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作家さんの新作発表
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腐海に戻って間もなく鳥人先生の『成層圏の灯』を読み、コ、コレだぁ〜っっっ!!!と、やおい原点の萌えを掘り起こしてもらったのですが、思い入れが強すぎて未だレビューができません。短編も長編も上手な先生ですよね。
表題作と描き下ろしは最後に収録されています。
「6月のピアス」
わたしの中では近親ものといえば鳥人先生。双子ものです。個人的にガチな近親ものにハピエンは望まないので、こういう決着のつけ方は切ないけれど説得力があります。タバコ、ピアス、男遊び?…なんでも先に経験してしまう兄。受験する高校すら合格するまで教えてくれず、兄が自分から離れて行ってしまいそうな不安に駆られた弟は…。緊張感漲るお話ですが、弟が兄に抱いているものが恋情ではなく家族の愛だと気づかせ、自分を諦めさせようとした兄に弟への深い思いを感じました。
「夜降る」
あとがきによりますと、商業デビュー作。幼馴染みとの別れを描いた切ないお話。あとから振り返ると、ちょっとゾクっとする不思議な体験です。中島みゆきの「吹雪」をイメージして描いたそうです。
「C階段」
パリを舞台に描かれた、社会人留学生の万太郎と同じアパルトマンに住む美大生、フェリックスのお話。自分より年上だけれど幼く見えて、故郷を離れて不自由な思いをしているマンタローに何かと世話を焼いてくれるフェリックス。海外で頼る人がいないマンタローは不本意ながらも彼を頼るしかなく…。最後は一件落着で、古き良き時代の香りが。
「上を向いて歩くなよ」
セリフなしのサイレントマンガ。主人公の男がレンタルビデオ屋の帰り道、とあるアパート上階の窓を見上げている男に遭遇。その窓の向こうでは女性同士が…!とんだ罠だったとさ、というお話。
「エスケープ」「スウィング・ホテル」
50年代アメリカ。フランシスとジョン、手錠で繋がれた二人による護送車からの脱走劇。まるで映画のようです。脱走中、ジョンがゲイであることがわかり、あれやこれやとエッチな行為が役立ったりして、先生によるエロが楽しめるわけですが、やっぱり運命を共にすると情が湧いてしまうものなのでしょーか。作中では一応成功したようで、死んだことにされていたジョンの弟も合流し、三人の逃亡は続く…のか?短いのになんでこんなに萌えを盛り込んでドラマティックに仕上げてくるかなー。プレイはないけれど女装有ります。イマイチだけど、そういう演出です(笑)
初期作品というだけあって勢いを感じますね。「6月のピアス」については絵が「猿人から原人に変わりつつある頃」とか、「結局何が言いたいのかわからん」駄作と謙遜しておっしゃってますが、わたしにとっては激萌えな作品なんです。今日日あんまり鳥人先生の作品って取り上げられないので寂しくてレビューしてみました。さすがに現在は商業を描かれていらっしゃらないみたいなので、新作は期待できませんかね…。
評価は作家贔屓ゆえに、「神」とさせていただきます。
2人は逃走犯。護送車の事故をきっかけに逃げ出した二人。
鎖で繋がれた運命共同体。
ゲイのジョンと、ノーマルなフラン。
2人の運命やいかに・!?
「あんたホモか」
「そうだ」
あまりのキッパリ言い切り具合が妙にスッキリしました(*´Д`)。*°
また、2人で逃げ、つり橋からの転落。暖めあうからだ。
男とヤルくらいなら凍え死んだほうがましだというフランに、
飢えて死ぬくらいなら男と寝るほうがマシだったと叫ぶジョン。
知り合うほどに離れられなくなっていく二人・・むしろフランが可愛かったです。
リバあり。俺と一緒にいるってことは、ずっと抱かれるってことだぞというジョンにうなづくフランは可愛いのです。
弟くんが加わってからのお話。どこかに無いんだろうか・・・
■6月のピアス
双子もの。ずっと一緒で、自分だけのものだと思っていた。
それが、どんどん変わっていく。
ホモくせー。
だって俺ホモだもん。
抱いて気づいたこと・・それは・・!?
そのほか、ちょっと古めの作品が多め。
軸がしっくりしているので、読み応えはあるかと思います。
短編集です。
扱ってる題材やテーマは暗かったり重かったりするのに、描き方が重苦しくないのが好きです。
あっさり描いてるのに伝わってくる。
匙加減の上手な作家さんだなと思いました。私好み。
『エスケープ』
一卵性双生児の近親相姦もの。
やっぱ双子というのは、同じ顔ってだけで背徳感がたまらんですね。
形を変えたナルシズムなのかな。
『夜降る』
こんな短いのに泣かされました。
名作すぎる。
私の鬱エンド好きのツボをぎゅうぎゅう押してくれました。
今までの二人の歴史、描写されてない部分まで見えたよ。
『C階段』
異国でホームシックになった日本人と、彼を気に入ったフランス人のお話。
マンタローのかわゆさにメロメロになっちゃってるフランスが更に可愛かった。
恋愛未満って空気が好きでした。
『上を向いて歩くなよ』
オチにウケました。
最後までモノローグ無しならもっと良かったのにな。
『エスケープ』
『スウィング・ホテル』
囚人護送車から成り行きで逃げ出すことになった二人の珍道中。
鎖で繋がったまんまで逃走するっていうシチュエーションに萌えるわー。
でもこの逃走劇の先行きはたぶん暗いw
あと弟はイラネ。
あまり古さを感じないというか。
やおい全盛期?時代で、この頃の作家さんて、玉石混合で、鳥人先生はちょっと珍しめのシリアスなトーンでしたね。なにしろ、ストーリーラインがしっかりしていた印象が強かった。
成層圏の灯などは、長い長いジレンマに陥るストーリーですが、すでに初期作品でもその傾向は見てとれます。
「夜降る」で、ことにその片鱗は見えますねー。
プラトニックなのにものすごい濃い。
単なる恋愛ではなく、前へ進む者と、それにどうしてもついて行けない者、
置いていかなくてはいけない切なさと、ついていけないやさしい諦めが交錯した傑作です。
もっと評価されてしかるべき作家の一人。