宵星の恋、きらきらと

yoihoshi no koi kirakira to

宵星の恋、きらきらと
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神8
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

152

レビュー数
3
得点
40
評価数
8
平均
5 / 5
神率
100%
著者
彩東あやね 

作家さんの新作発表
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イラスト
夏乃あゆみ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403526107

あらすじ

40歳バツイチの那須川が購入した新居は、幽霊たちのたまり場だった。その中の一人、失恋で命を絶ったという青年幽霊・漣と親しくなる那須川だが……? 年の差ハートフル・ロマンス!

表題作宵星の恋、きらきらと

那須川 貴、40歳、バツイチの内科医
漣、23歳、那須川の家に現れた幽霊

その他の収録作品

  • 宵が明けたその先に
  • あとがき
  • 幸せはきらきらと

レビュー投稿数3

築50年のユートピア

日常の中にとろりと溶け込んだ、きらきらとした恋の描き方がすごく素敵な作品でした。
なにがどうだとうまく言葉にならないのだけれど、読んでいると心地の良い場所でぷかぷか浮いているような感覚になる。
そんな気持ちになれる、とてもやさしいお話です。

平屋の家に引っ越してきたばかりの四十路の医者と、その家に現れた幽霊の青年。
設定だけを見ればちょっぴりファンタジーな香りを感じますが、決して突拍子のないものでも、とっつきにくいものでもないんですね。
この絶妙なファンタジー要素がリアルなのにリアルじゃない恋という、不思議な味わいをおいしく引き出してくれています。

ガツンと胸にくるだとか、ドカっと萌えるだとか、そういう雰囲気のお話ではないと思うんですよ。
ああ素敵だな。すごく好きだなあ…と、幽霊たちとの奇妙な日々の中で育つ恋にじわじわと癒され、気が付けば胸がやさしさでいっぱいに満たされてしまうんです。
なんて素敵なお話なんだろうか。

中でも攻めの那須川の愛情深さが本当にすばらしくて。
漣を文字通り心の底から慈しむ彼の姿を見れば見るほど信頼の2文字が頭に浮かぶばかりでした。
年の差ものならではのあたたかみとやわらかな慈しみを感じるこのトーンは、きっとお好きな方も少なくないのではないかな。
身近に感じられる部分もありつつ、地に足のついた包容力のある大人あたりがお好きでしたらぜひ。

那須川のお兄ちゃんの暴走にややストレスを抱くこともありましたが…築50年の平屋で繰り広げられるハートフルストーリーに魅了され、こちらの評価になりました。
きらきらとした綺麗なところだけではなく、家族についてのお話や、漣視点での現実味がある苦しい心理描写があったのも惹かれた理由のひとつかもしれません。

0

やさしい人に恋をした幽霊

「宵星の恋、きらきらと」というなんとも素敵な響きのタイトルと
表紙の美麗絵に惹かれて手に取ったこちら。

先生もあとがきに書かれていましたが、本当にタイトルが美しい…!
宵の時間帯だけどキラキラ発光しているみたいな表紙も相まって、
幻想的な雰囲気。

物語後半、受け視点で描かれる部分がたまらなく切なく心に響き、
グッと面白さが加速したような気がしました。

そして作中に出てくる「(メダカが)ちこちこ泳ぐ姿」という攻めの言葉がなんとも可愛らしく、
印象に残りました。

”ちこちこ”って、メダカの可愛らしさをすごく的確に表してる気がします☺︎
先生の言葉選びが素敵✨

こちら、40歳バツイチの開業内科医である那須川× 那須川の引っ越し先の家に現れた浴衣姿の幽霊青年・漣とのお話になります。

40歳×23歳の歳の差恋愛。
わんこな年下攻めとは違った(←そういう攻めも大好き)、
まさに”包み込む”優しさ、落ち着いた包容力のある那須川の魅力が溢れていました。

特に好きだったのが、作中で漣も「気に入った」と言っていた
”絶望”の話。
どんな名医にも治せない病だけど、不治の病ではない。
それを治せるのは…と語るシーンです。

言葉でも、行動でも常に優しさを見せてくれるけれど、
決して”ふわふわ”しているわけではない。
言うべき時にははっきりと言い、どこまでも漣の体と心のことを考えてくれる那須川。
特に漣視点で読むと、那須川の愛情がこれでもか!と伝わってきて、
もう、なんだかたまらない気持ちになりました。

那須川視点の前半部分は、正直ノンケで妻もいた彼が
一回り以上も年下の青年(しかも幽霊!)に恋をする、というのが
ちょっと唐突にも思えたりしたんですが;

物語が進むにつれて、そして漣視点の後半を読んで
離婚し、今後の人生を孤独に生きることを覚悟した那須川だったからこそ
無邪気に素直に懐いてくる漣に救われ、特別な想いを抱くようになったんだなあ…と
納得。

そして終盤、那須川の語る「二人のビオトープ」を守ってほしい、という言葉が
最高に刺さりました。
なかなか社会復帰ができない、支えられるだけの存在にはなりたくない、と
引け目を感じる漣に対し、那須川が語りかけてくれた言葉。

語彙力がなく、この気持ちを正確に表現できないのがもどかしいのですが、、
これ以上ない「愛」と優しさを感じて、じっとしばらくページを見つめてしまった。。

やさしい人に恋をした幽霊青年のお話、最高に沁みました。
(攻め視点多めだけど、受けの漣視点がとても刺さったので、受け視点で)

美しいタイトルと表紙のイメージと違わない、素敵な恋物語でした✨

3

感情という感情が激しく揺さぶられた心温まる美しい恋の物語

めちゃくちゃ素敵なお話でした〜!!
映像化映えもしそうな雰囲気だし、何よりストーリーがすごくいい。
タイトルにある"きらきら"のオノマトペが作品のイメージ通りで、生と死の狭間にある人間と霊体との純愛に感動至極でした。


幽霊がいっぱい登場するお話ではありますが、全然怖くないです^ ^
医師である那須川が移り住んだ家が男性花魁幽霊たちの溜まり場になっていて、幽霊たちと共存するゴーストハウスが物語の舞台。そこに浴衣姿の青年・漣がひょこっと現れて、那須川と親交を深めていくことからストーリーが始まっていきます。

他の幽霊たちとは違い、会話が出来るし話題も通じるお陰で親交を深めていく2人。
漣の無邪気で明るく素直な性格に惹かれていく那須川の恋は割と早くに動きを見せます。そして漣の方も那須川に好意を持ち、2人の恋愛はそうであることが当然であるかのように想いを通わせていきます。
お互いを想い合う愛しい気持ちに人間も幽霊も関係ありません。そこにいるのは恋をしている男と男で、彼らの愛し合いを遮る理由など何もない世界にときめきました(*´꒳`*)

実体があるかないだけの問題で、2人の交際は順調です。
これ、交際として成立するのかなって疑問でしたが、これが成立するんですよね。
キスしたり、セックスしたり……もちろん肉体的な肌感、温度感を直接感じることは出来ないけど、ちょっとした感覚の違いとか温度差の違いで気持ちよさを感じることはできます。
肉体と肉体との触れ合いとは違う独特のセックスシーンは幻想的で、うわぁぁ〜(〃ω〃)ってなってすごくドキドキしました。また、そのシーンのイラストがめちゃ良くて、文章と絵のベストマッチ度はハンパなかったです!( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾


このまま2人が恋愛関係を続けていくかと言うとそんなことはなくてですね、大きな転機は訪れます。
幽霊系のストーリーにはよく見るかな、この展開は。漣は霊体であって、幽霊ではない……と言えば分かるでしょうか。つまり、そういうことです。
人間と幽霊の恋愛物語として進んできたストーリーに変化が見られるのは物語の後半。物語は次のステージへと進むことになります。
2人の置かれた状況がガラッと変わると同時に、前半は那須川視点、後半は漣視点といった視点が移り変わることで、この物語を多角的に見ることができると思います。


那須川の寄り添いと見守り、漣の苦悩と焦り……那須川の家で幸せに過ごしていた時間とは対照的に、現実の世界に向き合う2人の姿は切なくもありましたが、閉ざされていた記憶の扉を開いたときに現れた景色がもう最高に最高で!!!
すごくドラマチックで、感動的で情緒的。感情が揺さぶられる演出が素敵すぎてヒーハーでした(=´∀`)人(´∀`=)!

那須川が引越しをしなければ、漣が霊体でなければ出会わなかった2人。それに、出会っていたとしても恋愛になど発展しなかったことでしょう。
色んな偶然が重なり合った結果、運命になり得た彼らの素敵な恋をたくさん堪能した物語。ハートフルの文言に違わず、胸が温かく幸せな読後感に包まれました(´∀`*)

2

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