偏屈なクチュリエのねこ活

henkutsu na kuchurie no nekokatsu

偏屈なクチュリエのねこ活
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神67
  • 萌×221
  • 萌7
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

2

レビュー数
19
得点
440
評価数
96
平均
4.6 / 5
神率
69.8%
著者
月村奎 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
野白ぐり 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784199011337

あらすじ

歌もダンスも才能なかったけど、俺はストーカーなんてやってない――!! スキャンダルで芸能界を干され、地方都市に流れ着いたリオン。そこでも野次馬に絡まれ負傷するけれど、「人の店先で騒ぐな」と洋裁店から現れた大我(たい/が)に保護されて…!? 傷が治るまでは置いてやる――不遜に言い放つ拾い主は、時代の寵児と呼ばれた天才デザイナーだった!? 華やかな舞台を去った二人が紡ぐ、恋と再生v

表題作偏屈なクチュリエのねこ活

仲村大我、洋裁店店主
黒谷リオン、ボーイズグループ・パラソルの元メンバー,21歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数19

やさしい世界。

全体的にほんわかしたストーリーです。だからこそなんですけど、不幸エピソード部分がトラウマを抉りそうな感じなので注意喚起です。

・家族から疎外されて愛情不足で育った方。
・過去に付き合っていた相手がストーカー化して怖い目にあったことがある方。

フラッシュバックにご注意ください。また、自分と同じ被害に遭った人に対する評価が辛口になりがち、イライラするという方もお気をつけください。

なお、タイトルに「ねこ活」と入っていますが、リアル猫は登場しません。もののたとえです。


主人公のリオンは、不遇な身の上でしかも尊敬する人に裏切られたことから、過剰に自責の念に囚われ、人生を諦めてしまっています。行くあてもなく放浪していた中、トラブルに巻き込まれたところを大我に助けられます。

ぶっきらぼうで冷たい印象のある大我ですが、家にリオンを居候させてくれ、時折リオンを気遣うそぶりを見せることも。

世間の目から逃れ息を潜めて暮らすリオンでしたが、やがて大我に関わる人たちと交流する中で、人の温かみや優しさを知っていくのでした。


前述した通りにリオンの不遇描写がかなり生々しく痛ましいので、そのぶん大我やその関係者たちの優しさが染みます。過去のせいで物事を極端にネガティブに捉えてしまいがちなリオンの認知の歪みが解れていき、徐々に前向きになっていく様を、読者も慈み応援したくなることでしょう。

一見言葉がきつくて冷たい印象の大我の内に秘めた愛情や情熱も、胸キュン度が高くてよきでした。

2

華やかな舞台から降りた似た者同士の純愛

【今この瞬間のこの幸福感だけで、百年だって生きていける(リオン)】

エロス度★★★

おやおや・・・スキャンダルで芸能界を干されて野良猫になったアイドルが偏屈な大我に保護される展開がいいですね。

無愛想だけどリオンに対して見せる大我の殺傷力の高い数々のギャップにキュンとさせられたり、大我に保護されたリオンが彼に恋をしてしまったり、有菜さんや麗子さんといった優しい人たちと過ごす時間に心の傷が癒されて前向きになっていくのが尊かった。

野良猫みたいに大我に噛みつくリオンの可愛さや恋心をバレないように隠す切なさもたまらなく、愛されたかった猫が愛する幸せを知る物語に胸が熱くなりました。

3

捨て猫を拾ったら

切なさとほっこりのバランスが良くて、いいお話でした。イラストも素敵でした!

大我や周りの人のお陰で、リオンがやっと愛される、愛する喜びを知って成長すること見て感動しました。無愛想けれども、大我の気持ちも伝わります。

ただし、個人的に他の登場人物に比べると大我の存在感が薄かったです。正直にいうと、元妻の有菜の方が印象的でした…

口数が少ない人なのでしょうがないけど、大我の過去の話はほぼ他のキャラから聞くし、みんな「大我はこういう人だよ」と言ったりするけど、実際に彼のそういったアクションを見る機会がもうちょっとあったらなぁと思いました。

3

タイトルのセンスにやられた

相変わらずの切ないと愛しいの混在に萌えまくりの1冊でした。

個人的に本当にこのタイトルが秀逸だなぁとしみじみ。
1冊全部通してずっとリオン視点のお話だったのに、それをデザイナーがねこを可愛がっている日々のお話とまとめ上げるタイトル。じゃあ我々が読んでいたのはねこの語りの恋物語だったのか!と思うとクスッともニヤッともしてしまってなんだかすごく読後ほっこりしました。

あと時々出てきていた柑橘を使った描写。
酸いも甘いもではないですが、酸味甘味苦味香り、どれもすごく脳内に蘇ってくるからこそその瞬間リオンがどんな気持ちを噛み締めていたのかがすごく伝わってきてたまらなくなりました。

4

「ずっと、誰かに愛されたくて、愛されたくて、必死だった。」

月村先生の愛されたい受け、大好き。スキャンダルで芸能界を干されたリオン。たまたま大我の店の前で絡まれていた所、負傷して怪我が治るまで野良猫のように居候することになり。
そこでリオンが色んな人の優しさに触れて前向きになっていく様子がとても良かったです。愛されたくてたまらなかったリオンが愛する喜びを知っていき幸せだと思えるラストでした。表紙のリオンが持っているぬいぐるみも泣いてるリオンの為に大我が作ってくれて。
大我は言葉にはあまり出ないけどリオンのことをとっても好きなのが読者には伝わってくるタイプでした。

5

シャーシャーしつつも健気な受け。

月村さんらしさが詰まった作品だと思います。

月村さんの描く手仕事男子が好きなんですが、今回は攻めが仕立て屋さんで良かったですね。
バンドカラーにサスペンダーパンツが似合う攻めというところにニマニマ(挿絵もとても良き。)

受けのリオンは、生まれてから今に至るまでさんざん裏切られたり嫌われたりした結果、
期待してはいけない、
甘えてはいけない、
信じてはいけない、
と心の中でお念仏のように唱えつつも、
本当は誰かに必要とされること、愛されることを渇望している……という不憫な子。

そんなリオンが洋裁店を営む攻めの大我に拾われて一緒に暮らすことになります。
大我は表情もほぼ変えないし言葉も少ないぶっきらぼうな人なので、どことなくとっきにくい。
でも時折、垣間見える面倒見の良さとか、優しさにキュンとなります。

私は、有限の幸せを噛み締めている受けが好きなんですね。
この幸せは今だけのもので、また独りになったとしてもこの幸せなひとときを思い出せば生きていける、生きていこうみたいな。
(というか、嫌いな人いないはず)

このリオンもそんな子なんです。
P138(電子で)にある「柑橘をぎゅっと搾るみたいに、ほのかな甘さも、酸っぱさも、少しの苦みも〜」という文章は、切なさすらも「今しか味わえない期間限定の貴重なときめきだ」と言い聞かせているリオンの健気な気持ちを、美しく見事に書き表していてさすがだなぁと思いました。

攻めの元奥さんや顧客のおばあちゃまなど、周囲を取り囲む人々も温かい人ばかりで、読んでいて安らぎました。
手作りのウサギ姫とかもいい。
そのうち、リオンにも仕立ててあげるよね?

6

運命的!

イラストが素敵ですね!

月村作品を読むのはお久しぶりです。
新鮮なタイプの攻め、大我でした。
受けことリオンは悲しい境遇で愛情に飢えて主体性も育たず、良くない方へと転がって行ったのがなんとも…。

リオンがせっかく大我に拾われたのに、いや初めてこんな反抗的な態度をとれたのか、シャーシャー言ってて。すぐ虚勢をはったり何でそれ今言っちゃうかなあ?なところが…。

逆になぜ言わない?言わなきゃ!話を聞いてくれるって言ってるのに!なお得意様やらいたのに…。迷惑かけたくないって突っ走る方角が、違う違うそっちじゃない!っていうか…。

大我がそんなにリオンに振り回されてるの?具体的には?ムラムラだけど我慢してる以外にどこ?可愛くて仕方ないのに無愛想で言葉も少なくて本当はもっと愛でたいの?
大我視点も2ページくらいあったらなあ。

いいお話でしたがリオンの1/10でもいいので大我にしゃべって欲しかったです。
まあ伝わるんですがね、そこをやはり言葉でも欲しいわけですよ、こちらも。

5

まず、タイトルが良!!

生い立ちが複雑なリオンは、最近までアイドルグループの一員だった。
しかし、それもドラマの共演者で婚約者のいる俳優へのストー○ー騒ぎで解雇されてしまい、ほとぼりが冷めるまでと北関東のホテルへ避難する。

が、資金が底を尽きそうだったある日、街でリオンは2人組の男性に正体を暴かれ、執拗に追い回されそうになってしまう。
そのとき、リオンたちが立っていた店のシャッターが開き、長身の男が出てきて、、、



タイトルの「偏屈なクチュリエ」は、攻めのこと。
「ねこ活」のねこは、おそらく野良ねこ状態だった受けのこと。


寡黙でとっつきにくい攻めが受けを拾い、分かりずらいけれど、どことなく受けを大切に、愛おしく想っている片鱗が、少しづつ垣間見えていく過程がとても好きでした。

あと個人的な好みの問題なのですが、攻めは元妻の亡き兄のことが好きだったのですが、暗に、攻めはゲイですと作中には言及してなくて。
ゲイなのかを敢えてはっきりはさせていないけれど、元妻有菜から語られる攻めの若かりし頃の恋エピソードが、切ないけれど好きでした。


そしてこういう攻めほど、受けへの愛が激重だったりするんですよねえ♡
お墓参りの場面を、のちに受けが主だった説明を、攻めがわざわざ伝えるシーンもよかったです。
もう、過去の好きだった人じゃなく、受けが好きだよ…と。


受けもまた、生い立ちが複雑すぎて拗らせていて。
でも、その拗らせていたなかでも、ストー○ーの件を含め、攻めを初めとした自分を大切にしてくれた人を想って、迷惑をかけたくないと奮闘する姿がいじらしくて…。
最終的に、攻めを始めとした2人を取り巻く脇キャラの麗子さんや、元妻の有菜など、温かい人たちとの出会いによって居場所を獲得し、愛を得て、やりたいことを見つける姿には、応援の気持ちしかありませんでした。
これから頑張るんだよ、リオン。(商店街のひとの気持ち)


野白ぐり先生のイラストもお話にぴったりで、キャスティングした方、天才じゃない?? と思った1冊でした。

6

保護猫

先生買い。安定の月村先生だったと思いますが、攻め受けともキャラがそんなに刺さらなかったので萌にしました。本編230P+あとがき。

仕事を首になり1か月。華やかな都心から北関東に場所を移し、ビジネスホテルに引きこもっていたものの資金が尽きた時に、人に絡まれていたところを助けてくれたのは、商店街で洋裁店を営んでいる大我で・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
攻め元嫁、攻めの店の上客のお年を召したご婦人、木島(受けとスキャンダルになる俳優)、隼(故人)。

++ 攻め受けについて

攻めは大人気だったデザイナーさんなんだけど、訳あって今はひっそり洋装店を営んでいる方。自分でカットしてミシンかけて。ちょっとメンタル的に不安定そうだなと思ったら、ささっとツイードでぬいぐるみを縫って受けに渡したり。言葉数は多くなく、表情も豊かではないので、何考えてんだ?とは思うものの、悪い奴ではなさそう・・という感じの序盤でした。

受けは父親知らず、母親は亡く、引き取られ先でも上手くいかなかったところを、スカウトで家を出た方。アイドルグループの一員にはなったものの、二世俳優さんとなし崩し的に関係を持つようになったのをすっぱ抜かれて。攻めと出会った時は、警戒心むき出し、しゃーしゃー言っているだけの野良猫に近い状態。なんか人生上手くいかないもんだよな・・としょっぱい気持ちになりますね。
傷ついた状態の受けが、攻めを好きになるタイミングが、ちょっと早いなあと感じてしまったのと、しゃーしゃー言う部分がそんなに好きじゃなかったので、少し萌が下がっちゃったでした。

そんな受けを、攻めや攻めの元嫁(ええ嫁や・・・)、攻めの店の顧客(温かいおばあちゃん♡)が少しずつ関わって受け入れて・・・というお話でした。なんどでもやり直し、頑張っていってね、と思う一冊でした。

6

居場所のない猫を拾ったのは

今回は洋裁店店主と元アイドルのお話です。

スキャンダルで悪者扱いされた受様が
攻様との出会いによって偽らない自分の居場所を得るまで。

受様には父の記憶が無く5才で母が亡くなると
施設に行くでしたが、妹の死を知った伯父に引取られます。

伯母は心から賛成していた訳ではなく
従弟妹達とも仲良くなれず冷遇されるようになります。

顔の良さだけが悪目立ちして学校でも孤立していた受様は
小さな芸能事務所社長に熱烈な口説かれた事で
高2で中退して事務所入りします。

翌年アイドルグループの脱退メンバーの穴埋めに抜擢されて
デビューし、SNS等で認知度を上げてファンも得ますが

ドラマ撮影で知合った若手俳優の好意を拒めずに交際した事で
スキャンダルとなり、若手俳優を守る事務所の圧力で
所属事務所を解雇されてしまうのです。

1か月所持金が底を尽きるも人目が怖く仕事探しもできず
北関東の街に流れ着いた受様は商店街で
酔っ払いに絡まれとしまいます。

騒動に気付いた店主の攻様が持つハサミが
視界に入った受様は衝動的に手を伸ばしてもみ合いとなり
縫うほどの怪我をしてしまうのです。

攻様は「怪我が治るまでおいてやる」と言いますが・・・

スキャンダルで芸能界を追い出された受様が
洋裁店店主である攻様との出会いで生き方を変えていく
恋物語になります♪

好き作家さんなのであらすじも独で読み始めましたが
読み進めるほどにカバーイラストに集約された
愛情と居場所を求めてもがく受様の寂しさと
暴君風味を纏いながらの攻様の不器用な優しさが
滲むとても素敵な物語でした。

攻様は祖母から継承した洋裁店を営む青年ですが
かつては友人とタッグを組んで活躍したデザイナーであり
病に倒れた友人ためにとその妹との婚姻までしていて
なかなか複雑な過去を持つ人物です。

そのため傷ついて行き場のないだろう受様を
見捨てられずに手を差し伸べるのですが
見返りを求めないために真意を伝える事もしないので
受様にとっては謎な人物なのです。

受様と口説きながらバレると切り捨てた若手俳優
攻様の元妻で料理教室を開く雑貨屋店主
攻様の洋裁店の顧客である老婆

受様がゆっくりとした日々の中で
徐々に攻様への恋を自覚していく過程にドキドキし
若手俳優の影が伸びてきてハラハラし
受様の恋が実を結ぶまで楽しく読ませて頂きました。

特に攻様が経過しまくる受様を猫扱いしたり
慰めるためにぬいぐるみを作り、服を作るエピソードに
めちゃくちゃ萌えました ヾ(≧▽≦)ノ

4

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