恋の心に黒い羽

koi no kokoro ni kuroi hane

恋の心に黒い羽
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神29
  • 萌×219
  • 萌15
  • 中立6
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
22
得点
272
評価数
73
平均
3.9 / 5
神率
39.7%
著者
ヤマシタトモコ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784904101056

あらすじ

ドMの二神(ふたかみ)は同僚の中頭(なかず)に恋心を抱いている。
好きという純粋な気持ちと、それを覆う汚れた性癖。
交錯する感情の狭間で引き出される二神の本心とは───。
表題作「恋の心に黒い羽」ほか、日常から生まれるドラマチックな瞬間を綴った6編のラブストーリー集。

表題作恋の心に黒い羽

ケーキ店店員
ケーキ店店員,ドM

同時収録作品ベイビー, ハートに釘

高校の同級生
高校生

同時収録作品イッツ マイ チョコレート

同僚
6人兄弟の長男,27才

同時収録作品悪党の歯

ヤクザ,余命わずか
パパの中学からの友人で部下

同時収録作品その火をこえてこい

高校生
高校生,図書委員

同時収録作品FOOL 4 U

中学からの友人
34才

同時収録作品フォトジェニク

デリヘルボーイ
デリヘルを呼んだ男

その他の収録作品

  • SHORT CUTS(4作品)
  • 悪童の歯
  • ONE 4 FOOL, FOOL 4 ONE.
  • カバー下作品コメント

レビュー投稿数22

久しぶりに

引っ張り出して読みました。
あらためて読んでも面白いです.。゚+.(・∀・)゚+.゚
なんていうかさ、ハッピーエンド?え?ちょっと、これじゃ満足できないよ!!
そんな話が多いんですが(苦笑)、センセイの「その後は妄想で補ってください」というのを少し考えてみる。
妄想は自由ですからね。案外どんな話でも妄想の世界ならすべてハッピーに変換できるのではないだろうか。
おいといて。
今回の代表作『恋のこころに黒い羽』は、ドMな男が好きになったノンケ。
そんなお話。正直、帯の単語に踊らされて最初に読んだときは、なんと思わなかったんですが、こうやって読み返してみると案外深いのかも?と思ったり。
ののしられ、けなされて喜びを感じる。もちろんそれもひとつのテーマではあるんですが、なんていうんだろう、素直に心を出すのが怖いからっていうのがちょっとあったのがね。うんうん。

他短編たちも面白かったです。
案外センセイのいうようにハッピーエンドが詰まった1冊にも思えてくる。
ほら、ハッピーっていっても人それぞれあるわけですから。
決してアンハッピーではない。そんな気がしてなりません。
続編が読みたいものとしたら、いっちばん最後のデリヘルボーイのやつ。かな。

5

女の子が活きている!エンターテイメントに満ちたBLジャンルの新天地?

「くいもの処・明楽」で一躍有名になったヤマシタトモコさん。
「くいもの処~」も読みましたが、私は断然この本の方が好きです。あの話は連作で、この本は短編集ということで、また違った楽しみがあると思いますが。

ヤマシタさんではじめて読んだのがこの本でした。衝撃でした。これはまた、すごい投げかけをしてくる作家さんだなぁ…と思って。
ところどころにある会話やちょっとした笑わせどころもテンポがよく読みやすく、絵もストーリーもあっさりしているのに、なぜか後まで引っ張られます。
その上、ふとしたところにやけに時々エロスを感じる。
とりあえず、私はこれを読んだ後から、この恋の心に生える黒い羽について必死に考えています。そして読めば読むほど、感動する…。

鈴木ツタさんの「あかないとびら」からはじまり、BL界ではドMブームが来ていたのでしょうか?(いまも?)
本を買う前、本屋でこの本の立ち読み用冊子が置いてあって、ちょっと読もうと思ったんですが、なんだか書店で立ち読みするのは最初の2ページから憚られました…。みなさんこれはおうちで読みましょうね!!
この表題作以外も素敵で、なんだかこの方の本は、すごく色んなところにお楽しみがあります。ヤマシタさんが物知りなのでしょうね、小ネタもおもしろいし。
SHORT CUTSは嬉しいおまけでした。ヤマシタさんが構想からネーム段階で切り取ったシーン集なのですが、カットした理由がまたおもしろかったりして。
そしてまたカバー裏の資料がスゴイです。読んでから見るとすごく楽しかったです。
そしてここに書いてあるBGMもまた趣味がいい!このBGMを描けながら漫画をもう一度読むと、二度楽しめますよ!

私はヤマシタさんのコミックスは全て読んでいるのですが、今のところ1冊以外女の子が存在しない本がないのです。
BL世界じゃ時にタブーともなる女の子ですが、ヤマシタさんの描く『女の子』たちは決して嫌なタイプでなく、むしろとってもカッコイイ!ストーリーの中で光っているのです。

面白い言葉遊びのようなキャラクター同士の応酬、あっさり地味ながらどこかにドキリと感じるイラスト、それからBGMやらキャラクターのファッションセンスまで。いたるところにヤマシタさんのセンスが光ってます。
いわゆる『王道』が存在しない。
あらゆる意味で新しいBLジャンルのエンターテイメント。そして時に、女の子がいるが故か、妙にリアル。
フツーの巷に溢れるBLに飽きたら、ぜひ読んでみてください!
「BLに女の子がでるなんていや」と思っている方にも、ぜひ一度は読んでみてもらいたいです。物は試しです!
新たな世界に出会えるかもですよ。

5

健気(>_<)!

ぎゅーって
締め付けられて息が詰まりそうでした。
衝撃。
表紙作は、簡単に書いてしまうと

好き。
だけど罵倒して欲しい。蔑んで欲しい。
好きだから悲しい筈なのに、罵倒されると気持ちがいい。

みたいな感じですかね。
鳥肌たちました。
二神の背中に「ブワッ」っと黒い羽根が生えるシーンがあるんですが、その時の表情が堪らなくいい!
なんだあれは!
衝撃でした。


そういうシーンが無くても充分満足です。
好き嫌いはあるとは思いますが、わたしにはエロスが感じられます(笑)

4

胸がギューっとなる

トキメキとはまた違う、胸が苦しくなるような、そんな作品でした。
切ないのから、ほのぼの、バカ可愛いのまで色んな作品が詰まってます。
どの作品も何といっても表情がイイ!
ヤマシタトモコ作品は台詞がなくても成り立つくらい、顔がモノを言ってます。
特に切ない、戸惑うそんな表情を描かせたら逸品ですね。
あの追い詰められたような表情を見るとゾクゾクします。
ほんと、魂が宿ってますね。スゴイ。

『ベイビー、ハートに釘』
弟が友人に告白するのを聞いてしまった姉。
告白以降も家にやってくる友人。そして二人から流れる妖しい雰囲気。
そして、弟が友人にキスを請われて、切ない表情でキスをする現場を見てしまった姉。
友人は弟と二人のときは優しいのに、学校では弟に対し「ホモ」と罵倒し、いじめています。
山田ユギ「小さなガラスの空」でもありましたが、周囲の目を気にして自分の気持ちに素直になれずそれがイジメに発展してしまう…というパターン。
大人になったらもっと上手に立ちまわれるだろうに、それが上手くいかない、
そんな思春期特有の不器用さがすごく痛々しい、でもどこか愛しい。
ラスト数ページを読んでいると、友人も弟のことを大事だと思っているようだし、
希望はあるのかな…と思ってしまいます。
弟の告白が痛々しいけど、健気でとっても素敵ですね。
こんな風に素直になれたらいいんだろうに…。
お姉ちゃん視点で語られるのがまたオツですね。

『その火をこえてこい』
切ない路線とは打って変わって、高校生同士の胸キュン話です。
ゲイの鹿目は六条に恋している。
そんな二人は図書館で逢瀬を重ねる。
鹿目の欲望に濡れた目や、ツンデレ六条の鹿目への感情が隠し切れていないその表情が非常に萌えます。
そして図書館でイタしてしまうわけですが、ここでの「やらせろ」「やだ」の攻防のまたまた可愛いこと!

『恋の心に黒い羽』
ドMな二神。きみに輪切りにされたい、串刺しにされたい、罵倒されて蹴られたい…
ヤマシタ作品の中でもかなりの名言だと思います。
罵られて酷いことをされたい!でも、本当は好かれたい…
もー絶妙ですよね!!罵倒されたいけど本当は好かれたいなんて、自分の中でもいろいろ葛藤はあるんだろうと思います。
愛ある罵倒をしてあげてほしいと思います。
いくらドMだといっても、酷い扱いばかり受けるとショックですよね
ドMだから打たれ強いんだと思わせておいて、実は人一倍傷つきやすいんだと思う。
最後、しゃがみこんで「きみに好かれたい」のところはゾクゾクしました。
巧いなーホント。
そして、二神に黒い翼が生えるシーン。これも二神の心境をうまく表現していてたまらなかった。
あれはあの表現以上にいいモノはないですね。最高のシーンだと思います。

4

真面目なんだかふざけてんだか

現在ヤマシタトモコに恋をしていますv
短編の中に押し込められたメッセージ性が強いこと強いこと。
痺れますよ!

【ベイビー,ハートに釘】
姉と弟。ふたりきりの家族。
弟はゲイで、片思いの同級生にいじめられている。
ふたりきりのときは甘いのに、他人の目が気になるといじめる同級生。
目撃してキレる姉。止める弟。だっておれが好きなんだもんっ
汚い言葉で傷つけられても
ハートに釘を打ち込んだのは、こっちなんだぜっ!

【イッツ マイ チョコレート】
大家族の長男はゲイ。
同期とねんごろ。カミングアウトなんかできないぜ。
毎日、帰宅すれば家はてんやわんや
お兄ちゃんの愚痴は誰が聞いてくれるんだーっ!
って、結局、家族みんなに最後は甘えてしまえるあったかい家族でよかったね。

【悪党の歯】
組長に片思いしつづけるオヤジとその組長の娘。
小道具が卓球ですよー。
闇を切り裂くスマッシュで胸を切り裂かれ恋におちて30年。
けっきょく片思いの日々は、闇の中のような気がするのです・・・

【恋の心に黒い羽】
異常者レベルのMに恋された、ドS。
罵れば罵るほど堂々巡り。
傷つくのが怖くて、感情を嘘で鎧う人は多いけど
このドMってば、性癖で感情を鎧うんですよね。
でも鎧を取ったら中身は、みんな一緒だよねv
そこが、じぃーんとしみるんだよー。

【その火をこえてこい】
ゲイじゃない!おまえとセックスしたいだけ高校生。
ドウテイの高校生。
夏休み、暑い図書室で繰り広げられる問答がじつに文学的。

【FOOL 4 U】
長所バカ短所バカ特徴バカ全てがバカのノンケに
ずっと恋してるゲイが、結局のところもっとバカっていう話v
受けっぽくないほうが受けで、乙女思考なのが萌えツボです。

【フォトジェニック】
デリヘル。しかもボーイw
ネコ呼んだつもりがバリタチ呼んでしまってチェンジできねぇw
よくわかんないけど、バリタチのひと目惚れっつーことだな。

おまけで各話の構想からネームに至る段階でカットしたシーンを
収録してあって、それはそれでおもしろかったwww
ヤマシタさんの人柄が見えるような気がする。

おまけで「悪童の歯」「ONE 4 FOOL,FOOL 4 ONE」も、収録。
どちらも、プッと笑える。

このコミックス。けっこう読むの辛いと思うんですけどw
なんか重いというか1話読んだ後に、頭殴られたような感じがするんです。
でも、ヤマシタさんの性格なのか軽さも盛り込んでて
真面目なんだかふざけてんだかつかみどころがないんですw

3

リアルで切ない

この作品はリアルだし切ないに、ちょっと笑える要素があるのが好きです。
一番ツボだったのはおったっちん。(笑)フォトジェニックはただ笑えました。
二番目は、書き下ろし ONE 4 FOOL,FOOL 4 ONE の
「頭から花が生えてる充夫」の絵!
頭の吹き出しからでているゾウとか・・・・ぶっ
かなり変なところでツボりました・・・

一番好きだったのは表題作の「恋の心に黒い羽」

まず・・・私はいまだ、Mについての理解があまりないです。
自分がSな自覚はありませんが、Sな人の気持ちはなんとなーくわかると思います。
その、いじめっ子体質というか、他人を虐げたり、だとかを
性的快感とまではいかなくとも楽しいとか憂さ晴らしになると
感じる人は居るんじゃないかなぁ、と思います。
でも他人に虐げられて嬉しい・・・気持ちいい、ましてや腹痛フェチはまったく理解できません・・・。!

でもまぁ虐めてくる相手が好きな人だったら考え方も変わるのかな?
と考えてみると、まぁ凄く、凄く好きな人にされることならなんだって
嬉しいのか・・・・・・?うーん、私だったらむかついて萎えてしまうような気がする。Mの自覚がある方、教えてください(笑)

・・・・と、Mについても改めて考えさせられました。
そして性癖という翼に純粋さを妨げられる・・・。
心と性癖は別の場所にあり、感情と性癖は一緒じゃない・・・・
うーん・・・難しい、難しいです。
とても深い作品でした。

3

この人の作品はBLとして括ることができない。

どの話を見ても登場人物みんな血が通ってるカンジがする。
男だけの世界じゃないところも好き。
出てくる女性のキャラがまたいい。

あと、漫画の文脈じゃないというか文学的。
モノローグのうまさがいい。

表題作は、ドSでノンケの同僚に訴え続ける健気なドMの話。
ですが、単純にドMなだけじゃなくて、その中にある相反する感情、葛藤が晒け出しているのがたまらなく切ない。

【悪党の歯】【ベイビー,ハートに釘】もヘビーだけどすごく好き。
【その火をこえてこい】はやりとりが魅力的。

この人の本では一番この本がおすすめ。

3

黒い羽は誰にでもあると思うんだ

表題作「恋の心に黒い羽」
黒い羽=欲望・性癖。悩めるドMくんのお話。
これ、すごい解る!切ない!けど笑える!
"人間椅子"を読んでMに目覚めたとか…解る…!
私は"芋虫"を人に薦める勇気はない(笑)
「真面目な話ってなに?」からのくだりが好きです。
オチもナイス。

「イッツマイチョコレート」
6人兄弟妹の長男が主人公。家族もわらわら出てきて面白い。
普通に生活の中の1コマって感じ。
この人の作品の好きなところってこういうところでもある。
ナチュラルだからこそのリアル感。

「その火をこえてこい」
学生モノ。夏休みの図書室っつー閉塞的空間。えろす。
文学的エピソードもよい◎

「FOOL 4 U」
これ一番好きかも。テンポがすごくいい。
20年来の友人に恋をしている結。
なにかと結を頼ってくる大バカ者・充夫。
充夫のせいで恋人にレイプされる羽目になった結。
へろへろで家へ戻ると充夫が待っていて、イキオイでカミングアウト。
それを聞いた充夫も、やっと結への気持ちを自覚する。
充夫の告白を聞いて結はエロスイッチ・オン。

結がえろいよ!
三つ巴が好きな私的には、結の恋人の存在もツボ。

「フォトジェニック」
同僚の男に告白された主人公が、お試しにデリヘルボーイを呼んでみた。
…ら、自分が呼んだのとは違う、バリタチの男が現れて…。
バリタチくんに一目惚れ?されて結局掘られちゃいます。
軽めの短編で好きでした!ハメ撮り…(笑)

2

心震える

短いページでこうも人間を描いているのがすごいと感じました。女性キャラクターも生き生きとしているのがいいですね。面白かった…
・ベイビー、ハートに釘
姉から見た、弟とその友人の話。私は姉と同じ視点に立って、部外者ながらも心苦しくなる気持ちでした。良い…
・イッツマイチョコレート
大家族の長男と、その恋人の話。騒がしい毎日が、とにかく生きている感じで良い…。
・悪党の歯
長年を共にした友人・よく似た親子、その一言で言えない関係性の描き方がかっこいい。セーラー服と機関銃いいよね。
・恋の心に黒い羽根
タイトルからお?シリアスかな?となりつつ扉絵が笑えますが表題背負っているだけあってすごくよいです。
まだ他にも作品あります!一冊でいろんな関係性が摂取できてお得~!おすすめです。

2

ねんごろ

私がBLを読み始めた頃にはまだバリバリBLで活躍されていた先生。あまり長編はないんですよね。意外なことに。まだ持ってる本も少なかったので、何度も読んだ一冊。

◾️ベイビー、ハートに釘
だからといって足田を許せるわけじゃないけどね。当事者目線ではないところから語られるBLが好きですが、こちらは特に姉目線なので絶妙な肩入れがまた良い。

◾️イッツマイチョコレート!
「同期の阪下とねんごろ」ってフレーズだけでも萌えられる。こういう男が突然泣くだけでも萌えられる。そんな"だけ"がいっぱい詰まって、もはや萌の坩堝。

◾️悪党の歯
歯と指が転がったら泣くだろがい。
男から恋愛的な意味で好意をもたれていると分かっているが、"あくまでもその好意を恋愛の意味では受け入れない男"が好きです。BLの世界でくっつかせるためにはノンケは大方"ほだされる"わけですが、そんな世界でそれを断れる男。大変に誠実ではないか。そんな作品を描ける先生は貴重。おそらく編集に同じ趣味の人がいないと難しいのでは。皆んな基本ラブラブハッピーが好きさ。自分もラブラブハッピーよりメリバ優勢になってしまったら、そりゃ違うと思うでしょうし。勝手だけど。

◾️表題
適度に茶化さないと告れないってやつ。
中頭くんはちょっと絆されました。完全には落ちてないけど。夢売るケーキ屋といい、この人相当ピュアよな。

◾️しおさい
これも表題とテーマ近い気がします。六条は中頭君的にピュア。高校生だからより。

◾️FOOL 4 U
結が、この風貌で受だし「いたい」って繰り返すのがマジで可愛いです。バカな感想。

◾️フォトジェニック

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