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原作の小説は、大好きな木原先生の作品の中でも一番か二番か、それくらい好きな本でした。こちらのコミカライズでは、一冊の小説で二組いたうちの一組のお話だけが書かれています。
お話はどんなものかというと、タイトル通り。若いうちに成功をしてから年と反比例するように転落していった田頭の話。チクチクします。どこにでもあるわけじゃないけどどこかにありそうな……差はあれど夢破れる人はきっとたくさんいますよね。
こちらのコミカライズ、本当に原作のイメージをそのままにしたみたいな感じで、どうしようもないような、悲しいような、でもそんな中に愛が見えて……もう……もう……すごい。
この本だけでももちろん楽しめますが、原作のその後の〜を読むとより良い。幸せになれます。原作もこちらのコミカライズも、とにかく田頭と力の物語が本当に素敵で、ずっと好きで忘れられません。
木原先生の原作は未読です。
しかしながら、宮本佳野先生と木原音瀬先生の「親和性」の高さに驚きます。
主人公は、売れないミュージシャンの田頭。
バンドでデビューし、売れずに解散後ソロになっても売れず、俳優の仕事は入るが音楽に固執して事務所からも見放されつつある…
そんな田頭が10年ぶりに高校時代バンドを組んでいた小日向と再会し、小日向の弟・力(ちから)との日々を思い出す、という展開です。
売れずに鬱々としている田頭よりも、力の存在感が圧倒的です。
高校時代の力はちょっと変わった少年で、周りと相容れず生き辛そうで。
力は兄の友人である田頭に惹かれて田頭にまとわりつきます。でも田頭も力が理解できない。
なんとなく中途半端に話を聞いたり、キスさせたり、でも力を本当の意味で受け入れないのです。
そしてバンドの中で自分だけがスカウトされ、友人を裏切る形で皆と疎遠になっていく。もちろん力とも。
小日向と再会したことで再び力とも顔をあわせるのですが、力はかつての田頭の態度を怒っている。
そんな時田頭は枕営業のような関係を持っていた男に裏切られ…
すがるように力の元に行くが、今度は力が田頭を受け入れない。
この辺、さすがのコノハラ節だなぁ。
しかし、この「痛み」も宮本佳野流の静かで繊細な作風で描かれると、ただの痛さだけではない余韻というか情緒のようなものが立ち現れてくる…
そして、固執していた音楽と離れる田頭と、孤立を抱えながら詩を書き、激情を持て余して夜を彷徨った日々を経て田頭を抱きとめる男になっっていく力の姿。
青春の挫折とこれからの永い時間の予感を鮮やかに見せて圧巻です。素晴らしかった。
カバー下に木原先生のあとがき・解説があります。
全然的外れなのかもしれませんが、と前置きしておいて。
眞一には音楽、力には詩というどうにも譲れないほど大切なものがある、というのが共通点なのでしょうか。自分を捧げたものをみんなに認めてほしいと思うか、自分だけのものとするのかが二人の違いなのかな?
それはまるで、ヘテロとゲイの愛の違いのようだと思いました。みんなに祝福されて結ばれたいと願うことと、愛さえあればいいと思う人と、そういう違い。
なんとなく、眞一と力は恋愛という関係よりもっと深いところで共鳴している共に生きていくための仲間?同志?のような関係なのかなと思いました。人生のパートナー、みたいな。もっと臭い言い方をすれば、魂の片割れ、みたいな。イロコイとは違う、もっと深いものを感じました。
力が詩を書き続けていたように、眞一もまた音楽を続けることをやめられません。本当に好きなものはたとえ何があったって、やめることなんてできない。夢が破れても裏切られても、誰に認められることがなくても、才能がないのをわかっていても、それでもやめられない。どんなにみっともなくても、切り離したら自分でなくなるから、やらずには生きていけないほどの。
それほどの好きなものというのは、好きすぎて身近にあるのが当たり前で、もう身の一部になっているから却って自覚するのが難しいのかもしれません。
眞一と力も、好き、とかそういう次元じゃないんじゃないかなぁ。好きか嫌いか、とかそういうのを越えて、運命の伴侶なんじゃないでしょうか。なんか、性別とか環境とか、すべての制限を越えて結びつくんじゃないかと思うくらいの強い絆を描きたかったのかな?と思いました。
もうこのお話、BLとか関係ないんじゃなかろうか・・・
と、そんなことまで考えてしまいました。
自分が本当に愛しているものと運命の伴侶と結ばれるお話。眞一と力が殻を捨てて、自分自身に還るお話だと思います。
ラストはとても希望に満ちているし。骨太ないいお話でした。
木原氏の原作既読ですが、この本は木原作品の中でも今一つ主人公達に共感できない中途半端な位置づけの作品でした。
しかし、宮本さんの漫画になって、必要なセリフ・モノローグが抜き出されてそこを追うことで、ぐっと自分の中に入ってきたような気がします。
眞一が、歌手としてもう売れずに、体を売って曲を使ってもらうような堕ちた生活をしている、妙にプライドだけは捨てられない、そんな現在を生きているところ、10年ぶりに会った高校時代の同じバンドの仲間の優に会ったことで、当時眞一に激しい執着をしていて、その存在をウザく思っていた弟の力と再会することで話が進みます。
力は今でいうところの、他人とのコミュニケーションがうまくとれない多分発達障害の一種ではないかと自分は推測しているのですが、、、
兄よりも、どんなに近しい人よりも、言いたいことをズバっと言った眞一を気に入り、彼とキスしたいと願うようになるのです。
眞一は、そんな力をうっとうしく思いながらも、だんだんと彼といるのが心地よくなり、しかし、芸能界スカウトを受けたこと、大学受験のことなどで、縁を切ってしまうのでした。
再会した力は、率直な物言いで眞一を避けます。
しかし、頼るものも、弱音を吐く相手もない彼にとって、やはりどんなに邪険にされても力の元は心地よいものでした。
本当の事しか言わない力、きれいな心を持ったままの力。
そんな彼を愛していると言う眞一の心は、真実なのか?
ひとまずこの漫画では、この本編で終わりになっています。
この二人についてのその後は、小説本編でわかるようになっていますので、そこへつなげると、より理解して小説を読むことができると思います。
それにしても、この作品宮本さんの絵がほんとうにぴったりです。
原作、読んだと思います。でも、ほとんど忘れてる。
で、ergoで連載されていたこの作品も読んでいました。未完だったので、どうするのかなと思ったら、完全版が出てくれて、よかったよかった。
通して読んでみて、「これはやっぱり続けて読むことで、彼らの抱える複雑な気持ちを理解しやすくなるなぁ」と思った次第です。
力と眞一という、まるで正反対のような二人が、ぶつかり合いながらもなぜ引き合ってしまうのか?
私は二人の根本が同じだからではないかと思ったのですが、いかがでしょうか?
自分の思うままに生きようとして、自ら生きにくくしてしまっている高校時代の力。
若い頃はどうにかうまい具合に生きてきたけれど、それは流されていた部分が多く、現実に直面し挫折を知ることにより、今になって自分の思いに正直になろうとしている眞一。
今度は眞一が自らを生きにくくしています。
正直に生きていくことの難しさ、でもそれを一番自分が求めているんですね。
全てをリセットしてこれからの人生を力にゆだねたと思った眞一が、やっぱり音楽を切り離せなかった最後のシーン。
また一から始めればいいんだねって思いました。
青い時代が終わり、一歩大人になったっていうわけですね。
原作未読ですが、
これって、原作なしの、宮本さんのオリジナルだって言われても、素直に信じてしまいそう。
そのくらい、宮本さんの絵が、雰囲気ぴったりの作品。
でも、バッチリ、木原さんのテーマの
「言葉の通じない相手と、何時しか分かち難い番になる」
話なので、やっぱりコノハラ作品だなと
原作小説は、何となく読んだつもりになってたけど、このコミックスを読んで、やはり未読だったと判明、
コミックスの方は、原作小説本の後半部分だけらしいので、原作も探して読んでみようっと。
原作の小説はつい最近読了。
実は、こちらの話よりもう一つの話の方が好きだったので、そちらのコミカライズだと嬉しかったのですが、これはこれで良かったです。
宮本佳野作品は、『ラバーズ、ソウルズ完全版』のみ既読なのですが、そんな私でも宮本先生がこの話を、キャラを完全に自分のものにされているな、と感じました。あらすじを知っているのにキャラクターが呼吸をしている感がして新鮮でした。
宮本先生のイラストをイメージして書かれた、と小説のあとがきにあっただけあっての、この親和性かなと感じました。
惜しむらくはあとがきページが無いこと。カバー下に木原先生のコメントはあるのですが…私は宮本先生のが読みたかった。あくまでも『木原音瀬のコミカライズ』というスタンスなのだな、と思うと残念にも感じました。だったら小説の前半もコミカライズして欲しかったんだけどな…スケジュールの都合などでしょうか。(未練がましい)
話に全然触れていませんが…、
あ、ラストでもやっとした方は、原作を読むと納得されるかもしれないです。田頭の音楽との関わり方や二人の関係にも落としどころがついています。
バッドエンドではないですよー。
青春か…夢か…と、
時間差でじわじわ来るような作品です。
原作は未読です。表紙に惹かれて読んでみました。
なんかそろいもそろって不器用な人達ばかりだなと感じました。
眞一は、友人を捨てて一人デビューしたものの、すぐに転落。それでも音楽から離れられず、ズルズルとしがみつく。才能はないのにプライドだけ高い。
はたからみればどうしようもないというかなんというか…
そんな眞一に高校時代懐いていた力。
力は他人とのコミュニケーションがうまくいかず、変わり者としてあつかわれ、人知れず孤独を感じていた。
正直、力は眞一のどこに魅力を感じて、依存してるのか理解に苦しみますが、助けを求めるように一生懸命な姿は切ないですね。
そんな力に対して、眞一はいたってドライというか煩わしさを感じてたり、力から逃げるように上京しり、なんかいたたまれない気持ちになりましたよ。
大人になって再開した二人は…
ハッピーエンドと言えば、そうなんだけど、なんとも言い難い。
まるごと一冊ひとつのストーリー。
絵の雰囲気とストーリーは、イメージがぴったり過ぎるくらい
ぴったりで、とても趣のある作品と感じました。
でも、なんとも・・・難しいというかややこしい内容でした。
とりあえず、攻めである力くんのヘンさは半端無いw
変ってみんなに言われる・・・というセリフが多々でてきますが、
ホントに変人です。
正直、こんなウザイやつ滅多に居ないぞ!ってのが
キャラとして描かれています。
あまりにも変過ぎて、ちょっと感情移入もできなかったな。。。
アンニュイな感じの作りになっているんだけれど、
いまいちスッキリしない気分しか残らない作品だったように思います。