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mamanaranai ommyouji kidai no tensai to kitsunetsuki
「モーニングワーク」のレビューで、なかなか寺崎昴先生の作品に嵌れないと書いたのですが、今回は設定が好みで更に笠井あゆみ先生の挿絵だったので、思い切って予約購入してみました。
だけどやっぱり私的には今ひとつでした。期待していた陰陽師としての仕事についてあまり書いてなかったからです。千晴と龍明の2人が出会ってから心を通わせるまでが丁寧に書いてあり、そこは凄く良かったのですが物足りなくてあまり内容が記憶に残ってないです。
どうしても某有名な作品と比べてしまい(大好きなので)お仕事と恋愛のバランスが悪いように感じてしまいました。もし、この作品がプロローグ的な物で次作で千晴の陰陽師としてチートなお話を書く予定があるなら、この内容でも納得です。
門蔵兄弟に千晴が加わって優れた陰陽師が3人も揃ったので、この3人と彼等の識神が活躍するお話が凄く読みたいと思ってしまったんです。千晴の飼い猫と融合してしまったあの方のその後も読みたいですし、その点でこの作品がプロローグ的な物に感じてしまい物足りなかった理由でした。
ああーーー寺崎先生の現代ファンタジー、天才×天才陰陽師の物語、面白かった〜!!!✨
まず、この表紙。
笠井あゆみ先生のイラストが陰陽師の世界観にハマりすぎて美麗すぎて、買わずにはいられませんでした。。The・美。
白虎に白狼、黒猫雲母(きらら)にも激しく激しく萌えたけれど、
なにより一番萌えたのが小鬼の桜ちゃんです。可愛い…なんて可愛いの…
龍明(受)の好きなこし餡最中をちゃんと2つ持ってきてくれる小鬼…その姿を想像するだけで、きゅんとします。
「桜」と初めて龍明に名付けられた時の嬉しそうな様子もまた、可愛くて悶絶しました。
以下、簡単なあらすじと感想を。ネタバレ含みますので、未読の方はご注意ください;
物語の主人公は、稀代の天才陰陽師・龍明(受)。
品行方正で生真面目に生きる龍明の前に、銀鼠色の髪に空色の瞳を持つ美丈夫・千晴(攻)が現れ、彼を弟子として一緒に過ごすよう父から命令されます。
気が進まないながらも当主である父の命には逆らえず、色々と教えていこうとする龍明ですが、
意外にも千晴の潜在能力は驚くほど高く、あっという間に龍明を追い抜くスピードで術を身につけていきます。
幼い頃からコツコツと鍛錬し続けてきた努力型の天才・龍明は
そんな千晴に対し生まれて初めての嫉妬という感情をおぼえるようになりー
と続く、天才×天才陰陽師同士のお話です。
これ、陰陽師のいろんな技なんかも魅力的なんですが、自分が何より「いいな」と
思ったのは、龍明が人として成長していく姿です。
生まれて初めて「自分より能力の高い陰陽師」に出会い、戸惑い嫉妬を感じることで
龍明が学んだこと。
人には人それぞれの得意分野があり、苦手分野もあること。
そして苦手な分野はその人がいくら努力を重ねてもすぐに習得できるものではないことー
そういったことに気付かされ、自分が驕っていたことを知る…
「方術や努力が得意であることはすごい。だけど、そうじゃない人のことを馬鹿にしてはいけない。
そんなことをしてたら、将来自分よりすごい人が出てきた時に、同じことを言われて惨めになるよ」
やー…千晴にこの言葉をかけられた時の、龍明のショックを想像すると、胸が痛みます。。
今まさに劣等感を感じている相手からこんなこと言われたら、ね、、ダメージが大きすぎるー…!
でもそこで「ああ、この主人公は強いな」「カッコいいな」と思ったのは、
多少反発心は抱きながらも、素直に自分の考えや行為を振り返り、反省する龍明の姿です。
いったん意識して見方を変えてみると、「努力しないからダメなんだ」と
思っていた(思い込もうとしていた)弟にも、得意分野があったり
苦手なこともコツコツと努力をしていることが見えてくる。
そして自分自身も腐らず千晴に教えを乞い、千晴にできて自分にできなかったことを
修練の末に身につけるー
もーーーただツンツンしているだけではない、「努力型天才」ヒーローの姿に
胸が熱く滾ってしかたなかった…!!かっこいいなあ、龍明。
そして一方の攻めの千晴が背負った過酷な運命。
ワンコで明るくて敬語が正しく使えない(笑)どう見ても陽キャな千晴の「縁が薄い」理由が分かった時、胸がきゅーーーっとした、、( ; ; )
後半で起こる事件、そこで明かされる驚きの真実にもう、
終盤までドキドキハラハラが止まらず息するのも忘れて(嘘)一気読みです。
ネタバレになるからあまり詳細語れませんが、グッジョブ!グッジョブだよー!と
あの子に言いたい。
なんてひどい奴!と思ったあの方も、人情を見せてくれてほっ。
小鬼ちゃんの可愛らしさ愛らしさ、龍明の内面の成長、運命への抗いー
最初から最後までドキドキと興奮止まらぬ現代陰陽師ファンタジー、心から堪能できました✨
面白かったー…!!
笠井先生なのでマストバイ。面白く、どうなるどうなると頁を繰る手を止められなかったですが、いつまでも覚えている気はしないので萌にしました。超本家な陰陽師でしたので、陰陽師好きな方はご検討いただいてもよいのでは。本編250頁ほど+あとがき。
陰陽師を生業とする家に長子として生まれ、家を継ぐべくあれこれ頑張って修行した龍明。その家にある日、今まで陰陽道とは何のかかわりもなく生活してきた千晴(日露混血)が引き取られてきます。少し教えてみるとすいすい習得していき千晴の力は龍明をしのぐかと思われ…と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
受け父と弟、識神あれこれ、祓われる方々、雲母(攻めの飼い猫)ぐらいか?
++攻め受けについて
攻めはコミュニケーション能力高めな陽キャ。日露ハーフなんだけど能力高し。さくさく出来るようになっちゃう=器用なんでしょうね。今まで陰陽道と無関係に生きてきたので思考が柔軟なのも、良い方向に働いている気がします。基本優しいです。
受けは生真面目優等生長男坊。自分が頑張って出来たので、弟もおんなじように頑張れば出来ると思い込んでいる、かちんこちん頭さん。攻めと出会って、良い所を知り、それを自らに取りこんでいくところは、当主になる素質があるんだろうな。少しずつ柔らかくなっていく様子は良かったなあと思えるものでした。
攻め受け、識神たち、弟などキャラ全部しっかりしていて、読みやすかったです。色事シーンもちゃんと笠井先生の絵にぴったり♡なシーンが複数ありましたので、そちら方面が気になる方もご安心ください。滴ってるシーンあります!
小鬼が可愛いすぎて脳がやられました。
内容は、既にレビューしていただいている(まったくそのとおり、同意しかない!)ので私は個人的な(偏った)感想だけ。
まず、主人公2人に体格差がそんなになく、それぞれタイプは違うけどどちらもイケメン、能力抜群という設定が良いです。(そのまったく反対の設定も好きですけどね。)
ストーリーは抜群に面白く、ハラハラドキドキしながら一気読みさせていただきました。
でも、やっぱり小鬼が可愛い!うちにも欲しい!小鬼ひとりだと寂しがりそうだからここはやはりセットで!ポイントは、笠井画伯の描かれる小鬼は最強ということです。あぁ何という事でしょう、小鬼のパンツ(ふんどし)…
すみません、錯乱しました。
和風ファンタジー最高っっ!!
1000年の悠久の時を経て受け継がれる陰陽師たちの鍛錬と研鑽の物語。安倍晴明の血脈を継ぎし末裔たちが繰り広げるストーリーはめちゃくちゃ読み応えがありました。
まずもう表紙が神ってる。笠井あゆみ先生の圧倒的画力に平伏です。
陰陽師の世界観を如実に表現したこの素晴らしい神イラストに即落ち。持ってるだけで魔除けになりそうなオーラに、一目惚れしてソッコーで購入しました。
もちろん絵だけじゃなく、内容もイイ。イラストに負けない、読む者を引き込ませるストーリーは最高です!( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
感覚派の天才と努力型天才との陰陽コンビのやりとりがすごく楽しくて、性格真逆の2人がワチャワチャしながらも信頼や愛を深め合っていく姿に、時にクスッ、時にニヤッ、時にドキッ、時に切なくといったたくさんの感情を味わいました。
天涯孤独の千晴を、陰陽師を生業とする龍明の家で預かることから物語は始まります。一応どちらも安倍晴明の血筋で、千晴は傍系、龍明は直系。龍明は陰陽師家のサラブレッドみたいな立ち位置です。
千晴の指導役となった龍明は、嫌々ながらもその任を受けることになるのですが、千晴の型破りな能力に衝撃を受け、嫉妬と羨望を抱いていくように……
飲み込みが恐ろしく早い千晴に、いつか当主の座を千晴に奪われるのでは?と思うところもあり、2人の出会った当初はギスギスしています。まぁ、龍明が一方的に雰囲気悪くしてるだけなのですが^ ^
努力型の天才は、感覚的にいとも簡単に自分が何年もかけて習得してきたことをやってのける千晴にイライラと焦りを覚えるわけです。龍明はプライドも高いですし。
そーなると、
龍明……冷たくて感じ悪い
千晴……優しくて感じが良い
のイメージが自然と出来上がってます。
しかし、この龍明が千晴との出会いで少しずつ変わっていくところが大きな見どころ。ツンツン龍明がマイルド龍明に変わっていくのは必見です(*´∀`*)
龍明がどんどん人間らしくなっていく姿はホッコリ。今までは気持ちに余裕ない感じでしたが、千晴から人としてのあり方や他者との関わり方みたいなところを教えられると、龍明のいいところが表れていくんですよね。
そうなるとBLの香りがいい感じで漂ってくる。フッフッフ……( ̄▽ ̄)お待ちかねの展開にニヤりました。でもそこまで派手な恋の芽吹きじゃなく、下地作りをしっかり作った上での恋の自覚なので、すごく自然な流れでのBLの移行です。
あれだけ嫌っていた男にドキドキしていく龍明だからこそ、それでいい。2人の距離がグッと近づいていくのを見届けるのは楽しくて仕方なかったです。
BLの部分も、シリアスな部分もすんごく面白かったです。
最後は真打ち登場でどっひゃーでしたが、これでこそファンタジー!安倍晴明って没後もこうやって色んな作品にインスピレーションをもたらしてる事がホントすごい。同じ時代を生きていたとしたら、どんな人だったんだろうと思います。
妖や小鬼たち、識神といった可愛いサブキャラたちにも癒されながら楽しみました。
千晴は陰陽師になりたてですし、むしろこれからが彼の才能発揮のターンって感じだと思うので、ぜひ続編を…もしくはシリーズ化をと願っています。
ラブ的にもっとイチャイチャを。そして龍明の可愛いところを千晴によって暴かれていくところをめっちゃ見たいという私個人の下心ゆえ、作者さんにはお頼み申し上げ奉ります(^人^)