ザイオンの小枝

zion no koeda

ザイオンの小枝
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神9
  • 萌×27
  • 萌18
  • 中立8
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
23
得点
135
評価数
43
平均
3.3 / 5
神率
20.9%
著者
稲荷家房之介 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
スーパービーボーイコミックス
発売日
電子発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784862636669

あらすじ

終戦後のドイツ。廃屋に監禁され生き永らえる伯爵少将。彼を閉じ込めて屈辱を与えながら世話をするユダヤ人の青年医師。誰にも理解できない彼らの関係とは…!? 珠玉の表題作他、2人が超絶可愛い耳キャラで動きまくるショートギャグ「肉球編」も収録した贅沢な一冊!! すれ違う2人のその後が描き下ろしで登場!!
出版社より

表題作ザイオンの小枝

エリヤ,ユダヤ人の青年医師
伯爵少将,育ての親

同時収録作品Chrysalis

ダグラス・カーライル,生き残り兵士のネイチャーガイド
日夏耿,写真家

同時収録作品熱の檻

アルベルト,ナチスの将校
エルンスト,ユダヤ人ピアニスト

同時収録作品Paldias

同時収録作品ザイオンの小枝 ~肉球こそ和が名誉~ ~肉球編2~ ~肉球編3~

犬,ユダヤ人青年医師エリヤ
猫,伯爵少将

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数23

記憶に強烈に残る短編集

先日、本の整理をしながら棚の奥の方にあった1冊をふと手に取ると…「ザイオンの小枝」でした。
発売当時にこちらの作品を読んだ際、美しい絵でものすごい話を描く作家さんだと思った記憶が蘇りました。
10数年ぶりに手に取ったのにも関わらず内容がすぐに頭に浮かんだというのだから、きっと強く印象に残っていたのでしょうね。

このレビューを書いている2023年現在ではそこまで珍しくはないですが、当時はあまり多くはなかったいわゆるオヤジ受けが多め。
それにプラスして、監禁陵辱・ユダヤやドイツ等の軍事関係や戦争描写・人種差別等、やや読む人を選ぶ題材が詰め込まれた短編集となっています。
一部例外作もあるけれど、作品全体のテーマは愛憎・愛でしょうか?
刺さる人には刺さる・合わない人にはとことん合わない作品ではないかなと思います。
個人的には全部が全部自分の癖に刺さる1冊ではありませんでしたが、作家さん自身がその時描きたかったものを熱くぶつけた感じがして、この情熱は嫌いではないなと。
そして、とにかく画力が高いです。美しい軍服姿の数々たるや。

中でも印象的なのは、やはりタイトルにもなっているザイオンの小枝ですね。
幼い頃に憐れみから拾われ、育てられたユダヤ人青年×彼を育てたドイツ人将校の愛憎入り混じるCP。
攻めがやっていることは飼育に近い監禁陵辱…と、決して褒められたものではないのですが、なんだかこのお話には妙に惹かれるものがありました。
読後の余韻も好みでしたし、2人の過去のエピソード等、もっと読みたくなる要素が多かったです。
ただ、甘さはほぼない辛口めな1作です。下剋上・どんなに責められても気高い受け・2人だけの小さな世界あたりのワードにピンと来るものがある、特殊性癖が大丈夫かつ地雷のない方にはもしかしたらもしかするかもしれません。
割礼や浣腸・腸内洗浄がここまではっきりと描かれている作品はあまり見かけないかと思います。

他収録作は、比較的穏やかな再会もの・ザイオンの〜にやや似た雰囲気のヒリヒリとした執着もの・軍関係の幼馴染ものの3作+コメディタッチのデフォルメ絵柄で描かれたザイオンの小枝番外編(肉球編)といったところ。
幼馴染同士の短編「Paldias」が唯一甘くてかわいらしい印象です。すごくかわいい。
間に挟まれた肉球編を、シリアスが続いた合間に一息をつく楽しい箸休めと感じるかどうかはあなた次第。
私は、あとがき後のおまけとして巻末にあった方が並びは綺麗だったかもなと感じましたが、これはこれで別ものとして楽しめました。

0

割礼跡

かわい先生の小説「蒼空の絆」を読んで、稲荷家先生の軍服作品を読みたくなってのこちらです笑
欲望に素直

◾︎ザイオンの小枝
ハーケンクロイツこそ描かないものの、ストレートにドイツとユダヤ人、小さなカットですが虐殺まで作品に織り込んでいる挑戦的な作品。
ショタで割礼に言及し、大人でその跡をガッツリ描写してくださるという…特殊性癖への訴えかけの強さ。

◾︎クリサリス
美しい。これぞ耽美の世界。

◾︎熱の檻
こっちは堂々とハーケンクロイツ描かれてますね。今の電子とかは変わってるのかな?日本版は流石になんともないかな?

そして多くの方の憤りの的、肉球編
これも稲荷家先生の軍服と同じくの癖(ヘキ)ですから、止められないのでしょう…
このページ数あるなら、正しい等身で2人の内面をもっと掘り下げて欲しかったというのは素直な気持ちですけどね。

萌〜萌2

0

こんな愛し方もあるんだなぁ・・

人それぞれに、愛の表し方が有って、
事情があって、守る為に選んだ方法といっても、残虐な方法の愛し方の連続。
SM嗜好の人は、嬉しいかも。
でも私は、こういう描写は好きじゃない、紙面から臭気を想像できるのでキモチワルイ。

最後に、伯爵を救助隊に引き渡して、独り去る。
数年後に伯爵は、自分を助けた彼を探しに行く気持ちになる
。。という結末で、純愛ものだったんだなーと理解。
痛くないと、愛を感じられない二人だったみたいです。

絵が綺麗で、惹かれて読みましたが、痛い流血のSM内容だったので、萌評価。
私は、猫編を楽しめました。中和剤ですね。

・・・・・・・語彙を調べて、作者が資料をよく集めていたことが分かりました。

▼ザイオン(Zion):
シオン (イスラエル) - エルサレム地方の歴史的地名。
「神の国」シオン、ユートピア、桃源郷、無何有の郷、華胥の国の意。
ラスタの思想では約束の地エチオピアを指す。
英語では「Zion」。

▼ユダヤ教での「小枝」:
メノラー(מְנֹרָה mənôrāh, menuroh, menorah)は「燭台」
生命の木を象徴している
7枝(厳密には中央の1本は枝ではないので6枝)のものをいい、ハヌカーに用いられる8枝(左右に4本ずつ枝が伸びて中央と合わせて9つ火皿がある)のものはハヌッキーヤーという。

▼「蝶」:変容の象徴
「卑しめられたのはわたしのために良いことでした。わたしはあなたの掟を学ぶようになりました。詩編 119編71節」
「卑しめられた」=元のヘブライ語は「押えつけられる、屈まされる」という意味ですので、「苦しみにあったこと」という翻訳でいいでしょう。
・・・試練20 苦しみの意味-蝶-より抜粋


0

どうしてこうなった!?

表紙のアーリア人さんが綺麗だなあと思ったけれど、中を見たらおっさんなんですね。これはこれでいいのですが、だったら表紙からちゃんと年齢がわかる方が良かったです。私はおっさん受け大好物なので、逆に大喜びですが。

こういうBLでナチの話は何処まで描いたりしていいものなのか気になったりしますが、歴史ものとして好きなのでたまらないですね。
稲荷家さんはこういう軍事系が描ける稀有な作家さんなのですが、いまいちハマれないのは恐らく画力以外の趣向の問題かもしれません。

ダメなんですよ、肉球編。

本当、これさえ無かったら!としか云いようがありません。
私がこういうネタが苦手なだけなので暗い話の口直しになっているならばいいのですが、どう考えても本編を台無しにしていますよね。
お好きなのでしたら同人誌だけでやってほしいなあというのが本音です。(どうでもいい事なんですが、肉球編なのに肉球ないですよね……。)

本編だけならば「神」レベルですが、肉球が「しゅみじゃない」ので「中立」で。

1

肉球編がなければ…

表題作(全3話)と、表題作のギャグ編と、その他短編が3編入っています。

レビューを吟味した上で購入したものの、「ザイオンの小枝」肉球編が思った以上に本編の雰囲気をぶち壊してた…(>_<)
なんで肉球編にしちゃったんだろう…
エリヤも伯爵様もキャラ変わってるよ〜
表題作は最初に2話、間に短編と肉球編を挟んで、最後に1話収録されているのですが、最終話に行き着く頃にはキャライメージがブレてしまって本来のストーリーに入り込めなかったです。

肉球編さえなければ、せっかく耽美な世界観で纏まってるのに…なんだか勿体ないコミックだなぁ。

1

監禁、凌辱、そしてギャグ

--ザイオンの小枝--
いきなり監禁状態からスタート。
終始、仄暗く重苦しい状態で凌辱シーンも激しく、萌えるシーンを見つけるのが難しいです。
読後はとても重苦しかったのですが、獣耳の肉球編で少し浮上できました。
(ギャグですが、変わらず監禁凌辱はしてます。)

凌辱シーンが凄かったです!
今だったら18禁のPINK GOLDくらいでしか見られないと思います。
古き良き時代ですね。

最後の伯爵の行動で、少し萌えることができました…


1

とことん追求して欲しい

 『百日の薔薇』で大好きになった稲荷家先生。美しい軍服姿は当代随一だと思っています。
 
・『ザイオンの小枝』kapitel.1~3 『ザイオンの小枝』肉球編
 ユダヤ人青年のエリヤと、憐憫から彼を引き取った伯爵少将。伯爵がすべてだったエリヤと、エリヤに心を惹かれながらも、理性を保って接していた伯爵。伯爵の思いが見えないエリヤは、彼を監禁し・・。人種、戦争、迫害を背景に、エリヤの歪んだ愛情が伯爵を苦しめます。
 とてもシリアスで耽美な物語です。表題作の他に3つの短編が収録されていますが、それぞれが「戦争」と「蝶」を介して綴られていて、余韻の残る印象的な構成になっています。
 作品のあちこちで描かれる「蝶が舞う温室」と同じ、残酷さと美しさの相反する世界観に酔いしれている時に、ちびキャラの肉球編になってしまうので、気が削がれてしまいます。同人活動で肉球キャラをよく描かれているのでお好きなのはわかりますが、画力も世界観の構築もずば抜けている作家様なので、一冊まるごとシリアスなストーリーで魅せて頂きたいです!
 
 それにしても稲荷家先生の絵は、素晴らしく美しい!この作品には無いほうが良いと書いたちびキャラ達も、本当に可愛いのです。もっともっとこの絵柄と世界観を楽しみたいので、更なる商業でのご活躍を願っています。

1

おじさん受け

ザイオンに出てくるおじさんたちは40近い?もしくは越えてる?唇の横にシワがあるから50か……。

まったく萌えれない訳じゃないけど、ストーリーもしっかりしてるし。
けど、これは苦手かな。絵は全体的には綺麗だけど受けの草臥れてる感が美しくない。
表紙の受けは美しく見えたのでちょっと騙された感がある……。唇の横のシワもないし……。

ショートギャグの肉球編がまず苦手とする部分です。戦争の時代を背景にしているのにこのギャグはしっくりこない。
シリアスならシリアスで押し通して欲しかった。

Paldiasの幼馴染みカップルが一番好きです。この話だけ、受けが年下で年もそんなに離れてない。けど、短い。

1

コメディ要素がちょっと…

激しいエロスがみたくて購入。
確かに激しかった。激しかったけど……どうしてシリアスなものに水を指すようなコメディパロを付け加えてしまったのか……。(゚Д゚;)
ナチ、戦争、とテーマが重いのだからそのままの雰囲気を最後まで残してほしかったな…と思った作品。
やっぱり暗い作品だとパロで楽しんでるキャラが描きたくなるのでしょうか……
わかる気もしますが、今回はちょっとこらえてほしかったかも…スミマセン。。。

あと、個人的な希望としては、未来永劫、精神的な心の部分では平行線のままの二人がよかったです。
分かり合えない部分をのこしながら、憎悪と愛とがごちゃ混ぜになったドロッドロの関係に延々苦しむ…みたいな。

でも軍服も外人も大好きなので拝めてよかったです!
なんだかんだで、この手のジャンルの作品は少ないですからね…貴重です。(。-人-。)アリガタヤ~

《個人的 好感度》
★★★・・ :ストーリー
★★★★★ :エロス
★★★・・ :キャラ
★★★★・ :設定/シチュ
★★★・・ :構成

1

束縛と解放のまにまに

民族間や宗教間の根深い溝には、
個人の意志では到底抗えないものが確かに存在します。
本作は、史実を含みながらも遠く隔たった虚構のようで、
乱暴に言えばある種ファンタジーともとれるでしょうか。
だからこそ、か細くても道があったことに
少し安堵できる気がします。

育ての親である伯爵を監禁し意のままにしていても、
青年は始終迷いを抱いた苦しげな表情です。
伯爵にしても抵抗と耐え忍ぶ姿は変わらず、
心身共に閉ざされた舞台では希望も救いもありません。

それなのに、執拗な凌辱において淫猥さは欠片もなく、
いっそ厳かにさえ感じられる所に
稲荷家さんの趣向と抑制の絶妙なバランスをみます。
嬲られ、また虚ろな姿に壮絶な色気があっても、
そこに見せつけるようなものは一切ないのです。

青年の意志が、支配や復讐も越えた
ある事への執着にあると肉求編で語られるのですが、
こんな大事なことをさらっとパロディに組み込むとは
油断なりません。
自分だけを見て欲しいという屈折した欲望と愛情で、
手の中に崩れ堕ちることを望んでいたのに、
結局青年の腕には抜け殻が横たわるのみ。
満たされない想いと自嘲気味の言葉が虚しいばかりです。

形の差異こそあれ、かつて確かにあった愛情を
ようやく見い出した時、この閉塞した物語が
一気に解放へと向かいます。
再び見える時こそ、きっと各々の意志で
手を取ることができるかもしれません。

4

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