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kuchidukeha usono aji
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
某サイトで2巻まで無料で読めたので、読んでみたらどうにも続きが気になってしまい、あれよあれよという間に10巻まで買ってしまいました・・・。
元詐欺師ですべてが謎に包まれた美青年・槇尾と、他者共感性ゼロのエリート起業家・和智の、出会いからかけがえのない最愛のパートナーになるまでのお話。
もともと凄腕の詐欺師だった槇尾はヤクザとの繋がりがあり、和智との出会いこそ偶然を装った詐欺で、初めは和智をカモとしか見ていなかった槇尾だけれど、槇尾に魂レベルで惚れ込んだ和智の深い愛に触れて、やがて和智と離れがたくなる。
少しずつ、だけど確実に和智を好きになっていく槇尾だったけれど、裏社会で生きる顔も持っているがゆえ、一般人の和智を巻き込みたくないと何度も迷い、和智から離れようとするんですよね。
元詐欺師の槇尾をどこまで信じられるのか・・・和智にだって毎度迷いが無いわけではなかったけれど、和智は他人から聞かされる槇尾よりも、自分の目で見た槇尾を信じていた。
いつだって槇尾との未来を諦めようとしなかったし、幼い頃に肉親を失い、無条件の愛をあまり実感できないまま大人になった槇尾には、和智の一途で深い愛情はかけがえのない宝物になったことでしょう。
誤解を恐れずにいえば、私はヤクザものや裏社会ものBLが好きではありません。
現実世界では、BL作品に出来るような生易しい社会じゃないと思っているし、それゆえ冷めた目で見てしまいがちです。
こちらの作品も、その点では少し冷めた目で見てしまうところも無かったといえば嘘になります。
が、本作は登場人物たちが皆魅力的で、そういった点を補って余りある世界観がありました。
かつて槇尾の面倒を見ていた裏社会の若頭・杜江や、暴力団の顧問を務める弁護士の白洲・和智の起業家仲間の加倉井などなど、一枚も二枚も上手の男たちが次々と登場し、時に味方に・時に敵となって槇尾&和智に絡んでくるので、10巻という長編作品でありながら、最後までまったく飽きる事なく作品世界に没頭できました。
特に杜江の、何とかして槇尾をクリーンなカタギにしてやろうという強い意志には惚れましたね。
恋愛とか友情とか、そういったものを超越した深い親愛の情を感じました。
ある意味で誰よりも槇尾を愛しているからこそ、「二度と裏社会に関わるな」と突き放したんですよ。
杜江の「側に置かない愛し方」って、裏社会で生きる彼にとって最上級の愛し方だと思いました。
和智の「何があっても側にいて愛する」という愛し方は素敵だけれど、杜江の愛し方にも心打たれるものがあります。
和智と出会い、帰る場所・居場所を見つけた槇尾と、槇尾によって世界の見え方が変わった和智。
出会えて本当に良かったね、と、最終回のラストシーンで改めて思いました。
きっとこの先、死がふたりを分かつまで、愛し合って共に生きていくんだろうな。
裏社会ものだから、と、食わず嫌いされている方もひょっとしたらいるかもしれませんが、個人的にはぜひ読んでみてほしい名作です!
あっという間に10巻読破できますよ!