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saiun no shiro
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
どうしようかなと思ったけど購入。伊魚が可愛いなと思ったのと、多分忘れなさそうなので萌2に近い萌にしました。戦争はしんどいんだよ…。本編300Pほど+小編3編70Pほど+牧先生のイラスト(沁みます)。
今までの隊が解隊となったのを幸い、後ろにのる偵察員に厚谷を希望して走り回った藤十郎。残念ながら厚谷とペアにはなれなかった上に、扱いにくい最新鋭の飛行機、彗星とそれにくっついてきた偵察員の伊魚とペアになることになって・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
厚谷、琴平ペア、堀川(整備員)、受けの元上官(伝聞)ぐらいでしょうか。千歳もちょびっと。
++しんどかったところ
最初はいいですが、ラバウルですから、終戦に向かってあれこれ厳しくなるんですよね。恋話というより多少綺麗に整えた戦争話を読んでいるような心地になるんです。血みどろ話は無いんですけど、それでも怖い。爆撃の話が少しとか弾が当たった話が少しとかなんですけど、迫りくる恐怖といえば良いのでしょうか。どうなるのどうなるのと不安に思いながら読むのが、しんどいんです・・小心者なもので。
二人が少しずつ心を通わせていく様子はとても良かったし、受けのモールス信号はきゅーんとしたんですけど、やっぱり戦争もの(かなりリアル寄りなもの)、しんどいなあ・・平和を守らなきゃと思うご本でした。飛行機飛んでいるシーンは、ほんとにハラハラです・・・
1945シリーズの新装版
彗星ペア、凛々しい姿の藤十郎、伊魚の新しい表紙でまた彼らに再会できました。
何よりもキャラ文庫編集部に感謝しつつ、尾上先生や牧先生の作品に対する愛情が新装版になってますます強く感じられ読者の一人としてこのシリーズに再び再会でき、大変嬉しく思っています。
それぞれのペアの魅力は様々ですが、この彗星ペアは伊魚のクールでありつつ心に秘める藤十郎への想い、藤十郎の優しさとナチュラルな人柄に惹かれます。
切なく胸痛いエピソード
その間で揺れる彼らが愛おしくて大好きです。
この作品のみならずシリーズがこれからも多くの方々に読み継がれていくことを願ってます。
過酷な戦地を舞台に繰り広げられる人間ドラマが非常に魅力的な1945シリーズの新装版も5作目。
おそらくこちら単体でも問題なく読めるかなと思いますが、先に碧のかたみを読まれているときっと時折ちらりと姿を現す人々にうれしい気持ちになれるかも。
1945シリーズの最大の魅力はどこか?と考えると、やはり文字通りすべてを預け合う、唯一無二の「ペア」要素でしょう。
今作のペアはというと、彼らの機体も搭乗する側も個性的な組み合わせで新鮮な気持ちで読めました。
遠いラバウルの地で、操縦員と偵察員として組まされることになった藤十郎と伊魚。
どちらもラバウルにやって来るまでのバッグボーンが複雑ではあるのだけれど、特に伊魚の過去が複雑がゆえになかなか深いペア関係になってくれなくて困りました。
本編はほぼ藤十郎視点で進むのもあって、どう見てもわけありな伊魚の頑なさと危うさの理由が分からないのです。
ですが、寝食を共にしながら彗星に乗る日々の中で、本当に少しずつ伊魚のいじらしくかわいらしいところが見えてくるんですよね。
彼が指先でそっと叩くトントンツー…から始まる言葉の意味を藤十郎が知った時、読み手側もどうしようもなく心乱される。
なんてじれったいのかと頭を抱え、そこからはただひたすらに、居場所がなかった2人が身も心も預け合う唯一無二の関係になるまでの過程をじっくりと見守りました。
こうと決めたら真っ直ぐで、一度懐に入れたらずっと包み込みそうな藤十郎の人柄が好ましかったなあ。
甘さと辛さのバランスがちょうど良い2人だったと思います。
藤十郎が伊魚に心から惹かれていく気持ちが理解できてしまうほどに巧みな心理描写と、彼らが見たものの情景が頭に浮かぶような文章力が素晴らしかったです。
戦中の戦地でありながら、個性あふれる藤十郎と伊魚の趣味のエピソードなど…ところどころでほっと一息つける平穏さもあるのだけれど、きちんと1冊の中でグラデーションがかかっていてピリッと締めるところは締めて読ませてくれる作品でした。
共に食べて、共に語って、共に眠れる。
何気ないことのようですが、おかえりとただいまの4文字が言える場所があるというのは本当にかけがけのないことだなと感じます。
シリーズ復刊5作目
ありがとうございます。
今回はなかなかに癖の強いペアでした。
頻繁にコメディが展開されるが故に、戦禍の只中にも平和はあれど、その平和には未来が存在しないのだと改めて思い知らされるばかりでした。
「ただいま」「おかえり」がある生活の尊さ。
〜以下ネタバレ〜
奇跡的に生きて辿り着いたのは、戦と無縁の楽園の孤島。
花は咲き乱れ、鮮やかな南国の蝶が舞う。
そこには人間の居場所は無く、命が尽きていくのを待つだけで......
文明と隔たった静けさが、とても印象的でした。
碧のかたみコミコミ小冊子で出てきた問題児?のいる3組やっと揃い踏みました。
碧のかたみの月光ペア、プルメリアのころ。の艦爆ペア、そして今作 彩雲の城の彗星ペア。
読み終わって、好きな順は艦爆ペア→月光ペア→彗星ペアでした。
この3組に関しては同じ時間軸にラバウルで活躍してたみたいで、ニアミスがある。
本編に、出てきたり、書き下ろしに出てきたりする。
こういうクロスオーバー的なのって話の奥行きが出て好きなので嬉しかったです。
今回、伊魚くんがいつまでも頑なで打ち解けてくれないのがなんか理由あるんだろうけどわからないまま半分くらいきちゃってちょっと悶々としてしまった。2人共訳アリで戦場の最前線に来てたんだけど、結局色恋沙汰だったのね。
そんで、伊魚くんってきっと身体開発されててまぁまぁどすけべ仕様になってると思うんだ〜。でもね、今作では濡れ場がとっても少ない。
初体験の時の描写がガッツリ描かれてましたが、あとはあっさり。
本当は頻繁に致してたんだろ?って思わされる匂わせがあるんだけど、教えてくれないんだよ、その内容を。
でもね、私はこの後6月27日に発売される
[謹製ヘルブック]を期待してるんです。
ヘルブックってエロ本って意味なんでしょ?
この作品は藤十郎と伊魚の話みたいなので、今作で描かれなかったあれやこれやが見られると思ってます。(現時点でレビュー未読なので内容知りません)
今作、藤十郎は仏像を彫る、伊魚は俳句を詠むって趣味があるんだけど、2人共才能はあんまり無いみたいで、完璧すぎないところがとってもよかったです。本気で作品作りしてるのに呪いの仏像って言われて持っていると死なないってジンクスが周りに浸透してしまうんだけど、それってむしろ呪いじゃなくてお守りやん。ご利益やん?と思ったよ。藤十郎誇っていいことだよ。だって、本当にあんな大ピンチもう詰んだ!って状況から大逆転で日本に帰還できたんだもん。
そんで、書き下ろしの話
まだウジウジしとんのかい!と伊魚くんに対して思っちゃったよ。藤十郎はちゃんと言葉でも態度でも伊魚くんを大切にしてるの現してるでしょうよ?
何回もウジウジされたら私ならウザッ!てなるけど、何度も伝えてくれる藤十郎は本当に優しくていい男だよ。
発売を待ちに待っていた、1945シリーズ”第二期”の記念すべき1作目!
でも、このシリーズを読むのには正直、気力・体力が必要で…
(何作か、めちゃくちゃ泣いて翌日目が大変なことになりました;)
”どんなことが起きても受け止めるぞー”
そんな覚悟を決めて、「よしっ!」と気合を入れて読み始めました。
旧版は未読、出てくる人物のキャラも結末も知らないところから…でしたが、
分厚い一冊(387P!)を読み終えた今、胸に込み上げてくる思いを
かみしめています。
(本編の後、イラストと共に書かれた牧先生の言葉に、じーん…としてしまう)
今作はいわくつきの新型爆撃機<彗星>の操縦員・藤十郎×その偵察員・伊魚(いお)というペア。
なんだろう、このシリーズの場合はいつも…「カプ」という言葉ではなく、
作中に出てくる”ペア”という言葉を使いたくなります。
「碧のかたみ」に出てきた厚谷×恒ペアも出てきて、
懐かしかった&嬉しかったー…!!(後で読み返したい!)
今作も、尾上与一先生の圧倒的な筆致力、描写力に圧倒されました。
ラバウルの地の、一瞬で陽が落ちる独特な夕暮れ。
2人が”彗星”登場中に見た彩雲(表紙のイラストの彩雲が美しくて、じーっと見つめてしまった)。
爆撃機の音、波の音、2人が会話する声や海の匂いまで…
先生の文章を目で追っていると、まるで本当に自分がそこにいるかのように、
景色や色彩、音や匂いまで感じ取ることができます。
物語を読みながら、自分自身も”彗星”に搭乗し、
ヒリヒリした緊迫感の中で偵察を行い、
敵襲を受けて逃げ回り、上下逆さまになって回転して急上昇&急降下、
水面不時着して漂流して…
と、二人と一緒になってハラハラドキドキ、時に切なくなったり
希望を抱いたりして、読み終えた時は手のひらに汗をかいていました。
一方は婚約者に逃げられ、恥ずかしさやいたたまれなさから転属を希望。
もう一方の伊魚も前の戦地で上司と関係を持ち、彼に捨てられラバウルへと送られたー
という、”ワケあり”の二人。
出会ってから不本意ながらペアとなり、
少しずつ少しずつ、藤十郎が伊魚の心の扉を開けていく様、
そして藤十郎が恋に落ちていく様、心の揺れに、胸がきゅーっとなる。。
なんというか、上手く表現できなくてもどかしいのですが。。
戦場で命を預け合う者同士、”ペア”という言葉の重みを
あらためて感じさせられます。
特に印象に残り、大好きなのが、
伊魚が藤十郎の名前をなかなか口に出して呼べず、
モールス信号で床を叩いて練習していたー
ということが分かるシーンです。
健気さに胸を突かれる藤十郎だけれど、
私ももう、読んでいてたまらない気持ちになった…!!
上司との恋のトラウマから、人の心を許すことに
臆病になっている伊魚。
本当は寂しくてたまらないのに、必死に耐える姿が健気で愛おしくて、
もう、もう、ぎゅっと抱きしめてあげたくてしかたなかった…
不時着して、漂流して、辿り着いた島からドラム缶の筏で漕ぎ出すものの、
嵐が来て…
という展開に、最悪の結末を覚悟しましたが。
本編後の「家」という短いタイトルの中で、
「おかえり」「ただいま」と声を交わして唇を寄せ合う二人!!!
涙が出ました。
寄る辺のない二人が、命を預けあった戦地を出て、
ついに手に入れた家。
彩雲に住みたい…とあの時夢見たことが、少し違う形ではあるけれど、
実現したんだなあ…と、感慨深く込み上げてくるものがありました。
この先4月25日には「郵便飛行機より愛を込めて」、
6月27日には「謹製ヘルブック」が刊行予定とのこと(帯情報です)。
「碧のかたみ」と今作を読み返しながら、4月を待ちたいと思います。