太陽の下で笑え。完全版(文庫)

太陽の下で笑え。完全版(文庫)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神7
  • 萌×21
  • 萌4
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
6
得点
51
評価数
13
平均
4 / 5
神率
53.8%
著者
山田ユギ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
芳文社
レーベル
花音コミックス
シリーズ
太陽の下で笑え。
発売日
価格
¥648(税抜)  
ISBN
9784832283589

あらすじ

壮平・チカ・直樹は、高校時代からの親友同士。卒業後7年、チカと直樹は事務所を立ち上げ独立するが、壮平は定植につかず遊び歩いていた。自分の道を見失い、焦りを感じていた壮平が思い出したのは、ポロボクサーになるという夢。もがきながら再び目標を見つけた壮平を、10年間もチカは思い続けていた。25歳になった彼らの友情は、突然のキスをきっかけに恋へと発展していく…!!直樹編、「小さなガラスの空」「ワイルドマンブルース」も収録した、シリーズ完全版が文庫で登場!
豪華書き下ろしは後日談v

表題作太陽の下で笑え。完全版(文庫)

クールなフリーライター・チカ
遊び人ボクサー・壮平

その他の収録作品

  • 小さなガラスの空
  • ワイルドマンブルース
  • おまけ
  • おまけその2

レビュー投稿数6

どこまでも切なく沁みる。

絶望の中にある光は眩しくて儚い。

高校時代からの仲間である壮平、チカ、直樹の3人の関係を綴ったオマケを含めて5編の短編集です。

【太陽の下で笑え。】
過去のトラウマからボクサーへの道を諦めた壮平は順調に居場所を得る直樹とチカに対して引け目を感じ自堕落に。

そんな壮平に2人は安易に手を差し伸べない。
日常のまま話を聞き笑い飛ばし何気ない会話から壮平に『絶望的な環境下でも自分が後悔しないように生きる』ことの幸せを示唆します。

じんわりサポートする2人に支えられ壮平が自分の歩き方を思い出しチャレンジする姿が愛おしい。

ようやく素直になれた壮平がチカを男として意識し始めたあたりの無自覚な色気がたまりません。
もともと素直な性格だから方向が定まれば一直線なんですよね。

3人揃ってではなく2人ずつで残った1人のことを話す様が仲間への想いに溢れています。

男くさい外見のわりに繊細なチカ(片想いが長いと臆病になるよね)、ステレオタイプのオカマっぽく描かれている直樹の強さ、女タラシで純情な壮平のそれぞれギャップが楽しいです。

【小さなガラスの空】
学生時代はは仲間を得ることで小さな楽園になるが、逆もまたしかり。

綺麗な外見と綺麗なものが好き、というだけでオカマと虐められる直樹。

クラスメートの矢田は直樹を助けたことから仲間にからかわれ保身からイジメの仲間に参加し勢いで直樹を強姦してしまう。

彼らは幼い。
初めは自分の気持ちがわからなかったことがこわくて、自覚してからは発覚することがこわかったんだと思う。

絶望と希望が少しずつ直樹と矢田を浸食していく。

直樹の目線で語られるので矢田の本心はわからないのだけど女連れで歩いていながら直樹を呼び止めたり震える手でキスしたり…ただただ切ない。

いつまでも約束された居場所ではない学生時代…つかの間の楽園での愛情の名残に胸をしめつけられる。

【ワイルドマンブルース】
直樹にやっと幸せが(ホロリ。)
幼なじみの鮎ちゃんは優しいまま育っています。

大人になっても珍妙ともいえる前向きさに絆され(ほだされ)癒される直樹にほっとしました。

【おまけ】
大人になり出した答えが宙に舞う。
相手がその場にいないだけで、こんなにも胸が痛いものか…という感じでした。

子どもでバカで切なくて視界が揺れます。

2

お墓に入れてもらう1冊を選ぶならこの本!

 私にとっての神『太陽の下で笑え。』が文庫本に! 直樹関連の話が1冊にまとまり、文庫版でしか読めない描き下ろし『おまけその2』は10P。単行本派の方のために、『おまけその2』をこっそり大々的にネタバレです。

◆太陽の下で笑え。ROUND.1~4+FINAL ROUND
 白井壮平×チカ(近沢)×鈴木直樹の、友情と愛情と青春と成長の物語。詳しいレビューは単行本版で。
◆小さなガラスの空(『小さなガラスの空』収録作)
 高校生の矢田×直樹。大人に近づいたようで、まだまだ無力で弱い2人の不器用でせつない恋。壮平の馬鹿さ加減に救われます。
◆ワイルドマンブルース 前・後編(『水温む』収録作)
 直樹と幼馴染みの鮎ちゃん(3つ下)の話。前編は鮎ちゃん視点、後編は直樹視点です。幼馴染みの直樹が男に犯されていると知り、嫌悪したのは何故だったか。親よりも近くにいた幼馴染みと会わなくなり、5年ぶりの再会。回り道をしたから辿りつけた結末。
◆おまけ(『小さなガラスの空』描き下ろし作品)
 高校の同窓会に出席した直樹×チカ×壮平。過去は想い出となって。

◆おまけその2(文庫版描き下ろし)
 この描き下ろしがもう…!! 10年分の幸せをありがとう!! な10ページでした。
チカ&直樹&鮎ちゃんの幸せが本当に嬉しい。壮平はもうどうでもいいんですが(笑)
壮平(26)、チカ(26)、直樹(26)、鮎(22)の、とある1日。
【23:30】「こら…噛むなよ」「だ…って、あ…っ」
【4:00】 お仕事チカちゃん
【6:30】 壮平、昨夜の情事を思い出しながらロードワーク
【8:00】 チカ×壮平いちゃらぶ朝食
【10:30】 直樹&チカ出社
【13:30】 チカ妄想。o○(「吸って」…はないな。「早く…」か「吸えよバカ」か…)
【14:00】 仕事(一部妄想)
【20:00】 鮎×直樹、鮎の内定祝い。「…ねえ直。一緒に暮らそう」
【21:50】 来客(壮平)。「…もう別れる…」「あっそ」「理由くらい聞けよ!」
【23:05】 お迎えチカちゃん。「帰るぞ」ラブラブ帰宅。
【0:00】 就寝(一部妄想実践中)「やだも…っ。早く…っ」。o○(正解)
これは買うしかないです!!

2

山田ユギさんは別格だなァ

山田ユギさんは私の中で別格の漫画家さんの一人です。で、この文庫版は、思い入れの強い直樹関連の話を詰め込んだ一冊。
中でも『小さなガラスの空』は最高です。何度読んでも泣ける。

『太陽の下で笑え。』
ボクサーになる夢を見失い、自堕落なヒモ生活をしてる受けと、そんな受けをそっと見守る攻め。二人は高校時代からの友人なんだけど、攻めはずっと受けに恋してて、受けはそれに気づいてません。
受けは再びボクシングをはじめるんだけど、すでに25歳。プロにはなれてもそれ以上を目指せるだけの才能はない。「ただやりたいから。納得できるまでやるんだ」という境地にたどり着くまでの過程が素晴らしいです。無駄かもしれない。意味ないかもしれない。でもやるんだよ。男の生きざまですな。
攻めのムッツリぷりもツボです。無口で飄々とした雰囲気の攻めが、エッチな場面になるとやたらフェロモンを出してくるんでどうしようかと思いました。ユギ絵恐るべし。若干のヘタレ成分も私好み。
直樹はここでは脇役です。二人のいい友人だね。

『小さなガラスの空』
直樹の高校時代。
この短編が神!!
壮絶なイジメシーンがあるから読んでてつらくなりますが、ただ扇情的な場面を描いたっていうだけでなく、すべてが伏線になってます。短いお話なのだ。無駄なシーンなど一つもない。
最初直樹を庇おうとした矢田は、周りに囃し立てられて逆にイジメる側へと回る。
矢田は直樹に惹かれてるんだけど、否定したい気持ちがあったんだね。周りにもバレたくない、自分も認めたくない。だから無茶苦茶に直樹をイジメた。
直樹はそれを理解してたんだけど、だからといって矢田の行為を受け入れられるわけじゃない。
イジメの延長線のように、矢田は直樹をレイプする。そのときにはもう互いに互いを好きになっている。
ただただ二人とも若かった。矢田は直樹をレイプしながら傷ついていたし、直樹は傷つく矢田を見て溜飲を下げてた部分があったんだろう。この直樹の気の強さがイイ。
なんだろな、悲しいしホントにキツい話んだけど、美しいんだよね。愛があるから?青春だから?ユギさんの作品だから?
いまだこれを超える短編には巡りあえてません。

『ワイルドマンブルース』
はじめて読んだとき、矢田の印象が鮮烈すぎたせいで鮎を受け入れきれなかったんだけど、改めて読むと印象が変わるね。直樹には鮎がイイ。

うわ、文字数足りん。
オマケも神です!

1

丸く収まってくれてよかったー

単行本3つのお話がまとまった一冊~♪

私は鮎×直樹が好きーーー♪
幼馴染同士遠回りして違う人と付き合ってきたし疎遠になったりもしたけど
愛し合える人は本当は近くにいたんだねー♪って思える。

太陽の下で笑え
直樹のクラスメイト二人のお話
こちらも遠回り遠回りな上攻め様がどうにも意外とへたれ?受け様はやんちゃで素直じゃないしね。直樹が人肌脱ごうとして余計なことして友情までヒビがはいりそうになりますがなんとか・・・。直樹はいいやつなんだ!!(直樹推し)

小さなガラスの空
このお話がなきゃ直樹と鮎はくっつかなかっただろうしこれがあるから直樹には幸せになってーと思えるお話。
高校生になった直樹はことあるごとに「オカマ」といじめられ散々。
教科書は隠されるは机はいつもラクガキされるは・・・だけどいつも決まってあいつが教科書ひろってきたりすれたれた靴ひろってきたり・・・・。
臆病なあいつとの青春。鮎がトラウマなみにひどいめにあいます。
若いからこその残酷な仕打ち、好きって素直にいえない関係。

そして私の大好きなカプ~
ワイルドマンブルース
完全おねぇ言葉の直樹とあの時(トラウマ)いらいぶりに再会する鮎。
直樹なんて大嫌いだったはずなのに彼女にふられて直樹の元へおとずれる。
直樹に慰められる鮎可愛いーーー。朝チュン(笑)
鮎って本当にイイ子~。書き下ろしのおまけの鮎は次別れるとか直樹が言い出したら「泣くからな」って・・・・可愛いーーーー。
ラブラブな鮎と直樹。説明でしか書かれてなかったけど鮎のお父さんに反対されて身をひいた直樹とよりをもどすってドラマが隠れているところがイイ!
本当はそこも読んでみたかったなぁ。

1

重み

完全版として纏め上げられたとの事ですが、
通して読むと正直重いです。
山田ユギと言う著者名に軽やかさを期待して
手に取られた方にとっては残念ながら手に余る
作品になる可能性があります。
いわば舞台裏の稽古場を完全中継している様な
ものですからね。
評者はこういう重みも好きですが。

個人的には親本と変わらず神評価です。
ただ人様に薦める場合、重みへの好みも考えると
萌え評価になるかな、と。

2

順番通りに読んでほしい

まず、あの可愛らしくて男前の壮平が、こんな頭の軽い大人になってしまったのに衝撃を受けました。
そして、チカはあまり変わっていない。高校時代から「老け顔」って書かれてましたもんね…(笑)
この文庫版は、直樹編「小さなガラスの空」「ワイルドマンブルース」も同時収録されているのでオススメです。
特に「小さなガラスの空」はとても思い入れの強い作品なので、ぜひこの機会にこのシリーズをまとめて読んでいただきたいです。

高校の時に「ボクサーになる」と決めた壮平。もともと可愛い顔して男前な性格な壮平を、ずっと見守ってきたチカ。
多分高校時代から好きだったんだよね?
しかし壮平はある出来事からボクシングをやめてしまい、ヒモになってフラフラしていました。
そんな壮平をそれでもずっと見守るチカ。
チカもオヤジ顔ですが、クールで壮平を見離さない、大きな器の持ち主ですね。
どっしり構えていて素敵です、やっぱり男は包容力ですね!
正直オヤジはそこまで萌えポイントではございません。というかチカはオヤジなのか?笑
でも不精髭に眼鏡、老け顔、ボサボサ頭…と見事にオヤジな外見なわけです。
それでもとてもかっこいいです。男はズッシリ構えて待ってろ!みたいな(笑)
そして昔の恋人・矢田がいなくなって寂しい直樹が二人のスパイスになって、
ずっと自分を想い支え続けてくれたチカの存在にようやく気付く壮平。
まぁそこからはラブラブなわけです。
だめだめボクサー・壮平が再び夢に向かって歩き出し、チカの愛もゲットできたわけです。
エロまでも甘い。魔性の誘い受け・壮平…恐るべし!

壮平の、長年友人との恋に戸惑う姿や、男同士であることへの葛藤、また夢へ向けての希望や絶望など心理描写が見事でした。
ユギさんは土台の話がしっかりしているから好き。
ラブ抜きにしてもすっごくいい話なんですよね。
それに萌えをギュギュっと詰め込んでくるから、これがもーとんでもない作品になるわけです。
相変わらずの見事な肉体美、たまらん表情。そしてところどころついてくる笑いのツボ。
面白いのにキュンとして笑えて、萌える。最高です!

そして同時収録の直樹編は、涙なしには読めません。
詳しくはコミックス「小さなガラスの空」で感想を書いていますが。
そのまま続けて「ワイルドマンブルース」「おまけ」と続いてるところが「わかってるなー」というかんじですね。
私としては、「小さなガラスの空」→「ワイルドマンブルース」→「太陽の下で笑え。」→「おまけ」→「おまけ2」の順番で読んでいただきたい。
「おまけ2」はラブラブっぷりを見せつけられます…(笑)
チカのむっつりっぷりが好きvv 
タイムスケジュールに「妄想」が組み込まれているのが…(笑)最高、チカ。

1

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