サマー・ボーイ・ブルー

summer boy blue

サマー・ボーイ・ブルー
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神78
  • 萌×222
  • 萌4
  • 中立3
  • しゅみじゃない5

68

レビュー数
15
得点
493
評価数
112
平均
4.5 / 5
神率
69.6%
著者
遠野みやこ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
B's‐LOVEY COMICS
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784047385160

あらすじ

失敗した初体験

友達だったのを僕が壊したんだ──

性行為を親に目撃されてから
疎遠になってしまった潤とミチル。
彼らは偶然、17歳の春に再会する。

やっと忘れられそうだったのに……
必死で逃げるミチルを潤が
初体験の時と同じ台詞で呼び止める。

なし崩し的に関係を続けるミチルは
潤にどうしようもなく惹かれていった。
けれど環境の違いやトラウマから
胸がどんどん苦しくなっていく。

「僕はこれ以上 君の人生に踏み込んじゃいけない」

だからこれで最後とミチルが決めても
潤はもうミチルを離してはくれなかった──

持て余した思春期と、初恋の再燃と。
心の第二次性徴を描いた若葉色ボーイズラブ。

表題作サマー・ボーイ・ブルー

高校生
17歳,喫茶店バイト

その他の収録作品

  • 描き下ろし「19歳、初夏」
  • あとがき

レビュー投稿数15

適度な距離感を保って身構え過ぎずに読める丁寧なお話し

試し読みでの不穏な始まり、多くはないセリフで進むしっとりとした雰囲気・・・
少し腰を据えて読むタイプの作品かな?と最初は背筋を伸ばした所もあったのですが・・・
読み進めれば進むだけ、そこまで身構えずに読める柔らかな空気感を感じて入れ過ぎた力を抜いて読める事に安堵しました

安堵はしつつも気が抜ける訳ではなく、ずっと紙面(画面)から目が離せずに読み耽っていける没入感のある作品でした

多感な年代の子供たちとその親を冷静に丁寧に描かれていて、読者としては作品と適度な距離感を保って読めるのがとても心地よかったです

浮ついたり気もそぞろな気分でもなく、でも慎重過ぎるシリアスな気分でもない・・・
「何か」を読んで「何か」を感じたい!
そんな気分の時に手に取るとすごくスッと読めるような作品だと感じました

潤君は潤君の、ミチル君にはミチル君の、そして琴子や彼らの親達にも、それぞれに合ったスピードでその時に流れる時間の中で感情も行動力も移り変わって行くのだと思います
そのタイミングが合い、そこから時を動かしていく

タイミングが合う事が奇跡のようにも見えるけど、それはまるで時計の長針と短針が合うようなもののように感じます
当然一瞬の事ではあるけれど、それは実は日に22回は必ず起こる事
その一瞬を逃さず気付き「意味のある時」にして行く
軌跡は待つだけでダメなんだよって教えられてる気がしました

偶然の再会を大事に喰らいついた潤君
あの時頑張り切れなかった分、しっかり今回は頑張ったんだなって思えて来て凄く応援したくなりました

ジワジワと好きになって行くとても良い作品に感じました(´▽`*)

6

苦い思い出があおくさい10代の恋のお話

初めて拝読する先生でした。絵柄が〇ブリのキャラっぽい作画でとても綺麗で読みやすかったです。

中学時代、同性同士での初えっち…を親にバレて猛反対されるという最悪の瞬間から始まるお話です。
それ以降、相手とは一切連絡を取らず高校も行かずに喫茶店でバイトしていたミチルですが、当時の相手、潤と喫茶店で再会してからお話が動き始めます。

同性同士の恋愛が昨今容認されて、メディアでもたくさん作品としては溢れている世の中ではありますが、それはあくまでフィクションや自分とは縁のない所での話…と思われている事がほとんどではないでしょうか。実際に自分の周りで同性同士の恋愛を目撃したら…果たして素直に祝福できるのか。自分自身にも問いかけられているような作品でした。

本人達が好きあっていたとしても、周囲の人はそれを良しとはしないかもしれない。ファンタジーとしてのBLに慣れてしまっている私達だからこそ、こんなリアルもあるんだよ?と現実に戻って気を引き締めてくれるストーリーでした。

とはいうものの、潤とミチル2人に関してはちゃんと自分達で道を開いていって清々しい読後感でした!初体験のやり直しはどちらも初々しくて、ミチルが痛みを耐えながらも潤と「今」ひとつになりたいという思いがとても健気で可愛かったです。

5

しっとり、良かった!

なんだかノスタルジックな雰囲気で、しっとりじっとり、湿気があってとても心に残りました。

再会したくなかった初恋の、今でも顔見ただけで大好きが溢れてくるのに、めいっぱいそうでもないフリするのが可愛くて切なくて。
そこを颯爽と踏み込んでくる様もカッコよくて良かったです。
悩み多き10代の揺れる心情や、未成年の無力さなんかも抱えながら一生懸命今を生きる2人がとても愛おしかったです。

あの大事件がなければ、楽しい高校生活を送っていたかもしれないのに、離れてしまって、青春は取り戻せない、と思うと胸が締め付けられますが、それを取り戻すように、これから温かい関係を紡いでいくんだろうな、というラスト、心が震えました。
大切な一冊になりました。

できれば続編も読みたいです。

4

あの夏の日から、胸に残る痛みと冷めない熱を抱えて。

この作品は、少年たちの不安定さと初恋の熱を、丁寧に描き出した物語だと思います。

遠野みやこ先生の、沈黙の中に宿る感情の描き方が本当に素晴らしいです。
キャラクターの表情や仕草、わずかな間がときに言葉よりも雄弁に心情を映し出して、目に見えない痛みを伝えてきます。
その描写に触れるたび、何度も胸が締め付けられました。。(涙)

また、潤くんとミチルだけでなく、周囲のキャラクターにも焦点が当てられています。
母親やミチルのバイト先の子達の視点が描かれることで、物語にリアリティと深みが増しているように思いました。

傷つきながらも、それでも誰かを想わずにはいられない姿がとても人間らしくて、愛おしいです。
「あの夏の日」から、ずっと苦しんできた潤くんとミチル。
再会してからもどうしても消せない感情を抱え、傷つきながらも
相手と自分と向き合い続けることをやめなかった2人が選んだ答えを見届けることができて良かったです。

遠野みやこ先生の美しい絵と、繊細な心理描写、ドキドキするストーリ展開が素晴らしいので、ぜひたくさんの人にこの感動を感じて欲しいです。

3

傷を抱えた二人の再会、再出発

はー......もう、切なくて切なくて、読みながら胸が苦しくなりました

こちら、遠野みやこ先生初の連載作品とのこと。
ビターで切ない展開が続き、ついに見えた光に歓喜、
強烈なインパクトのある一作でした。

中学の時に性行為に及ぼうとしていたところを攻めの親に見られ、
そこから疎遠になってしまった二人が3年後、17歳で再会しー

と始まる、初恋再燃物語です。

中学時代の一件がすっかりトラウマとなってしまったミチル(受け)が、
再会後自分の気持ちに抗おうとしながらも
潤に惹かれる気持ちを止められず、葛藤する姿に心打たれました。

思い出すのも辛い過去、会うたびにそれを思い出し
傷を抉られる痛み…

「ミチルが嫌ならやめる」
「…嫌なんかじゃ...」

ここ!

中学時代、行為に及ぼうとした時のセリフそのままを、
再会時に二人繰り返すことになり、動揺するところ。

無意識に出てしまった言葉の中に、
ミチルと潤、双方の溢れる思い・気持ちが込もっていて
胸がぎゅーーーっと締め付けられます...


潤とミチル、それぞれの母親の姿が対照的なこともまた、
強いインパクトを残します。

潤の母親の「全部あなたの育て方が悪いから、こんなことになったんだ」
という言葉、そっくりそのまま自分に返ってくるじゃないかー
と思い、黒い気持ちが湧き上がってくるのですが、、

彼女は彼女なりに必死で、
愛する息子のことを理解し受け入れたいと思っているのだな、と
後々の描写から伝わってきて、なんともいえない切なさが。

一切言い返さず、頭を下げたミチルのお母さんは
どんな気持ちでこの2年(3年?)、息子を見守ってきたのか。

潤×ミチルの気持ちと共に、親側の気持ちにも
思いを馳せずにはいられず苦しさを感じるシーンもありました

色々な場面が心に残りますが、特に印象的だったのは
「これで最後にしよう」と決めて会いに行ったデートの
別れ際のシーンです。

電車を降りようとしたミチルの涙に気付き、
自分も電車を降りてそばにそっと居続ける
潤..( ; ; )

”これで最後”にはできず、喫茶店まで駆けてきて
思いを伝える一途な攻めの姿もまた、グッとくる場面でした

とても思い出したくない傷を抱えながら、
再会を機に少しずつまた心が重なり合っていく二人、
繊細な少年たちの心…

そういったものが一つ一つ、とても丁寧に描かれている
夜明けのストーリー。
物理的にも精神的にも親から離れ、独立した二人の再出発に
光が見え、拍手を送りたくなりました。

ミチルの働く喫茶店の神原さん&マスターの娘・琴子ちゃんの
関係性、そのお話もまた良かったなあ..(語彙力;)

描き下ろしでこの二人の姿を見て羨むミチルもまた
愛おしく、最後の最後の潤→ミチルへのバックハグ…からの
クスッと笑えちゃう展開もまた、心を幸せ気分で満たしてくれました✨

そんな二人の濡れ場は、描写控えめながら
読み応え十分。
ミチルの涙と痛みを堪える表情、
やっと一つになれたことへの喜びー

そんな感情の全部が全部、ぐわーーっ!と
ダイレクトに伝わってくる描かれ方に痺れました。

傷を抱えた二人の再会、再出発の物語。
たまらなくグッとくる、夜明けのお話でした。

★修正:tnトーン(見えるのは1コマだけ)

3

悩んで悩んで

遠野みやこ先生
初コミックス発売おめでとうございます!

連載を追わせていただいていたのですが、しんどくなってしまったので途中でリタイアしまして......

今回単行本になったので、続きから拝読しました。

やはり読んでいて しんどいとは感じたのですが、物語が終わりに向かっていくにつれて、彼らの希望の光を感じることができ、こちらも穏やかな気分で読み終えることができました。

人と人の関わりって本当に難しい......
友人や恋人に限らず、家族との関わりも難しいものですよね。
言ってしまえば、血が繋がっていても別の人間です。
でも、家族という関係には"期待"が渦巻いていて、「別の人間だから」と簡単に折り合いのつくものではないのだと思います。

家族との関係、想い合う人との関係。
悩んで悩んで、その先で決意を胸に歩んでいく主人公たちの軌跡が、1冊の漫画の中で巧みに描かれています。

ぜひ、読んでみてください。

3

きっと誰も悪くないけれど、みんな未熟で「身内」だからね…冷静なだけでは居られないんだね。

浮ついた雰囲気がないけれどズドンと重苦しい雰囲気に覆われ続けている訳ではないので、すごくじっくりとたおやかさを感じながら読める作品でした

ジリジリと暑い日にクーラーを付けて読むも良し、今日のように荒れ模様の曇天の中外の気配を忘れ読むも良し、夜の落ち着いた時間にリラックスして読むも良し!
どんなタイミングでも「読みたい!」という気持ちに寄り添ってくれる1冊だと思います(´ ˘ `*)

初めての作家さまだな、って思ったらデビュー作なんですね!
またまた漫画力のある作家さまに出会ってしまいました(ღˇ◡ˇ*)‼

作画にブレがなく、キャラの動きが自然で表情は丁寧
スッキリしたコマ割りに選び抜かれたセリフでしっかり伝わる構成の巧さ
流れるように読み進められるけれど、内容は決して流れていかず心にしっかり刻まれて行きストーリーが積み重なっていくのが分かります

ホントに素晴らしい1冊で、読みたいBL・読んで欲しいBLでした
内容は思春期と性指向に向き合ったテーマ性のある作品
恋愛であると同時に彼らだけの物語ではない「生活と人生」を感じます

中学生の時にお互い衝動に突き動かされ踏み出した先の苦い思い出
この一件は潤(攻め)にもミチル(受け)にも、そして2人の母親にも棘を刺します

子供側からも親側からもそれは当然ですよね、、、
ベッド上で今まさに事に及ぼうとしてる所を見られる・見てしまう訳ですからね
しかも潤とミチルは男の子同士
例え異性のその場面だって同じ位衝撃でしょうね

この一件を期に交流が途絶えてしまった2人
そこから3年後に偶然再会する所から物語が動いて行きます

ーーー…言ってしまえば、、、アノ時になぜ想いを告げ合わなかったのか?!という事に至ってしまうんです
だけど、、、そこに至れなかった背景や気持ち、分からなくもない
だって、、、多感な中学生
同性を好きかも知れない?友達なのに、、、?
この逡巡に対して怖くなったって当然
「失う」事への漠然とした恐怖はあっても、実際何を失うのか?何て”見えていなくて当然”なんです
だって、、、未知の事だから、、、

きっとそれは子供目線でもそうだし、親だってそうかも知れない
親だって初めから「親」な訳ではなくって、予期せぬ事に対峙したらその時の正解なんて分からない
増してや自分の大事な「身内」であれば冷静さなんて吹っ飛んじゃう

だから「正解」も分からないから「間違い」にも「気付かない」、、、
こればかりは時が必要だし、経験も知識も必要
そうして少しずつ少しずつ視点も視座も視野も変えて高めて広げていくしかない!

誰にだってきっとある…〝アノ時こうしていれば…〟という想い
そんな想いの先に希望を感じる潤とミチルのお話しでした

そして母親たちの物語でも、、、(*˘︶˘*)
潤のお母さん、確かに感情的です
だけど、、、決して毒親なんかじゃないと思います
彼女には彼女の葛藤があるんだな、っていうのを受け入れて読めるお母さんだった気がします
敢えて言うなら「普通のお母さん」なんだと思います
※普通=ヘテロという概念の是非は別として…!!
だからこそ「都合の良い」展開になっていないのがこの作品の持ち味でもあり、切り込んでいるんだと思います
切り込んでいるけど大仰な脚色をしていないから良かったな、雑じゃなかったな、って思えました

そして、このメインの2人と2家族だけではない所でもまた子供目線/親目線を配置しているのが更に良かった
メインキャラだとどうしても肩入れをしてしまう所も、この第三者の親子を置く事でどこの家族でもある事、そして時代の変化や自分との違いに悩む親もまた普通である事を読者にも冷静に受け止めさせてくれていました

うん!やっぱり先生、漫画での伝え方が頗る上手だと思う!!!(プロに向かって何を言ってるんだ…(゚Д゚;)って話しですよね!!失礼しました!)

次回作を読みたくなる作家さまのデビュー作に出会えて大変僥倖でした♡

修正|簡易描き込み、グレートーン+白枠線

一応注意点?かな???
作中に潤とミチル以外の同性の恋愛あります(GLです)

3

10代の若者たちの等身大の恋愛に触れた胸アツの一冊

思春期の若者の等身大の恋愛に胸が熱くなりました。

10代の頃の恋愛は甘酸っぱいとか青臭いとかよく表現されるけど、この作品は息苦しさや後悔で占められていて、過去の恋がトラウマの種となっていることが切なくて堪りません。
同級生の友人とベッドの上にいたところを親に見られてしまった黒歴史。自分の性志向を自覚したばかりの多感なお年頃に起きてしまった過ちから始まるストーリーになっています。
過ち、とするのは2人がそのことによって責められ、離れ離れになってしまったから。潤の母親から怒りをぶつけられて2人の恋は終わりを迎えます。

いや、終わりを迎えたはずでした。再会のときを迎えるまでは。

この再会劇は必然か偶然か。2人はあの時閉ざされてしまった交流の機会を再び持つようになります。
ミチルの不安な気持ちをよそにグイグイ距離を詰めてくる潤ですが、ミチルの諦めたい気持ちを思い止まらせるかのように昔と変わらずに接してきます。
苦しいけど嬉しい。会いたくないのに会いたい。
ミチルの心の悲鳴が聞こえてきそうでした。

潤の母親がちょっと厄介な人で、息子から離れられない系の人。過去の別れも、この母親からの心無い言葉からのことだったのですが、あのときは母親に逆らえる年齢ではありませんでした。
今はある程度母親にも意見できるようになって、そこは潤が昔と変わった部分かな。同性愛に過敏な反応を示す母親ですからね〜…理解あるフリして息子と一緒にいたがってるのがモロ見えで、同性愛がどうこうの話よりこの母親のメンタルが一番の問題な気がしました。

過去のことを引きずりながらも、潤と再び関わることを止められないのが恋のパワーというもの。ミチルのバイトの終わりに、または休みの日にと、お出かけしたり一緒に過ごしたりする時間を楽しむ2人の満ち足りた笑顔が素敵でした。
同性との恋愛の難しさ、やるせなさといったところの描写を中心としたしっとりとしたストーリーの中にも10代の恋の爽やかさも感じられて、再び湧き上がる恋心の幸福感で心の隙間を徐々に埋めていくストーリーがとても良かったです。
2人ともお互いのことが忘れられず、好きの気持ちを高め合っていく盛り上げ方もすごくナチュラル。2人の恋からいつまでも目が離せずにいました。
初エッチに不慣れなとこ、痛みに耐えるとこ、ぐちゃぐちゃな感じがとてもリアルです。痛くても結ばれたい強い意志からは、好きな人と繋がれる喜びがひしひしと伝わってきて胸アツのワンシーンでした。


2人と少し似た境遇にある女の子カップルの存在もこの作品の中ではいい存在感でした。潤とミチルとの比較対象になっていましたし、彼女たちの交際から刺激を受けるところもあったと思います。
彼らも、彼女たちも、自分たちの気持ちを貫き通すを決心をした勇気を応援したい。
潤の母親のことは気になりますが、自分たちの心を偽ることなく大きな一歩を踏み出した若者たちの恋する想いに盛大な拍手を送ります。

3

思春期少年たちのとても繊細な再会ラブ

思春期ならではの痛みと失敗、トラウマや葛藤や後悔を抱えた少年たちの若葉色の再会ラブ。

そういった部分の感情描写がとても精緻で本当にじわじわと沁みる様な読み味でした。

性行為(未遂)の現場を潤の母親に見られてしまい…それ自体が二人にはショッキングですよね(苦笑)

それから二人の関係は疎遠になってしまい…潤とミチルが抱えた後悔や自責の念。

もう二人の人生は交わる事はない思春期の苦い思い出になるのかなって…でも再会するんですよね。

そこからまた動き出す止まっていた二人の時間…

でも簡単にめでたしになる訳じゃなくて凄く繊細で焦燥感を感じさせるような潤ミチの感情描写が素晴らしかったです。

彼らの痛みも切なさも愛しさも全部の感情が伝わってくる作品で読み味が堪らなかったです。

結末も本当に良かったなぁと思える内容でとても素晴らしい作品だと思います。

2

失敗した初体験、という衝撃の帯!!

潤とミチルは、致そうとしたところ潤の親に目撃され、それをきっかけに疎遠となってしまう。


そして、17歳。

偶然、ふたりはミチルのバイト先で再会してしまい、、、
という冒頭。


やっと潤を忘れられるかと思っていたところで、再会してしまったミチルの葛藤。

そして、学生とバイト。

同じ学生だった頃と違い、
立場の違う身となったふたりが、なにもなかった頃のように無邪気に恋愛ができるわけはなく、、

ミチルの潤への葛藤や、母を置いていく将来のことや、潤の母親問題、ふたりを取り巻く周囲の人間関係など、読んでいてティーンエイジャーの生々しい情動や展開に、とにかくヒリヒリ心乱されました。


また読む前、
タイトルに、サマーという一見明るそうで、なにかが起こりそうなワクワク? なワード(まりあげはの先入観ですが)が入っているのに、お表紙のふたりの表情に翳りがあることに、なんとなく緊張感を持ちました。

ですので、ある程度なんだか危うそうなストーリーなのかなあと覚悟して、
読み終えてタイトルの「ブルー」の部分が、ヒリヒリさせられた部分であり、ティーンエイジャー特有の機微の部分だったなあと。
(勝手な解釈すみません!)
そして、傷つきやすく、迷い考える十代の熱い(こちらの漢字の熱いを、わざと使いました)夏をこの作品を読んだことで、モブとして追体験した気さえしました。


そして、ラストにはあの日の失敗を繰り返すことなく、身も心も大人への階段を昇っていったふたりが大変印象深かったです。


ぜひ、BLでも夏を感じたい方。
ティーンエイジャーたちが必死に全力で恋する、熱い夏を一緒に覗いてみませんか。。。



2

この作品が収納されている本棚

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