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高口里純さんの作品は、個人的に絵は好きでも話がわりと苦手だったりするのだけど、
これだけは文句なしの名作と言わさせてください。
親同士の再婚により兄弟になった、ハーフ美形の不良高校生・斑(彼女有り)と黒髪正統派美形のすばる。
ビジュアルとしても非常に美味しく、この二人の絡みは眼福もの。すばるは、まさにツンデレ。精神的にもろさもあり泣いちゃうこともあるけど、あまり女々しくはないのです。斑も可愛くて、彼等のイチャついた会話をもっと見たい!と思わされます。
ぶつかりあい、惹かれあい、戸惑い、欲情しあう様が、彼らの熱が伝わってくる。
好きなのに先の見えない関係だとわかるから先に進めない。でも好きだから欲情する。
高口さんという方は、人としてシンプルな思考を魅力的に書いてくれる方なんですよね。
完全版ということで、1巻には小説、2巻には漫画と小説が追加されました。私はあってもなくても、大きくは変わらなかったかな。追加漫画で思ったのは、昨今の高口さんより以前のほうが絵柄が好きであるということ。
ただ完全版では話の時系列が直ってるので、読みやすいと思います。
作者自身が「純愛」という、本当に純度の高い恋愛。
読み手に心の決着をつける苦労を課す作品ですが、忘れることのできない作品です。
以下、完全ネタバレですーーーーーーー
初めて読んだ時、結末にショックで「なんでこんなタイトルつけたんだろう」と作者を半ば恨みました。
斑が悲痛で、やるせなさすぎる。
こうなったからこそ美しいのかもしれない。でもそんなこと読者は望んでないし(涙)
しかし、彼が存在し彼と愛しあったことは事実で、変わることはないのですよね。
読むたびに受け入れがたいのだけど、すばるは斑のなかに生き続け、これも幸せの形なのだと無理矢理思うことにします。
何かどこかふわふわしたストーリー。古い漫画でもあり、恋の行方にはらはらさせるという展開がメインです。そのためか、主人公たちの気持ちが上巻では定まらなかったが、下巻では彼女とも別れ(?)、斑とすばるはお互いに恋を意識してカップルになっていく。
それだけに、ラストでは二人の成人した姿が描かれ、すばるが亡くなった後の斑の悲しみだけ残ったのが解せませんでした。彼が亡くなる必要があったのか?分かりません。
バナナフィッシュへのオマージュなのかしら。向こうにはそうなるまでのストーリーがあるけれど、こちらはなんだか釈然としないまま終わってしまった。