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zion no koeda
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
先日、本の整理をしながら棚の奥の方にあった1冊をふと手に取ると…「ザイオンの小枝」でした。
発売当時にこちらの作品を読んだ際、美しい絵でものすごい話を描く作家さんだと思った記憶が蘇りました。
10数年ぶりに手に取ったのにも関わらず内容がすぐに頭に浮かんだというのだから、きっと強く印象に残っていたのでしょうね。
このレビューを書いている2023年現在ではそこまで珍しくはないですが、当時はあまり多くはなかったいわゆるオヤジ受けが多め。
それにプラスして、監禁陵辱・ユダヤやドイツ等の軍事関係や戦争描写・人種差別等、やや読む人を選ぶ題材が詰め込まれた短編集となっています。
一部例外作もあるけれど、作品全体のテーマは愛憎・愛でしょうか?
刺さる人には刺さる・合わない人にはとことん合わない作品ではないかなと思います。
個人的には全部が全部自分の癖に刺さる1冊ではありませんでしたが、作家さん自身がその時描きたかったものを熱くぶつけた感じがして、この情熱は嫌いではないなと。
そして、とにかく画力が高いです。美しい軍服姿の数々たるや。
中でも印象的なのは、やはりタイトルにもなっているザイオンの小枝ですね。
幼い頃に憐れみから拾われ、育てられたユダヤ人青年×彼を育てたドイツ人将校の愛憎入り混じるCP。
攻めがやっていることは飼育に近い監禁陵辱…と、決して褒められたものではないのですが、なんだかこのお話には妙に惹かれるものがありました。
読後の余韻も好みでしたし、2人の過去のエピソード等、もっと読みたくなる要素が多かったです。
ただ、甘さはほぼない辛口めな1作です。下剋上・どんなに責められても気高い受け・2人だけの小さな世界あたりのワードにピンと来るものがある、特殊性癖が大丈夫かつ地雷のない方にはもしかしたらもしかするかもしれません。
割礼や浣腸・腸内洗浄がここまではっきりと描かれている作品はあまり見かけないかと思います。
他収録作は、比較的穏やかな再会もの・ザイオンの〜にやや似た雰囲気のヒリヒリとした執着もの・軍関係の幼馴染ものの3作+コメディタッチのデフォルメ絵柄で描かれたザイオンの小枝番外編(肉球編)といったところ。
幼馴染同士の短編「Paldias」が唯一甘くてかわいらしい印象です。すごくかわいい。
間に挟まれた肉球編を、シリアスが続いた合間に一息をつく楽しい箸休めと感じるかどうかはあなた次第。
私は、あとがき後のおまけとして巻末にあった方が並びは綺麗だったかもなと感じましたが、これはこれで別ものとして楽しめました。
かわい先生の小説「蒼空の絆」を読んで、稲荷家先生の軍服作品を読みたくなってのこちらです笑
欲望に素直
◾︎ザイオンの小枝
ハーケンクロイツこそ描かないものの、ストレートにドイツとユダヤ人、小さなカットですが虐殺まで作品に織り込んでいる挑戦的な作品。
ショタで割礼に言及し、大人でその跡をガッツリ描写してくださるという…特殊性癖への訴えかけの強さ。
◾︎クリサリス
美しい。これぞ耽美の世界。
◾︎熱の檻
こっちは堂々とハーケンクロイツ描かれてますね。今の電子とかは変わってるのかな?日本版は流石になんともないかな?
そして多くの方の憤りの的、肉球編
これも稲荷家先生の軍服と同じくの癖(ヘキ)ですから、止められないのでしょう…
このページ数あるなら、正しい等身で2人の内面をもっと掘り下げて欲しかったというのは素直な気持ちですけどね。
萌〜萌2
人それぞれに、愛の表し方が有って、
事情があって、守る為に選んだ方法といっても、残虐な方法の愛し方の連続。
SM嗜好の人は、嬉しいかも。
でも私は、こういう描写は好きじゃない、紙面から臭気を想像できるのでキモチワルイ。
最後に、伯爵を救助隊に引き渡して、独り去る。
数年後に伯爵は、自分を助けた彼を探しに行く気持ちになる
。。という結末で、純愛ものだったんだなーと理解。
痛くないと、愛を感じられない二人だったみたいです。
絵が綺麗で、惹かれて読みましたが、痛い流血のSM内容だったので、萌評価。
私は、猫編を楽しめました。中和剤ですね。
・・・・・・・語彙を調べて、作者が資料をよく集めていたことが分かりました。
▼ザイオン(Zion):
シオン (イスラエル) - エルサレム地方の歴史的地名。
「神の国」シオン、ユートピア、桃源郷、無何有の郷、華胥の国の意。
ラスタの思想では約束の地エチオピアを指す。
英語では「Zion」。
▼ユダヤ教での「小枝」:
メノラー(מְנֹרָה mənôrāh, menuroh, menorah)は「燭台」
生命の木を象徴している
7枝(厳密には中央の1本は枝ではないので6枝)のものをいい、ハヌカーに用いられる8枝(左右に4本ずつ枝が伸びて中央と合わせて9つ火皿がある)のものはハヌッキーヤーという。
▼「蝶」:変容の象徴
「卑しめられたのはわたしのために良いことでした。わたしはあなたの掟を学ぶようになりました。詩編 119編71節」
「卑しめられた」=元のヘブライ語は「押えつけられる、屈まされる」という意味ですので、「苦しみにあったこと」という翻訳でいいでしょう。
・・・試練20 苦しみの意味-蝶-より抜粋
表紙のアーリア人さんが綺麗だなあと思ったけれど、中を見たらおっさんなんですね。これはこれでいいのですが、だったら表紙からちゃんと年齢がわかる方が良かったです。私はおっさん受け大好物なので、逆に大喜びですが。
こういうBLでナチの話は何処まで描いたりしていいものなのか気になったりしますが、歴史ものとして好きなのでたまらないですね。
稲荷家さんはこういう軍事系が描ける稀有な作家さんなのですが、いまいちハマれないのは恐らく画力以外の趣向の問題かもしれません。
ダメなんですよ、肉球編。
本当、これさえ無かったら!としか云いようがありません。
私がこういうネタが苦手なだけなので暗い話の口直しになっているならばいいのですが、どう考えても本編を台無しにしていますよね。
お好きなのでしたら同人誌だけでやってほしいなあというのが本音です。(どうでもいい事なんですが、肉球編なのに肉球ないですよね……。)
本編だけならば「神」レベルですが、肉球が「しゅみじゃない」ので「中立」で。
表題作(全3話)と、表題作のギャグ編と、その他短編が3編入っています。
レビューを吟味した上で購入したものの、「ザイオンの小枝」肉球編が思った以上に本編の雰囲気をぶち壊してた…(>_<)
なんで肉球編にしちゃったんだろう…
エリヤも伯爵様もキャラ変わってるよ〜
表題作は最初に2話、間に短編と肉球編を挟んで、最後に1話収録されているのですが、最終話に行き着く頃にはキャライメージがブレてしまって本来のストーリーに入り込めなかったです。
肉球編さえなければ、せっかく耽美な世界観で纏まってるのに…なんだか勿体ないコミックだなぁ。
--ザイオンの小枝--
いきなり監禁状態からスタート。
終始、仄暗く重苦しい状態で凌辱シーンも激しく、萌えるシーンを見つけるのが難しいです。
読後はとても重苦しかったのですが、獣耳の肉球編で少し浮上できました。
(ギャグですが、変わらず監禁凌辱はしてます。)
凌辱シーンが凄かったです!
今だったら18禁のPINK GOLDくらいでしか見られないと思います。
古き良き時代ですね。
最後の伯爵の行動で、少し萌えることができました…
『百日の薔薇』で大好きになった稲荷家先生。美しい軍服姿は当代随一だと思っています。
・『ザイオンの小枝』kapitel.1~3 『ザイオンの小枝』肉球編
ユダヤ人青年のエリヤと、憐憫から彼を引き取った伯爵少将。伯爵がすべてだったエリヤと、エリヤに心を惹かれながらも、理性を保って接していた伯爵。伯爵の思いが見えないエリヤは、彼を監禁し・・。人種、戦争、迫害を背景に、エリヤの歪んだ愛情が伯爵を苦しめます。
とてもシリアスで耽美な物語です。表題作の他に3つの短編が収録されていますが、それぞれが「戦争」と「蝶」を介して綴られていて、余韻の残る印象的な構成になっています。
作品のあちこちで描かれる「蝶が舞う温室」と同じ、残酷さと美しさの相反する世界観に酔いしれている時に、ちびキャラの肉球編になってしまうので、気が削がれてしまいます。同人活動で肉球キャラをよく描かれているのでお好きなのはわかりますが、画力も世界観の構築もずば抜けている作家様なので、一冊まるごとシリアスなストーリーで魅せて頂きたいです!
それにしても稲荷家先生の絵は、素晴らしく美しい!この作品には無いほうが良いと書いたちびキャラ達も、本当に可愛いのです。もっともっとこの絵柄と世界観を楽しみたいので、更なる商業でのご活躍を願っています。
ザイオンに出てくるおじさんたちは40近い?もしくは越えてる?唇の横にシワがあるから50か……。
まったく萌えれない訳じゃないけど、ストーリーもしっかりしてるし。
けど、これは苦手かな。絵は全体的には綺麗だけど受けの草臥れてる感が美しくない。
表紙の受けは美しく見えたのでちょっと騙された感がある……。唇の横のシワもないし……。
ショートギャグの肉球編がまず苦手とする部分です。戦争の時代を背景にしているのにこのギャグはしっくりこない。
シリアスならシリアスで押し通して欲しかった。
Paldiasの幼馴染みカップルが一番好きです。この話だけ、受けが年下で年もそんなに離れてない。けど、短い。
激しいエロスがみたくて購入。
確かに激しかった。激しかったけど……どうしてシリアスなものに水を指すようなコメディパロを付け加えてしまったのか……。(゚Д゚;)
ナチ、戦争、とテーマが重いのだからそのままの雰囲気を最後まで残してほしかったな…と思った作品。
やっぱり暗い作品だとパロで楽しんでるキャラが描きたくなるのでしょうか……
わかる気もしますが、今回はちょっとこらえてほしかったかも…スミマセン。。。
あと、個人的な希望としては、未来永劫、精神的な心の部分では平行線のままの二人がよかったです。
分かり合えない部分をのこしながら、憎悪と愛とがごちゃ混ぜになったドロッドロの関係に延々苦しむ…みたいな。
でも軍服も外人も大好きなので拝めてよかったです!
なんだかんだで、この手のジャンルの作品は少ないですからね…貴重です。(。-人-。)アリガタヤ~
《個人的 好感度》
★★★・・ :ストーリー
★★★★★ :エロス
★★★・・ :キャラ
★★★★・ :設定/シチュ
★★★・・ :構成
民族間や宗教間の根深い溝には、
個人の意志では到底抗えないものが確かに存在します。
本作は、史実を含みながらも遠く隔たった虚構のようで、
乱暴に言えばある種ファンタジーともとれるでしょうか。
だからこそ、か細くても道があったことに
少し安堵できる気がします。
育ての親である伯爵を監禁し意のままにしていても、
青年は始終迷いを抱いた苦しげな表情です。
伯爵にしても抵抗と耐え忍ぶ姿は変わらず、
心身共に閉ざされた舞台では希望も救いもありません。
それなのに、執拗な凌辱において淫猥さは欠片もなく、
いっそ厳かにさえ感じられる所に
稲荷家さんの趣向と抑制の絶妙なバランスをみます。
嬲られ、また虚ろな姿に壮絶な色気があっても、
そこに見せつけるようなものは一切ないのです。
青年の意志が、支配や復讐も越えた
ある事への執着にあると肉求編で語られるのですが、
こんな大事なことをさらっとパロディに組み込むとは
油断なりません。
自分だけを見て欲しいという屈折した欲望と愛情で、
手の中に崩れ堕ちることを望んでいたのに、
結局青年の腕には抜け殻が横たわるのみ。
満たされない想いと自嘲気味の言葉が虚しいばかりです。
形の差異こそあれ、かつて確かにあった愛情を
ようやく見い出した時、この閉塞した物語が
一気に解放へと向かいます。
再び見える時こそ、きっと各々の意志で
手を取ることができるかもしれません。
執着・軍服・監禁・エロス・オヤジ受……なにこの優しさ。
うれしくて涎が出そうです。じゅるり。
閉ざされた世界とか、ひょっとしたら死ぬかも知れないという終わりを見据えた切なさだとか、もうどこもかしこもツボすぎてどうしたらいいんですか。
と、思っていたらぶっとんだ(褒め言葉)肉球編が間にあって、終わったと思ったら続編で……
もう!!なんていうか完敗です。
希望の残るラストも素敵でした
Paldiasの司令官と幼馴染みの話も楽しかったです。
私が大好きな絵描きさんの中で頂点にいらっしゃるのが稲荷家房之介さん。さすが 稲荷家さん!と言わしめるオヤジ受けに軍服vvv この人にオヤジと軍服を描かせたら右に出る人はないでしょう。 この人ほどリアルで小奇麗なオヤジと精工に描かれて軍服 私的には 稲荷家房之介先生の作品は全部神!!にしたいぐらいのファンなのですが・・ 稲荷家先生のストーリーはロマンが含まれたものが多いというか(エロは綺麗ハードなのに)、心のどこかの強い絆とか繋がりがあれば・・的なものがあるのでちょっと物足りない感じかな・・・・なので萌にしました。やっぱりBLファンとしては最期は心も体も満たされたエロが欲しいかなvv(て云うか根本ハッピーエンド好き派) でも作中の下克上・陵辱エロに腸内洗浄vvvv この方が描かれるエロは本当に綺麗リアルエロ!! 筋肉のライン・鎖骨・肩から腕にかけてのラインそしてアナル これほ綺麗で汚らわしくないリアルアナルを描かれるのは もう完敗です!
軍服。おやじ。陵辱。監禁。下克上。
シナリオとしてなにかを訴えたいというよりも
萌え設定をちりばめて1作描いた。
そんな印象を受けました。
お好きな方には、びたっ!とハマりそうな感じがしますけど。
私は設定よりもシナリオとしての完成度で読みたかったので
途中で小休止のギャグマンガが挿入されて気分が萎えました。
本編の陵辱にも愛があるしギャグ編にも愛ありきなのはわかるけど
おもしろおかしく陵辱してるのは、あまり好きじゃないです。
シリアスならシリアスのままで1冊読みたかった。
割礼の描写とカンチョウプレイの描写は、すげぇと思ったw
■ザイオンの小枝シリーズ
アンソロジーで読んだときは 状況がよく理解できなかったというか
「で 結局どうなのよ?」 みたいな感じだったんだけど
加筆されて やっとわかった感じ
■ザイオンの小枝 肉球編 シリーズ
文句なしにかわいい 文句なしにおもしろい
1ページ目はシリアスなくせして ページをめくると いきなり駄犬
これだけで 神評価をつける価値があるってもんです
おいら 軍関係はまったく萌え要素ではないんです
死とか 流血とか 理不尽な暴力とかがダメなので
(ほこほこの鳩の足に紙が結んであったのはちょっと切なかった)
稲荷家さんのおかげでオヤジの良さを認識しつつあります
雰囲気のある作品がそろってましたね。
稲荷家さんの作品は初読みでありますΣd(´∀`)イイ!
表紙のオヤジ受くさいエロ臭に誘われて思わず購入してしまったこの作品。
ナチス・ドイツ。そのあたりの軍人さんもろもろを描いた短編集であります。
■ザイオンの小枝。
陵辱系ですね。保護という名の監禁・陵辱。
下克上モノといってもいいんでしょうかね。
抵抗する気力を奪うほどに~というところがあるので、苦手なかたは苦手なのかもと思ってしまう。良くある、監禁陵辱されて、身体が感じすぎて心も落ちてしまうという類のものではありません。
なんといっても、最後のエピソード3
最初の2までを初っ端にもってきておいて、ほか短編はさんで3を最後にもってくるという手法はちょっとウマいなとおもいました。
テンション高い後だけに、「え・・・」と思わなくも無かったんですが。
伯爵様。どんどん細くか弱くなり、抵抗もしないようになってしまいます。
ついに壊れた・・・・と思ったんですが、半ばそうでもなかったようですね。
この複雑な描写がなんともいえず・・・複雑な気持ちになりました。
決して嫌いなわけじゃない。失ってはいけないと思っている気持ちが現れる部分。あ~そうなんだ~とおもってみたり。
すごくなんともいえない気持ちになる作品でした。
戦争・過去。もろもろ含めて幸せになってほしい。
■ザイオン~肉球こそが~
スピンオフというか、番外編というか、なんというか。
ワンコとニャンコに置き換えて、陵辱生活を楽しくしよう!
な、ひたすらテンションの高い作品です。
あるいみ、最初の暗いシリアスな雰囲気と一転するので、ここで救われた・・・と言ってもよいのではなかろうか。
この手の、アホなエロスはこれまた大好物でありまして、ここだけでも「神」つけたい勢いであります。
それにしても・・・このテンションで陵辱とか・・(*´∀`)クスクス
ほか短編いくつか。
これも戦争まきこんでの、背景ちょっと怖い系ですが、愛はある。
愛ゆえの行き過ぎた行動然り。
予想外に、全体のエロスも濃い目です。
何というか色々残念!オヤジは良かったんですよ、皆さんいい感じのオヤジでそこはかとなく妙な色気持ったオヤジのオンパレード! しかも年下攻めばっかり! 好きなシチュなんでこれはよかった。
だけどねー、なんでこんなにぶつ切り、こま切れな話ばっかりなの!?
どの話も「いい感じになりそうな予感がある」にもかかわらず何だか中途半端。
この二人を語るにはもうちょっと尺がいるでしょう、尺が!!って感じの物足りなさ。
特に表題作はもう少し長くないと単なる監禁凌辱で終わっちゃうじゃん!LOVEは?LOVEはどこ行ったんだ!?と言いたくなるレベル。
その辺お粗末でちょっと萌え足りなかった…。本気で残念だ、何せキャラがいいから余計に。
特に伯爵とユダヤ少年の場合はもうちょっと過去の愛情あふれる部分をみっちりねっとり描いてほしかったよー!
少年~青年部分が特に欲しかった! 伯爵に焦がれて、でも同胞への裏切りにジリジリしてるのを見たかったんですよー!!
あ、それになんであんな変なページ構成だったんだろう? ちゃんとそれぞれの作品をくっつけて載せればいいのに。変に離されてる上に肉球編挟んじゃってるし。すごく不思議だったな。
主観的感想でほとんどが埋まりそうですね。どの話もキャラがすごくよかったんですけど、もっともっとじっくり読んでみたかったのはユダヤ人ピアニストの話ですね。
あれはちょっと説明不足すぎる! おかげで萌え所がよくわからなかった…残念すぎる…。
肉球はその分変に助けてくれてましたね。
この人の描く肉球漫画は何とも言えないいい味があって大好きなんですよ。今回は本編の萌えが少なかった分、こっちの方がむしろ萌えでエロかったのは皮肉な感じです。
あれだけのページ数あったんなら、シリアス編をもうちょっと掘り下げてくれても良かったのにとすら思ってしまいます。
特に、伯爵が少年をシャンプーしてるのに激しく萌えたので惜しくて惜しくて!!
まあとにかく、全体的に物足りないよ!残念だ!ってのが感想ですね…。ホントに残念だー!
私やっぱり強姦凌辱系って苦手です…
稲荷屋房之介さんはすごく好きなんですが、今回は痛すぎましたね…
まずシリーズ中の題材が重すぎて…
表題作はもう凄かった。
あの腸内洗浄…痛いから!!アレ、下手したら脱水になりますよ!
アナルのアップとか…ちょっと気持ち悪くなっちゃった…すみません。
アレはもう性的な意味では見られない、ただの『肛門』でした、スミマセン…
軍人(オヤジ)と、彼に子供の時に飼われていた(本当は匿ってもらっていた)ユダヤ人の青年。
愛と憎しみの監禁劇です。
オヤジが精神的にイっちゃうのが辛い…痛い…
愛故の行為だとしても、私としては受け入れられません。
そして、真実に気付いた時の青年の苦しみも痛い。
彼に対する愛情と、自分のやってきたことへの後悔…そんな言葉では表せないくらい、彼はとんでもないことをしたと感じたことでしょう。
…うん、とんでもないことしてたよ。
この話は痛すぎて見てられないのですが、オヤジへの愛と、可愛い肉級編のおかげで乗り切れました。
ホント、この肉級編はこのコミックスの救いですね。唯一息が抜ける場所です。
ほかの収録作品は意外にスキ。
蝶を追うカメラマンと彼のガイドをしに来た男の話。
オヤジカメラマンの妙な色気と、そんな彼に熱っぽい視線を送るガイド。
そんなムーンとした雰囲気の中進む、ジャングルとはまったく似合わないロマンチックな話がったと思います。
ナチスの軍人とユダヤ人のピアニスト(オヤジ)の話。
この時代のピアニストってすっごいエロい。
『戦場のピアニスト』を思い起こさせます。
この軍人のビジュアルがかなり自分的に好みだったりします。
実はこの軍人とピアニストは、昔のピアノの先生と教師だったりします。
ユダヤ人であるピアニストを守るために軍人は匿っているわけなんですが…。
ナチスがテーマになることが多いので、やっぱり差別とか迫害とか、そういうイメージでコミックス中が暗~い重~い雰囲気です。
そんな中、ところどころ現われる蝶は何かのイメージなのかな??
個人的には自由の象徴かな…なんて思ったりして。
あのハサミで羽を切られたシーンにはゾっとしました。
好きな人には好きなのかもしれないですね、この作風。
軍服といえば稲荷家さん、稲荷家さんといえば軍服ですわね!
いや、壇からんさんももちろん捨てがたいのですけど、壇さんの場合は軍服フェチというよりは、「軍隊シチュ」萌えな感じが強いですしね。
稲荷家さんの軍服萌えはとにかく「将校姿」に対する執着心が凄いところが素晴らしい!肩章命!みたいなね。
それに今回のは伯爵で、ナチの将校さま(少将さまだから将軍ですね)を、ユダヤ人青年が敗戦のどさくさに乗じて監禁して飼っちゃうお話。
少将さまは貴族らしく、冷たく傲慢なご主人さま気質。
両親を失ったユダヤ人の少年を15年間養い、教育を施し、医師にまで育てるんですが、わかりやすく愛してはやらないのです。
で、逞しい青年医師に成長したユダヤ人少年が立場が変わったとたん!伯爵少将様を拉致監禁して凌辱飼育。下剋上で年下攻めでございます。
シチュエーションはそんな感じですけど、内容は特に痛くもハードでもなく、誇り高く美しい年上のご主人さま(ぶっちゃけおっさんですが)を好きなだけ汚す!
というシーンをとにかくしつこく描きたい!という情熱が伝わってきて、素敵です(笑)
羊はハードなのもまぁ割合平気な方ですけど、本作であらあら、と思ったのは「腸内洗浄」シーンですわ。
鎖で縛って塩水ガンガン入れて洗うんですけど、出す時のアナの状態をこれだけハッキリ描くとは(笑)
しかもきちんとそんな感じの音まで書いてございます。
これはもう目線は読者の乙女でなく、凌辱者のユダヤ人青年そのものなのでわΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)。
一転してかわゆい、でも内容は相変わらず監禁な「肉球編」も三つも入ってます(*^▽^*)。
そしてもうひとつ、別の監禁軍服ものが(まだ入ってんのか 笑)
こっちはナチの将校さんが、少年時代から憧れていたユダヤ人のピアノの先生を匿う話。
匿うと言っても、ピアノを弾くたびに手を鞭でびっしびしに打たれてしまうので、やはり監禁飼育なのです。
タイトルも「熱の檻」ですから!
軍服をきっちり着こんだまま、ユダヤ人ピアニストを鞭で押さえつけて半裸にし、「私のつけた傷だな・・・ここも・・・ここも。」と陶酔するナチス将校。
表題作とは逆バージョンですわね。相変わらず年上オヤジ監禁ですけれども。
監禁好きを自認する羊でも、けっこうおなかいっぱいです。。。。
軍服と飼育を書きたいように描く、その情熱に乾杯!
「肉球編」がなければ、この作品はちょっと救いようのない話になってたかもしれません。肉球編バンザイ(笑)
どのお話も全て「過去に何かがあった」ことが前提で進められているので、そこがもどかしくて…(>д<)想像するしかないのが焦れったかったです。
何をどうしたら監禁ということに至るのか、その執着は何なのかいまいち掴めず残念(>_<)
しかし肉球編はわかりやすかったです!エリヤがどれだけ伯爵大好きっ子かがよくわかります(笑)
発情期の来たネコ伯爵がイイ…(*ω*)
一番好きな話は「熱の檻」でした。SS将校×ユダヤ人ピアニスト。黒髪眼鏡のオジサマって素敵です。SS将校が鞭を振るう所がGood。
表紙も中身も絵は相変わらず綺麗で、とても読みやすかったです。次回作はもうちょい平均年齢上げて欲しいかも…
前回のリブレさんからのコミックス『楽園の泉』よりもエロ度が格段にアップした読みごたえのある作品集だと思います。
「ザイオンの小枝」 オヤジ受はそう好きでもないのですが、不快感もなくむしろ良いと感じられるのは高い画力が成せる技だと思います。
特に2話が濃厚でGOODです。
欲を言えば、もう少し幼少期のエピソードを入れて設定を説明してほしかったです。あと、最終話で突然攻の名前が出てきてちょっと戸惑いました。
「Chrysalis」 比較的普通のいい話。
関係ないけど、ネイチャーガイドって仕事大変そう。
「熱の檻」 表題と同じような設定のお話。
ユダヤ人を助けるドイツ人の話と言えば『アドルフに告ぐ』を思い出します。
久々に良い本に出会えたと感じました。
個人的にドイツ好きだからなのかもしれませんが…。
稲荷家さんといえば「オヤジ受」ですよね。
ザイオンの小枝収録の作品は、全部オヤジ受。
堪能しました~。
『ザイオンの小枝』
エロが…ちょっと苦手なタイプなので(絵で見るのはちょっと(汗)。活字ならOKなんだけど←おい)2話目は微妙ですが、3話目がスキスキ~なタイプだったので評価がUPしました。
伯爵は小鳥さんを探し出せるのでしょうか?
幸せになってね~。
『クリサリス』
幼い頃に出会った兄の友人。
生死の境に立ったとき、幼い頃の憧れが恋だと気づいた青年のお話。
『熱の檻』
こちらも幼い頃に一目ぼれした青年ですね。
少年時代に一目ぼれしたピアニストを捕らえる(かくまう)ラブ。
病的なほどの執着って、いいなぁ。
『Paldias』
上官と部下だけど、幼馴染。
4ページのショートですが、この話が一番ほのぼのしてました。
軍人色一色の1冊でした。
終戦後立場が逆転してしまった、ユダヤ人医師とドイツ人将校の監禁愛。
裏にあるものを読み取るのはそれほど難しくはないのですが、なぜ途中に違うお話やパロディを挿入したのでしょうか?
最終話が描き下ろしならともかく、既に描かれていたものなのだから、順番どおりに入れていただいたほうがわかりやすかったと思います。
それこそ、最終話が無いと、過去に将校がどれだけユダヤ人の少年を愛していたか、少年が青年になり、彼がどれだけ将校のことを大切に思っていたのかがわかりませんからね。
ただの、ナチス崩れ監禁SM話になるところでしたよ。
【Chrysalis】蝶と、戦争が引き合わせた運命の再会のお話。
これも、裏を読み取らないといけないお話ですが、蝶の習性と二人の関係を重ねたところが哀しく優しいと思いました。ハッピーエンドでなによりです。
【熱の檻】こちらは、ナチス将校とユダヤ人ピアニストのお話。
温室で飼われる蝶に重ねたピアニストの哀れさ、立場上これ以上どうにもしてやれない将校の辛さ、戦争は悲しいです。
【Paldias】幼馴染みである大隊長と部下の兵士。
理不尽な戦略と一時の安らぎ。えっ?逃亡する予定なんですか?それもいいと思います。
他に、ザイオンの小枝肉球編が3作。犬耳猫耳しっぽ付です。本編よりさらにエロエロです。こっちが描きたくて本編描いたんですか?稲荷家さん。
(ケモミミに萌えないこともないのですが、熱く語れなくてすみません。)
それから、表題作と、肉球編、身体のバランスが・・・他の作品は問題ないのに何故?
稲荷屋さんといえば、軍モノ。
しかも、すべてが年下攻めで「ザイオンの小枝」に至っては回想以外伯爵少将はほとんど裸で・・・萌えました!
伯爵少将の名前、最後まで出てこなかったデス。
攻めのエリヤの名前も最後の最後にポツリと・・・
最後まで名無しで行くのか変なところにハラハラしてしまったです。
幼少の頃両親を失ったため伯爵にひきとられ、ユダヤであることを周囲に隠して育てられたエリヤが、帝国崩壊の時自決しようとした伯爵を拉致監禁して積年の恨みをはらすように暴力行為を振るうお話。
別に子供の頃伯爵にイタズラされたとかそうことはないのですが
時代背景がナチスとユダヤですから、医者になったエリヤは収容所でユダヤの同胞が死んで行くのを見ていかなくてはならなくて・・・
そして、ナチスが崩壊する時死のうとする伯爵が憎くて、
愛憎が表裏一体して彼の心に住みついていたのですね。
どう見ても20歳以上年上の伯爵ですが、キレイです。
鳩で通信して助けを求めようとする伯爵を、
二人で閉じこもり、世間と閉ざされた世界を過ごしている期間を、
旧約聖書の箱舟の話になぞらえ「ザイオンの小枝」という題名がついたのですね。
重い題材とストーリーで行為は激しいものですが
エピソード3でちゃんと救われております。
「熱の檻」もナチSS隊員とユダヤ人ピアニストのお話。
これも、カラーが「ザイオンの小枝」と同じですが、SSのほうがピアニストに執着していて、悲しい愛です。
「Paldias」もナチSSとラトビア兵士が幼馴染のお話
と、ほとんどがナチスSSで構成されていますヨ。
軍服(特にナチSS)ファンには垂涎構成なのでは?
「Chrysalis」は日本人写真家が現地ガイドとして雇った男が昔好きだった男の弟で、再会する話なのですが、すっかりオッサン風体の写真家、実は若いころ美青年だったんですね。
そして何より嬉しいのが「肉球編」☆
ネコ伯爵にワンコ医者が楽しく(?)やってくれております。
ひょっとすると、これが本編なのではと勘違いしてしまうくらいデス(汗、、)
この一冊は、05年の初出から何年もかけて一冊編集ですが、
個人的に早く「百日の薔薇」の続きが見たいのも感想です。。。