自己肯定感低めの元陽キャ後輩と恋を諦めたノンセクシャルな先輩。今、すべての人に読んでほしい、愚直なほどにひたむきな純愛

君と僕のプラトニック

kimi to boku no platonic

君と僕のプラトニック
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神7
  • 萌×21
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
52
評価数
13
平均
4.1 / 5
神率
53.8%
著者
夕倉アキ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784796417730

あらすじ

好きです。たとえこれ以上触れられなくても

人付き合いに自信喪失中の末永は、 大学の演劇サークルの公演で古葉の演技に心動かされ入団する。
近づきがたい雰囲気だが実直で優しく、空気が読めない短所も受け入れてくれる古葉のことを、末永はもっと知りたいと思うようになっていった。
そんなある日、酔った古葉から【ロマンティック・アセクシャル】であることを告げられる。
古葉の内側に触れ、これまでにない感情を抱いた末永。
こんな感情困らせるだけ…そう思うのに、古葉への想いはもう止められなくて―-…

表題作君と僕のプラトニック

大学1年生
ロマンティック・アセクシャルの大学生

その他の収録作品

  • 描き下ろし それからのふたり

レビュー投稿数3

心に傷を持つ二人の恋が丁寧に描かれています

初読み作家様。
ロマンティック・アセクシャル=ノンセクシャル(恋愛感情は抱くけど性的欲求は抱かないセクシャリティ)を描いた作品。これまで二作品ノンセクシャルを描いた作品を読んで、どちらも素晴らしかったので、本作も期待して読んでみました。全203ページ。以下少々ネタバレあります。

大学1年の末永は、あることがきっかけで人間関係に自信喪失中。演劇サークルの先輩・古葉はアセクシャルで、傷ついた過去があり恋愛を諦めている。そんな心に傷を持つ二人が交流し、恋に落ちていくお話。

二人がサークルの活動で、舞台の稽古をしたり、一緒に芝居を観にいったり、合宿に参加したり、少しずつお互いのことを知って恋していく様子が大変丁寧に描かれていて、とても綺麗なお話だなと感じました。

しかし一読して、あたたかい、いい作品だなとは思ったのですが、期待したほどは刺さりませんでした。なぜだろうと再読して考えてみました。

まず末永が高校時代、自分では陽キャの一軍と思ってたのに、実はノンデリで友達に嫌われていたという設定なんですが…。この子が他人の目を気にするようになったとはいえ、普通に健気で一生懸命ないい子で、高校時代のノンデリ陽キャの姿が全然浮かんで来ない、ピンと来ないんです。
後半に高校時代の友達が出てくる場面も、いいシーンだけどいまいち入り込めず…。
この点がしっくり来ないので、読んでいて時々気が散ってしまいました。

あとは、末永が健気で可愛い年下ワンコ攻め(仮)なんですが、可愛すぎる攻めには個人的に萌えを感じにくかった…かもです(汗)

本編はラストは「あ、ここで終わりか…」という感じを受けました。そして描き下ろしは交際している二人。

全体的に素敵なストーリーだなとは思うんですが、ラストと描き下ろしを読んでも、この二人がこの先ずっと一緒に居続けられるのだろうか…という疑問が生じました。

作中に古葉のしどけない寝姿を見た末永が欲情するシーンもあったし、セフレもいたし、普通に性欲のある末永が、ずっと恋人と性的な触れ合いができない状態に耐えられるんだろうか…そんな雑念が浮かんでしまい…。
どうにも両想いになってめでたしめでたし、という読後感を得られませんでした。

ノンセクシャルというのは、難しいテーマなんだな…と改めて考えさせられる作品でした。その点勉強になりました。

私はちょっと斜に構えて考えすぎるのかもしれません。
大学生の純愛を丁寧に描いた綺麗な作品でしたので、あらすじや試し読みで興味を持たれた方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

⚠︎注意⚠︎
序盤に末永に女性のセフレがおり、性行為を匂わせる描写があります。行為の描写はなし。苦手な方はご注意ください。

電子 キスなどの性的行為はありません

0

どんなカタチの愛でもいい

ふたりの関係性だけを見れば、
演劇をキッカケに知り合って距離が近付いていく大学生同士の恋愛模様を描いたストーリーに受け取れるお話だけれど、
あらすじにもあるように『ロマンティック・アセクシャル』という大きなテーマがあるので
読み手としても"BLとして"ではない部分で考えるところがあるなと感じた作品でした。

メンタルがボロボロのときに古葉の演技に魅了されて、いわば勢いで演劇サークルに入った末永ですが。
演劇を観て最初に感じた熱を失わずに、いろいろなことを吸収しながら成長していく末永の姿がすごく眩しくて。
時には後ろ向きになったり凹んだりもするけれど、その傍らにはいつも古葉がいてさらっとプラスになる言葉をかけてくれるので
末永の気持ちが古葉に向かうのはとても自然な流れだったなと思います。

古葉の恋愛的指向を理解したうえで彼を好きになって、そして古葉もまた末永に惹かれて晴れてお付き合いすることになるけれど
やはり性的な接触についての問題は恋人同士には切り離せないもので、目を背けたままではいられない場面がきてしまうわけです。
お互いがお互いを思い遣るあまりに距離が生まれるのが本当に切なかったけれど、でもすれ違うのも仕方ないなと思ったりもして…
ふたり同じ気持ちでいるのに『付き合うこと』の意味を求めるような苦しさに何度も胸を締め付けられました。

でも末永は一生懸命言葉を紡いで、過去の悲しい恋に縛られている古葉へ自分たちなりの"好き"を大切にしていこうと届けてくれるのです。
その想いを受け取った古葉とふたりそろって幸せなところに無事に着地してくれて感動…!
涙ボロボロでビシッと決めきれない末永の年下感にほんわかしつつ、
この先も彼ららしいお付き合いを続けていくんだろうなとほっこりしました。

ふんわり優しく進むふたりの関係のなかに、
恋愛的指向というのは様々で、"普通"の中で生きづらい思いをしている人がたくさんいるんだよなぁ。と改めて気付かされるような深いストーリーだったなと思いました。

0

素敵なストーリーだけど、現実的なことを考えるとどうだろうか

アセクシャルという言葉を初めて知りました。

恋愛感情を抱いても性的欲求を抱かないのが「ロマンティック・アセクシャル」。
恋愛感情も性的欲求も抱かないのが「アロマンティック・アセクシャル」。
この作品に登場するのは、前者のロマンティック・アセクシャルの青年・古葉です。過去の恋愛に何度も失敗してきたトラウマ持ちで、主人公・浩平が想いを寄せる大学のサークルの先輩です。

真摯な恋心が刺さる素敵なお話でした。
自分のセクシャルに悩む古葉に寄り添い、理解し受け止めようとする浩平の想いが誠実ですごく一生懸命。古葉への想いを諦めない直向きな気持ちが好感度大でした。
ただ。
ストーリーがあまりにも綺麗にまとまっていて、想いが通じ合った今の時点だけを見て評価するか、先の未来の余韻を含めて評価するかで物語の見方が色々と分かれそうな気がします。

浩平の方は性的欲求があるので、今後付き合っていく途中でその問題はどうするんだろうってやっぱり思っちゃうわけです。
とりあえず、性的欲求が湧き上がっても我慢で乗り切るって感じなんだろうか。一人でスるにしても、古葉には知られたくないだろうし、ましてやセフレを作るなんてあり得ないし、どこまで性的欲求を隠し続けられるのか、とかね。想いが通じあって良かったねーでは、本当のハッピーエンドとは言えないような…。
いつかどこかで歪みが生まれるかもしれないと思うと、2人のプラトニックな関係を心から祝福できませんでした。
一応古葉はちゃんとそのことに対する不安も言っていて、恋人関係になることに慎重になっていた態度を浩平が押し切ったカタチで結ばれましたが、それが吉となるか否かは彼らのこれからの問題でしょう。

付き合ってからも2人の関係は盤石なんだと思わせてくれるほどの納得できるビジョンが見えたら良かったです。今のままだと夢物語の枠を出ないので、よりリアルっぽさが増すともっと2人の関係に心酔できたかなと思いました。

2

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