ディヴィジョン

ディヴィジョン
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神30
  • 萌×26
  • 萌7
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
13
得点
196
評価数
45
平均
4.4 / 5
神率
66.7%
著者
西田ヒガシ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

作画
西田ヒガシ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784403662867

あらすじ

新米弁護士の浅野は仕事でフィリピンを訪れるが、薬の運び屋の疑いをかけられて警察に捕まってしまう。刑務所へ搬送される車の中で一緒だった男・田中となりゆきで脱走することになった浅野。二人で逃亡生活をするうち、危険だが魅力的な田中からいつしか目が離せなくなり……。
アダルトでスリリングなハードボイルドロマンス。

表題作ディヴィジョン

ヤクザ者らしい男・45歳
独立したての新米弁護士・33歳

その他の収録作品

  • おまけマンガ

レビュー投稿数13

2人とも可愛いよ

 最初はメイン2人ともさほど魅力的に思えなくて傍観者的に眺めていただけだったのですが、段々田中の遊び人な外面の裏に潜む寂しさ、情の深さ、浅野の真面目なのにどこか抜けている可愛らしさが見えてきて、2人の掛け合いが面白く思えてくるんですよね。甘々でもシリアスでもない雰囲気の中、いい感じに草臥れた感のある大人の男を絡ませて萌えを生み出す西田先生の手腕にはいつも驚かされてばかりです。

 浅野を心から可愛いと感じてしまう、可愛くて手放すのが惜しくなり、嘘をついてまで手元に置いた田中の執着。いずれ終わりが来るだろうと予測しつつも彼に身を任せた浅野の思いきりの良さ。2人とも序盤から印象ががらりと変わって、僻地での出会いがこんなに人を変えるんだなぁと思ったり。そして、最後に田中に教わった海外での生き抜き方を駆使してもう一度彼を手に入れた浅野。文句のつけようがない、素晴らしいラストシーンでした。

0

まともな歩き方

西田先生がこの作品についてツイートされてて久々に読み返しました。

西田先生お得意の、ワイルドな危ない(けど実はまぁまぁ虚勢はって生きてる)男と、真面目でまっすぐで危なっかしい男の邂逅です。

むしろこの終わり方とってもお洒落ですよね。
真面目で、まっすぐな道を進もうとしていた浅野が、田中と出会ったことで「最初からワイロ出せばよかったか」と言えるようになる。そして無言で外される腕時計。
ただ浅野の本質が変わったわけではない。郷に入っては郷に従えで、相手の領分でのまともな歩き方を知っただけな気がする。
本質が変わってないからこそ田中も浅野を魅力的に思い続けるのでしょう。だってあそこで馬鹿正直に「あなたが好(きだから)」と言えちゃう男よ。可愛くないわけがない。

4

ロードムービーを観たような感じ

一本のロードムービーを観たような感覚。
弁護士の浅野が出張先フィリピンで元ヤ◯ザの田中と出会う。
ひょんなことから2人での逃避行に。
浅野は田中がタイプでいつものパターンと自覚しているけど、田中が浅野に惹かれていくとこに萌え。
ラストシーンがドラマチック✨

出会って、ことが起こって、一緒に逃げて、お互いの気持ちが揺れて惹かれあって…とじわじわ盛り上がって〜からのラストが最高にいい。好き。
タイトルは分割、分裂、相違…との意味らしく、普通に考えると弁護士の浅野と元ヤ(今も違法なことしてる)の田中のことかと。または一般社会と反社の世界。
または日本と異国との相違ともとれるかな。あと男と男(男と女)とか。
ま、田中の「(ヤの世界で)俺はこいつらとは違うと思って生きてくか、カタギの中で俺はやっぱりまともじゃないと思って生きてくか」セリフとか。2人の違いを表しているのかと。あと逃げる(田中)捕まえる(浅野)の意もあるかも。

私的にはさんざんフラフラあちこちでたらしてきて自分でもどうやったらたらせるか熟知している田中が、浅野を好きになる瞬間が何度かあって、それが大変萌えでございました。 

そして浅野が意を決して自分の世界から田中を捕まえに行くラストがね。それを受ける田中がね。2人がね。最高に萌えでした

だってね〜ネタバレですけど(今更)ラスト、浅野が自分の所へ会いにきたのを見つけた時の田中は無精ヒゲぼーぼーだったのに、浅野に会う時にはきれいに剃ってたんですよ!たらしでしょw 萌えるでしょ
その時の田中のカウントダウン、2人の腕時計の使い方も映画のようでございました。

3

オヤジのカウントダウン

これも大好きな作品です。ロードムービー風。攻めの田中の悪い魅力に受けの浅野だけでなく、読者も振り回されます。中盤での田中のカウントダウン。本当に素敵なシーン。何であんなすごいものが描けるんだろう。受けの浅野が完全に田中に落ちてしまう瞬間です。海にも落ちるけど。

西田ヒガシさんってセリフ回しもモノローグも本当にいいんです。あのセンスがすごい。物語の中でキャラも私達もときめかせてくれます。あと男の泣き顔の場面がいつも効果的。なんかこうきゅんきゅんしてしまう可愛い泣き顔なんですよ。

そして私の西田作品での好みなんですが、真面目でまともな人といかれたヤクザくずれとの組み合わせの話に特に名作が多いと思いました。これは攻めの方がいかれてましたが、「願い叶えたまえ」や「天国も地獄も」は受けの方がいかれてて、でもそんな相手と恋に落ちてしまった方も本望というかとても幸せそうなのが良いんです。まあダメンズ好きとも言いますが…そのダメンズも素敵に描かれているから納得させられるのです。

5

元奥さんの田中語りにもしびれました

何度読み返している事か。
毎回同じ所で体温が上がります。
皆さんと同じくカウントダウンの所です。

ここは浅野が弁護士として人として一線を越えるシーンでもあり、恋に落ちたという意味でも重要なシーンです。(これがディヴィジョンという解釈で良いのかな?)
以下ネタバレしています。


田中が1人船に乗っています。会話の流れで浅野を離し難くなった田中は10秒後に出発すると告げます。逃亡は嫌だ、警察にきちんと説明したい、考えな浅野。戸惑う中おもむろに始まる「10 9 8 …」さらに戸惑う浅野に構わず54321…は小学生がよくやる急にペースが速くなるあれです(笑)更にポカンとして反応出来ない浅野に「0.9 0.8…」と続けるのです。ここが私本当にどうにかなっちゃうんじゃないかっていうほど萌えまくりました。田中という人は絶対これやるはずだ…と。これ程キャラと言動がピタッとはまった事無かったな、って思って何故か泣けてくるんです。(笑)浅野は田中に落とされたけど私は西田さんに落とされましたーもお大好きです!!
因みにカウントダウンは更に続きますので、浅野がどう決断するのか…果たして小数点第何位まで続くのか…是非読んで味わって欲しいです笑えます。

そしてこのカウントダウンはある場面でもう一度行なわれます。それはそれはドラマティックでまるで映画のような使われ方をしています。はい、私はここでも泣きました。

恒例のあとがきは4コマ形式。西田作品の中でもトップクラスの可愛い受け浅野を自虐的に?うまく表現していてクスッと笑えます。

8

そうだった、忘れていた。

フィリピンにて、男ふたりの逃避行物語。
田中みたいな人って、浅野さんのみならずおおよその人が惹かれるタイプだなと思うのです。いたずらっ子みたいな仕草、投げやりな態度、そのくせ不意に男らしくて勘が良く、手を引いて世を渡ってくれる。惹かれない理由がないくらいに、ずるいオトコです。
またこの田中って、巧い表現を思いつかないのですが金太郎飴的西田先生作画キャラクタのなかでもちゃんと『田中だ』という風合いがありますよね。(金太郎~と称しましたが、それもアジであることを承知しております)
タレ目で、年相応の老け具合だけれどもニクイ男前。その目で老若男女をオトしてきたんだろうな~というセクシーな雰囲気! 目の皺があることで、若い浅野さんとの歳の差も感じられて良いなぁと思うんです。

浅野さんが普通の世界にいたならば、それこそ日本国内で田中と出会っていたら一歩引いて見ていたことでしょう。
でもここはフィリピン、そしてふたりきりの仲間でふたりきりの味方(とするしかない)、ある種のつり橋効果も働きながら恋に落ちる様はごく自然に思えました。
というかハナっから助けられたりしたらもー恩と縁を感じずにはいられませんよね! 誰しもそうか! 1話のモノローグで淡々と深みにハマる浅野さんの気持ちが重々伝わってくるのですよ! たとえ田中の彫り物を見たって!

ひとつひとつ萌えたところを挙げていくと、正直キリがないほど田中と浅野さんには要素がありまくりました。
序盤はもっぱら田中祭りで(舌ぺろりんもそうですが一番はカウントダウンでしょう!! 可愛すぎる!)、慣れない逃避行で荒む浅野さんに可愛げが見いだせないのですが、後半(カジノでの一件以降)は怒涛の田中浅野のダブルフィーバーでした。
放っておいてくれと涙する浅野さんの羞恥心や辛さもさることながら、明らかにそれで胸打たれてやや惑う田中もたまりません。
そりゃ面白くないですよね、好意を寄せられていた相手に突き放されるのもそしてうっすらあるだろう責任感も、なにより田中は根本的には優しいですから。損得もありましょうが、それでもここまで『先生』と連れだって巧く逃げおおせてきているんですもの。途中で『先生』を放り出すこともできたでしょうにね。
ベッドシーンも、明確な結合部も映らずただ暗がりでふたりが肌を重ね合わせているだけですのに、しごく耽美なのです。どうしてあれほどまでに艶やかなのだろう。田中の肩口に彫られる花(牡丹か、芍薬かなぁ?)がまた印象的で一層このシーンを読者の目に焼き付ける要因になります。
浅野さんを探しにきた警察をていよく追い払ったのちに浅野さんを手籠めにというか巧いこと騙して逃避行を続けちゃうあたりが、ああ田中悪い人だったんだそういえばと思い出すところになるのですが、でもこんなちゃっちい偽りが、切なくなるんです。束の間ですもの。いつかは夢が醒めてしまう。
(田中の遣り口って、少し洗脳めいたところがありますよね。危うい。俺がいるから、俺が仲間だから、俺が守ってやるから……って)

そうして夢が醒めたときの田中の顔といったら。
今まで余裕綽々で、すべて掌の上って感じでしたのにね。
罪から解放されたと喜ぶ浅野さんに対するジレンマも、偽りの所以がバレて心を露わにされそうになったから浅野さんを突き放してしまった自分にも、なによりリアルな己の感情に気が付いてしまったことにも、全部に困惑しているその顔がすごく良かったんです。

数々のディヴィジョンを越えて(日本)、越えて(ぽてちんリターンからの塀)、最後の隔たりでは再びのカウントダウンにやっぱり田中には敵わないなぁなんて浅野さんの気持ちになってしまいました。
すとん、と落ちる終わり方もシンプルで美しいと思います。そこから果たして田中がどうやって出所したかは定かでないけれども、きっと浅野さん、迎えにいったのだろうなぁ。

四コマのように微笑ましいふたりが、日本でもあーだこーだ言いながら過ごしているのでしょうか。面倒になると逃げてばかりだった田中の手綱を握りしめるのは、今後ずぅっと浅野さんであってほしいものです。

5

西田劇団健在

仕事で訪れたフィリピンで、事件に巻き込まれる弁護士の浅野。
そのとき出会う田中と名乗る男と成り行きで、異国の警察機関から脱走することなる、西田さんならではの珍道中…
どんなに期待てんこ盛りでも、裏切られることなく、期待以上の喜びをもたらしてくれる。それが西田作品なのじゃー!としみじみ感じております。お約束のおまけ4コマも堪能させてもらい言うことナス!

とか言って実は読みながら、かつてない乙女受けにちょっとたじろいだりもして、こりはひょっとして追いてかれたかもと不安になったのですが、もう完全にいらん心配でしたね。
すぐめそめそ泣く受けは苦手なのですが、この作品の場合は環境が環境だし、子供のような泣き顔がいちいち可愛いのです。
あんまり可愛くってもう床の上で何度ゴロンゴロンしたことか。鈍くさいし。塀から落ちてうずくまったり、船に飛び乗りそこなったり、小さい頃から勉強ばっかしてきたコなんだろうなあ。
前々から西田劇団と言っておりますが、この浅田役は『素晴らしい失恋』の表紙の彼ですね。
田中さんは…わからん。期待の新人かしら。遅咲きの。
その田中さんがまた、最強ですよ。
相変わらず目で殺されちゃう。なんだよもうこの色気。びっくりするわ!
巧妙なカウントダウン、人の皿からおかずをちょっとだけ横取りして茶目っ気のある表情、自分の元に呼んでも相手が拗ねて来なければ、即座に相手への距離を詰めに行く…やることなすこと魅せられてしまう。
わかってるけど、深みに嵌ってしまうよねこんなタラシ男なら。
そして、そんなダメな男に弱い弁護士というのも西田作品では新鮮だった。

スリリングでユーモラスでどこか悲しいのに、すごく幸せになれる西田さんの作品…毎度言ってるけど、映画化してほしい。こんなロードムービーほんとにほんとに劇場で観れたらいいのに!!

7

あーもー、最高

ホント、西田東さんにはハズレがねぇっす。
私の趣味のど真ん中ばかりついてくる。
一生ついていきますぜ!

真面目な弁護士(受け)と、悪い元ヤクザ(攻め)の逃亡劇です。
真面目な弁護士は男の趣味が悪い。真面目は真面目同士でくっつけばいいのに、惹かれるのは悪そうな男、という。「付かず離れずで気を持たせるのが習い性のようになってる男」に惹かれるってアホアホだよね。手練手管だと分かってても、気持ちが傾くのは止められない。いやー、共感したくないけど共感します。私もかつてはそうだった。ワハハ。

攻めのキャラ設定はホントに秀逸ですね。リアルにいそうだからヤダ。エピソードが積み重なるにつれて、彼の重層的な性格が浮き彫りになっていく。単純にいうと、「遊び人だけど、お前に出会って本気になったぜ!」系とか「精神的に強くてちゃらんぽらんだけど、本当は寂しがり屋なんだぜ!」系の、BL界では極めてありがちなキャラなんですが、そんなふうに類型化したくないんですよ。したくない。読めば分かるけど、そんな単純じゃない。や、違う、ある意味超単純なのかも。(どっちやねん)

ストーリーは文句なし。キュンキュンしました。
随所に挟み込まれるユーモアも文句なし。弁護士先生が刑務所に忍びこむ場面がお気に入りです。ぽてちんしてる先生が可愛すぎて、萌え死ぬ。
毎度ながら、ストーリー性とユーモアのさじ加減がいい。

おまけマンガはその3がお気に入り。
とにかく!隅から隅まで素晴らしかったです。

7

好きな男とのキスとセックス

西田さん大好き!!
相変わらずの青年誌みたいな絵ですが、お話はとっても素敵。非日常な事態に陥ったふたりの、逃亡劇の中の恋物語です。

田中がうまい。あれはずるい。自分の魅力を知っていて、相手の感情に敏感な男は厄介ですね。馬鹿でいれば優しいけれど、賢くなると逃げていく男。彼の言う可愛いは、『何も知らない愚かさが可愛い』って意味が含まれてそう。自分より下だと思うものに対して『可愛い』と表現してると思いました。だから自分と対等な奥さんになる人には、可愛くない人ばかり選んじゃったんじゃないかな。

浅野は確かに可愛かった。頭はいいのに、田中を信じきってる。田中から見たら、さぞ『可愛く』見えただろうな。だから最後、全部知って可愛くなくなった浅野を、田中が受け入れたのには感動しました。

西田さんの良いところは、最初から主要人物をゲイにするところだと思います。だからお話に無理が出ない。いつ惚れたのか、という部分がよく分かります。最初からタイプだったんですもんね。
恋とキスで悩む場面は、とっても切なかった。好きになってくれるわけもない男への恋は辛いなぁ…

とっても面白かったけど、欲を言うなら後日談が欲しかった…!!日本でのラブラブ生活見たかった!!

5

オヤジの臭い!! 

なんでだろうなぁ。絶対的に絵はエロ綺麗派大好きの私なんですが、何故だか引かれる西田東先生の作品。絵的にエロ綺麗には程遠い・・・ですが、なんだか妙にリアルオヤジvv 西田先生の作品を読んだ後って、普通に買い物でた先ですれ違ったオヤジみて普通に妄想できるようになってしまった・・ 本当に普通の男描いてくれるんです。
臆病な弁護士 浅野にしても、ちゃらんぽらんな半端ヤクザの田中にしても、なんだか現実にどこでもいそうなオヤジ。そこが、他の作家さんと西田さんの大きな違いかな!寝ていたシーツや枕から肌の脂臭さとか、加齢臭vvなんかまで香そうな感じがします。
そして、ストーリー中の二人のやり取りが背伸びしてない普通の男のやり取りを思わせる・・・。決して格好つけず、どこか男の意地とか対面とかそういうのも踏まえてのやり取り。エロさも綺麗さも無いけど、なんだかほっとさせた男の恋の話でした。 

3

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