君を転生させないために 1

kimi wo tensei sasenai tameni

君を転生させないために 1
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

257

レビュー数
2
得点
15
評価数
3
平均
5 / 5
神率
100%
著者
佐伊 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
Ciel 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ピスタッシュ・ノヴェルス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403221446

あらすじ

『冥王』シゲンの呪いを緩和するため、呪術の絶えた耀国に派遣されてきた延国の呪術師ソラ。不死の呪いにより百十歳を超えているはずのシゲンは、驚くほど若々しく美しい姿をしていて……? 人を呪ったことのない呪術師と百年を生きる孤独な王の、魂の恋ものがたり。

レビュー投稿数2

呪いの連鎖が辿る未来を最後まで見届けていきたい

中華風陰陽師のようなストーリーの壮大なファンタジー性と、ちょっとやそっとでは語り尽くせぬ中身の濃さは、既に名作の予感すらしています。
ただ。タイトルからだけでは、ストーリーの中身が見えてきませんし、タイトルの意味を読みながらストーリーの流れを考えているところですが、サッパリ分かりません(笑)

この1巻で、この物語全体の実に3分の1。つまり全3巻構成のストーリーということになります。
まだ物語の折り返し地点にも到達しておらず、一体どうなっていくんだろう…というのが不安でしかありません。耀国と延国の間に巻き起こる呪い合戦が幕を開けていくのかと思いますが、延国の呪術師であるソラの不安定な立ち位置……延王からスパイ的な任を受けながら、耀国に肩入れしつつある現状が、この2国の未来を左右していくキーパーソンになるのではないか、不安と期待が入り混じります。


延国があまりいい国じゃないのが分かるぶん、この先のストーリーを容易に想像しやすいのですが、要はその経緯。耀国と延国の対立展開と、その中で巻き起こっていく耀王・シゲンとのBLがどう深まっていくのかに注目です。
事件パート的には、どっちが勝利するかということと、延国の呪術師としてソラがどう動くのかということ。
BL的には、シゲンが前世で思いを交わし合っていたと思われる相手のことを未だに忘れていないということと、シゲンはソラをどう思っているのかということ。(←ココが一番大事)
あとは、シゲンの呪いが完全に解かれるのかとか、そもそも誰が呪ったのかとか、ロウゼンとユウシンはうまくいくのかとか、細かい気になり事を挙げればキリがありません。
シゲンとソラとのBLだけに集中すればいいだけのストーリーじゃなく、その背景にある事柄や事象1つ1つにもアンテナを張って見守る必要があってか、全てを解明するには1巻では到底足りない足りない。
3巻編成ときいて、納得の数字だと思いました。


まだ全貌が分かっていないので、物語の全体像について良い悪いを評価する段階にもありませんが、これから耀国にとって大事な局面に入ろうとしている前段階としての惹きつけ方は見事。呪術師と呪いの関係についての言及がとても丁寧で、物語の世界に十分入り込むことができました。
呪術師、呪い、忌人…このトライアングルによって、ガチガチに固められた呪いの連鎖を今後断ち切ることができるのでしょうか。国の未来や人の未来を左右していく呪いの系譜が物語をどう動かしていくのか楽しみです。

BL的にもうちょっと進展すると良いな。
過去の恋人をソラに重ねてる感じなので、純粋にソラとの恋愛が進んで欲しいなと思います^ ^

1

君を”転生させない”意味。胸震えるファンタジーの序章

なんという過酷で恐ろしい呪い、そして運命なのか、、

ちょっと触りの部分だけ読むつもりが、
出だしの呪いの炎に包まれるシゲン(攻め)の場面から
一気に作品世界に引き込まれ、ほぼ徹夜状態で約300P駆け抜けました。

登場人物がそこそこ多く、耳慣れない名前や
人間関係の整理にやや頭を使いますが、
そんなちょっとした大変さも苦にならないほど、ただただ、
面白かったーーーーー!!!!

「1」と振ってあるように続きもので、
佐伊先生のあとがきによると、全3巻で完結とのことです。
(以下、内容・展開に触れています。未読の方、ご注意ください)



1巻、なんというところで終わるのですか。。
間者が宮殿に紛れ込んでいる疑いが、確かな証拠を持って
確信へと変わり、戦いが始まるー

果たして、ソラ(受け)が仕掛けた罠に
敵は引っ掛かり、接触してくるのか。

シゲン(攻め)の呟いた愛する人の名前「シュウキ」、
その人はなぜ、シゲンを呪い殺すに至ったのか。

呪いが返ったその人、呪った者である「シュウキ」は
どこに、何者となって転生しているのか。

まだ”始まったばかりのシゲン×ソラの関係は、
どんなふうに深まっていくのかー


もう、知りたい!教えて!読ませてください!!と
気になることばかり。2巻が今から待ち遠しいです。



こちらざっくり、敵国の呪われた年上王(110歳!!)×呪術師(20歳の青年)という
敵対関係同士のラブストーリーです。

この物語の特徴的な設定として、以下のようなものが。

前世で呪われて亡くなった者は”忌人”として
その呪いを引き継いで生まれてくる。
(次の世でも肉体的・精神的に苦しむことになる)

呪いは呪術師によって「解呪(かいじゅ)」可能。
しかしそれは呪いを完全に解くものではなく、
体には呪いの印である痣が残り続ける。

しかし次の世に転生すれば、呪いは消える。
そのため自死を促されたり、赤子の頃に捨て置かれて死ぬ”忌人”もいるー


燿国の従属国・延国の呪術師であるソラ。
彼は燿国の呪われた王・シゲンの求めによって
解呪(かいじゅ)のために燿国へと赴き、その姿を見る。

すると彼は延国で噂されていたような
醜い体の化け物などではなく、20代にしか見えない美しい男でー

と始まる物語です。


シゲンがその身に受けた「呪い」とは、一体どんなものだったのか?
と、興味津々で前のめりに読んでいたのですが、、

その呪いの内容は、想像を絶するような
辛く、苦しいもので、読んでいて胸が苦しくなりました

自分のせいで、次々と愛する者を亡くしていき、
呪いの力のせいで早々に死ねる、弟に国を託せるー
と安心したのも束の間、弟とその息子皇子が命を狙われ…

為すすべもなく、愛する者を失ったあとに
慟哭するしかないジゲンの姿が痛々しく、
読んでいて涙が出る場面でした。

そして身体中至る所”呪い”の象徴である痣だらけのシゲンが、
触れても死ぬことのない唯一とも言える存在・ソラに
手を伸ばし、身体中に口づけし、抱きしめ、快楽を与えようとする場面。

もーーーーーここ、切なくて美しくて、、

本気で拒めず受け入れるソラの気持ちに共感し、
ああここから二人の関係が始まってゆくんだ…と
喜びを噛み締めた後の、シゲンの無意識の呟き。

「シュウキ」…

ソラの身体中を愛しながら放たれたその言葉、
心に突き刺さりましたよー...( ; ; )

心惹かれつつある相手の心をいまだに占めている、
自分とは別の人。

ソラの気持ちを考えると切なくて切なくて、
涙を堪えたシーンでした。

2巻では、いまだ正体見えぬ敵との戦いがメインになるようですが、
ぜひとも二人の心の距離もグッと近づいて欲しい…!

眉目秀麗、国のために呪いを引き受け110年も生きる賢王と、
”平凡な見た目”と称されながらも
凛とした確かな美しさ、強さを持つ呪術師。

シゲンとソラ、それぞれのキャラが
どちらも人間的魅力に溢れていて、
共感・応援せずにはいられません。

そして脇を固めるサブキャラ、特にシゲンの部下たちも
また魅力的!!

特に”獣の呪い”を持つ忌人・ユウシン×左目に呪いを持つ忌人・ロウゼン。
(どちらが攻め受けが分かりませんが、希望としてはこう!↑)

部下×上司、義兄弟の契り…と心たぎる要素満載の二人。
特にシゲンに初めて求められた後、ソラの身体を心配するロウゼンの描写に
ときめきました・:*+.
(この1巻では、シゲンとソラは最後まではいたしていません)

2巻でもメインカプと共に、この二人を見守り隊!いや見守りたい。

読み終えて、タイトルの「君を転生させないために」
という言葉の意味を噛み締める。
そんな胸震えるファンタジーの序章でした。

2巻発売、、、前のめりに、待ってます!!!

5

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