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kai no koe wo kike
一度は愛を諦めた二人の救済愛。
役所の職員である細川は性的指向を隠して生きるクローゼットゲイ。
実の親にすら明かすこともできず、ゲイバレを恐れて他人と距離を
保って生きてきたため友人もいない。
そんな孤独な人生を送り、気付けば鬱憤をSNSで発散するだけの毎日。
けれど、ある日落としたスマホを拾ってくれた小説家の渡会と出会い、
彼の日々は目まぐるしく変化してゆきます。
他人とは極力かかわらずがモットーなひねくれ屋。
けれど、こちらの事情などお構いなしに世話を焼いてくる渡会にだけは
本性を隠しきることができず、気付けば本心をぶつけてしまう細川。
いくら悪態ついても拒んでも全く通じず、いつの間にか手懐けられてゆく
細川が人見知りの野良猫のようでだんだん可愛らしく見えてきました。
しかも、(他)人馴れしていないだけに一度懐くと、とことん一途という
ギャップに思わずぐっときてしまいました。
クールに見せかけて、意外と表情豊かなので悪態ついていても
「照れてるんだな」と心の中も丸わかりすぎるピュアさが愛おしく…。
そんな超人見知り野良猫を見事飼いならしてしまった渡会ですが、
一見能天気で悩み事などなさそうな彼にも重い過去がありました。
比べようはないけれど、一度手に入れてしまっただけに
その喪失感は細川のそれよりも深かったかもしれません。
細川も、渡会も、ただ誰かにありのままの自分を愛して欲しかっただけ。
そんな一番欲していたものを埋めてくれる存在が、
無償の愛を与えてくれるのが、細川で、渡会で。
はじまりやきっかけはそれほどロマンチックでも純粋でもないけれど、
ある意味、運命的にも感じました。
本編ではエロなし。
描き下ろしでは直接的にはないものの、
細川とのエッチのためにわざわざ家を購入した渡会のエピソードが。
この二人が色っぽい感じとか、ちょっと想像はつかないけれど、
渡会ならねちっこいくらいに愛してくれそう…と微笑ましさが溢れました。
小説家の潮とリーマンの有輝。
夜道でぶつかってしまったのをキッカケに知り合ったふたりの日々を描いたお話でした。
あまりいい出会いをしたわけではなかったふたりですが。
流れるように距離が近くなっていくところから、性格は真逆でも相性が良いことは伝わります。
なんだかんだと世話焼きな潮のペースに飲まれていくことに抗いたい気持ちはある有輝だけど
一緒に居ることにだんだん心地よさを感じていく様子は微笑ましくもありました。
でも有輝があまりにもネガティブすぎて、全方向に敵意むき出しなのがどうしても受け入れられず。
ゲイを隠していることで生きづらさを感じているのは理解できますが、
その負のエネルギーを周りへの攻撃にかえてしまうのは違うんじゃないかなー、と。
これまで周りの人たちに恵まれなかったからなのでしょうかね…
冒頭の職場の同僚たちのデリカシーのない発言もちょっと許せなかったです。
潮の抱えているツラさも明かされますが、有輝のキャラとぶつかってしまってなんだかスッと入ってこないという…。
ストーリーはあっさりしていた気がするんですが、それぞれのキャラの濃さにピタッとハマらない感じがあったかなと思いました。