懐きすぎている高校生のアキ。
実は懐いているというレベルではなくて…。
アキは自分のわがままでそばにいられると思っているけれど、気に入ったものは壊れても直して手元に置いておくという浩介の一面を見せることで、「は、はーん」となる作品でした。

どのCPも腰を据えて1冊まるまる読みたくなるストーリーばかり。
「もっと読みたい」と思わせる余韻が良いです。

0

一方的から相互的な関係へと変わるドラマ

◆どこにもない国(表題作)
 戦時中から戦後にかけての話でした。戦地だった島にいた頃と、本土に帰ってきてからとで2人の関係が少しずつ変化しているのが面白かったです。表向き上官と部下という上下関係をはっきりさせておかねばならず、秘密裏に2人きりの時間を持った、それでもどこか楽園のようだった島。本土に帰還すると、お互い家があって、上官の竹内は早川の家族を無視した自分に悩む。でも、それは杞憂に過ぎなくて、竹内だって早川と生きたいと思う熱量は同じくらい持っているんです。最後のシーンの竹内の台詞が、とても印象に残りました。

◆0と1の間
 この2人の話をもっと長く読みたかったというのが正直な感想です。他の収録作も良かったのだけど、こちらが殊更自分の好みの作品だったので、もっとページ数を多くとっていれば萌2評価にしたかもしれません。ふらふらして鈍感な鶴田のビジュアルも、そんな鶴田に気付かせることなく彼の敵を冷酷に排除していく三ツ矢のやり方も、ドンピシャでタイプでした。硬派で何事にも興味のなさそうな見た目の三ツ矢が、鶴田のことには熱くなったり怒ったりするところがたまらなかったです。

1

漫画から熱が伝わる

第二次世界大戦時の日本が舞台の表題作、戦争をBL漫画で扱うって相当難しいと思うのですが、描いた草間さかえ先生も編集の方もすごいと思う。
台詞で多くを表現せずに、漫画の流れや空気で読み手に訴えかけてくる作品です。直接的な性描写がなくても淫靡さを感じさせたり、人間性を感じ取らせたり。

草間先生はまた、そういう作品しか描かないのではなく、学生同士の恋愛やワンコ攻め漫画も描かれるのがより一層いいですね。しかもどれも草間先生しか描けないお話。

※電子書籍 白抜き

1

触れてもいないのに達してしまいます

【どこにもない国】
戦時中。どこかの国の森の奥深く。海軍の隊長と隊員の話です。

皆の前で自分を殴れ、と促す隊員の早川。建て前は小器用だと揶揄され舐められがちな隊長竹内の威厳を皆に示すため、ですが、本音は想いを寄せる隊長を近くに感じられる気がするから。

爆撃で耳が聴こえくなった竹内の身の回りの世話をする早川。好きな男の裸体を前に興奮を隠せないシーンの官能的な事!一糸纏わぬ背中に両手を這わせ、息は自然と乱れ、一人達してしまいます。

ゾクッと来たのが竹内もひと皮剥けば同じ穴の狢だった事。
本当は耳、聴こえているんです。理由を問いただす早川に「2人きりになりたかっただけ、おまえもそうだろう?」と平然と答えます。

*生死の境を彷徨って張り詰めていたものがプツンと切れたのでしょうか。タガが外れ大胆な行動を起こした隊長がいい意味で壊れていて良いです。
殴らせる早川の想いも全てお見通しだったのでしょうね。それともプレイの一環として楽しんでいたのでしょうか?致してはいないものの完全に確信を持った誘い受けでした。素晴らしい2人だけの世界…!

【パラダイムロスト】
どこにもない国の続きです。

帰国の混乱の中、早川の実家(老舗旅館)からの使いを見ぬ振りをし通りすぎた竹内。そのまま早川と暮らすも罪悪感に苛まれて…

*竹内視点なので現実から目をそらしきれない描写が切ない。「なぜ祖国にいて戦地を思う?」はシャバの居心地が悪くてわざとムショに戻る心理のようで印象的。それ程までに早川の事を…。
ただ早川にだって意思はあるのです。勇気を持って早く打ち明けていればっていうエンド。(そもそも草間さんのワンコ攻めが受けを置いてくはずない)

他の4編も面白いです。女子にもチンコが付いてると高校生まで信じてきた子がいて衝撃的でした。どんだけピュアやねん!
ラストの器の話好きです、草間さんの描く素直な年下ワンコ攻めは愛いなぁ。

2

ジャングルの葉陰から二人を覗き見しているような気分

【どこにもない国】
時は第二次世界大戦の末期、海軍所属部隊が降り立った南方の小島でのお話。
こういう状況下のBLというのにまず驚きました。

生きるか死ぬかという瀬戸際の日々、上官とその部下、部隊での規律。
安穏な日々を過ごす我々からは想像もつかないような状況下にいる二人。
わざと規律を破る早川と、他の隊員への示しをつけるために早川を殴る隊長の竹内。
竹内の手は震えていて、今にも泣きそうで、すまない・・と言いながら殴らざるを得ない。
早川は殴られている時、一番近くに竹内を感じる。。。
南国特有の湿度というんでしょうか、そういうものも含めて、エロい事はなにもしていないのに二人の様子にごくり・・・と生唾を飲みたくなるような濃厚なものを感じます。

特に川で竹内の身体を洗っているシーン。
二人の様子を、ジャングルの葉陰から息をひそめて伺っている・・・
自分の心臓の鼓動や生唾を飲む音が二人に聞こえてはまずい・・そんな気分になる。
だから表題作を読んでいると何故か息苦しくなってくる。

連作の【パラダイムロスト】
復員船で日本に戻ってきた二人。
日本にいながらあの南方の小島を想う竹内。 
南方の小島は彼にとってのパラダイムロスト・失楽園。

【1と2の間】【0と1の間】
ポヤポヤとした天然年下ワンコの哲夫と過去のトラウマ持ち正良と、哲夫の高校の同級生二人という二つのカップルのお話。
もう一つのカップルの攻め、三ツ矢が凄い。
おすすめ頂いた姐さまからのコメント「メガネ、ヒゲ、執着、寡黙(でも実力行使型)というキーワードに反応される方は、ぜひとも。」との事でしたが、本当にその通り。
「俺の気は短い」って本人は言ってるんだけど、いやいや貴方ね、気の短い人が、高校時代からずーっと、しかも鶴田がモデルさんと結婚しても想い続けている人のセリフじゃないですよ。。って。
受けの鶴田は三ツ矢が一番優しいと思っているんだけど、鶴田の敵=自分の敵と見なして全部陰ながら排除しており、周囲の仲間たちからは怖い怖いと思われているんですよ、三ツ矢は。
くううぅぅぅっ!目頭がっ!
で、最後のページはちょっと笑いました。
三ツ矢に一本を取られた感が。鶴田の「一本」を、しかも永久にね。

【もののことわり】
ちょっとガサツな年下ワンコとお茶の先生。普段から着物で、割れた器は金継ぎをして再び愛でるようなしっとりとした眼鏡受け。
年下ワンコに振り回されっぱなしではなく、穏やかながらも手綱を引いている感が良かったです。

がっかりしたのが電子書籍だと書き下ろしの「遠き島より」とあとがきが収録されていなかったこと・・・ひどい・・・。読みたいーっ!(大絶叫)

私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews

で教えていただいたのがこちらの一冊。
特に表題作に痺れました。
普段から共依存系の作品が好きな私にとって、このように物理的にも精神的にも閉ざされた二人、大・好・物。最高でした。

教えてくださり本当にありがとうございました。

5

大人のBL。官能を感じる

「どこにもない国」
戦場では部下に庇われる腑抜けの隊長竹内。敵襲の後負傷を装っている。誘う時は腑抜けの腑の字も見せず、眼の力が違う。
なんのエロシーンも無いのに、誘い受けの濃厚な気配……
「パラダイムロスト」
復員後、早川を探す家族を見つけるが、無視して自分の家に連れて行ってしまう竹内。早川を手放したくない。私はこんなにも心ない人間だったか?
早川も分かっていて竹内の罪悪感を嗤って吹き飛ばす。
『あなたに唯一大事にされているということはわかってます』
短いけれど、お互いの想いが噴出するようなお話です。

表題作はここで終わり。実際の戦闘を伴う極限的な戦場での、隠れて惹かれ合う心情と、復員後の現実に肉体的な恋愛関係。
エロシーンなど少なくても、この濃密な空気はなんなんだろう?
これぞ官能。

続いて現代物の連作が収録されています。こちらの物語も2組の男同士の恋の歴史?を語って読み応えがあるのですが、表題作とのイメージの違いがあって、なんでこれを一冊にした?という違和感を感じてしまいました。

「もののことわり」
高校生xお茶の先生。一途な年下攻めと何故相手しているの?のおじさん。しかも攻めは知り合い又はお弟子さんの孫?設定。年下の方がガッツいてると見せかけて、実は先生の方が恋してるんだろうなあと想像する。身をまかせる先生の裸体が妙にエロティック。

「遠き島より」
表題作の後日談。早川と竹内が穏やかで親密な日々を過ごしている空気を感じてホッとしました。島崎藤村の「椰子の実」の歌詞世界です。

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