モーニングワーク

morning work

モーニングワーク
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×21
  • 萌2
  • 中立4
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
8
得点
44
評価数
14
平均
3.5 / 5
神率
42.9%
著者
寺崎昴 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784344853249

あらすじ

遺品整理会社で働く24歳の杉嶋静秋は、好きになる相手が同性であることを自覚しており、過去の恋愛では好きな人、恋人、家族、あらゆる人に裏切られ絶望を感じてきた。そんなトラウマを抱え途方に暮れていたところ今の会社の社長に拾われ、今は心を閉ざし、淡々と仕事に従事していた。 そんな中、同じくゲイで29歳のイケメン・久野輝之と仕事でバディを組むことになる。静秋とは正反対に、明るくチャラついた雰囲気の久野に、かわいいなどと言われ軽く口説かれるようになり、彼を敬遠していた。しかしあるきっかけから、二人は心を伴わない身体の関係を結ぶようになり……?

表題作モーニングワーク

久野輝之,遺品整理会社勤務,29歳
杉嶋静秋,遺品整理会社勤務,24歳

同時収録作品セルフィッシュ・コンフェッション

神崎友也,大学教授
三好桐吾,バーの店員

同時収録作品レット・イット・ゴー

久野輝之,会計士
橘光矢

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数8

真ん中の短編がめちゃくちゃ良かった!!!

すごく不思議な読書体験でした。
本編に出てくるキャラクター達のほとんどに全く感情移入できず、なんなら攻めの久野みたいなタイプが本当に苦手でなんでこんな事するわけ?とイライラしてきたんですが、なぜか読む手は止まらず一気に読破。
読み終わったら、なんだかいい話を読んだなぁという気分になりました。

そして真ん中の短編、セルフィッシュ・コンフェッションがめちゃくちゃ刺さりました。
本編に出てくる静秋のトラウマにもなってる、クズ(あえてハッキリ書くと)の神崎視点なんですが、すごく胸が締め付けられて切なくなって、満足感が凄かったです。私はこう、攻め側がもうやり直せない事で滅茶苦茶に後悔してズタボロになるのが性癖なので、もうこの短編読めただけでこの本買った甲斐があるって言い切れるくらい良かったです。

遺品整理の話やモーニングワークといった概念のお話も面白く個人的には大満足な一冊でした。

5

「モーニングワークを通して乗り越えられる」

気になっていた作品、とても良かったです。
遺品整理の仕事でバディとして組んでいる静秋と久野。お互いに過去の恋愛で傷を負っているもの同士。
悲しみや憎しみ、様々な気持ちをを整理するモーニングワーク。
生きている人同士もモーニングワークをして前に進んでいくんですね。
後半は色んな人の視点で物語が語られるのもこの作品の魅力だと思います。気になっていた部分がしっかり回収されていきます。
素敵なお話でした。

0

同時収録の短編が好きでした

特殊清掃を含む遺品整理会社のバディものという、あまり多くは見かけない設定に惹かれました。
寺崎先生のシリアスで読ませるお話が好きです。
メインとなる久野×静秋CPの他に、彼らに関連する2CPの短編も収録されています。
3編ともやや好みが分かれそうなお話かなあと思いますが、どれも文章力が高くしっかり読ませてくれるお話でした。

ものすごく正直に言うと、萌えた萌えないで分類するのならどのお話にも萌えはそこまで感じなかったのです。
遺品整理業者として彼らが日々接する、今は亡き依頼人の生の痕跡の数々をふるいにかけながら、性格も考え方も正反対だというのに「似ている」と言われる久野と静秋の心の歩み寄りや、今まで自分の中になかった物事への気付き。
そして、依頼人の数だけある人生の背景を遺品整理を通して知る…等、BL的な萌え以外のところが興味深くて面白かった印象です。主人公たちに感情移入も肩入れもあまり出来なかった。
けれど、物語自体が非常に面白く、読了後はなぜかほんのちょっとだけ心地良くも感じる。そんな作品でした。
欲を言えば特殊清掃の辺りももう少し読みたかった。

表題作・モーニングワークは受けの静秋視点。
短編となるセルフィッシュ・コンフェッションは静秋の元彼でクズだった神崎のお話。
レット・イット・ゴーは久野視点の現在と過去のお話。
表題作読了後、これは続きに後日談の話が入っているのかなと思いきや神崎のお話だったのですが…表題作よりもこちらのお話の方が印象深くてですね。
最低すぎるどクズによるどクズのお話なんです。
同情する余地もないようなクズです。後味だって決して良くはない。でもなんだか妙に惹かれるものがある。
本編との繋がりがまた良い味を出しているんですよ。
こちらも好みが分かれそうな短編だと思います。
個人的にはこういうトーンのお話は好みでしたし、寺崎先生の上手さに唸りました。
表題作の萌度的には萌かな…と思いつつ、セルフィッシュ・コンフェッションが良かったので、トータルでこちらの評価になりました。

2

しっかりとしたお仕事BLでした。

遺品整理でバディを組む、それぞれ喪失を抱えた正反対なゲイの2人のお仕事BL。
そうそう!まりあげは、こういうBL小説読みたかったのよ! っていう内容でした。(雑な説明ですみません 汗)

ただ、二人の恋愛面に対してのやり取りにはちょっと思うところもありつつでしたが。
でもそれを差し引いてもお仕事BLとしては、面白かったです。

SS2作も、本編からもっと掘り下げてそこのエピソード読みたかったんだよねえ! と思ってた内容がきちんと描かれていてとても満足な1冊でした。
遺品整理というお仕事ですが、グロい描写はほぼなく(そこは作家様もあとがきで触れられていた)、トラウマ持ちの受けの葛藤やもう一度相手を信じようとする過程がとてもよかったです。

今どきあまり見かけないお仕事BL、お好きな方にはぜひぜひオススメする1冊です!!

1

誰よりも大切な人のために

今回は遺品整理会社の社長の甥と従業員のお話です。

他人と距離をとって生きる受様の新しい恋の話と
受様の元彼の恋話と攻様の過去の恋話を収録。

受様は小規模な遺品整理会社で働いています。
遺族からの依頼がほとんどですが
家族に迷惑をかけない為に生前契約をする人もいます。

またこの会社には社長の甥である攻様の提案で
ゲイ向けのサービスがあり、ゲイである受様は攻様が
その業務を担当しています。

受様はカミングアウトしていないゲイですが
社長は性指向を重要視していないため
転職してきたゲイの甥にも勝手にばらしていました。

攻様はゲイには家庭問題を抱えているものが多いので
ゲイの為の遺品整理を提案、社長が乗り気で
攻様の相棒に受様をと言い出したのです。

従業員の受様に選択肢などなく
受様は新人研修から新プランの詰めまで攻様と組まされる
羽目になってしまいます。

攻様は受様には迷惑なほどフレンドリーな上に
攻様なりの理屈はある物の依頼内容にない仕分けをして
受様を苛立たせ疲れさせます。

疲れると性欲が溜まる受様は
アプリで性欲発散の相手を見繕うのですが
そんな相手といたところを攻様に見られてしまい
相手に逃げられてしまいます。

攻様に不特定多数を相手にするのは感心しないと言われ
攻様には関係ないと突っ張れた受様に
攻様は「1回お試しで寝てみない?」と言い出して!?

大学時代に弄ばれた過去を持つ受様と
元彼に刺された過去を持つ攻様の恋物語になります。

受様は自分の性癖を隠し通していましたが
大学時代に自分もゲイだという講師と付合っていたのですが
相手は既婚者だった上に

関係がばれそうになった瞬間、
相手は受様が言い寄ってきただけ、付き合っていない、
受様の話は妄想だと受様との関係を一切認めませんでした。

受様は友人からも距離をおかれ両親から縁を切られて
大学も中退し、人付き合いを拒むようになるのです。

そんな受様にとってオープンゲイで誰にでも親し気で
最もそうな正論を吐く攻様は苦手以外の何物でもないのですが

そんな攻様は元彼に刺された過去があり
受様は攻様と仕事でペアを組み、セフレとなる事で
少しづつ変っていきます。

人とは違うと認める事、人に拒否される事の辛さ
誰にも認められない事、拒否される事を受け入れる強さ、
多数派でない生き方は正しくないのか。

人が逃れる事の出来ない死と直面する遺品整理を通じて
生き方を問われるようなお話で深いなあとは思いましたし
短編で本編を補うような受様の元彼の恋と攻様と元彼の恋を
描くというのは斬新でしたが

ごめんなさい、読み返したいと思える萌どころが感じられず
「中立」とします。

2

ずるいなぁ…

なかなか寺崎昴先生の最近の作品に嵌ることがないです。それでも過去の評価を確認して今度こそはと予約をするんですが、今回も嵌りませんでした。

筆力もあるしストーリー自体は凄く面白いとは思いました。これBLじゃなくて一般小説の方が評価が高いかも知れないとも思いました。

なのでBL小説としての感想を書きたいと思います。


まず個人的に静秋という人物が好きになれずに、読むのにかなり手こずりました。途中で違う作品を一気読みしてます。表題作の終盤になって漸く面白いと思ったのですが、なんせ死ネタで泣かせて来るのに閉口しました。ゲイ専門の遺品整理なのでしょうがないと言えばそうなんですけど、久野と静秋のお話で感動ではないのに引っ掛かりを覚えてしまったんです。

そして表題作の最後から続くような静秋の元カレの同時収録作の「セルフィッシュ・コンフェッション」ですが、これも中途半端感が強くてここで神崎の三好との関係が語られてるんですが静秋と再会するまでがサラッとあるだけで、私には補足に終始してしまってるように思われました。

更に最後の久野と元カレのお話である「レット・イット・ゴー」ですが、元カレと何があったのか知れたのは良かったけどもっと違う攻めかたは出来なかったのかなと思うほどサラッとしてました。

むしろ作中の遺品整理の客のエピの印象が強過ぎて、メインCPの印象や萌が皆無でした。

先生がとても書きたいお話だったらしいですが、BL小説という枠の中では不自由だったのではないかと思ってしまいました。

2

本編後のSSが読後感の決め手

他の方も投稿しているように、一般作品だったら評価がもっと高いんじゃないかと思います。

本編で受け攻めがハッピーエンドになり、読み手の私の気持ちも最高潮になりました。
その後のSSの「セルフィッシュ・コンフェッション」では受けの元彼について、「レット・イット・ゴー」では攻めとその元彼についての補完の話が書かれています。
このSSは本編では語られなかった隙間を埋めているもので、キャラの解像度を上げることができたのは良かったですが、BL作品としてはSS 2作は読むべきではなかったなと思いました。
理由としては、本編のハッピーエンドを読み終えて気持ちが良くなっている時に、他CPの死別の話と、攻めが元彼とどんな恋愛をしてきたか、という話を読んでも私は楽しめないからです。
「レット・イット・ゴー」の最後2行ほどで受けと攻めのやりとりがありますが、下がった気分の回復には不十分でした。
せめてこのお話が本編内にあったら、また印象も違ったのだと思います。
または、受けと攻めが幸せにしている描写がもう少し最後にあれば良かったです。

主要キャラ以外の詳細な設定や過去のあれこれが読めるという点では、SS 2作は評価できます。が、本編内で語られているものでも十分想像できますし、個人的には「語られなかった部分を想像する」のも読書の楽しみです。
その点も踏まえて、一般作品だったらキャラクターの成長物語として、評価が上がるのかなと感じました。

1

過去の恋が痛い

久野×静秋


ゲイの2人の、過去の失敗した恋の
痛みと悲しさと孤独感を背負ったから、
今の恋愛に臆病になった。という
心が痛くなる設定がとても良かった。だけど、

ゲイなのに女性と結婚して、彼氏も作って、
家族を愛する一方で、
彼氏との愛も大切にしているという考え方も少し書かれている。
愛は一人に向けるものではないみたいの理論に、
個人的には、どんなに愛していても、
不倫だったら、やっぱり受け入れにくい。


遺品整理会社で仕事している静秋が、
過去の恋で傷ついて、家族と疎遠し、
将来に対して期待を持たず、
愛に対して不信感に苛まれていて、
実は愛されたいのに愛せない感じが痛々しい。

そんな彼が共同作業する陽気な久野にアプローチされて、
最初は敬遠していたけど、
2人がセフレ関係として距離を縮める中で、
久野のエッチの上手さや、優しさ、熱意に触れて、
閉じていた心の壁が徐々に崩れていく。

久野も過去の恋愛で痛手を負って恋で疑念を抱いている。

2人が、ゲイの方々の遺品整理をする中で、
それぞれの葛藤や、
亡くなった方とその遺族の揺れも交わされて、
愛が見つめるというお話。

イラストが合わなくて違和感が感じがする。
静秋の不憫さや繊細さや、
久野のガッツリの男らしさと優しさが魅力的なのに、
伝わってこないな・・・ちょっと残念。
それに、2人とも険悪気味に見える?


同時収録:

『セルフィッシュ・コンフェッション』
静秋の元彼のお話。
切ないけど、不倫に関わる。

『レット・イット・ゴー』
久野と元彼のお話。
愛の定義や価値観の違いで、痛みが絡んでくる。

久野の叔父セリフから、
「モーニングワーク」、日本語で「喪の作業」という意味がある。
遺族の立ち直る過程や、
生きている人間同士の別れの関係性がうかがえるけど、
それが、遺品整理をする人が、遺族が立ち直れるように、自分自身も立ち直れるかどうか、どう影響するのか?私にはわからない。

もどかしい気持ちになりました。

3

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