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muchi nochi tsugai
“運命”至上主義？
はじめましての著者様でしたが、試し読みで一読み惚れしちゃいまして。
ストーリーは運命の番の二人が出会う王道オメガバース。
なのですが、斬新なのが当事者の二人ともがバース性に対して無知なこと。
ヒートを自覚したこともないままにΩであることに無頓着に生きてきた颯は
ある日、電車内で“運命の番”である高校生の旭と出会います。
出会った瞬間から強烈に惹かれあう颯と旭ですが、
両者共に己の“バース性”や“運命の番”に無知すぎて空回ってしまい…。
果たして自分たちは本当に運命の番なのか？
友人にアドバイスを求めたり、セックスを試みたり、
試行錯誤を繰り返す二人が初々しくて可愛らしかったです。
初登場時はやんちゃなイメージの颯と無表情＋寡黙な旭でしたが、
いざ出会ってしまうとどちらも純情でデレ度高めだったりと
全体的に糖度は高めでした。
特に旭は颯以外の前ではクールなのに、颯と二人きりだと甘々で
一途ワンコな一面を見せてくれるのが萌えどころでした。
好きな相手の前でだけデレてくれる特別感って大事ですよね！
設定として少し特徴的だったのが
二人が“運命の番”に異様にこだわっていることでした。
二人がお試しでお付き合いをするにあたって
「運命でなかった場合、今後は二度と会わない」などの条件が提示されたり、
運命以外でも番になれる、という可能性がはじめから想定されておらず、
本作中での設定なのか、あるいは二人の間でのみの決まりなのか、
運命至上主義的な世界観でした。
ロマンチックと言えば、そうなのかも？
また、颯と出会ったときにこれまでΩのフェロモンに反応したことがない、
と言っていた旭が後半でモブΩのフェロモンに誘発されていたり、
本編中で「Ωと診断されるまでは女性と付き合ってた」と発言していた颯が
特典漫画では幼少期に既にΩと判明していた描写があったり、
ところどころで引っ掛かりを覚えてしまう部分があり少々気になりました。
ある意味めでたい可愛いピュアカプ
ほじゃな先生の初単行本を拝読させて頂くのが楽しみでした。
個人的、各項目5段階で
可愛い 3
しんみり 2
エロ 2
オメガバース 1
な感じだと思います。
旭くん×颯くんのカプです。
自身のバース性に関心が無いオメガの颯くん。友人から「運命の番」について聞かされても流す程度。そんな時、満員電車内で嗅いだことのない甘ったるい匂いを感じる。しかし匂いの元を辿ることは出来なかったが…。
アルファの旭くんとオメガの颯くんのオメガバース作品で「運命の番」かもしれないが、お互いにバース性への関心も知識も乏しい為、運命の番なのか分からない…となっちゃいます。
友達の柊也くんにはツンツンしていますが、根は真面目でちょっとおバカな颯くんの言動が可愛くて、旭くんのピュアで真っ直ぐな言動にドキッとしたりキュンキュンしてる颯さんの姿が更に可愛いです。
旭くんも、バスケとスイーツ以外の関心が薄かったり感情の起伏が緩やかだけど、颯くんに対してはちょっとワンコな感じになったり、恋愛もしてこなかったので、色々と初めてな経験、感情に戸惑いながらドキドキしてる旭くんだから、そこがまた可愛いです。
絡みでは、何度か良い雰囲気になるのですが、色々とあったりして口だけの奉仕で終わってしまったりするので、ちょっと焦れったかったですね。勿論最後には想いが通じ合って結ばれるのでご安心を。
だけど、あとがきで先生が書いていましたが、番になってからが甘々でハッピーな旭くんと颯くんだと思うので、その後の2人がもっと読みたかったですね。絶対甘々イチャラブ確定だと思います。
オメガバースの世界観では、旭くんと颯くんの無知さ関心の無さには、危機感が無さ過ぎてちょっとそれはどうなんだろう…って思っちゃいますけど、設定としては新鮮で、無知だからこそ手探りだけど少しずつ、自身のバースを理解して、お互いの想いに応えようとする真摯な姿勢が可愛くて応援したくなるので、是非とも読んでほしいです。
