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Q no konin
すごく不思議な読後感です。
まず絵がとても素敵で、黒の巻毛の魔王とイケメン勇者、2人の衣装、森や山の描写、お付きの魔物たちの造形などなど、全て精巧で細やかで丁寧な描き込み。
西欧神話的で中世ヨーロッパ的な空気感の中で魔王が勇者に告げる高すぎる要求は、正に我が国最古の物語である竹取物語からのプリンセスカグヤと同じ。
そして宝物/レアアイテムのお届けはゲームの方式をなぞっている。
本家では5人の貴公子が獲れない宝物。こちらでは勇者がひとりできちんとホンモノを魔王に献上するけれど、プリンセスQはツンデレさんなんです。だからQは勇者の求婚をはぐらかす。
読者として勇者カワイソーと思って読んでるんだけど、ハタと気付くんです。
勇者、歳取ってきてるじゃん…!
ここからはもう〜…切ない。
間に合って!間に合って!って思うんだけど、勇者は何かを助けるために時間も力も使ってしまう。だから…
現世的な時間軸では2人は結ばれない。
でもここは神話の世界であり、フェアリーテイルの世界であり、昔話の世界であり、ゲームの中の世界なのだから。
2人はキュプロークスの山脈の中で樹々となって眠り、永い永い年月を経て結局は若く美しい2人として目覚めて愛で結ばれ…
BLを読むというより、ゲームのようにステージをクリアしながら2人の愛と世界の平和を達成!ゲームクリア、そして美しいエンディングへ、という読後感。というか達成感。
単眼のQちゃん、とてもキュートでとても綺麗でした。
あああーーー本当に、本当に素晴らしかった…!
間違いなく、ここ最近自分が読んだ中でのベストオブベストでした...
「神」のその上の評価があるなら、星をいくらでも足したい。。
一度読み終えた後、1コマも見逃したくなくて、もう2周して細部まで
じっくり堪能しました。
紙特典も欲しい&紙で本に触れながら読み込みたくて、カートにイン。
何度読んでも、途中から泣けて泣けて...( ; ; )
どこかコミカルな前半とは裏腹に、中盤以降はどうしようもなく切なく、
胸が締め付けられました。
ネタバレレビューを書いていて恐縮ですが、
こちらネタバレなしで読んでいただいた方がより沁みると思います。
ぜひ、ネタバレなしで…!
電子で240Pちょっと、ボリュームのある一冊ですが、
そのボリューム分の切なさとカタルシス、救いが詰まってます。
(以下、ラストに関わるネタバレありのレビューとなります。
未読の方、ご注意ください)
小石川あお先生の、一途な勇者×ツンデレ魔王による
敵対関係ファンタジー。
勇者ガラテア(攻)(を含むパーティー)との戦いの末、
犠牲になった罪なき魔物たち。
彼らを復活させるため、庭に魔力を注ぎ続ける片目の魔王・Q(キュー、受)。
その右目は昔、弱っていた幼い魔物に差し出したため
単眼となっていた。
そして戦いを終え英雄となり、魔王の住む一帯地域の領主となったガラテアは、
今日も魔王のもとへ貴重な”宝物(アイテム)”を持ってきては結婚を申し込む。
連れない態度をとり、一つ宝物を受け取れば
また次の宝物を取ってこい、と命令するQ。
敵対関係にあるはずの二人の、そんなやりとりが
これからもずっと続いてゆくと思われた矢先ー
と続く、ロミジュリ的ラブストーリーです。
前半はツンデレ魔王と一途勇者とのやりとり、そして
魔王の周りを固める”魔王軍”の面々の可愛らしさに
ひたすらほっこり、にっこにこしながら楽しく拝読。
お話とお話の間に”魔王軍”のキャラたちの説明が入っているのですが、
このイラストと”一言説明”も可愛すぎて
ひたすら萌えながら読みました。
魔王の庭から復活した魔物たちは、みんな体のどこかに
”花”の特徴を持っています。
下半身に花をつけている”カエルのまもの”が分かりやすくて可愛いです(*´˘`*)
(でも、一番のお気に入りはいつも「魔王さま私の骨知りませんか?」って
言って探してる【ガイコツのまもの】です☺︎)
かぐや姫のごとく、次々にガラテアに”宝”を要求し
憎まれ口を叩きながらも、嬉しさと好意が隠しきれていない魔王・Q。
一方の勇者ガラテアの方も、決して何か魔王に取り入ろう、
つけ込もうとしているのではなく、
Qのことを心から慕っていることが分かり、”両片思い”状態なのですが...
中盤以降は、ただひたすらに息を呑む、怒涛の展開。
(自分の語彙力不足がもどかしい…!!!!)
ガラテアの言う”償い”の意味、
彼が今もなお罪の意識に苦しむ、ある出来事ー
(それがあの1ページ目の【片眼の薔薇】に繋がっていたんですね...!)
魔王Qが魔王に”なってしまった”経緯と理由とはー
そういった謎が一つひとつ紐解かれ明らかになるにつれ、
切なくて苦しくてたまらなくなります。
ガラテアの、後悔してもしきれない思いが胸に押し寄せてきて...
そしてさらに二人の間に立ちはだかる、【時間】の壁。
何百年もの時を生きるQにとって、
勇者が旅した30年は”瞬く間”ですが、
人間であるガラテアにとっては当然、一瞬の時ではなく、
確実に近づいてくる”別れ”の予感に胸締め付けられます。
そんな二人の...最期も...
泣けて泣けてしかたなくて( ; ; )
10年以上の歳月をかけて旅をし、やっとのことでガラテアが手に入れた、
最後の宝物。
寿命を一千年延ばし、浄化する作用を持つ秘薬を
ガラテアは何のために手に入れ、どう使ったのか。
こんなにも深い深い一途な愛と、贖罪ってあるの??と、
読んでいる時にも泣いてしまったのですが、
今このレビューを書きながらまたうるうるしてきてしまいました。。
でも!
単眼の巨人と共に涙したその先に、光が…!!!
幸せそうに一緒に暮らし、「あーーん」と食べさせあいっこする姿に
別の意味で号泣。
心揺さぶられ、愛しくてたまらない
勇者と魔王の求婚譚。
本当に本当に、素晴らしい読書時間でした...・:*+.
電子の特典は、おまけ漫画5P。(5ページも!!ありがたいです..)
勇者から魔王への”手紙”についてのお話で、萌えに萌えました。
あ。最後に、特に萌えたお気に入りのシーンと、
胸抉られたシーンのことを。
どちらも、コウモリQちゃんとガラテアとのエピソードです。
萌えたのは、ガラテアとQちゃんが交流を深め、
二人であやとりをして過ごしている一コマ。(一緒にあやとり、可愛すぎんか)
反対にとてもとても悲しかったのは、
そのQちゃんを(Qちゃんとは知らずに)ガラテアが…というシーンです。
後ろから懸命にガラテアを追っていたQちゃんが、
何をしたかったのか。
そして、数百年後にそのQちゃんの願いが叶うラストシーンに
涙しました(何回泣いてるのか、、)( ; ; )
夜明けのファンタジー、ぜひ多くの方に読んでいただきたいな...と
心から思える一冊でした。
★修正:なし(描写なし)