サガン。
この本は完全なパラレル本です。
『聖三角形』
最初読んだ時に「あれ、これどこかで…」と思ったのは昨年出た「夜ごと蜜は滴りて2」のCDのCMで流されたものが下敷きになっているからでした。
なので、冒頭はそんな感じですが、その後は完全パラレル。
なんせ、このお話、(伏見+深沢)×和貴の3Pですから!
でもでも。
根底にはしっかり深沢×和貴の恋人関係があって。
なので、和貴はちゃんと深沢だけが好きだし、出来得る限り伏見のことは拒んでみたりするのです。
が、快楽には弱い和貴なのですぐにぐずぐずになったりもするのですが。
ぐずぐずになって求めては、ふと我に返り伏見を拒絶してみせたり。
そんな和貴がとてもかわいらしくて仕方ありません!!
そして、そんな関係に身を投じている深沢こそがパラレルでしかありえません。
作者さまも言っておられますが、和貴が快楽に流されてしまうことがあったとしても、深沢が和貴が他者と完全に交わることを許すとは思えないので。
奉仕だけならまだしも完全に挿入までですから。
2人がかりで和貴を快楽の淵に落としてはいるんですが、それぞれの立場もあってビミョーに伏見と深沢の言葉のやりとりが喧嘩じゃないけど牽制し合っているというかそういうところも面白かったり。
オチはまぁ予想通りの展開ですが、それでこそ、と感じてしまうところもあったり。
どこまでも深沢のことだけが好きな和貴がかわいくて仕方ないです。
『弦月』
これ、探してたんです!
以前発行されたものの再録なんですが。
こちらは浅野×和貴になります。
こちらもやはり根底には深沢と和貴の恋人関係があるようで。
浅野に誘われても断ろうとするし。
本編の方では和貴は冬貴の影に怯えて冬貴との違いに縋る場面がありましたが、今回は国貴と比べられておりました。
和貴にとって国貴が特別な存在であるのは間違いなく。
そんな神聖視さえしている国貴と自分が違うと浅野に言われることでまた国貴はキレイな存在であることを感じようとしているようで。
そういう言葉の罠にハマっていくのが和貴らしくもあって。
それでも、最後は凛として毅然とした態度で浅野の前に立つ和貴も印象的。