飢えている。愛に飢えている――。

ミ・ディアブロ

ミ・ディアブロ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神20
  • 萌×24
  • 萌5
  • 中立3
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
10
得点
134
評価数
36
平均
3.9 / 5
神率
55.6%
著者
梶本レイカ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Baby comic
発売日
価格
¥880(税抜)  
ISBN
9784893936530

あらすじ

「私は、悪魔に飼われている」
アメリカ人の父と、メキシコ人の母から生まれたジェイク。厳格な警察官の父と、娼婦で麻薬の売人だった母。いびつな家族生活は、いとも容易く崩れ落ちた。やがて警察官になったジェイクは、ギャングのリーダー・ミゲルと出逢う。おおらかで深いミゲルの愛情は、孤独なジェイクに甘く沁みる。運命の歯車はかくも廻りはじめた。交錯する嘘と欺瞞。愛を求め彷徨う魂が、最後に掴むものは――。

表題作ミ・ディアブロ

ギャングのリーダー
警官・白人とメヒカーナのハーフ

その他の収録作品

  • ミ・ディアブロ
  • My Funny Valentine
  • 夜に、
  • アディオス・ミゲル
  • mi diablo
  • あとがき

レビュー投稿数10

暗闇で二人で生きて行く


待ちに待った作家さんのコミックスなのでどうしても贔屓目になるが
それでも、これは傑作だ!!
webサイトでオリジナルまんがを公開している作家さんのデビュー作
ほとんど書き下ろし。

良かった。感動した。萌えた。
この作家さんに出会った時は、遙々アルクに出会った時のように衝撃的で、
見つけた自分を誉めてやりたい衝動に駆られた。
ハッキリ言って絵柄は不安定、個性が強すぎて読み手を選ぶだろう。
内容も痛い。暗くてどこまでも主人公に容赦ない。
もし癒しをBLに望むなら落胆するだろう。
それでも滲む人間味にどうしても惹かれずにいられないのだ。
オススメはあまりしたくない自分だけの宝物なのに、知ってることを自慢したい。
これからもずっと応援したい作家だ。

興奮気味でまともな感想が描けないが、生活の全てに置いて劣等感の塊のような自分には、
梶本レイカの漫画は救いのような漫画なのだ。
そのままでも生きていけると希望を与えてくれるのだ。

多くの人に読んで欲しいような…
読んで欲しくないような…(笑)

20

茶鬼

のこのこさま
コメントありがとうございました。
わかります!自分もボタン連打したくなるときあります!!
本当に気に入ったものは隠しておきたいような、皆に知らせたいような、複雑ですよね~。
自分だけがわかればいいや、って思ったりもするのですが、この本が売れればもっとこの作家さんの作品を目にすることができるし、と応援のレビュです(恐縮)
レビューって難しいですよね、、つい解説になってしまって。
この作家さん、大注目です。
次の作品も楽しみですね♪

頭を殴られたような衝撃!

ゾクゾクしました!!
荒っぽい絵だけど、そこに含まれる深い悲しみがダイレクトに絵を通して、主人公の顔を通して叫びが伝わってきます!
もちろん、痛さもあるけれど、そこの根底にあるコンプレックスと叶えられない望みが胸を打ち、感動と悲しみで涙も誘われます。
この衝撃は、遥々アルクさんの作品や、スネッサンス吉田さんの作品を初めて見た時のものに近いです。
なので、絵自体はすごく好みが分かれそうですが、心を読むことが好きな人には絶対絶対勧めたい!!!
主人公がゲイであることなんて、ちっぽけな付属品。たまたまそうなっただけ、それよりも根底にある愛としがらみ、そんなモノの方がもっと重要で、そちらに目を奪われるのです。

アメリカ人で警官の父と、メキシコ人の母から生まれたジェイクは、父のような警官に、白人の警官になり認められることが、母に捨てられて父からも見放された彼の唯一の父への気持ちだったのに。
異常な程のファザコンの姿が痛々しく・・・
潜入先で上手く取り入ることができたミゲルも、その人種のコンプレックスを持っていると、同類の気持ちを持っていたのに。
あっと驚く、展開が用意され、どんどんと堕ちていく姿に胸が痛くなります。
「ミ・ディアブロ」~私の悪魔~
数々の悪魔がジェイクを苦しめます。
ミゲロとの愛の甘い時間も見せながら、それさえも悲しく、ジェイクは父・ヤク・セックスと依存しながら、依存しなければ生きていけない弱さがあまりに人間臭く、切なく、悲しい!
そのラストに希望の光をともしたことに、深い安堵をおぼえるのです。

自分的にはこの絵柄は好きです。
ヤマダサクラコさんの絵を殴り書き風にしたみたいな雰囲気ですが、全く苦になりません。
同人作品を加筆・修正したものということですので、このような自由な作品が出来上がったのかとは思いますが、次回作の『高3限定』もとても愉しみで待ち遠しいのです。
映画のようで、とても心に残る作品です。

15

極寒に正面から立ち向かう情熱

あまりネタバレはしたくないので詳細は控えますが、とにかく衝撃と感動と萌えが詰まった作品でした。一読しただけでは理解しきれない箇所、敢えて曖昧にされている箇所もありますが、諸々の細かい疑問点を凌駕する勢いでジェイク、ミゲルの人生が迫ってきてとにかく圧倒されました。

ジェイク、ミゲルの生きる道は限りなく危険で痛々しく常に闇を孕んでいるのですが、
選択肢の限られた人生の中で精一杯誰かを愛して生きる様子が非常に熱く生命力に溢れていて、どんなに辛い展開でも彼らの人生を見届けたいという気持ちで最後まで読んでしまいました。

グロテスクなシーンや暴力的なシーンもありますが、こうした物語の吸引力の強さのため、また独特の絵柄のため(手足の細長いデフォルメされたような人物絵で、リアルより戯画性の強い感じです)、それほど恐怖や嫌悪感はありませんでした。
むしろ生死が隣り合わせの日常の中に、闇社会の深さや人間心理の複雑さを感じ、目を背けずに受け止めたいと感じました。

ひたすら寒々しく荒んだ展開にも関わらず情熱的、救いようのない展開のようで最後にはハッピーエンドと、物語の展開と一緒に読者の心も二転三点させてしまう引力のある作品だと思います。寒い日の夜に読み返したい。

10

痛いし辛いし苦しいし

個人的にダークすぎる描写が多いものは苦手なのですが、梶本さんの作品だと受け入れられます。
決して、スッとなじむように自然に許容できるわけありません。心ではなくキャラクターの体が痛々しくて目を背けそうになるのですが、それを上回るほどストーリーに強烈に惹かれるんです。だから、読み進められる。(もしかすると、高3限定を先に読んで、そうしてこちらの作品を拝見したから耐性がついていたのかもしれません。そこは否めない)

時系列がストーリー中でも交錯します。あの頃の思い出や今のこの現実やそもそもの発端やそこから更に時を経て…などなど。
すごく入り組んだお話なのですが、それでも【読んでしまう】んです。わけが分からなくなると、ストーリーを理解することを途中で投げてしまうこともありますが、梶本さんの漫画にはそれがない。確かに『これはいつの話だ…?』と思うときもありますが、気がつけば理解している、というか…。
この【ミ・ディアブロ】はそれぞれがそれぞれの経歴があるので、甘いときを過ごしている様子ならいつ、ジェイク(ホセ)の目が死んでいるときはいつ、ふたりが共に居なければいつ、などと明確に関係性がわかれていることもいいのだと思います。

そしてこのジェイクの目が死んでいる、完全にジャンキーとなっているときが胸が痛いんです。すごくつらい。
父親に対する強烈なコンプレックス、自らに半分流れるメヒカーナの血に対するコンプレックス。ミゲル(クリス)と混じりあいながらも結局刑事に昇格もできず、父親からはとうに突き放され、ほんの1年で強烈に歪んでいったジェイク。心のよりどころとして薬物の誘惑に勝てなくなったジェイク…。
どうしてこうなってしまった、なんともできなかったのか。
そもそもクリスもミゲルを演じていた、だからクリスもまた偽物であった、ということが分かったときにドキっとしました。確かに直前で『若者め…』って入っていて、あれ?ミゲルって若いんじゃなかったけ?と困惑してからの回想だったので伏線だったのか!とため息。
マイ・ファニー・バレンタインでクリスが嘘に気がついてもらおうとしますね。あの辺りでも胸がえぐられました。ホセ、ミゲル、それぞれとしてでなく、この頃にはとっくにジェイクとクリスの恋愛だったのですよね。のめり込みすぎてはならないけれど、一度惹かれあいもうどうしようもなくなっていったことを考えれば考えるほど、つらくなりました。

ジャンキーになってギスギスに痩せたジェイクが着る、クリスのセーター。ほつれたお古、タオルみたいで好きだといったそれ。
『君にもらった人生だ』と、言ったクリスの顔。別れになるだろう雪を見て『アディオス・ミ・ヴィーダ』の言葉。
後半の流れはとにかく心が追いつかなくて、もう気になるけれどこのページもちゃんと読みたいと悶々としました。
ジェイクがずっと倒したかった、過去の自分、自分が生み出した悪魔、ミ・ディアブロ 私の悪魔、最後に斃すことができて…ホッとしました。終始ジェイクにはディアブロが付いて回って、ずっと苦しかったのですもの。

ふたりがしあわせになれてよかった。クリスがとてもジェイクを愛していることが伝わってきました。ところどころに織り交ぜられるスペイン語がいっそう情熱的に彩っていたと思います。
カバー下での就職のやりとりも見ることができてよかった。
ページをめくるたび、これ以上つらくならないでくれと思いながらもだからといって読むのをやめることもできない、のめり込む世界でした。
クセのある絵だとは思うのです。そして痛々しい描写を避けることなく描かれます。だから避ける方もいらっしゃるはず。
でも、個人的にはぜひとも読んでもらいたい作品です。

7

まるで、長編映画を

見たあとのような充足感。

確かに、絵はアクが強いし、ストーリーはハード。
でも、この個性的な絵で、さまざまなアングルから描かれている人物の骨格は、実に破綻なく正確だし(私の好きな肩胛骨も!)
二転三転する、二重三重の騙し合いは読んでいてゾクゾクする。
このどんどん転がっていくお話って、スペイン語系かなんかの長時間映画をどっぷり見た時みたいな高揚感、充足感。
最後がちゃんとハッピーエンドな所も、満足感に繋がっていると思う。

この本を今まで読み逃していたなんて、実にもったいなかった。

6

すいません、ネタバレ注意です!

痛くてグロい物語だろうなぁと読むのを躊躇していたのですが、
思い切って読んで本当によかったです!!

ちなみに金髪碧眼(攻)×肌が褐色(受)です。
物語はざっくり自分なりに説明しますと、

①二人はお互いに正体を隠して出会う。
②本当は好きになってはいけない立場なのに、二人はいつしか惹かれ合ってしまう。
③様々な障害を乗り越え最後は二人ハッピーエンド

結末までの課程が素晴らしい!実写映画にしてほしい!いやぁ、まさかこんな傑作に出会えるとは、本当に幸せです(*゚▽゚*)
特に幸せな時の二人のエチシーンは萌えすぎて、どうしようかと思ったものです(笑)

愛、残酷さ、悲しさ、甘い幸福、エロス、歪んだ性癖が描かれた作品で普通のBLとは違い、痛くてグロいですが感動するシーンが多くありました。
ハイクオリティなものを読みたい方は絶対読んだほうがいいと思います!!すごくおすすめです!!

5

依存

誰が誰を騙しているのか、どれが本心でどれが嘘なのか、読んでいて胸が詰まる作品です。

薬物中毒の描写が、半端なヤクザものBLでは絶対に描かれないであろう生々しさ。目の落ち窪み、歯の欠け方、立ったら砕けそうな骨格、ページを直視することすら辛くなります。

何かに依存して生きることは、恐ろしく、美しく、強く、弱い。自分で決めた依存先ならまだしも、依存するしかなかったのならば、彼も母のように早く逃げるべきだったのかもしれない。

ミ・ディアブロを読み終わってしんどさにえづきそうになり、マイファニーヴァレンタインにハッピーエンドの救いを見出す。そしてエンディングへ…最初から最後まで梶本先生に翻弄される作品でした。

1

リアルとフィクションが織り成す芸術的なカッコ良さ

ずーーーーっと気になっていた梶本レイカ先生
とにかく表紙のインパクトが強い作品も多く基本頭ぽやぽや系の私に読める日は来るのだろうか…と積んだままにしておりました。。。

表紙のインパクトで買っておいたはいいがなぜか怖くて読めなかったんですよね
そして記憶もそれこそ物理的にも埋もれてしまっていた時に久々にレビューが上がり、その存在を思い起こし久々に対面いたしました!

積み本の宝探しってやっぱりするもんですね
読んで良かった、、、

『すごくカッコ良い1冊でした』

勝手に悲しい話だと思っていた事も手伝って読後にこんな気持ちになるとは思わなかったので余計心が動く様な想いになります

お話しは「血=ルーツ」へのコンプレックスから自我を見出せず鬱屈と孤独を抱えた2人の依存愛だと思います
孤独で、自身の帰る場所が不明瞭な2つの魂が救済される…すごくドラマティックです

その演出が騙し、騙されな少しサスペンス展開も挟みながらなので、不穏さやドキハラもありとても惹き込まれます
「映画のよう」とのレビュー、納得です
そしてそれに加えてモノローグ部分で紡がれる、流れるようなセリフはまるで「歌詞」のように聞こえてきます
私はめちゃくちゃココの表現に痺れました

渇望の発端になる「コンプレックス」
人生を狂わす「ドラッグ」
この辺の切り込んだ【リアル】

2人の出会い・交わりを映す「ドラマ」
彼らの想いを浮き彫りにする「言葉」
緻密な組み立てと丁寧な【フィクション】

この【リアル】と【フィクション】が先生の手によって溶け合い、ひとつの【芸術】を成している様な作品でした

多少お話しの時系列が前後する事、スペイン語が多様される事などでの読み込み難さと絵柄への不慣れはありました

また、直接的な描き込みがある訳ではないのに人が道を踏み外す様の表現が生々しかったり、若干スッキリしない部分(サスペンス部分や父親の事など)もあり読んだ全ての人が同じように痺れる!って思うかは自信はないです

でも、この作品を読んでおかずに時を過ごさなくて良かった…と心底思える「カッコイイ作品」でした

アナタは自分にとって「悪魔か天使か」
本のタイトルの「ディアブロ」作中使用される偽名の「ミゲル」
スペイン語でそれぞれ、ディアブロは悪魔、ミゲルは天使
こんなメタファーもあったかな?って思います
違うかな?

梶本先生作品は私はこちらしか読んでいませんがデビュー作でこれってスゴイ!
なぜか勝手に怖いとか難解な作風イメージでしたがそんな事はなかったので、気になる方が居たら読んで見て触れて欲しい世界でした

0

どんどん印象が変わっていくのはやはり梶本作品の魅力

 舞台は海外でギャングと警官という組み合わせ、かつ薬も絡んでくる殺伐とした雰囲気の作品ではありますが、『コオリオニ』ほどの身体的に痛々しい描写はありませんでした。もちろん精神的な痛ましさはあるのですが。子供の頃の両親との関係が、大人になった今でも色濃く影響していて、極度のファザコンと評されるジェイク。何度捨てられても父に認められたいと思う理由は、意地なのか、母がいなくなったことで自分との繋がりがあるのは父だけだという焦燥感なのか。父親の方がジェイクを完全にネグレクトするわけでも虐待するわけでもなく、表面的には好意的に接しているために余計彼がいつまでも父に依存するのかもしれないですね。

 その孤独を埋めてくれる、ギャングのリーダー・ミゲル。秘密を抱えていたのはジェイクだけではなく、ミゲルもだったという展開には驚き、さらに物語へと引き込まれました。彼は相当な役者ですね。最初はジェイクに騙された哀れなおつむの弱い奴という印象だったのが、徐々にジェイクにとって失ってはならない、最も良き理解者であり愛すべき人という存在になっていく。ジェイクのファザコンも引っくるめて愛せるのは、ミゲルだけ。また、ジェイクをファザコンから脱させられるのも彼だけでしょう。それでも何かに依存しがちなジェイクの性格はなかなか治せないと思うけれど、ミゲルなら隣で寄り添って辛抱強く彼を見守ってくれるんだろうなぁと思いました。

1

映画のよう

個性的な絵柄で、外国を舞台にしたお話にピッタリ。
犯罪の全てを詰め込んだようなお話。本当のマフィアがどんなモノか知らないけど、リアルに生々しく感じました。
受け攻めで視点が変わると見え方がガラッと変わって、受け主観の話では攻めが可愛く描かれていて、攻め主観の話では受けが可愛く描かれていて愛を感じました。
主人公があんな風になってしまうBL他に見たことありません。ラブ以外の設定も凝っていて引き込まれました。
ちるちるさんのジェイクのタグがゲイだけ笑

1

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