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teardrop
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
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3本のお話。
□表題作
冷めた大人と傷ついてどこかあきらめている青年とのお話。
対照的な2人が自分に欠けているものを相手に見出し惹かれ合うんだけど、それがとてもわかりやすくて。
剛毅は表情あまり変わらず、悠介はあまりに子どもで。
そんな2人の心情がよく伝わったし、相手を思うからこそ変わっていくところがよかったです。
□僕らの言い分
最初、口でしているシーンがあり、それでいて「友達だから」と踏み込めない、回想もあり、ぱっと読んだだけでは関係性や時系列がよくわかりませんでしたw
くっつくシーンはおお!となりました。
□crossing
ストーカーくんが、ストーカーゆえに椋一のことをよくわかっていて、そのことを伝えるところがよかったです。
ラストシーンが好きでした。
◾︎表題
◾︎神山剛毅(会計士)×木戸悠介(大学生)
剛毅も悠介もキャラクターとしては苦手。そんな作品てあまり好きにならないことが多いのですが、麻生先生の本はキャラクターを愛でるよりストーリー全体とか感情の動き、演出を見るのが面白いので楽しめます。
最後に収録されているドロップシーンを読むと、より一層剛毅には悠介が良かったんだなと思える。
ガラケーや"カキコ"ってセリフに時代を感じざるを得ない。
◾︎僕らの言い分
◾︎岸小田(シオっち)×正宗
正宗は長髪で一見女の子っぽいのですが、それは今までノンケを好きになって、ちょっとでも可愛い見た目でいようとしたからかな〜とか考えると切なかったり。想像ですけど。
◾︎crossing
前向きな終わり方なのに、決してうまくいくとは言いきれなさそうなところも…麻生先生らしい。嫌いじゃない。
萌〜萌2
作家さん買いです。
レビューのため、再読。
これティアドロップという長編だとばかり思い込んでいました。
それだけこの表題作が読み応えがあって印象深かったからかな。
ネタバレしてます。
【ティアドロップ tear drop】
とある出会い系サイトでの募集内容は、かなり強気で高飛車な条件。
どんな強気な美人が・・・・とちょっとした都市伝説になるほど。
しかし実際待ち合わせ場所にあらわれたのは「初Hだから妥協したくないんす・・ダメっすかね・・」と言う18歳のやんちゃな少年、悠介(受け)。
噂とはあまりにも異なる募集主だったけど神山(攻め)は相手をするんです。(今回、神山が出会い系で探したわけではなく従兄弟が無理矢理セッティングした)
悠介は幼馴染との失恋で傷ついたから、次は遊んでくれる人、楽しいことだけ共有できるドライな人がいい、と言います。
悠介の希望通りデートをしたり楽しく過ごす二人。
神山も一定の線を引いて悠介に接するのだけど、優しい神山に悠介は本気で好きになってしまいます。
【ディアドロップ dear drop】
付き合い出して三ヶ月経った二人のお話。
神山の従兄弟から神山がゲイである事を理由に父親とは絶縁状態になっていることを聞きます。
【ティアドロップス tear drops 】
独立して会計事務所で働く神山の元へ、クライアントとしてやってきた元彼との再会。
書き下ろしの【ドロップシーン drop scean】
これが神だと思いました。
神山が自分の本当の家族とは得られなかったものを 悠介とともに築いていきたいとプロポーズするお話。
ーーーーーーーーー
この作品の魅力はやはり受けの悠介でしょう。
神山が基本的に表情を動かさない分を補うかのごとく、大きな目を見開いたり、怒ってみたり、無邪気にはしゃいでみたり、泣いてみたり、万華鏡のように表情を変化させます。
「人に心を見せるな、隙になる」と厳しい父親に躾けと称す折檻を受けながら育った神山にとって、対局のような存在です。
そんな神山が「君といるときの自分が好きだ」と悠介に言うんです。
素直で一生懸命で感情を露わに接してくる悠介は新鮮であり、自分もこうあっていいんだと思わせてくれる存在。
一方の悠介は、神山のクライアントである元彼・峰井との仲を誤解して感情に任せて失礼な態度をとった挙句、神山ともすれ違ってしまった結果、見つめなおすんです、己を。
峰井に清く謝る姿とその後の神山への告白を見て、出会った頃の少年から次第に青年へ、そして大人へと近づいているのを感じました。
神山も自分を縛る過去の父親と決別ができて、最後のセリフが本当に良かったです。
それにしても麻生先生の絡みのシーンって本当に綺麗でエロいんだけど下品さがないし、コマ数少なくても充実感がある。そしてまさにここでやるべし!というところで致してくれます。
レビューのため再読。『only you, only』のレビューを書こうと思ってアレコレ読み返していたら、この表題作が自分の萌えツボに最もハマっていたことを再認識してしまった。大人な年上攻めとピュアでやんちゃな年下受けは王道だなー。表題作の後日談他、短編二編が同時収録されています。
ゲイ向けの出会い系で初Hの相手を探していた大学生の悠介。初めて男に抱いてもらうなら、理想に最も近い人と決めていた。ようやく十歳年上の神山を選び、希望どおり優しく抱いてもらうのだが…。
高校卒業と同時にゲイである自分と向き合い始めた悠介はまだまだ幼くナイーブで、相手を思いやる余裕がありません。そんな懸命だけれど一方的な彼の欲求を叶えてくれる神山も、年上ながらゲイとして色々抱えて生きてきたわけで。。身体は繋げていても、邪推や嫉妬や誤解を乗り越えてちゃんと本当の気持ちが通じるようになるまでがきゅんきゅんしちゃうんですよねぇ。運命的な出会いがお互いを生まれ変わらせてくれるっていうお話は、いつ読んでもやっぱりイイですね。
「僕らの言い分」 本当はお互いに好意を持っているんだけど、ゲイとノンケは住む世界が別という思い込みが二人を阻む、大学生同士の切ない両片想いのお話。お酒の力は偉大ですな。
「crossing」 当たり役のイメージから抜け出せず、スランプに陥っている俳優と真摯なストーカーのお話。シリアスですがダークではなく、前向きなトーンで構えずに読める小品。
最後に収録されているのは表題作の「その後」で、常に冷静で落ち着いた神山が悠介の失恋相手に初めて嫉妬しちゃうなんていうエピソードを盛り込みつつ、二人は幸せに向かって新たな一歩踏み出します。
麻生先生のお話って、BL小説を読んでいるような錯覚に襲われるんですよね。(『only you, only』なんか特に。)コミックだから立つ絵柄だよなぁ、でも割と小説の挿絵を担当されているのはなぜなんだろうと思ったら…。ちるちるさんの作家情報で、もともと挿絵からお仕事されていたということを今更ながら確認致しました。色々腑に落ちた。。
表題作3話と巻末に描き下ろし1話、同時収録作品2話です。
理想の出会いを求める高飛車な要求の書き込みをキッカケに知り合った、悠介と剛毅。剛毅は素敵な大人でまさに理想のタイプなのですが、悠介はかなり子供っぽくて、話し方も「〇〇っす」「かっけー」などとなんかバカみたいで、私は最初全然好みじゃないなーと思っていたのに、だんだんと可愛く見えて来て…。子供っぽさは変わらないのに、デートもHもとにかく一生懸命で、それがすごく可愛いんです!剛毅が惹かれたのもこういうところなのだろうなーってよくわかる。
剛毅の真面目で温和な性格とHのときのエロさのギャップもすごく良かった。こういうメリハリがいつも上手いなあと思います。時の流れや二人の気持ちの高まりに心が動かされて切なくなります。
悠介が剛毅に告白するシーンや、剛毅が心を見せるシーンなど、本当に切なくて泣けました。ただその分コマ割りが細かくて折角の綺麗な絵が勿体ないなぁと思う個所がありました。例えば3話のラストで、剛毅が悠介を悠介がそうだったように“一生懸命”に追いかけるシーンやその後の情熱的なベッドシーンなどは、もっと大きなコマでページを割いたら更に素敵になるんじゃないかなぁと思いました。エロくて綺麗なシーン、もっとアップで見たいです!
・『僕らの言い分』
このお話、悪くないんです。心情が伝わるし切ないし。だけど最初の設定が私には謎で、そこがどうしても気になってしまいました。友人同士が恋人になるお話ですが、なぜか友人の時から攻めのシオっちのナニを咥えてるっていう…!?なぜっ???深酒するとどうしてもってことらしいけど、私には何故?しか感じられず。この設定は完全にいらなかったと思います。最初は「普通の友達」でよかった。その他が良かっただけに残念です。
・『crossing』
売れない俳優とストーカーのお話。短いページで複雑な心情がちゃんと描かれています。この二人は今後ラブな展開になるのでしょうか!?気になります。
麻生先生の色気のある絵柄が好きだなぁと再確認しました。特に唇と舌が色っぽかった(//∇//)
ゲイを理由に親に勘当され人と距離を取ってきた剛毅と、失恋した大学生の悠介は出会い系サイトで出会う。
深く付き合いたくないという悠介の希望通り、剛毅は悠介に適度な距離を取りながら接していくけれど、悠介はだんだん剛毅に本気になり…
悠介が大人で優しい剛毅に惹かれちゃうのも、親から勘当されてる剛毅が悠介の明るさや一途さにほだされちゃうのもわかるし、お互いに一緒に生きていきたい大事な存在になっていく過程も納得なのだけど、二人の印象が真逆すぎてしっくりこないというか…
繊細な線で描かれる絵は綺麗なのだけど、二人が恋し合ってることに個人的に違和感があり、いまいち登場人物達に感情移入ができませんでした。
全部で3つのストーリーが入っていました。
いつもながら・・・雰囲気のある絵ですね~。
表題が一番長い作品で、このカップル、
感情を表すことに関しては真逆の2人。
その相対がとても面白かった。
どちらかというと、悠介の恋愛体質にゴーキはひいてしまうのでは?
と思いつつ読んでいたのに、全然そんな事なかった!
むしろ、今までと違った恋人のおかげで、自分が変われたんですねー。
他の、短い2作品も含めて、心の動きがしっかり書かれていて
とても楽しめました~♪
特に表題作「ティアドロップ」が、特に好きです。購入して何度も読み返しているのですが、ラストシーンがとても優しくて綺麗で・・・毎回、背中がザワザワと、胸がグっと詰まって泣きそうになります。
麻生ミツ晃先生のカラー(透明水彩?)は、色合いが綺麗で見ていてうっとりします。モノクロは、やわらかく繊細で精密、ベッドシーンはしっとりとしていてエロティックなんですけど、表情がまた綺麗で、ドキっとさせられます。
「ティアドロップ」・・・過去の失恋を引きずってる受けと、過去の家族の姿に未だに囚われている攻め。当初、受けの悠介が自由奔放過ぎて、ハラハラしていたんですけど、剛毅が今までに付き合ったことのない明るくて自由な悠介の姿に、気づけば憧れていて自分もそうなれる気がしてきて・・・
そして悠介は、面倒見の良い明るくておねえ言葉が時々混ざる剛毅の従兄弟に(この方がいなければ話は成立しなかった気がする:笑)説教をされながら、少年から青年に大人に変わっていく姿に感動しました。若いから自分のことでいっぱいいっぱいで、それでも剛毅と一緒に居たいって頑張ろうとして、それで少しずつ周りが見えて、その姿にまた動かされる攻めの剛毅。
ずっと父親に謝り続けて、出来の良い人を演じて、愛想よく周囲に合わせることから抜け出せなかった剛毅が、やっと向き合うシーンは手が震えました。
台詞だけではなくて、感情がふっと出る瞬間の顔が良かったです。
キャラクターも多すぎず、少なすぎず、それぞれ個性的で魅力的でした。
ザウルス君・・・かわいい・・・気がする・・・多分。(笑)
「僕らの言い分」二人とも可愛い!!しおっち(攻め)がヘタレながら、発言がとても格好良いです。不器用ながら相手を思いあってる感じが素敵でした。万歳のシーンは思わず笑ってしまったけど、暖かい気持ちになりました。
「crossing」・・・ストーカーといえば攻めの職業だと思っていたのですが(失礼)受けでも全然素敵じゃないか!!と新たなる扉が開いた気がしました(笑)二人の今後が読んでみたいです。
長いお話はとても深く、短いお話も、あっさりではなくて、しっかりと読み応えがあって、本当に素敵でした。
前作で作品に惚れて ようやく手に入れたこちら。
絵に関しては 好き嫌いがあるかも?
私はとても好きです。 作中の人物の表情が良いです。
表題作は もしかしてオーソドックスなラブストーリー?
なのかもしれないけれど 丹念に心の変化が描かれていて
思わず 「う~ん すごい」 と唸ってしまいました。
神山さんの最後の一言が それはそれは美しいのです。
二人の描き下ろしも載っていて 幸せなエンディングです。
(ただ 3月に半袖って・・・という疑問は残りました)
他に収録されている二作品ですが
細かい所に「ジ~ン」ときます。
軽く楽しみたい時には不向きかもしれませんが
何度も読み返したり出来る良作だと思います。
帯『近づきすぎないって、約束したから-。』
表題作は、出会い系サイトの募集書き込みから関係が始まる話。
募集条件が結構細かいので魔性の美少年風かな?と思ったんですが募集主の悠介[受]はゲイである事以外はやんちゃな現代っ子少年でした。
性的経験もそれ程無く、本番は剛毅[攻]が初めてでってとことか青年ってよりは青年になりかけてる少年って感じです。
剛毅の過去も含めて2人の関係を丁寧に描いてます。
マスターで剛毅の友人がオカマ言葉も含めていい味出し役。
同時収録の2作の短編もどちらも味があっていいです。
「crossing」は健気なストーカーもどき受と今は売れていない俳優なお話。これは可愛くて読後感が爽やかな話でした、ラストの缶のメッセージがにくい。
麻生さんは基本的に絵は上手いのですが不安定な部分があり、漫画部分に関してもまだまだ荒削りさを感じるのですが今作はそこが魅力の一つでもあると思うんですよ。
これからの伸びしろをひしひしと感じさせる作家さんです。
帯を読んで、頑なでおとなしい感じの受を想像していた。
帯にある台詞の抜粋や煽り文のイメージは結構、中味の印象と違うと思うことが多々あるのですが。笑
この作家さんはホントどのお話も繊細で必要以上に文字で説明しない。
雰囲気やキャラの表情など、まさに絵で読ませる漫画家さんだなぁと思います。絵はホント緻密で奇麗ですしね~
そしてほんとエロがえろいよね、いいよね(*′Д`)
以下それぞれ端的に感想です。
【ティアドロップス】
はじめは受のキャラが(帯のイメージと違って)コレはちょっと好きになれないかな…とか思ってたんだけれども。
神山に出会って成長していく悠介に、そんな悠介と居て変わっていく神山。2人の感覚の変化がわかりやすく描かれていて、
初めは激情を露わにした悠介が、2度目に峰井と鉢合わせたとき折り目正しく態度を改めたシーンは、読んでて胸がキューってなりました。
【僕らの言い分】
こっちの受キャラはパッとすきだなって思いましたw
ちょっと臆病で人の反応に敏くて笑顔でかわそうとする。健気などとはまた違う感じの愛おしさがあります。
【crossing】
ストーカー受。いかにもな感じのストーカー。いいと思う。笑
私はどうしてもストーカーに萌えを覚える方の人間のようです( ′`)
前作の「スイートビターキャンディ」が大好きだったので今作も購入。設定としては前作の方が自分は萌え度が高いんですが、いやいやこの作品、完成度が半端じゃないです。まるでよく出来た映画のように湿度とか温度とかが五感を刺激して物語の中に自分がいるみたいな錯覚に陥ります。登場人物の呼吸が耳をすますと聞こえてきそうな感じ。ホントすごいリアルなんです。自分は基本ベタよりの嗜好なので本格派の読ませる作家さんは苦手なのですがいや~参りました。エロも生々しくきっちり描かれていてそうゆう正直なところも自分は好きですね。次回作も期待したいと思います。
読み終えた感想としましては、純粋に良い作品だったなぁと思います^^
そうですね、一言で言うなら正統派BL…って感じでしょうか。久々にBLらしいBLを読んだ気がしましたww数ある派手な設定や度肝を抜くようなシチュのお話もそれはそれで味わいがあると思うのですが、私はこうゆう日常で普通に繰り広げられてそうなリアリティあるお話をじっくり丁寧に描き込まれた作品が大好きです!!
タイトルにも挙げましたが↑BLを読んで泣かされたのなんてホント久しぶりですよ~
他のレビュアー様も仰ってますが麻生さんは独特の世界感を持ってる作家様ですね^^絵柄は今時のスタイリッシュな作風とはちょっと言い難いんですけどw逆にそれがお話と見事にマッチしていて読み始めるとどんどんストーリーの世界に引き込まれる感じです。
前作でも思いましたが好きな方には超ハマれる作家様ではないでしょうか^^事実私も今作品で作家買いが確定いたしましたww
内容は恋に破れ真剣な恋愛に臆病になっている大学生悠介と父親との確執にトラウマを抱えた会計士神山が出合い系の書き込みで知り合いお互いに成長していく姿を描いた恋のお話です。
受けの悠介は素直と言えば聞こえはいいんですが逆に言い換えれば割と自分勝手でわがまま。そうゆうタイプと付き合った事のない神山にはそれが新鮮に思えるのかもしれないけど、端から見てると結構イラッとしちゃう場面もよくあるんですね。そこで我らの気持ちを代弁してくれたのが神山の従兄の瑛仁郎。神山を想うがゆえ悠介に度々キツい進言をしてくる訳ですが彼なくして悠介の成長はなかったと思うんです。
少ない登場人物の中でかなり重要な役割を担った人物ではないかと。
そして今回私の涙を誘ったのが過去の経緯で自分の感情を押し殺す術を身に付けてしまった故に悠介の気持ちを理解出来ない神山の苦悩~悠介が成長した姿を見せる終盤のくだりにかけてです。この展開にはちょっと意表をつかれちゃいましたw
お互いに大事に思いながらも、ほんの些細な事ですれ違い傷付け合う2人は見ててホント切なかったけれど、でもだからこそ彼らが結ばれるシーンには胸がキュンキュンさせられました!描写は結構エロめなんですがムラムラではなくキュンキュンなんですよ!!ww
他に友達同士とストーカーのお話が2話収録されてまして、タイプは違えどもそれぞれ楽しく読ませて頂きました^^
でも、やぱ今回は表題作に神評価ですね!
これが二冊目かと思うほどに、独自の世界を確立している作家さんだな~と、ちょっとしんみり、だけどあったかい、そんな空気感が溢れた作品でした。
小説の挿絵を描いていること、それがストーリーの充実に役立ってもいるのかな?そんな活躍を感じさせる作家さんですよね。
ゲイの出会い系サイトで都市伝説化している書き込みで、待ち合わせの場所にやってきた剛毅と大学生の悠介の出会い。
辛い別れを経験して、もう本気な恋はしたくないという悠介と、
父親とのトラウマを抱え、絶縁されて自分を取りつくろって生きてきた剛毅。
悠介の子供のわがままのようにさえ思える一途さに、今までのタイプとは違う新鮮さを感じ変わって行こうとする剛毅。
生活・仕事の違いによりすれ違いもありながらも、2人がしっかりと結びついていく様は時にじれったく、時に胸が痛く、時にほっとし、主人公達と一緒になって時間を共有している感覚を持たせてくれます。
本気にならない、って決めていたけれど本気になっていくのが怖くて臆病になる悠介に手を差し伸べる剛毅。
悠介の素直さに、「一緒にいる時の自分が好きなんだ」と剛毅に言わせ、新しい道を進ませる悠介。
そしてすれ違いを超えて、悠介が少し大人になって剛毅を認める。
少しずつ、2人が付き合うことによって人間としても成長していく様がうまく3本にまとまっていて、じわじわっとあったかいものが広がる。
また、エロ表現もかなり真剣な姿で、淫猥とか卑猥とか言うのでなくて、魂の交信のような雰囲気がでているのです。
最初の話で、エチとデートのシーンがコマごとに交錯して描かれるシーン、視覚的にも映像的だな、とものすごく斬新でした!
そして、ラストの2人が誤解を解いて本当に結ばれる時の玄関から部屋に繋がるシーン・・・衝撃的ショットでした!
そういう表現もあったか!!
たった1コマのショットでしたが、それが物語っていました。
うなるほどのうまさ!すごいな。。。
『僕らの言い分』
割と軽めのお話。
好きといえない2人なんですが、麻生さんが表現するとなんとも味があってただの軽さで終わらない。
この作家さんの泣き顔の描き方が魅力的なんだと改めて認識した作品です。
『crossing』
スランプで売れずにもう俳優をやめようとする役者と彼のストーカー。
ストーカーが実に気味悪いのですが、かわいいストーカーだったww